エア搬送とは?仕組み・種類・メリット・デメリットと粉体搬送のポイントを解説

粉体や粒体を工場内で移動させる方法の一つに、エア搬送(空気搬送)があります。

エア搬送とは、空気の流れを利用して粉体・粒体などを配管やホースの中で搬送する方法です。

ベルトコンベヤやスクリューコンベヤとは異なり、配管・ホースを利用して搬送できるため、

  • 離れた場所まで材料を送りたい
  • 高い場所へ粉体・粒体を搬送したい
  • 工場内の限られたスペースで搬送ラインを作りたい
  • 粉じんの飛散を抑えながら回収・搬送したい
  • 人が袋や台車で運んでいる作業を省力化したい

といった現場で活用されています。

一方で、粉体の粒径・比重・含水率や搬送距離、配管レイアウトなどによって搬送性能が変化するため、対象物に合った設備・条件を選定することが重要です。

この記事では、エア搬送の仕組みや種類、メリット・デメリット、搬送できるもの、設備選定で確認したいポイントまで解説します。

エア搬送とは?

エア搬送とは、空気の流れを利用して粉体や粒体などを配管・ホース内で搬送する方式です。

「空気搬送」「空気輸送」「空気圧送」「ニューマチックコンベヤ」などと呼ばれることもあります。

ブロワー、真空ポンプ、コンプレッサーなどによって空気の流れを作り、その気流を利用して搬送物を目的の場所まで運びます。

機械的に材料を運ぶベルトコンベヤやスクリューコンベヤとは異なり、空気と配管・ホースを利用することが大きな特徴です。

そのため、工場・プラント・発電所・建設現場など、さまざまな場所で利用されています。

エア搬送の基本的な仕組み

エア搬送では、搬送物と空気を配管内へ取り込み、空気の流れによって目的地まで移動させます。

基本的には、

材料を取り込む

空気とともに配管・ホース内を搬送

目的地で材料と空気を分離

材料を排出

という流れです。

ただし、実際の設備構成は搬送方式によって異なります。

対象物の性状や必要な搬送量、距離、高低差などに応じて、適切な方式を選定する必要があります。

エア搬送にはどんな種類がある?

エア搬送は、大きく分けると圧送式・吸引式・吸引圧送式などがあります。

圧送式

圧送式は、空気によって材料を押し出すように搬送する方式です。

材料を供給する側から圧力をかけ、配管を通して目的地まで送ります。

一つの供給地点から複数の場所へ材料を送る設備などで利用されます。

吸引式

吸引式は、配管内を負圧にして材料を吸い込んで搬送する方式です。

ホースや吸引口から材料を取り込めるため、

  • 床に堆積した粉体の回収
  • 設備内部の残留物回収
  • サイロやホッパーからの抜き出し
  • 複数箇所からの材料回収

などにも利用できます。

吸引・圧送を組み合わせる方式

材料を吸引して取り込み、そのまま離れた場所まで搬送・排出する方式もあります。

エコ・ワークが取り扱う空気搬送機「ジェクター」も、圧縮空気を動力として対象物の吸引・搬送・排出を行う搬送機です。

エア搬送で搬送できるもの

エア搬送は、さまざまな粉体・粒体の搬送に利用されています。

例えば、

などがあります。

ただし、「粉体・粒体なら何でも同じ条件で搬送できる」というわけではありません。

実際の搬送可否や必要能力は、

などによって変わります。

そのため、設備導入前には対象物の性状を確認することが重要です。

エア搬送のメリット

配管・ホースを利用して柔軟に搬送できる

エア搬送は、配管やホースを利用して材料を搬送できます。

ベルトコンベヤなどを設置しにくい場所でも、配管ルートを工夫することで搬送ラインを構築できる場合があります。

工場設備の間、狭い場所、高所など、設置スペースに制約がある現場でも検討できます。

長距離・高所への搬送に対応しやすい

条件に適した設備を選定することで、水平方向だけでなく垂直方向への搬送にも利用できます。

例えば、

「1階で回収した材料を上階へ送りたい」

「設備から回収した材料を建屋外のサイロまで送りたい」

といった工程にも活用できます。

ただし、搬送距離や高低差が大きくなるほど必要な空気量や圧力などの条件も変わるため、事前確認が必要です。

搬送経路を密閉しやすい

材料を配管やホース内で搬送するため、開放型の搬送方法と比較して搬送物が周囲へ飛散しにくい構成にできます。

粉じんが発生しやすい材料では、作業環境改善の観点からもメリットがあります。

人による運搬作業を減らせる

粉体・粒体を、

袋へ入れる → 人が運ぶ → 別の設備へ投入する

という作業を行っている現場もあります。

工程をエア搬送へ置き換えることで、袋詰め・台車運搬・投入作業などを削減できる可能性があります。

人手不足対策や省力化を検討する際にも活用できます。

回収と搬送を一つの工程にできる場合がある

吸引式の設備では、対象物をホースで吸引しながら目的地まで搬送できます。

そのため、

回収 → 容器へ投入 → 運搬 → 再投入

と複数工程に分かれていた作業を、

吸引 → 搬送 → 排出

へまとめられる場合があります。

エア搬送のデメリット・注意点

配管詰まりが発生することがある

搬送速度や材料供給量、配管径などが適切でない場合、配管内部に材料が堆積して閉塞することがあります。

特に、

  • 水分を含む粉体
  • 付着性の高い材料
  • 材料供給量が多すぎる
  • 配管の曲がりが多い
  • 搬送距離が長い

といった条件では注意が必要です。

配管閉塞については、「粉体搬送で配管が詰まる原因とは?現場でよくあるトラブルと対策を解説」でも詳しく解説しています。

粉体・粒体の性状によって搬送性能が変わる

同じ設備でも、搬送する材料が変われば性能も変化します。

例えば、乾燥した粉体では問題なく搬送できても、水分を含むことで付着や固結が発生し、搬送しにくくなることがあります。

粒径だけで判断せず、比重・含水率・付着性・形状などを総合的に確認することが重要です。

摩耗対策が必要な場合がある

砂、ブラスト材、焼却灰など摩耗性の高い材料では、配管やホース、搬送機内部が摩耗する場合があります。

特に材料の流れが変化する曲管部などは摩耗しやすいため、対象物に応じた材質・構造を検討する必要があります。

空気源が必要

エア搬送設備を動かすためには、ブロワーや真空ポンプ、コンプレッサーなどの空気源が必要です。

既設設備を利用する場合でも、必要な空気量・圧力を供給できるか確認する必要があります。

エア搬送とコンベヤによる搬送の違い

エア搬送とベルトコンベヤ・スクリューコンベヤでは、それぞれ得意な条件が異なります。

エア搬送が向いているケース

  • 配管・ホースで離れた場所へ送りたい
  • 高所へ搬送したい
  • 狭い場所を通したい
  • 粉じんの飛散を抑えたい
  • 材料を吸引しながら回収したい
  • 既存設備間の人力搬送を減らしたい

一方、一定ルートで大量の材料を連続搬送する場合などは、ベルトコンベヤやスクリューコンベヤが適していることもあります。

どの方式が優れているかではなく、搬送物・搬送量・距離・設備レイアウト・運用方法に合わせて選ぶことが重要です。

エア搬送設備を選ぶときに確認したいポイント

1.何を搬送するのか

粒径だけでなく、

  • 比重・かさ密度
  • 含水率
  • 付着性
  • 摩耗性
  • 流動性
  • 粒子形状

なども確認します。

2.どれくらい搬送するのか

必要な搬送能力を検討するため、1時間あたりの搬送量や1回あたりの処理量を確認します。

3.どこからどこまで搬送するのか

水平距離だけではなく、

  • 垂直方向の高低差
  • 配管の曲がり
  • エルボ数
  • ホース径・配管径

なども重要です。

4.どのように材料を取り込むのか

床から吸引するのか、ホッパーから抜き出すのか、既存設備へ直接接続するのかによって必要な構成が変わります。

5.どこへ排出するのか

フレコン、ホッパー、サイロ、既存設備など、排出先についても確認します。

エア搬送は入口だけでなく出口まで含めて設備構成を考えることが重要です。

エア搬送でよくあるトラブル

代表的なものとして、

  • 配管詰まり
  • 搬送量の低下
  • 粉体の付着
  • ホッパー内でのブリッジ
  • 粉体の固結
  • 配管・ホースの摩耗
  • 空気量不足
  • 水分による搬送性の変化

などがあります。

例えば「配管が詰まった」と思っていても、実際にはホッパー内でブリッジが発生し、材料が正常に供給されていない場合もあります。

そのため、トラブルが発生した際は一部分だけを見るのではなく、

材料供給 → 吸引・投入 → 配管 → 排出

まで搬送ライン全体を確認することが重要です。

圧縮空気式の空気搬送機「ジェクター」

エコ・ワークでは、圧縮空気を利用して粉体・粒体などを吸引・搬送する空気搬送機「ジェクター」を取り扱っています。

ジェクターは駆動部を持たないシンプルな構造で、対象物を吸引して配管・ホースを通じて目的地まで搬送できます。

例えば、

  • ブラスト材の回収
  • 焼却灰・フライアッシュの回収
  • 木質ペレット・PKSの搬送
  • 工場内の粉体・粒体回収
  • サイロへの搬送
  • 設備から設備への工程間搬送

などで利用されています。

また、既存設備の排出口などへ接続し、回収した材料をそのまま次工程へ送るような構成も検討できます。

空気搬送機「ジェクター」の製品情報はこちら

実際の対象物で搬送テストも可能

エア搬送では、カタログ上の粒径や比重だけで搬送可否を判断するのが難しい場合があります。

同じ種類の材料でも、

  • 水分量
  • 粒度分布
  • 形状
  • 付着性
  • 搬送距離
  • 高低差

などによって結果が変わるためです。

エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。

「この粉体を搬送できるか確認したい」

「現在の人力搬送を省力化したい」

「100m以上離れた場所へ送りたい」

「既存設備へ組み込めるか確認したい」

といった場合は、対象物や搬送距離、現場条件をお知らせください。

よくある質問

エア搬送と空気搬送は違うものですか?

一般的には、どちらも空気の流れを利用して粉体・粒体などを搬送する方式を指す言葉として使われています。設備や業界によって「空気輸送」「空気圧送」などと呼ばれる場合もあります。

エア搬送では何mくらい搬送できますか?

設備能力や対象物、配管径、供給空気量、高低差、曲管数などによって異なります。そのため、距離だけで搬送可否を判断することはできません。

湿った粉体もエア搬送できますか?

含水率や付着性によって搬送性が大きく変わります。水分によって材料が付着・固結する場合もあるため、実際の対象物で確認する方法があります。

エア搬送は粉じん対策になりますか?

配管やホース内で搬送するため、開放状態で運ぶ方式と比較して粉じんの飛散を抑えやすい構成にできます。ただし、投入部や排出部を含めた設備全体で粉じん対策を検討する必要があります。

エア搬送設備は既存設備へ後付けできますか?

設備条件によっては可能です。ホッパー・サイロ・粉じん回収機・既存配管などの接続部や、必要な搬送能力、空気源などを確認して構成を検討します。

まとめ

エア搬送は、空気の流れを利用して粉体・粒体などを配管・ホース内で運ぶ搬送方式です。

配管を利用できるため、長距離・高所・狭所などにも対応しやすく、人力による運搬や袋詰め作業の省力化にも活用できます。

一方で、搬送性能は粒径・比重・含水率・付着性・搬送距離・配管レイアウトなど多くの条件によって変化します。

そのため、

「何を・どれだけ・どこから・どこまで・どのように運ぶのか」

を整理したうえで設備を選定することが重要です。

エコ・ワークでは、圧縮空気式の空気搬送機「ジェクター」を取り扱っており、実際の対象物を使用した搬送テストにも対応しています。

粉体・粒体の搬送方法の見直し、人力作業の省力化、既存設備への組み込みなどをご検討の場合は、お気軽にご相談ください。

設備導入をご検討の方へ

ジェクターの導入に
補助金を活用できる可能性があります

人手不足や作業負担の軽減を目的とした設備導入では、 中小企業省力化投資補助金などを活用できる場合があります。 必要に応じて、見積書・製品仕様・導入効果など、 申請に必要となる設備関連資料の作成をお手伝いします。

※補助対象となるかどうかは、導入内容や事業計画、公募要件等によって異なります。

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