この記事でわかること
- 粉体・粒体が搬送工程でこぼれる主な原因
- 原料ロスが製造現場に与える影響
- 人力投入でこぼれやすくなる理由
- 搬送経路を密閉化するメリット
- 回収した原料を再利用する考え方
- 空気搬送機ジェクターを活用した改善方法
- エコワークによる現場に合わせた設備提案
はじめに
工場やプラントで粉体・粒体を扱っていると、
「原料投入時に床へこぼれる」
「コンベア周辺に材料が溜まる」
「毎日清掃しているのに、またすぐ汚れる」
といった問題が発生することがあります。
一回あたりの量は少なく見えても、毎日繰り返されれば、
- 原料ロス
- 清掃作業
- 廃棄物の増加
- 作業者の負担
- 粉じんの発生
につながります。
実際、既存記事でもコンベアやホッパー周辺への原料堆積と、定期的な清掃作業の必要性を取り上げています。
そこで重要になるのが、
「こぼれた材料を清掃する」だけではなく、「そもそも材料をこぼしにくい搬送方法にする」
という考え方です。
本記事では、粉体・粒体が搬送工程でこぼれる原因と、原料ロス・清掃作業を減らす方法について解説します。
粉体・粒体はどこでこぼれる?
製造現場では、さまざまな場所で原料のこぼれが発生します。
代表的なのが、
- フレコンバッグからの投入
- 紙袋からの投入
- ホッパーへの投入
- コンベアの乗り継ぎ部分
- 設備への投入部分
- 回収容器への排出
- 原料の積み替え
などです。
特に、
「人が材料を持ち上げて、別の容器へ移す工程」
では、材料が外部へ露出するため、こぼれや飛散が発生しやすくなります。
原料のこぼれは単なる「掃除の問題」ではない
床に原料が落ちていると、
「あとで掃除すればいい」
と考えてしまいがちです。
しかし、原料のこぼれには複数のコストが発生しています。
例えば、
原料を購入する
↓
搬送中に一部がこぼれる
↓
作業員が清掃する
↓
回収する
↓
廃棄する
という工程になれば、
購入した原料を捨てるために、さらに人件費を使っている
ことになります。
少量のロスでも年間では大きくなる
例えば、1日に数kg程度の原料がこぼれていたとしても、
毎日稼働する工場では年間で相当な量になります。
さらに高価な原料であれば、少量のロスでもコストへの影響が大きくなります。
そのため、
「1回にどれだけこぼれるか」ではなく、「年間でどれだけ失っているか」
という視点で考えることが重要です。
人力による積み替えは原料ロスが発生しやすい
例えば、
フレコンバッグ
↓
スコップ
↓
バケツ
↓
台車
↓
ホッパー
という工程があるとします。
人が材料を持ち替える回数が増えるほど、
- すくう
- 持ち上げる
- 運ぶ
- 投入する
という作業が増えます。
そのたびに材料が外部へ露出するため、こぼれや飛散が発生する可能性があります。
「人が運ぶ工程」を減らす
粉体・粒体搬送を改善する一つの考え方が、
人が材料そのものを運ぶ工程を減らすこと
です。
既存記事でも、可搬式搬送設備によって「資材を人が運ぶ」工程を減らし、作業時間短縮・身体的負担軽減・少人数運用につながる可能性を紹介しています。
例えば、
フレコンバッグ
↓
搬送設備
↓
ホッパー
と直接搬送できれば、中間の積み替え工程を減らせます。
搬送経路をできるだけ閉じる
原料ロスを減らすうえで重要なのが、
搬送経路をできるだけ外部へ開放しないこと
です。
例えば、
スコップ
↓
バケツ
↓
台車
では、材料が常に外気へ露出しています。
一方、
吸引口
↓
ホース
↓
搬送設備
↓
ホース
↓
投入先
という構成であれば、材料の多くをホース内部で移動させることができます。
空気搬送ならホース内部で材料を移動できる
空気搬送機は、空気の流れを利用して粉体・粒体を搬送します。
空気搬送機「ジェクター」では、
搬送物
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
搬送先
という流れで材料を移動させます。
そのため、
人が材料を持って歩く工程そのものを減らせる
可能性があります。
原料投入にも活用できる
ジェクターは回収だけでなく、原料を別の設備へ投入する用途にも使用できます。
既存記事でも、各種粉体・粒体原料をホッパーへ投入する用途や、高所設備への投入に活用できる場合があることを紹介しています。
例えば、
フレコンバッグ
↓
ジェクター
↓
ホッパー
という設備構成です。
スコップやバケツによる投入工程を減らせれば、作業者の身体的負担軽減にもつながります。
高所ホッパーへの人力投入も見直せる
ホッパーの投入口が高い場所にあると、
原料を持ち上げる
↓
階段や作業床まで運ぶ
↓
ホッパーへ投入する
といった作業が発生する場合があります。
重量物を扱う場合には、作業者への負担も大きくなります。
空気搬送を利用すれば、地上側からホースを伸ばし、高所設備へ搬送できる場合があります。
こぼれた原料の回収にも使える
完全にこぼれをゼロにすることが難しい現場もあります。
その場合には、
こぼれた材料を効率よく回収する
ことも重要です。
例えば、
- ホッパー周辺
- コンベア下
- 設備周辺
- 床面
- ピット
などへ堆積した材料です。
ジェクターを使用すれば、床面などに堆積した粉体・粒体を吸引して、回収容器へ搬送する用途にも活用できます。既存記事でも同様の用途を紹介しています。
回収した原料を再利用できる場合もある
こぼれた材料が必ずしも廃棄物になるとは限りません。
搬送物や現場条件によっては、
回収
↓
異物などを確認
↓
再利用
できる場合があります。
既存記事では、こぼれた炭酸カルシウムやタルクなどを回収し、条件によって再利用することで原料ロス低減につながる可能性も紹介しています。
ただし、再利用の可否は製品品質や衛生条件などによって異なるため、現場ごとの判断が必要です。
原料ロスだけでなく清掃時間も減らす
こぼれを減らすメリットは、材料費だけではありません。
床へ材料が落ちれば、
- ほうきで集める
- スコップですくう
- 袋へ入れる
- 台車で運ぶ
- 廃棄する
といった清掃作業が発生します。
つまり、
材料がこぼれるたびに清掃工数も発生している
ということです。
毎日の「少しの清掃」を見直す
例えば1回15分の清掃でも、
毎日
×
複数人
×
複数箇所
となれば、年間では大きな工数になります。
設備改善では、
「大きな作業を一気に自動化する」
だけでなく、
毎日繰り返されている小さな作業を減らす
ことも重要です。
粉じん対策にもつながる
粉体を人力で投入すると、
- 袋を開ける
- スコップですくう
- 容器へ投入する
際に粉じんが発生する場合があります。
既存記事でも、原料投入や設備清掃では粉じんが発生しやすく、作業環境改善が課題になるケースを取り上げています。
ホース内部を利用して搬送することで、材料が外気へ露出する工程を減らせる可能性があります。
ただし粉じん対策は搬送機だけでは完結しない
微粉体を扱う場合には、搬送先で空気と材料を分離する必要があります。
その際、排気処理が不十分だと搬送先で粉じんが飛散する可能性があります。
そのため、
- 搬送物の粒径
- 発じん性
- 搬送量
- 排出方法
- 集粉方法
まで含めて設備構成を考える必要があります。
集粉機ジェクロンとの組み合わせ
微粉体や粉じんが多い材料では、集粉機「ジェクロン」と組み合わせる方法があります。
例えば、
搬送物
↓
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
フレコンバッグ
という構成です。
ジェクターとジェクロンを組み合わせることで、回収・搬送・集粉・フレコンバッグへの回収までを効率化できます。既存記事でも、ボイラー内部清掃などでこの構成を紹介しています。
コンベアからの落下物回収にも活用できる
工場では、
コンベア下に材料が少しずつ堆積する
ことがあります。
毎回人が清掃しているのであれば、ジェクターを必要なタイミングで移動させて回収する方法も検討できます。
可搬式設備であれば、1台を複数の清掃場所へ持ち回る運用も可能です。
1台を「搬送」と「清掃」の両方へ使う
例えば通常運転時には、
フレコン
↓
ジェクター
↓
ホッパー
として原料搬送に使用。
生産終了後には、
床面
↓
ジェクター
↓
回収容器
として清掃に使用する方法です。
つまり、
原料を運ぶ設備と、こぼれた原料を回収する設備を1台で兼用する
という考え方です。
原料ロス対策では「工程数」を見る
改善前が、
フレコン
↓
スコップ
↓
バケツ
↓
台車
↓
ホッパー
であれば、材料を何度も持ち替えています。
改善後に、
フレコン
↓
ジェクター
↓
ホッパー
とできれば、工程そのものを減らせます。
原料ロスを改善するときは、
「どこでこぼれているか」だけでなく、「材料を何回持ち替えているか」
を見ることが重要です。
搬送設備導入前に確認したいポイント
原料ロス対策として空気搬送設備を検討する場合には、次の条件を確認します。
これらによって適した設備構成が変わります。
湿った材料や固まりがある場合は事前確認が必要
すべての粉体・粒体を同じ条件で搬送できるわけではありません。
例えば、
- 水分を多く含む
- 粘着性が高い
- 大きな塊がある
- 配管内へ付着しやすい
材料では、搬送条件を事前に確認する必要があります。
「粉体だから搬送できる」と判断するのではなく、実際の材料状態を確認することが重要です。
摩耗性の高い材料にも注意する
例えば、
などでは、搬送時の摩耗も考慮する必要があります。
ジェクターでは特に排出側の摩耗を考慮し、搬送物に応じて耐摩耗仕様のホースなどを検討します。
原料ロス削減は省人化にもつながる
原料ロスを減らすことは、
「材料費を減らす」
だけではありません。
こぼれが減る
↓
清掃が減る
↓
運搬が減る
↓
廃棄作業が減る
というように、周辺作業そのものを減らせる可能性があります。
人手不足が課題になっている現場では、
直接生産に関係しない清掃・運搬作業をどれだけ減らせるか
も重要な改善ポイントです。
エコワークでは実際の搬送物を確認して設備を選定します
粉体・粒体は、
同じ名称の材料でも、
- 粒径
- 水分
- 形状
- 比重
- 流動性
によって搬送状態が変わります。
そのため、エコワークでは、
「粉体だからこの機種」
と単純に判断するのではなく、
実際の搬送物と現場条件を確認しながら設備構成を検討します。
必要に応じて、
- ジェクター
- ジェクロン
- ホース
- コンプレッサー
などを組み合わせてご提案します。
まとめ
粉体・粒体のこぼれは、一見すると小さな問題に見えるかもしれません。
しかし、
- 原料ロス
- 清掃時間
- 廃棄作業
- 人件費
- 粉じん
- 作業者負担
まで含めると、改善効果が大きくなる可能性があります。
重要なのは、
「こぼれた材料をどう掃除するか」だけでなく、「材料をこぼしにくい工程にできないか」
という視点です。
空気搬送機ジェクターを利用すれば、
搬送物
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
搬送先
と、ホースを利用して材料を搬送できます。
さらに、こぼれた材料の回収にも同じ設備を利用できるため、
「投入・搬送」と「回収・清掃」を1台で行う
という運用も検討できます。
「毎日原料が床へこぼれている」
「ホッパー投入を人力で行っている」
「コンベア下の清掃に人手がかかっている」
「こぼれた原料を再利用したい」
といった課題がある場合は、お気軽にエコワークまでお問い合わせください。
搬送物・搬送量・距離・設備配置などを確認し、現場に合った搬送・回収方法をご提案します。
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