LNG基地や化学プラント、各種貯槽設備では、断熱性能を維持するためにパーライト保温材が使用されています。
パーライトは非常に軽量で断熱性に優れる一方、設備の更新・定期点検・補修工事などで入れ替えが必要になると、回収・搬出・再投入に大きな作業負担が生じることがあります。
現場では、
- パーライトが軽く、粉じんとして舞いやすい
- 大量のパーライトを人力で回収するのが大変
- 回収場所から排出場所まで距離がある
- 設備の開口部が狭く、大型設備を入れにくい
- 回収後の袋詰め・運搬にも人手が必要
といった課題が発生します。
こうした作業では、パーライトをその場で吸引し、ホースや配管を通して離れた場所まで搬送できる空気搬送を活用することで、工程を省力化できる場合があります。
この記事では、パーライト保温材の特徴から、入れ替え作業で発生する課題、回収・搬送を効率化する方法、空気搬送機「ジェクター」の活用まで解説します。
パーライト保温材とは?
パーライトとは、火山ガラス質の岩石を高温で加熱・発泡させた軽量な無機材料です。
内部に多くの空気層を持つため断熱性が高く、保温・断熱用途で利用されています。
パーライト保温材は、例えば、
- LNGタンク
- 低温貯槽設備
- 化学プラント設備
- 各種断熱設備
などで使用されています。
非常に軽量であることは断熱材としてのメリットですが、設備から取り出したり別の場所へ移したりする際には、その軽さが粉じん飛散や作業負担につながることがあります。
パーライト保温材の入れ替えが必要になる場面
パーライトは長期間使用できる材料ですが、設備工事に伴って取り出しや再投入が必要になることがあります。
代表的には、
- タンク更新工事
- 定期修繕工事
- 設備増設工事
- 設備内部の点検
- 保温性能の確認・改善
などです。
特に大型タンクや貯槽設備では大量のパーライトが使用されているため、「どう取り出すか」だけでなく「取り出したパーライトをどのように搬出するか」まで考える必要があります。
パーライト回収・入れ替え作業で発生しやすい課題
非常に軽く粉じんが舞いやすい
パーライトは非常に軽量なため、回収・投入・移し替え時に細かな粉じんが舞いやすい特徴があります。
例えば、
- 設備内部から掻き出す
- スコップで容器へ移す
- 袋へ詰める
- 別容器へ移し替える
といった作業を繰り返すと、周辺へパーライトが飛散しやすくなります。
粉じん飛散は、作業環境だけでなく、周辺設備の清掃作業を増やす原因にもなります。
大量回収では人力作業の負担が大きい
人力でパーライトを回収する場合、
掻き出す → 集める → 袋や容器へ入れる → 搬出する
という工程が必要になります。
少量であれば対応できても、大型設備から大量に回収する場合には、作業時間や必要人員が増えやすくなります。
定期修繕など工期が限られている現場では、回収速度そのものが工程全体に影響する場合もあります。
回収場所から搬出場所まで距離がある
タンクやプラント設備では、作業場所のすぐ近くまでトラックや回収設備を配置できるとは限りません。
設備内部から取り出したパーライトを、
- 建屋外
- フレコン設置場所
- 回収設備
- 別の貯槽
などまで運搬する必要がある場合、人力・台車・重機による中間搬送が発生します。
回収だけでなく、この「回収後の運搬工程」まで削減できるかが省力化のポイントになります。
狭い開口部から回収する必要がある
設備構造によっては、パーライトへアクセスできる開口部が限られている場合があります。
大型機械や重機を設備内部へ入れられない場合でも、吸引ホースを使用する方式であれば、限られた開口部から材料を回収できる可能性があります。
従来のパーライト回収方法と課題
現場条件によって異なりますが、パーライトの回収では人力作業や吸引設備などが利用されます。
スコップ・袋などを使用した人力回収
設備投資を抑えやすい一方、大量回収では作業員の負担が大きくなります。
また、材料を何度も移し替えるため、粉じん飛散や搬送工程の増加につながる場合があります。
吸引設備による回収
吸引設備を利用すれば、パーライトをホースから直接回収できます。
ただし、単にその場で吸引するだけでなく、吸引したパーライトを最終的にどこへ排出するのかまで考えることが重要です。
回収後に別途運搬が必要であれば、工程全体の省力化にはつながりにくい場合があります。
パーライト回収を効率化するなら「吸引」と「搬送」を一体化する
パーライト回収の効率化では、
回収 → 袋詰め → 運搬 → 再投入
と工程を分けるのではなく、
吸引 → ホース・配管搬送 → 排出
までを一つの流れとして考える方法があります。
空気搬送を利用すれば、回収場所で吸引したパーライトを、空気の流れを利用して離れた場所まで搬送できます。
これによって、袋への移し替えや台車運搬などの中間作業を減らせる可能性があります。
パーライト回収に空気搬送が向いている理由
ホースを使って狭い場所から回収できる
設備内部へ大型機械を持ち込む必要がなく、ホースを使って対象物へアクセスできます。
狭い開口部や設備内部など、作業スペースが限られる現場でも検討できます。
離れた場所まで直接搬送できる
回収したパーライトをその場に排出するのではなく、ホース・配管を通して離れた排出先まで搬送できます。
例えば、
設備内部
↓
吸引
↓
ホース・配管搬送
↓
建屋外や回収場所
↓
フレコンなどへ排出
といった工程を構成できます。
材料の移し替え回数を減らせる
軽量なパーライトでは、容器から容器への移し替えのたびに飛散が発生しやすくなります。
吸引した材料を密閉されたホース・配管内で目的地まで搬送することで、開放状態で扱う回数を減らせます。
人力による運搬工程を減らせる
袋詰めや台車による運搬工程を減らせれば、作業員が材料を直接持ち運ぶ作業も削減できます。
大量の材料を扱う現場ほど、省力化効果を期待しやすくなります。
空気搬送機「ジェクター」でパーライトを吸引・搬送
エコ・ワークでは、圧縮空気を利用して粉体・粒体などを吸引・搬送する空気搬送機「ジェクター」を取り扱っています。
ジェクターは、ホースから対象物を吸引し、排出側のホース・配管を通して離れた場所まで搬送できます。
パーライト保温材の入れ替え作業では、
- 設備内部からパーライトを吸引する
- 狭い開口部から回収する
- 長距離をホース・配管で搬送する
- 回収場所まで直接送る
- 新しいパーライトの投入工程に利用する
などへの活用を検討できます。
実際のパーライト保温材入れ替え作業での活用
エコ・ワークでは、ジェクターを使用したパーライト保温材の入れ替え作業の実績があります。
現場では、パーライトの回収・搬送作業にジェクターを利用することで、
- 回収作業の効率化
- 作業負担の軽減
- 搬送距離への対応
を図っています。
パーライトのように軽量で扱いにくい材料では、ホースから吸引してそのまま搬送できることが大きなメリットになります。
関連動画|パーライト保温材の入れ替え作業
実際に空気搬送機ジェクターを使用して、パーライト保温材の入れ替えを行っている様子をご覧いただけます。
パーライトを回収するときに確認したい条件
空気搬送設備を選定する際には、パーライトという名称だけで判断するのではなく、実際の対象物と現場条件を確認します。
例えば、
などです。
特にパーライトは非常に軽量であるため、対象物の状態と必要な搬送量を確認したうえで設備構成を検討することが重要です。
パーライトの投入にも空気搬送を活用できる
パーライトの入れ替えでは、「古い材料を回収して終わり」ではなく、新しい保温材を設備へ投入する工程も発生します。
現場条件に応じて、空気搬送を利用してパーライトを離れた場所や高所へ送る方法も検討できます。
そのため、
既存パーライトの回収 → 搬出 → 新しいパーライトの投入
までを含めて作業全体を設計すると、入れ替え工程全体の効率化につながります。
粉じん対策も回収方法とあわせて考える
パーライトは軽量で飛散しやすいため、回収速度だけでなく作業環境についても考える必要があります。
特に、
- 吸引口周辺
- ホース接続部
- 材料排出部
- フレコンなどへの投入部
では、粉じんがどのように発生するかを確認します。
ホース・配管内で搬送する工程を増やし、開放状態での移し替えを減らすことが粉じん飛散の低減につながります。
実際のパーライトで搬送テストも可能
空気搬送では、カタログ上の材料名だけで実際の搬送可否を判断することが難しい場合があります。
対象物の状態や搬送条件によって必要な能力が変わるためです。
エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。
例えば、
「現在使用しているパーライトを吸引できるか確認したい」
「設備から屋外まで長距離搬送できるか試したい」
「新しいパーライトを高所まで投入したい」
「人力で行っている入れ替え作業を減らしたい」
といった場合は、対象物や搬送距離、現場条件をお知らせください。
よくある質問
パーライトは空気搬送できますか?
空気搬送できる場合があります。実際の搬送条件は、材料の状態、かさ密度、搬送量、搬送距離、高低差などによって異なるため、具体的な条件を確認して設備を選定します。
狭い開口部からでもパーライトを回収できますか?
ホースを対象物まで入れられる構造であれば、大型設備を内部へ持ち込まずに吸引できる可能性があります。実際には開口寸法や設備内部の構造を確認します。
離れた場所までパーライトを搬送できますか?
搬送距離だけでなく、高低差、ホース・配管径、曲がり、必要な搬送量などによって条件が変わります。現場レイアウトを確認したうえで検討します。
パーライトの回収だけでなく投入にも使えますか?
現場条件に応じて、空気搬送を利用した投入工程も検討できます。回収と投入の両工程を含めて設備構成を考えることができます。
導入前に実際のパーライトで試せますか?
はい。実際の対象物を使用した搬送テストについてご相談いただけます。
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まとめ
パーライト保温材は軽量で断熱性に優れた材料ですが、設備の更新・点検・修繕などに伴う入れ替え作業では、
- 粉じん飛散
- 人力回収の負担
- 長距離の運搬
- 狭い開口部での作業
- 大量材料の回収・再投入
などが課題になります。
作業を効率化する際には、単に材料を設備から取り出すだけではなく、
「吸引 → 搬送 → 排出 → 新しい材料の投入」
まで工程全体で考えることが重要です。
空気搬送機「ジェクター」を活用することで、ホースによる吸引と長距離搬送を組み合わせ、パーライト入れ替え作業の省力化につなげられる場合があります。
パーライト保温材の回収・搬送・投入方法をご検討の場合は、対象物や設備構造、搬送距離などをお知らせください。現場条件に合わせた方法をご提案します。
