粉体搬送設備の選び方とは?現場に合った設備を選定するポイントを解説

粉体や粒体を扱う工場・プラントでは、

「人力で運んでいる粉体を自動で搬送したい」

「既存の搬送設備では詰まりや粉じんが発生している」

「設備を導入したいが、どの搬送方式が適しているのか分からない」

といった課題が発生することがあります。

粉体搬送設備には、空気搬送機、スクリューコンベア、ベルトコンベア、バケットエレベーターなどさまざまな方式があり、それぞれ得意な対象物や搬送条件が異なります。

そのため、設備を選定する際は「粉体を運べるか」だけではなく、

  • 搬送物の性状
  • 搬送距離・高低差
  • 必要な搬送量
  • 搬送経路
  • 粉じん対策
  • メンテナンス性
  • 現場のスペース
  • 将来的な運用

などを総合的に確認することが重要です。

この記事では、粉体搬送設備の主な種類と特徴、現場に合った設備を選ぶために確認しておきたいポイントを解説します。

粉体搬送設備とは?

粉体搬送設備とは、粉体や粒体などの材料を、ある場所から別の場所へ移送するための設備です。

例えば、

  • 原料置場から製造設備へ投入する
  • ホッパーから次工程へ材料を供給する
  • 工場内で発生した粉体を回収する
  • 地上から高所の設備へ材料を投入する
  • 設備内部に残った材料を回収する
  • 船倉内に残ったバルク材を回収する

など、さまざまな用途があります。

人力による袋詰め・運搬・投入作業を搬送設備へ置き換えることで、省力化や作業時間短縮につながる場合もあります。

ただし、粉体や粒体は材料ごとに性質が大きく異なるため、用途に適した搬送方式を選定する必要があります。

粉体搬送設備の主な種類

空気搬送

空気の流れを利用して、粉体・粒体をホースや配管内で搬送する方式です。

配管やホースを利用できるため、搬送経路の自由度が比較的高く、

  • 長距離搬送
  • 高所への搬送
  • 狭い場所からの回収
  • 複雑な設備内での搬送
  • 粉体・粒体の吸引回収

などに適する場合があります。

一方で、対象物や搬送距離によって必要な風量・圧力が異なり、摩耗性や付着性のある材料ではホース・配管についても検討が必要です。

スクリューコンベア

回転するスクリューによって材料を押し出すように搬送する方式です。

一定量を連続的に搬送しやすく、粉体・粒体の定量供給などにも利用されています。

一方で、基本的には設備を固定して使用するため、搬送経路を頻繁に変更する用途には向かない場合があります。

材料によってはスクリューとの接触による破砕や摩耗も考慮する必要があります。

ベルトコンベア

ベルト上に材料を載せて搬送する方式です。

大量の材料を連続して搬送する用途に適しています。

ただし、設備の設置スペースが必要となり、粉体をそのまま搬送する場合には飛散やこぼれへの対策が必要になる場合があります。

バケットエレベーター

バケットを使用して材料を垂直方向へ搬送する設備です。

粉体・粒体を高所へ連続的に搬送する用途などに利用されています。

一方で、設備自体が固定式となるため、使用場所や搬送ルートを柔軟に変更したい用途には向かない場合があります。

粉体搬送設備を選ぶときに確認したいポイント

1.搬送物の種類・性状

まず確認したいのが「何を搬送するのか」です。

粉体・粒体といっても、

などが異なります。

例えば、パーライトのような軽量物と、ブラスト材や砂のような重量物では、同じ設備・同じ条件で搬送できるとは限りません。

また、乾燥状態では流れやすい材料でも、水分を含むことで付着性が高まり、搬送しにくくなる場合があります。

設備を選定する際は、材料名だけではなく実際の状態まで確認することが重要です。

2.搬送距離・高低差

次に確認したいのが、

「どこから、どこまで運ぶのか」

です。

例えば、

  • 水平10m
  • 水平50m
  • 水平100m以上
  • 地上から設備上部へ垂直搬送
  • 地下ピットから地上へ搬送

では必要な設備能力が異なります。

また、搬送経路にエルボや曲がりが多い場合も搬送条件に影響します。

単純な直線距離だけではなく、

  • 水平距離
  • 垂直距離
  • 高低差
  • 曲がりの数
  • 搬送経路

まで確認します。

3.必要な搬送量

「搬送できるか」だけでなく、

「どのくらいの時間で、どれだけ運ぶ必要があるのか」

も重要です。

例えば、

  • 1時間に数百kg
  • 1時間に数t
  • 1日数t
  • 定修期間中に大量回収

など、求められる処理能力によって適した設備は変わります。

大量の材料を一定ルートで連続搬送するのであれば固定式設備が適する場合があります。

一方で、複数箇所から材料を回収したい場合や、作業場所が変わる場合は、ホースを利用できる設備が適するケースもあります。

4.搬送経路・設置スペース

設備選定では、現場そのものの条件も重要です。

例えば、

  • 重機が入れない
  • 設備間の通路が狭い
  • 大型設備を設置できない
  • 作業場所が高所にある
  • 地下やピット内部から回収したい
  • 船倉など閉鎖的な場所で作業する

といった現場があります。

固定式のコンベアを設置できない場合でも、ホースを作業場所まで延長できる空気搬送方式なら対応できるケースがあります。

逆に、広いスペースがあり、決まったルートで大量搬送を続けるのであれば、固定式設備の方が適する場合もあります。

5.粉じん対策

微粉体を扱う場合は、搬送能力だけでなく粉じん対策も重要です。

粉体の投入・排出時に粉じんが発生すると、

  • 作業環境の悪化
  • 設備周辺への堆積
  • 清掃作業の増加

などにつながる場合があります。

そのため、対象物によっては、

  • 密閉搬送
  • 集粉機・集じん機
  • フレコンバッグへの排出
  • 排出部分の囲い

なども含めて設備を検討します。

エコ・ワークでは、空気搬送機「ジェクター」と集粉機「ジェクロン」を組み合わせた構成も取り扱っています。

6.メンテナンス性

搬送設備は導入時の能力だけでなく、長期的なメンテナンスも考える必要があります。

特に、

  • 摩耗性の高い材料
  • 付着性のある粉体
  • 配管内部に残留しやすい材料

などでは、定期的な点検や清掃が必要になります。

確認したいポイントとして、

  • 配管・ホースを清掃しやすいか
  • 摩耗部品を交換しやすいか
  • 詰まりが発生した際にアクセスできるか
  • 部品交換に大掛かりな工事が必要か

などがあります。

設備の導入価格だけでなく、維持管理まで含めて比較することが重要です。

7.将来的な運用

現在の作業だけではなく、将来的な使用方法も考えておくと設備を選定しやすくなります。

例えば、

「今はA地点からB地点だけだが、将来は別の設備にも搬送したい」

「取り扱う材料が増える可能性がある」

「作業場所が現場ごとに変わる」

といった場合です。

固定設備を導入した後に搬送ルートを変更するには、大規模な改造が必要になる場合があります。

使用条件が変化する可能性が高い場合は、移設性や搬送経路の自由度も設備選定のポイントになります。

搬送方式は「どれが一番優れているか」ではなく「どれが現場に合うか」

粉体搬送設備を比較すると、

「空気搬送とスクリューコンベアならどちらが優れているのか?」

と考えがちですが、一律に優劣を決めることはできません。

例えば、

大量の材料を一定ルートで連続搬送したい

固定式のベルトコンベアやスクリューコンベアなどが適する場合があります。

高所へ連続搬送したい

バケットエレベーターなどが候補になります。

複数箇所から材料を回収したい

ホースを使用できる空気搬送方式が適する場合があります。

重機が入れない場所から回収したい

本体を離れた場所へ設置してホースだけを作業場所へ延長できる設備が有効な場合があります。

粉じんを抑えながら搬送したい

密閉された配管・ホースを利用する空気搬送方式や、集粉設備との組み合わせが候補になります。

重要なのは、設備単体の性能比較ではなく、

「自社の現場では何を解決したいのか」

から逆算して設備を選ぶことです。

空気搬送方式が向いている現場

空気搬送は、特に次のような現場で検討する価値があります。

  • 搬送距離が長い
  • 高低差がある
  • 搬送経路が複雑
  • 重機が作業場所まで入れない
  • 複数の場所から材料を回収する
  • 設備内部や狭所から回収する
  • 粉じん飛散を抑えたい
  • 搬送ルートを変更する可能性がある

エコ・ワークが取り扱う空気搬送機「ジェクター」は、圧縮空気を動力として粉体・粒体を吸引・搬送します。

ホースを使用するため、工場、プラント、橋梁工事、船舶、焼却施設など、さまざまな現場で活用されています。

→ 空気搬送機「ジェクター」の詳しい情報はこちら

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空気搬送方式が必ずしも向いていないケース

一方で、すべての現場に空気搬送機が最適というわけではありません。

例えば、

  • 大量の材料を常時同じルートで連続搬送する
  • コンプレッサーなど必要な動力設備を確保できない
  • 材料の破砕や性状変化を極力避ける必要がある
  • 空気搬送に適さない性状の材料を扱う

といった場合は、別方式の方が適している可能性があります。

設備選定では、メリットだけでなくデメリットも含めて比較することが重要です。

粉体搬送設備の選定でよくある失敗

カタログ上の最大能力だけで選ぶ

カタログ上の搬送能力は、すべての材料・現場条件で同じ数値になるわけではありません。

対象物、搬送距離、高低差などによって実際の能力は変化します。

搬送物の水分を確認していない

乾燥したサンプルだけで判断し、実際の現場では材料が湿っているというケースがあります。

含水率が変化すると、付着や詰まりが発生する場合があります。

搬送経路を十分に確認していない

単純な距離だけを伝えて設備を選定すると、

  • エルボが多い
  • 高低差が大きい
  • ホースを取り回せない

などの問題が後から判明することがあります。

必要な動力を確認していない

空気搬送設備の場合は、ブロワーやコンプレッサーなどの能力も設備選定に影響します。

ジェクターを使用する場合も、機種に応じた供給エアー量を確保する必要があります。

導入前に実際の材料でテストする

粉体・粒体は、カタログや材料名だけでは搬送性を判断しにくい場合があります。

そのため、特殊な材料や搬送条件では、実際の対象物を使用した搬送テストが有効です。

テストでは、

  • 安定して吸引できるか
  • 必要な搬送量を確保できるか
  • ホース内部で詰まらないか
  • 材料が付着しないか
  • 適切な機種はどれか
  • 必要なエアー量
  • 集粉設備が必要か

などを確認できます。

エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。

「現在扱っている粉体を搬送できるか確認したい」

「どの方式を選べばよいか分からない」

「現在の人力作業を省力化したい」

といった場合も、搬送物や現場条件をお聞かせください。

[ジェクターの詳しい情報を見る]

[現場テスト・設備選定について相談する]

関連動画

実際の搬送・回収作業を見ることで、設備選定後の作業イメージをつかみやすくなります。

ブラスト材回収・分別作業

空気搬送機を使用してブラスト材を回収し、分別する作業事例です。

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よくある質問

粉体搬送設備にはどのような種類がありますか?

代表的な方式として、空気搬送、スクリューコンベア、ベルトコンベア、バケットエレベーターなどがあります。

対象物や搬送距離、必要搬送量などによって適した方式は異なります。

空気搬送とコンベアはどちらがいいですか?

一律には決められません。

一定ルートで大量搬送する場合は固定式コンベアが適するケースがあります。

一方、長距離・高低差・複雑な搬送経路や、複数箇所からの回収では空気搬送が適する場合があります。

湿った粉体も搬送できますか?

対象物の含水率や付着性、設備方式によって異なります。

湿った材料では配管やホースへの付着、閉塞などが発生する場合があるため、実際の材料で確認することが重要です。

粉体搬送設備を選ぶときに何を伝えればいいですか?

少なくとも、

  • 搬送物
  • 粒径
  • 比重・かさ密度
  • 含水率
  • 搬送距離
  • 高低差
  • 必要搬送量
  • 現場環境

などが分かると設備を検討しやすくなります。

導入前に搬送テストはできますか?

実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてご相談いただけます。

特殊な粉体・粒体や搬送可否を判断しにくい材料では、実物テストによる確認が有効です。

まとめ

粉体搬送設備を選定する際は、

  • 搬送物の種類・性状
  • 搬送距離・高低差
  • 必要な搬送量
  • 搬送経路・設置スペース
  • 粉じん対策
  • メンテナンス性
  • 将来的な運用

などを総合的に確認することが重要です。

粉体搬送設備にはさまざまな方式があり、「どの設備が最も優れているか」ではなく、

「どの設備が自社の現場に最も適しているか」

という視点で選定する必要があります。

特に、対象物の性状や搬送距離などから判断しにくい場合は、実際の材料を使った搬送テストも有効です。

エコ・ワークでは、粉体・粒体の性状や搬送距離、現場条件を確認したうえで、空気搬送機「ジェクター」をはじめとした設備構成をご提案しています。

粉体搬送設備の導入や既存作業の省力化をご検討中の場合は、お気軽にご相談ください。

設備導入をご検討の方へ

ジェクターの導入に
補助金を活用できる可能性があります

人手不足や作業負担の軽減を目的とした設備導入では、 中小企業省力化投資補助金などを活用できる場合があります。 必要に応じて、見積書・製品仕様・導入効果など、 申請に必要となる設備関連資料の作成をお手伝いします。

※補助対象となるかどうかは、導入内容や事業計画、公募要件等によって異なります。

粉体・粒体の回収・搬送でお困りではありませんか?

焼却灰・フライアッシュ・木質ペレット・ブラスト材など、 各種粉粒体の回収・搬送・分別作業に対応しています。
現場条件に応じた最適な機器選定や運用方法について、お気軽にご相談ください。