この記事でわかること
- 工場内の複数箇所で発生する粉体・粒体回収の課題
- 各設備へ専用搬送設備を設置する場合の問題点
- 可搬式設備を利用するメリット
- 工場内エアーを利用した運用方法
- ジェクターを複数用途へ活用する考え方
- 長距離・高所搬送への対応
- エコワークによる全国での運用サポート
はじめに
製造工場やプラントでは、
- コンベア下
- ホッパー周辺
- 製造設備内部
- 原料投入場所
- ピット
- 集じん設備周辺
など、工場内のさまざまな場所で粉体・粒体の回収・搬送作業が発生します。
それぞれの場所へ専用の搬送設備を設置できれば便利ですが、
- 設備費が大きくなる
- 設置スペースが必要になる
- 電源や配管工事が増える
- 使用頻度の低い設備まで保有することになる
といった課題があります。
そこで検討したいのが、
1台の搬送設備を必要な場所へ移動させながら使用する
という方法です。
空気搬送機「ジェクター」は、圧縮空気を動力として使用し、ホースを利用して粉体・粒体を吸引・搬送できる設備です。
可搬式として運用できるため、
1台を工場内の複数工程や清掃作業へ活用する
ことも可能です。
本記事では、工場内の複数箇所で発生する粉体・粒体回収を効率化する方法と、可搬式空気搬送機を活用するメリットについて解説します。
工場では一つの場所だけで粉体が発生するとは限らない
粉体・粒体を扱う工場では、材料が一つの設備だけに存在するわけではありません。
例えば、
原料受入
↓
搬送設備
↓
製造設備
↓
排出
↓
回収
という工程の中で、それぞれの場所に粉体・粒体が残ることがあります。
また、
- 原料のこぼれ
- コンベアからの落下
- ホッパー内部の残留物
- 設備清掃時の回収物
なども発生します。
そのため、
「この場所だけ回収できればよい」
ではなく、工場全体で複数の回収作業が発生しているケースも少なくありません。
各場所へ専用設備を設置するとコストが増える
例えば工場内に5か所の回収ポイントがある場合、それぞれへ専用の設備を設置すると、
- 搬送機
- 配管
- 電源
- 制御設備
- 架台
- 据付工事
などが必要になる可能性があります。
しかし、その回収作業が、
- 週1回
- 月1回
- 定期修繕時のみ
という使用頻度であれば、すべての場所へ固定設備を設置することが最適とは限りません。
「設備を固定する」のではなく「必要な場所へ持っていく」
こうした現場では、
搬送設備を必要な場所へ移動させて使用する
という考え方があります。
例えば、
月曜日
→ 設備Aの清掃
水曜日
→ 原料投入設備で使用
金曜日
→ 設備Bの残留物回収
というように、1台を複数用途で使用します。
これにより、使用頻度の低い作業ごとに専用設備を導入する必要を減らせる可能性があります。
可搬式設備が向いている現場
特に、
- 回収場所が複数ある
- 作業頻度が一定ではない
- 工場レイアウトが変わる
- 定期修繕時のみ使用する
- 固定設備を設置するスペースがない
といった現場では、可搬式設備が有効です。
ジェクターは圧縮空気を利用する空気搬送機
空気搬送機「ジェクター」は、圧縮空気を動力として、
- 吸引
- 搬送
- 投入
- 排出(散布)
を行うことができます。
本体内部には、
- 電動モーター
- ベルト
- チェーン
- 回転羽根
などの駆動装置を持たないシンプルなストレート構造です。
そのため、工場内で持ち回りながら使用する設備としても運用しやすい特徴があります。
工場内エアーを利用できればさらに使いやすい
ジェクターは、コンプレッサーだけでなく、条件が合えば工場内に整備された既設エアーを利用することもできます。
例えば工場内に複数のエアー取り出し口がある場合、
設備A
↓
工場エアー
↓
ジェクター
で使用した後、
設備Bへ移動
↓
別のエアー取り出し口
↓
ジェクター
という運用も検討できます。
つまり、
設備そのものだけでなく、工場内の既設インフラも共用する
という考え方です。
工場エアーを使う場合は供給能力を確認
ただし、
エアー取り出し口があれば必ず使える
というわけではありません。
確認したいのは、
- 圧力
- 空気量
- エアー配管径
- 取り出し口径
- 他設備との同時使用
などです。
ジェクターを接続する場所によって供給条件が異なる場合もあります。
そのため、複数箇所で使用する場合には、各エアー取り出し口の条件を確認することが重要です。
可搬式なら工場内の「清掃設備」としても活用できる
粉体搬送機というと、
「原料をA地点からB地点へ送る設備」
というイメージがあります。
しかしジェクターは、吸引機能を利用して、
- コンベア下のこぼれ
- 設備周辺の堆積物
- ピット内の資材
- ホッパー内部の残留物
などを回収する用途にも使用できます。
つまり、
搬送設備+工場内清掃設備
として活用することも可能です。
原料投入にも同じ設備を利用できる
ジェクターは回収だけではありません。
例えば、
フレコンバッグ
↓
ジェクター
↓
ホッパー
という設備構成によって、粉体・粒体を設備へ投入することもできます。
そのため、
午前
→ 工場内清掃
午後
→ 原料投入
といったように、同じ設備を複数用途へ利用することも検討できます。
長距離搬送にも対応可能
工場内では、
「回収場所から排出場所が遠い」
というケースもあります。
ジェクターでは、搬送物や圧縮空気供給能力、ホース径、搬送ルートなどの条件によって、排出側で200m程度の長距離搬送が可能なケースがあります。
そのため、
- 工場の反対側
- 別棟
- 屋外ヤード
- 離れたフレコン回収場所
などへ搬送できる可能性があります。
条件によっては高さ100m程度の搬送にも対応
ジェクターでは、条件によって高さ100m程度の高所搬送が可能なケースもあります。
例えば、
- 高所ホッパー
- サイロ
- 建屋上部
- プラント上層部
などへの投入です。
そのため、
「複数箇所で使用したい」+「搬送先が遠い・高い」
という現場でも検討できます。
吸引側は5m程度を推奨
ジェクターでは、吸引側と排出側で考え方が異なります。
吸引側については、5m程度を推奨しています。
実際には10m程度で使用しているお客様もいますが、基本的にはジェクター本体を回収物の近くへ移動させます。
そして、
回収物 ↓ 短い吸引ホース ↓ ジェクター ↓ 長い排出ホース ↓ 回収場所
という構成にします。
可搬式だからこそ「本体を近づける」ことができる
固定設備の場合、機械本体の位置を簡単に変えることはできません。
しかし可搬式であれば、
吸引対象物の近くへジェクター本体を移動する
ことができます。
これにより、
吸引側を短く
↓
排出側を長く
というジェクターに適した設備配置を作りやすくなります。
例えばこんな使い方ができる
コンベア下のこぼれ回収
製造工程で落下した粉体・粒体をホースで吸引し、フレコンなどへ回収します。
ホッパー内部の残留物回収
原料切り替えや清掃時に残った資材を吸引・搬送します。
ピット内の堆積物回収
重機が入りにくいピットへホースを伸ばして回収します。
フレコンから原料投入
フレコン内の資材を吸引し、離れたホッパーや設備へ搬送します。
定期修繕作業
などの回収・搬送・投入へ使用します。
各設備の清掃作業を標準化しやすい
可搬式設備を共通化すると、
設備Aではこの方法
設備Bでは別の方法
設備Cでは人力
という状態から、
「粉体回収はジェクターを使用する」
というように作業方法を統一できる可能性があります。
作業方法を共通化することで、
- 教育
- 作業手順
- 保守方法
も統一しやすくなります。
人手不足対策としても有効
複数箇所の清掃・回収作業をすべて人力で行っている場合、
- スコップ
- バケツ
- 台車
- フォークリフト
などを使った作業が増えます。
可搬式の搬送設備を利用できれば、
「資材を人が運ぶ」工程を減らす
ことができます。
結果として、
- 作業時間短縮
- 身体的負担軽減
- 少人数運用
につながる可能性があります。
固定設備と可搬式設備は使い分ける
もちろん、すべての搬送設備を可搬式にする必要はありません。
例えば、
固定設備が向いているケース
- 毎日大量に搬送する
- 搬送ルートが固定されている
- 自動化したい
可搬式が向いているケース
- 使用場所が複数ある
- 使用頻度が低い
- 定期清掃に使う
- 設備配置が変わる
- 仮設作業に使う
というように使い分けます。
「1台を何回使えるか」という視点で設備投資を考える
設備導入では、
「1回の作業でどれだけ得か」
だけでなく、
「1台を何種類の作業へ使えるか」
という視点も重要です。
例えば、
- 工場清掃
- 原料投入
- 設備間搬送
- 定期修繕
などへ共用できれば、設備の稼働率を高めることができます。
摩耗性の高い材料ではホースを使い分ける
複数用途で使用する場合には、搬送物ごとの性質も確認する必要があります。
例えば、
と、
- ブラスト材
- 焼却灰
- スラグ
では摩耗性が異なります。
ジェクターでは、排出側が特に摩耗しやすい箇所になるため、摩耗性の高い資材では排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホースをご提案しています。
用途によってホースを使い分けることも、長期運用では重要です。
粉じんが多い場合はジェクロンと組み合わせる
焼却灰やフライアッシュなど微粉体を扱う場合には、集粉機「ジェクロン」と組み合わせることもできます。
ジェクター ↓ ジェクロン ↓ フレコン
という構成にすることで、
- 搬送
- 空気と資材の分離
- 集粉
- フレコン回収
まで行うことができます。
複数箇所で使用する場合に事前確認したいこと
ジェクターを工場内で持ち回る場合には、
- 各作業場所の搬送物
- 必要搬送量
- エアー取り出し口
- 圧力・空気量
- ホースルート
- 搬送先
- 高低差
などを確認します。
特に工場エアーを使用する場合には、場所ごとに供給能力が異ならないかを確認することが重要です。
エコワークでは全国の現場で運用指導を行っています
可搬式設備のメリットを活かすには、
「機械をどこへ置くか」
「どのホースを使用するか」
「どの場所からエアーを取るか」
など、実際の運用方法が重要です。
エコワークではジェクターを販売するだけでなく、全国の現場で使い方や運用方法の指導を行っています。
例えば、
- 1台を複数工程へ使いたい
- 工場エアーを使いたい
- 清掃と原料投入の両方へ使いたい
- 長距離搬送にも使いたい
といったご相談にも、現場条件を確認したうえで運用方法をご提案します。
まとめ
工場内では、
- コンベア下
- ホッパー
- ピット
- 製造設備
- 原料投入場所
など、複数の場所で粉体・粒体回収が必要になることがあります。
すべての場所へ専用の固定設備を設置するのではなく、
1台の可搬式設備を必要な場所へ移動させながら使用する
ことも一つの方法です。
ジェクターは、
- 圧縮空気で駆動
- コンプレッサーまたは条件を満たした工場内エアーを使用可能
- 吸引・搬送・投入・排出に対応
- 可搬式として複数場所で使用可能
という特徴があります。
また、条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送
や、
高さ100m程度の高所搬送
にも対応できます。
吸引側については5m程度を推奨しており、現場によっては10m程度で運用しているケースもあります。
「工場内の複数箇所を1台で清掃したい」
「使用頻度の低い場所ごとに設備を買うのはもったいない」
「工場エアーを活用して移動しながら使いたい」
「回収だけでなく原料投入にも使いたい」
といった課題がありましたら、お気軽にエコワークまでお問い合わせください。
工場全体の作業内容を確認し、1台を効率よく活用する運用方法をご提案いたします。
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