この記事でわかること
- 粉体・粒体がジェクターで搬送できるか判断するポイント
- 材料名だけでは搬送可否を判断できない理由
- 図面や詳しい仕様がなくても相談できる理由
- 現場写真から確認できること
- 実際の搬送物を使ったテストの重要性
- 長距離・高所搬送を検討する際のポイント
- 工場内エアーを使用できる可能性
- エコワークへ相談する際に分かる範囲で伝えていただきたい情報
はじめに
空気搬送機について調べている方の中には、
「うちで扱っている材料も吸えるのだろうか?」
「水分がある粉体だけど大丈夫?」
「少し塊が混ざっている」
「100m先まで送りたいけれど可能?」
「まだ設備導入を決めたわけではないので、問い合わせるほどでもないかもしれない」
と考えている方もいるのではないでしょうか。
粉体・粒体搬送設備は、一般的な機械のように、
型式を見るだけで使用可否を判断できない
ケースがあります。
なぜなら、同じ「粉体」「砂」「灰」「ペレット」と呼ばれる材料でも、
などによって条件が大きく変わるためです。
そのため、
「導入するか決めてから相談する」必要はありません。
むしろ、
「そもそも、この材料をジェクターで搬送できるのか?」
という段階から確認する方が、設備選定の失敗を防ぎやすくなります。
本記事では、空気搬送機ジェクターで粉体・粒体を搬送できるか判断するポイントと、エコワークへご相談いただく際に確認したい情報について解説します。
「この材料は搬送できますか?」は非常に多い疑問
粉体・粒体搬送設備を探している方にとって、最も重要なのは、
自社の材料を実際に搬送できるか
ということです。
どれだけ設備の性能が高くても、自社の材料に適していなければ意味がありません。
ジェクターではこれまで、
など、さまざまな粉体・粒体の搬送に使用されています。
しかし、
過去に似た材料を搬送した実績がある=必ず同じ条件で搬送できる
というわけではありません。
同じ材料名でも状態は違う
例えば「焼却灰」といっても、
現場Aでは、
乾燥している
+
細かい粉体
かもしれません。
一方、現場Bでは、
水分を含んでいる
+
固結物が混ざっている
場合もあります。
同じ材料名でも、搬送条件は大きく異なります。
木質ペレットでも条件は同じとは限らない
木質ペレットも、
- 大きさ
- 割れ
- 微粉の割合
- 水分
- 搬送量
などによって状態が異なります。
そのため、
材料名だけを聞いて設備を決定するのではなく、実際の状態を確認すること
が重要です。
まず確認したいのは粒径
粉体・粒体搬送では、材料の粒径が重要です。
例えば、
平均粒径1mm
だったとしても、
実際には、
数cm程度の塊が混ざる
のであれば、その最大粒径を考慮する必要があります。
平均値だけではなく、
「一番大きなものがどの程度あるか」
を確認します。
塊が混ざる場合も相談できる
「基本的には粉体ですが、ときどき塊があります」
というお問い合わせでも問題ありません。
例えば、
- 固結物
- 材料同士が付着した塊
- 数cm程度の粒体
などです。
重要なのは、
塊があるから無理と自己判断しないこと
です。
実際の大きさや状態を確認したうえで、搬送方法を検討します。
水分のある粉体も状態確認が重要
粉体へ水分が加わると、
- 流れにくくなる
- ホースへ付着する
- 固まりやすくなる
場合があります。
そのため、
乾燥粉体では搬送できる
としても、
湿った状態では条件が変わる
可能性があります。
「湿っているから無理」とも限らない
一方で、
湿っている材料=必ず搬送できない
とも限りません。
水分量や材料の状態によって異なります。
そのため、
「少し湿っています」
「手で握ると固まります」
「数cmの塊があります」
といった情報でも、設備検討の参考になります。
比重も搬送条件へ影響する
同じ大きさの粒子でも、
- 軽い材料
- 重い材料
では搬送条件が異なります。
例えば、
パーライトのような軽量材料
と、
砂・ブラスト材のような重量のある材料
では必要な条件が変わります。
可能であれば、
- 真比重
- かさ密度
などの情報があると設備選定しやすくなります。
分からない場合でも、まずは材料名や状態からご相談いただけます。
「詳しい物性値が分からない」と問い合わせをためらう必要はない
設備担当者の方でも、
「原料の正確な比重は分からない」
「粒度分布まで手元にない」
ということがあります。
その状態で問題ありません。
最初の段階では、
- 材料名
- おおよその粒径
- 湿っているか
- 粉状か粒状か
- どのくらいの量を扱うか
など、分かる範囲の情報から確認できます。
図面がなくても相談できる
設備改善を検討し始めた段階では、
「正式な設備図面がない」
というケースもあります。
しかし、必ずしも最初から詳細なCAD図面などが必要なわけではありません。
例えば、
- スマートフォンで撮影した現場写真
- 手書きの簡単なレイアウト
- おおよその距離
- 高低差
だけでも、初期検討の材料になります。
現場写真から分かることは多い
例えば搬送元の写真があれば、
- 材料をどこから吸引できそうか
- ジェクターを置けそうか
- ホースを通せそうか
- 周辺に障害物があるか
を確認できます。
搬送先の写真があれば、
などを検討できます。
搬送ルートの写真も有効
例えば、
搬送元
↓
通路
↓
階段
↓
別棟
↓
搬送先
という現場であれば、
それぞれの場所の写真があるだけでも、ホースルートを考える材料になります。
空気搬送では、
大型設備を置けるかだけでなく、ホースを通せるか
という視点で設備配置を考えることができます。
「100m離れているから無理」と判断しない
ジェクターでは、搬送物やエアー供給能力、ホース径、搬送ルートなどの条件によって、排出側で200m程度の長距離搬送が可能なケースがあります。
そのため、
- 工場の反対側
- 別棟
- 屋外
- 離れた回収設備
まで搬送できる可能性があります。
「距離があるからコンベアしかない」
と判断する前に、一度条件を確認することをおすすめします。
吸引側と排出側では考え方が違う
ジェクターでは、吸引側について5m程度を推奨しています。
実際には10m程度で使用しているお客様もいますが、基本的には、
ジェクター本体を搬送物の近くへ置く
方法をおすすめしています。
例えば、
材料
↓
吸引ホース5m程度
↓
ジェクター
↓
排出ホース100m
↓
搬送先
という構成です。
長距離は「吸う」のではなく「送る」
例えば、
材料と搬送先が100m離れている
場合、
100m先から吸引する
のではなく、
材料の近くにジェクターを設置
↓
短い距離で吸引
↓
排出側で100m送る
という方法を検討します。
これはジェクターの設備配置を考えるうえで重要なポイントです。
高い場所へ送りたい場合も相談できる
工場やプラントでは、
- ホッパー
- サイロ
- 上階設備
- タンク
など、高所へ粉体・粒体を投入したいケースがあります。
ジェクターでは条件によって、高さ100m程度の高所搬送が可能なケースもあります。
例えば、
地上の材料
↓
ジェクター
↓
上階のホッパー
という設備構成です。
高さだけではなく全体のルートを見る
例えば、
高さ30m
であっても、
水平距離100m
+
曲がり多数
+
高さ30m
では条件が変わります。
そのため、
- 水平距離
- 高低差
- 総延長
- 曲がり
- 必要搬送量
を合わせて確認します。
「1時間にどれくらい送りたいか」も重要
搬送設備では、
搬送できるかどうか
だけでなく、
必要な時間内に搬送できるか
も重要です。
例えば、
1tを8時間で搬送できればよい現場
と、
1tを1時間で搬送したい現場
では必要な能力が異なります。
「送れた」だけでは設備導入の成功とは言えない
例えば搬送テストで、
材料がホースの先まで到達した
としても、
必要な搬送量が出なければ現場改善につながらない場合があります。
そのためエコワークでは、
「搬送できるか」だけでなく、「現場で必要な能力を確保できるか」
という視点で検討します。
コンプレッサーを持っていなくても相談できる
ジェクターは圧縮空気を動力として使用します。
圧縮空気は、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置型コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
から供給できます。
そのため、
「コンプレッサーを持っていないから使えない」
と判断する必要はありません。
工場内エアーを利用できる可能性もある
工場内に圧縮空気設備がある場合には、条件が合えば既設の工場エアーを利用できます。
確認したいのは、
- 圧力
- 空気量
- 配管径
- 取り出し口径
- 他設備との同時使用
などです。
「0.7MPaあります」だけでは判断できない
圧縮空気では、
圧力だけでなく空気量
が重要です。
例えば十分な圧力があっても、
- 配管が細い
- 枝管が長い
- 他設備が大量に使用している
場合には、必要な空気量を確保できない可能性があります。
工場エアーを使用したい場合には、分かる範囲で設備条件をお知らせください。
粉じんが多い材料でも相談できる
例えば、
- 焼却灰
- フライアッシュ
- 微粉原料
などでは、搬送そのものだけでなく排出時の粉じん対策も重要です。
その場合には、ジェクターと集粉機「ジェクロン」を組み合わせる方法があります。
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
フレコン
という設備構成です。
搬送物と空気を分離して回収する
ジェクロンを組み合わせることで、
- 搬送
- 空気と資材の分離
- 集粉
- フレコンへの回収
まで一連の工程として構築できます。
そのため、
「吸引した後、どうやって回収すればいいの?」
という段階からご相談いただけます。
摩耗性の高い材料も事前に確認
ブラスト材や焼却灰、砂などでは、
搬送できるか
だけでなく、
どの程度摩耗するか
も重要です。
特にジェクターでは排出側が摩耗しやすい箇所になります。
そのためエコワークでは、搬送物に応じて排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホースをご提案しています。
「搬送できたけど、すぐホースが破れた」では意味がない
設備導入では、
搬送できる
+
必要搬送量が出る
+
現実的に運用できる
+
耐久性を確保できる
ところまで考える必要があります。
そのため、搬送可否だけでなく、
- 摩耗
- ホース仕様
- メンテナンス
なども含めて検討します。
一番確実なのは実際の材料を確認すること
カタログや材料名だけでは判断が難しい場合には、
実際の搬送物を確認する
ことが有効です。
例えば、
- 実際の粉体
- 粒体
- 固結物
- 微粉を含む材料
などです。
材料の状態を見ることで、机上では分からない条件を確認できます。
必要に応じて搬送テストを行う
実際の搬送物を使用して、
- 吸引できるか
- 安定して搬送できるか
- 必要搬送量が出るか
- 詰まりが発生しないか
- ホース仕様は適切か
- 粉じん対策が必要か
などを確認します。
これによって、
設備を導入してから「思っていた搬送ができなかった」というリスクを減らす
ことができます。
「まだ購入を決めていない」段階でも相談できる
設備について問い合わせると、
「購入する前提で話が進むのでは?」
と感じる方もいるかもしれません。
しかし粉体・粒体搬送では、
そもそも搬送可能か確認しなければ、導入を検討できません。
そのため、
「この材料を搬送できるか知りたい」
「今の作業を改善できるか知りたい」
という段階からご相談いただけます。
「空気搬送が正解かわからない」という相談でも問題ない
現場によっては、
- ベルトコンベア
- スクリューコンベア
- バケットエレベーター
- バキューム車
- 人力作業
- 空気搬送
など、さまざまな選択肢があります。
空気搬送がすべての現場に最適というわけではありません。
そのため、
「ジェクターを使いたい」ではなく、「この作業を効率化したい」
という相談でも構いません。
例えばこんな相談から検討できます
「フレコンからホッパーへ原料を入れたい」
確認する内容:
- 材料
- 搬送量
- 距離
- 高さ
- エアー条件
「設備下に溜まった砂を回収したい」
確認する内容:
- 回収量
- 粒径
- 回収場所
- 排出先
- 摩耗性
「100m離れた場所まで送りたい」
確認する内容:
- 水平距離
- 高低差
- 曲がり
- 搬送量
- エアー条件
「ピットの中に溜まった材料を回収したい」
確認する内容:
- ピット深さ
- 材料
- ホースを入れられる場所
- ジェクター設置位置
- 排出場所
「現在4人で行っている作業を減らしたい」
確認する内容:
- 現在の作業方法
- 処理量
- 所要時間
- 搬送距離
- どの作業に人手がかかっているか
完璧な情報を揃えてから問い合わせる必要はない
例えば最初のご相談では、
「この粉を、ここからあそこまで送りたい」
という情報だけでも構いません。
その後、必要に応じて、
- 粒径
- 比重
- 距離
- 写真
- エアー条件
などを確認していきます。
最初はスマートフォンの写真でも構わない
例えば、
①搬送したい材料
②現在材料がある場所
③搬送したい先
④その間のルート
の写真があれば、現場イメージを把握しやすくなります。
詳細図面がないことで設備改善そのものを諦める必要はありません。
エコワークでは全国の現場で運用指導を行っています
ジェクターは、
機械を購入して設置すれば終わり
という設備ではありません。
実際には、
- 本体をどこへ置くか
- 吸引ホースをどう操作するか
- 排出ホースをどう配置するか
- エアーをどこから取るか
- 搬送量をどのように調整するか
など、現場に合わせた運用が重要です。
エコワークではジェクターの販売だけでなく、全国の現場で使い方や運用方法の指導も行っています。
初めて使用する方でも現場で運用できるよう、設備構成だけでなく実際の使い方までご案内しています。
お問い合わせ時に分かる範囲で教えていただきたいこと
最初のご相談では、次のような情報があると検討しやすくなります。
- 何を搬送したいか
- 粒径のおおよその大きさ
- 塊があるか
- 湿っているか
- どのくらいの量か
- どこからどこへ搬送するか
- おおよその距離
- 高低差
- 現在どのような方法で作業しているか
- 何人で作業しているか
- コンプレッサーまたは工場エアーがあるか
- 現場写真
すべて分からなくても問題ありません。
分かっている情報から確認していきます。
「相談した結果、別の方法が良い」というケースもある
ジェクターは、
- 長距離搬送
- 高所搬送
- 狭所からの回収
- 仮設作業
- 原料投入
- 清掃
など多くの用途へ使用できます。
しかし、すべての現場にジェクターが最適とは限りません。
例えば、
- 非常に大量の連続搬送
- 完全自動化された固定ライン
- 搬送物の状態が空気搬送に適さない
などでは、別方式を検討した方がよい場合もあります。
「向いていない条件」を確認することも設備選定
設備導入で重要なのは、
ジェクターを導入すること自体ではありません。
目的は、
- 作業を楽にする
- 人数を減らす
- 時間を短縮する
- 粉じんを減らす
- 搬送工程を改善する
ことです。
そのため、現場条件を確認した結果、別の方法の方が適している場合には、その点も含めて検討することが重要です。
迷っている段階だからこそ確認する
設備導入を検討していると、
「もう少し条件を整理してから問い合わせよう」
と後回しにしてしまうことがあります。
しかし、
- その材料を搬送できるのか
- どの機種が必要なのか
- コンプレッサーはどの程度必要なのか
- 距離を送れるのか
は、設備の知識がなければ判断しにくい部分です。
そこで時間をかけて自己判断するより、
分からない段階で一度確認する
方が、その後の設備検討を進めやすくなります。
まとめ
粉体・粒体搬送では、
材料名だけを見て「搬送できる・できない」を判断することが難しい
場合があります。
実際には、
- 粒径
- 最大粒径
- 比重
- 水分
- 固結
- 搬送量
- 距離
- 高低差
- ホースルート
- 圧縮空気
などを確認して設備を選定します。
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送
や、
高さ100m程度の高所搬送
にも対応できる可能性があります。
吸引側については5m程度を推奨しており、現場によっては10m程度で使用しているケースもあります。
また圧縮空気についても、
- コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
を利用できます。
そして、カタログだけで判断が難しい材料については、実際の搬送物を使ったテストによって搬送性を確認する方法もあります。
「この材料は吸える?」
「少し湿っているけど大丈夫?」
「100m先まで送りたい」
「高い場所へ投入したい」
「写真しかないけど相談できる?」
「まだ導入を決めたわけではない」
という段階でも構いません。
「この作業を何とかできないか?」というところから、お気軽にエコワークまでお問い合わせください。
分かる範囲の情報から現場条件を整理し、ジェクターが適しているかを含めて搬送方法をご提案いたします。
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