粉体搬送設備は改造と新規導入どちらがいい?判断するためのポイントを解説

粉体・粒体搬送設備を使用していると、

「今の設備をできるだけ活かしたい」

「一部だけ改造して改善できないか?」

「新しい設備へ入れ替えた方がよいのか?」

と悩むことがあります。

例えば、

・搬送量が足りなくなった
配管詰まりが増えた
・搬送距離を伸ばしたい
粉じん対策を強化したい
・人力作業を減らしたい

といった課題が発生した場合でも、必ずしも設備全体を新しくする必要があるとは限りません。

既存設備を活かしながら、

・ホースや配管を変更する
・集粉設備を追加する
・空気搬送機を追加する

といった改造によって改善できるケースもあります。

一方で、設備能力そのものが現在の作業条件に合っていない場合は、新規設備を導入した方が結果的に効率やコストを改善できる場合があります。

この記事では、粉体搬送設備を改造する場合と新規導入する場合の違い、判断するときに確認したいポイントについて解説します。

粉体搬送設備の「改造」と「新規導入」の違い

設備改善には、大きく分けて、

・既存設備を活かして改造する
・新しい設備を導入する

という2つの考え方があります。

設備改造とは?

設備改造とは、現在使用している搬送設備を残しながら、一部の構成を変更・追加して課題を改善する方法です。

例えば、

・ホースを変更する
・配管径を変更する
・配管ルートを変更する
・集粉機を追加する
・分別設備を追加する
・排出先を変更する

などがあります。

既存設備の能力や基本構成に問題がなく、

「一部だけ改善すれば現在の作業条件を満たせる」

場合に適しています。

新規導入とは?

新規導入は、既存設備とは別に新しい搬送設備を導入したり、既存設備を新しい方式へ置き換えたりする方法です。

例えば、

・人力搬送を空気搬送へ変更する
・固定式設備とは別に移動式搬送設備を追加する
・老朽設備を新しい設備へ更新する
・処理能力を大幅に増強する

といった場合です。

設備改造が向いているケース

① ホース・配管を変更すれば改善できる

設備本体には問題がなくても、

・搬送距離
・ホース径
・配管径
・エルボの数
・配管ルート

などが原因で搬送効率が低下している場合があります。

例えば、不要な曲がりを減らしたり、搬送経路を短くしたりすることで改善できるケースがあります。

このような場合は設備本体を交換せず、配管・ホースだけを見直す方が合理的です。

② 摩耗対策だけを強化したい

ブラスト材、砂、焼却灰など摩耗性の高い材料では、設備全体ではなく、

・ホース
・エルボ
・排出部分

など特定箇所だけ摩耗が進むことがあります。

この場合、

耐摩耗ホースなどへ変更することで、設備寿命やメンテナンス頻度を改善できる可能性があります。

エコ・ワークでは、摩耗性の高い材料について、条件に応じてセラミック補強耐摩耗ホースを使用する構成も取り扱っています。

③ 粉じん対策を追加したい

搬送そのものには問題がなくても、

「排出時の粉じんを減らしたい」

というケースがあります。

この場合は設備全体を交換せず、

・集粉機を追加する
・排出部分を密閉する
・フレコンへ直接投入する

といった方法で改善できる可能性があります。

エコ・ワークでは、空気搬送機「ジェクター」と集粉機「ジェクロン」を組み合わせた設備構成も使用されています。

④ 分別機能を追加したい

回収した材料に、

・異物
・大きな粒
・細かい粉じん

などが混在している場合は、分別工程を追加する方法があります。

例えば、

ジェクターで回収

集粉

分別

再利用

という設備構成も可能です。

ブラスト材などを再利用する現場では、単に回収するだけでなく、分別まで含めて設備を検討することがあります。

⑤ 既存設備への投入・回収工程だけ改善したい

設備そのものは問題なくても、

「その設備まで材料を運ぶ作業」

に人手がかかっている場合があります。

例えば、

フレコン

人が運搬

既存ホッパー

という作業を、

フレコン

空気搬送

既存ホッパー

へ変更する方法です。

この場合、既存設備をすべて交換する必要はありません。

負担の大きい工程だけを搬送設備で補うことができます。

新規導入を検討した方がよいケース

① 必要な搬送量が大きく増えた

設備導入当初より生産量が増え、

「現在の搬送設備では処理能力が足りない」

という場合です。

例えば、

従来:1t/hで十分
現在:3t/h必要

という場合、ホースや配管だけを変更しても対応できない可能性があります。

設備本体の能力が不足している場合は、新規設備を検討する必要があります。

② 搬送距離・高低差が大幅に変わった

工場レイアウト変更などによって、

・搬送距離が数十m伸びた
・別棟まで搬送する必要がある
・地上から高所へ投入したい
・地下ピットから地上へ搬送したい

といった場合です。

搬送距離や高低差は設備能力に大きく影響します。

既存設備の設計条件を大きく超える場合は、設備全体の見直しが必要になることがあります。

③ 搬送物が大きく変わった

設備導入時とは異なる材料を扱う場合も注意が必要です。

例えば、

乾燥粉体

湿った粉体

軽量物

重量物

微粉

大きな粒体

というような変化です。

粒径、比重、含水率、付着性、摩耗性が変われば、必要な搬送条件も変化します。

既存設備では対応できない場合、新しい搬送方式を検討します。

④ 設備が老朽化している

配管やホースだけでなく、

・モーター
・ブロワー
・駆動部
・制御設備

なども老朽化している場合、部分改造を繰り返すより新しい設備へ更新した方が合理的な場合があります。

判断するときは、

・年間修理費
・故障回数
・設備停止時間
・部品供給状況

なども確認します。

⑤ 配管詰まり・トラブルが頻発している

配管清掃や条件調整を繰り返しても、

・閉塞
・付着
・搬送量低下

などが改善しない場合は、搬送方式そのものが現在の対象物に適していない可能性があります。

この場合、一部改造を続けるより別方式を検討した方が改善につながるケースがあります。

⑥ 人員を大幅に減らしたい

現在、

・スコップ
・台車
・バケツ
・人力投入

などを組み合わせている場合、

設備を一部改造するだけでは十分な省人化ができないことがあります。

回収から搬送・投入まで工程全体を見直すことで、作業人数や負担を大きく改善できる可能性があります。

⑦ 現在の設備方式が現場に合っていない

例えば、

固定式コンベアを使用しているものの、

・作業地点が頻繁に変わる
・複数箇所から回収したい
・搬送ルートが変わる

といった場合です。

このような現場では、既存設備を改造するより、ホースを使用できる空気搬送設備を追加した方が使いやすい場合があります。

改造と新規導入を判断するときに確認したいポイント

① 現在の課題はどこにあるか

まず、

「何を改善したいのか」

を明確にします。

例えば、

・搬送量
・詰まり
・粉じん
・摩耗
・人手
・搬送距離
・作業時間

などです。

原因が局所的であれば改造で対応できる可能性があります。

一方、複数の問題が同時に発生している場合は、設備全体を見直した方がよいケースがあります。

② 搬送物

最低でも、

・材料名
・粒径
・最大粒径
・比重・かさ密度
・含水率
・付着性
・摩耗性

などを確認します。

現在の設備と導入時で対象物が変わっていないかも重要です。

③ 搬送距離・高低差

・水平距離
・垂直距離
・吸入側距離
・排出側距離
・エルボ数

などを確認します。

レイアウト変更によって設備能力が不足していないかを確認します。

④ 必要な搬送量

現在、

「どれくらい搬送できているか」

だけでなく、

「本来どれくらい搬送したいか」

を明確にします。

既存設備が必要能力に近い場合は改造で対応できる可能性があります。

大幅な能力増強が必要な場合は新規導入が候補になります。

⑤ 現在の作業人数

設備改善では、

「機械の能力」

だけでなく作業人数も重要です。

例えば、

現在4人

将来2人で作業したい

という場合、設備そのものを変える必要があるかもしれません。

⑥ 維持費・修理費

既存設備を残す場合は、

・年間修理費
・消耗品
・清掃時間
・メンテナンス人員

なども含めて考えます。

改造費が安くても、その後の維持費が高いままであれば、新設備の方が長期的には合理的な場合があります。

⑦ 将来の運用

今だけではなく、

・生産量が増える予定
・別の材料も扱う予定
・搬送先が増える予定
・作業人数が減る予定

なども確認します。

数年後に再び設備改造が必要になるのであれば、最初から将来条件を含めて新規設備を検討した方が合理的な場合があります。

改造と新規導入の比較

改造が向いている場合

・既存設備の基本性能は十分
・問題箇所が限定されている
・配管・ホース変更で改善できる
・集粉・分別設備だけ追加したい
・設備投資を抑えたい

新規導入が向いている場合

・設備能力そのものが不足
・搬送距離が大幅に変わった
・搬送物が変わった
・老朽化が進んでいる
・修理が頻発している
・大幅な省人化を行いたい
・搬送方式自体を変えたい

「改造か新規導入か」の二択ではない

実際の設備改善では、

既存設備を残す

新しい搬送設備を追加する

という方法もあります。

例えば、

既存生産設備

空気搬送機「ジェクター」

という構成です。

既存設備はそのまま使用しながら、

・材料回収
・設備への投入
・工程間搬送

だけをジェクターで補う方法です。

これなら既存設備を全面更新する必要はありません。

空気搬送機「ジェクター」を後付けする方法

ジェクターはホースを使用して粉体・粒体を吸引・搬送する設備です。

そのため現場条件によっては、

・既存ホッパーへの投入
・フレコンから設備への搬送
・設備内部からの材料回収
・別工程への移送

など、既存ラインの補助設備として使用できます。

これまで、

・ブラスト材
木質ペレット
PKS
・焼却灰
パーライト
溶接砂

などの搬送・回収に使用されています。

周辺設備と組み合わせる

現場条件によって、

ジェクター

ジェクロン

JTR700

などを組み合わせることも可能です。

例えばブラスト材では、

吸引

集粉

分別

という工程を構成できます。

つまり、

「搬送設備を新しくする」

だけではなく、

「回収から後工程までまとめて改善する」

という考え方もできます。

実際の対象物でテストする

改造か新規導入か判断しにくい場合は、実際の対象物を使用した搬送テストも有効です。

例えば、

「既存設備では詰まる材料をジェクターなら搬送できるか」

「必要な搬送量を確保できるか」

などを確認できます。

エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。

テストでは、

・搬送可否
・搬送量
・機種
コンプレッサー
・ホース構成
・詰まり
・付着

などを確認できます。

設備改善を相談するときに準備したい情報

次の情報があると、改造・新規導入の判断をしやすくなります。

・搬送物
・粒径
・比重・かさ密度
・含水率
・現在の搬送量
・必要な搬送量
・搬送距離
・高低差
・現在の設備
・現在困っていること
・作業人数
・現場写真
・設備図面

すべて揃っていなくても問題ありません。

「配管詰まりが増えた」

「人力搬送を減らしたい」

といった内容からでも検討を始めることができます。

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よくある質問

粉体搬送設備は部分改造できますか?

設備構成によって可能です。

ホース・配管変更、集粉設備の追加、搬送設備の追加など、一部改善で対応できる場合があります。

古い設備でも改造して使えますか?

設備状態によって異なります。

老朽化が進み修理頻度が高い場合は、改造費をかけるより新規導入の方が合理的な可能性があります。

搬送量を増やしたい場合は改造で対応できますか?

必要な能力増加の程度によります。

ホース・配管条件の改善で対応できる場合もありますが、設備本体の能力が不足している場合は新規導入が必要になることがあります。

既存設備へジェクターを追加できますか?

現場条件によって可能です。

既存設備への投入、材料回収、工程間搬送など、補助設備として使用できる場合があります。

設備改造と新規導入ではどちらが安いですか?

初期費用だけなら改造の方が安いケースがあります。

ただし、修理費・維持費・必要人数・能力不足などを含めると、新規導入の方が長期的に合理的な場合もあります。

導入前に搬送テストできますか?

ジェクターについては、実際の対象物を使用した搬送テストをご相談いただけます。

対象物や搬送距離などを確認し、適した設備構成を検討します。

まとめ

粉体搬送設備を改善する際、

「改造」

「新規導入」

のどちらが常に正しいということはありません。

改造は、

・既存設備の基本性能に問題がない
・問題箇所が限定されている
・配管・ホース・周辺設備の変更で対応できる

といった場合に向いています。

一方、新規導入は、

・設備能力そのものが不足している
・搬送距離や対象物が大きく変わった
・老朽化が進んでいる
・トラブルが頻発している
・大幅な省人化を進めたい

といった場合に検討する価値があります。

また、

「既存設備+新しい搬送設備」

という方法もあります。

重要なのは、

「改造費と新設備価格のどちらが安いか」

だけではなく、

・搬送能力
・作業人数
・維持費
・修理費
・設備停止時間
・将来の運用

まで含めて判断することです。

エコ・ワークでは、現在の設備や対象物、搬送距離などを確認し、

・既存設備を活かす
・一部を改造する
・新しい設備を追加する

といった複数の方法から設備改善をご提案しています。

実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。

設備導入をご検討の方へ

ジェクターの導入に
補助金を活用できる可能性があります

人手不足や作業負担の軽減を目的とした設備導入では、 中小企業省力化投資補助金などを活用できる場合があります。 必要に応じて、見積書・製品仕様・導入効果など、 申請に必要となる設備関連資料の作成をお手伝いします。

※補助対象となるかどうかは、導入内容や事業計画、公募要件等によって異なります。

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