粉体搬送設備の選び方とは?現場に合った設備を選定するポイントを解説

この記事でわかること

  • 粉体・粒体搬送設備の主な方式
  • 空気搬送が向いている現場
  • ベルトコンベア・スクリューコンベアとの違い
  • 搬送設備を選ぶときに確認したい条件
  • 搬送距離・高低差・レイアウトから考える方法
  • 人力作業まで含めて設備を選ぶ重要性
  • ジェクターが適している現場の考え方
  • 導入前に搬送テストを行う理由

はじめに

粉体・粒体を運ぶ方法には、さまざまな方式があります。

代表的なものとして、

  • 空気搬送
  • ベルトコンベア
  • スクリューコンベア
  • バケットエレベーター
  • フォークリフト・台車
  • バキューム車

などがあります。

どの方式にも得意な用途があり、

「粉体だから空気搬送」
「大量に運ぶからコンベア」

と単純に決められるものではありません。

例えば、

大量の材料を同じルートで常時搬送する

のであれば固定式コンベアが適している場合があります。

一方、

設備下にこぼれた材料を吸引して50m先まで運びたい

のであれば、ホースで経路を構成できる空気搬送が適している可能性があります。

重要なのは、

材料・搬送量・距離・高低差・作業方法・設置スペース

などから、現場に合った方式を選ぶことです。

この記事では、粉体・粒体搬送設備の主な方式と設備選定のポイントを解説します。


実際のジェクターによるPKS回収・搬送動画

タンカー船内|PKS(ヤシ殻)回収・搬送作業

→ タンカー船内に残ったPKSを吸引し、ホースを通して搬送している実際の作業事例です。

ジェクターは、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機です。

内部はシンプルなストレート構造で、モーターや回転機構などの駆動部を持ちません。

ベルトやスクリューによって材料を運ぶのではなく、圧縮空気を利用して材料を吸引し、ホース・配管を通して搬送します。

そのため、

  • 長距離を搬送したい
  • 高所へ材料を送りたい
  • 複雑な経路を通したい
  • 床や設備下から直接吸引したい
  • 必要な場所へ移動して使いたい

といった現場で活用を検討できます。


粉体搬送設備は「方式」から考える

設備選定では、いきなり機種を決めるのではなく、

どの搬送方式が現場に合っているのか

から考えることが重要です。

例えば、

大量・連続・固定ルート

なら固定式コンベアが有力です。

一方、

吸引・長距離・高低差・複雑なルート

が必要なら空気搬送が候補になります。

さらに、

一時的な大量回収

ならバキューム車が適している場合もあります。

設備ごとの特徴を理解して使い分けます。


粉体搬送方式1.空気搬送

空気の流れを利用して粉体・粒体を搬送する方式です。

ホースや配管を利用するため、

  • 長距離
  • 高低差
  • 曲がりのある経路
  • 設備間搬送
  • 床からの吸引
  • 設備下からの回収

などに対応しやすい特徴があります。

また、搬送経路をホース・配管で構成できるため、ベルトコンベアを設置しにくい場所でも検討できます。


空気搬送が向いている現場

例えば、

設備A
↓
水平50m
↓
建屋2階
↓
ホッパーB

という搬送では、ベルトコンベアを設置すると大きな設備になる可能性があります。

空気搬送なら、

設備A
↓
ジェクター
↓
ホース・配管
↓
ホッパーB

という構成を検討できます。

また、

床に散らばった材料

を直接吸引できる点も、固定式コンベアとは異なる特徴です。


ジェクターによる空気搬送

ジェクターでは、

吸引側をできるだけ短くし、長距離部分を排出側へ取る

構成を推奨しています。

吸引側は5m程度を推奨しています。

現場条件によって10m前後で使用される場合もありますが、吸引側が長くなるほど搬送条件は厳しくなります。

条件が合えば、排出側で水平約200m程度、高低差では垂直約100m程度の搬送を検討できる場合があります。

ただし、これらは保証値ではありません。

  • 搬送物
  • 粒径
  • かさ密度
  • 水分
  • 必要搬送量
  • ホース径
  • 曲がり
  • コンプレッサー能力

などによって実際の搬送条件は変わります。


粉体搬送方式2.ベルトコンベア

ベルトコンベアは、ベルト上へ材料を載せて搬送する方式です。

一定ルートで材料を連続搬送する用途に使用されています。

例えば、

原料供給設備
↓
ベルトコンベア
↓
次工程

のような固定ラインです。

大量の材料を連続して運ぶ用途では有力な選択肢になります。


ベルトコンベアが向いている現場

例えば、

  • 搬送ルートが固定されている
  • 大量に連続搬送する
  • 材料を一定方向へ運び続ける
  • 十分な設置スペースがある

といった場合です。

一方、

床の複数箇所から材料を回収する

といった用途では、固定されたベルトコンベアだけでは対応しにくい場合があります。


粉体搬送方式3.スクリューコンベア

スクリューコンベアは、筒やトラフ内部のスクリューを回転させて材料を押し出す方式です。

例えば、

  • ホッパー下から材料を切り出す
  • 一定距離を定量的に搬送する
  • 生産設備の一部として組み込む

といった用途で使用されます。

固定設備として安定した供給を行う用途では有力です。


スクリューコンベアが向いている現場

例えば、

ホッパー
↓
スクリューコンベア
↓
次工程

のように、搬送元と搬送先が固定されている場合です。

一方、スクリューという回転機構を使用するため、

  • 長距離
  • 大きな高低差
  • 複雑な経路
  • 複数箇所からの吸引回収

などでは別方式の方が適している場合があります。


粉体搬送方式4.バケットエレベーター

バケットエレベーターは、材料をバケットへ入れて上方向へ運ぶ設備です。

主に、

下階
↓
上階

への連続搬送に使用されます。

大量の材料を決まった場所から高所へ連続的に搬送する用途では有力です。

一方、設備自体を設置するためのスペースや構造物が必要になります。


粉体搬送方式5.フォークリフト・フレコン搬送

粉体・粒体を、

フレコンへ入れる
↓
フォークリフトで運ぶ
↓
別設備へ投入

という方法も一般的です。

搬送ルートを固定する必要がなく、工場内で柔軟に運用できます。

一方、

  • フレコンへの充填
  • フォークリフト運搬
  • 荷下ろし
  • 次工程への投入

といった作業が必要になります。


フレコン搬送の中間工程を減らせないか考える

例えば、

設備A
↓
フレコンへ排出
↓
フォークリフトで100m運搬
↓
フレコンを吊り上げる
↓
設備Bへ投入

している場合です。

現場条件によっては、

設備A
↓
ジェクター
↓
ホース・配管で搬送
↓
設備Bへ直接投入

という構成を検討できます。

設備を選ぶときには、機械本体の性能だけでなく、

途中に発生している人力作業や運搬工程を減らせないか

まで確認します。


粉体回収方式6.バキューム車

大量の粉体・堆積物を一時的に吸引回収する場合には、バキューム車も選択肢になります。

例えば、

  • 定期清掃
  • 大量の堆積物回収
  • 一時的な設備清掃

などです。

自社設備を導入する必要がないため、使用頻度が低い現場では外注が合理的な場合があります。

一方、頻繁に回収作業が発生する場合には、

毎回外注するのか
自社設備を保有するのか

を比較する必要があります。


選定ポイント1.搬送物

まず確認するのが、

何を運ぶのか

です。

確認したいのは、

  • 材料名
  • 粉体・粒体
  • 粒径
  • 最大粒径
  • かさ密度
  • 水分
  • 粘着性
  • 固結性
  • 摩耗性

などです。

搬送方式によって得意な材料が異なるため、設備選定の基本になります。


選定ポイント2.搬送量

次に、

どのくらいの量を、どのくらいの時間で運ぶのか

を確認します。

例えば、

1日10t

でも、

8時間かけて10t

なのか、

1時間で10t

なのかでは必要能力が大きく異なります。

大量・連続搬送が中心なら固定式コンベアが適している場合があります。

一方、間欠的な回収や設備間搬送なら空気搬送が適している場合があります。


選定ポイント3.搬送距離

短距離なのか、長距離なのかも重要です。

例えば、

ホッパーから5m先の設備

であれば、スクリューコンベアなども検討しやすくなります。

一方、

建屋内を100m近く搬送する

のであれば、設備配置や搬送経路を含めて方式を比較する必要があります。

単純な本体価格だけではなく、必要となる架台・配管・構造物なども含めて考えます。


選定ポイント4.高低差

搬送先が高所にある場合には、高低差も重要です。

例えば、

1階から3階のホッパーへ投入

する場合、

  • バケットエレベーター
  • 空気搬送
  • その他の垂直搬送設備

などを比較します。

水平距離だけではなく、

水平距離+垂直距離

で考えることが重要です。


選定ポイント5.搬送ルート

設備選定では、

材料がどのルートを通るのか

も確認します。

例えば、

  • 柱を避ける必要がある
  • 他設備の上を通る
  • 壁を貫通する
  • 階をまたぐ
  • 車両通路を横断する

といった現場です。

固定式コンベアでは大きな構造物が必要になる場合でも、ホース・配管による空気搬送なら経路を構成しやすい場合があります。


選定ポイント6.設置スペース

工場内では、設備能力だけでなく設置スペースが問題になることがあります。

例えば、

ベルトコンベアを置く場所がない

既存設備が密集している

通路を塞げない

といったケースです。

この場合には、ホース・配管を利用する空気搬送が選択肢になる可能性があります。


選定ポイント7.固定設備か移動設備か

毎日同じ場所で使用するのか、複数箇所で使用するのかも重要です。

固定設備

  • 同じ場所から同じ場所へ搬送
  • 生産ラインへ組み込む
  • 連続運転する

といった用途に向いています。

移動設備

  • 複数の設備を清掃する
  • 床のこぼれを回収する
  • 工場内のさまざまな場所で使う
  • 現場ごとに使用場所が変わる

といった用途に向いています。

ジェクターは現場条件に応じて、固定設備への組み込みと移動使用の両方を検討できます。


選定ポイント8.吸引が必要か

ここは搬送方式を選ぶ大きなポイントです。

例えば、

ホッパーから材料が自然に落ちてくる

のであれば、スクリューやベルトへ供給しやすくなります。

一方、

床に散らばっている材料

設備下に堆積している材料

船倉に残っている材料

などは、まず材料を回収する必要があります。

この場合、

吸引と搬送を同じ設備で行えるか

という視点が重要になります。


選定ポイント9.粉じん

細かな粉体を扱う場合には、搬送中・排出時の粉じんも考慮します。

例えば開放されたコンベアでは、材料によって粉じん対策が必要になる場合があります。

空気搬送でも、排出先では材料とともに搬送空気が出てくるため、適切な空気処理が必要です。

微粉体では、ジェクターと集粉機「ジェクロン」を組み合わせ、

ジェクターで吸引・搬送
↓
ジェクロンで集粉
↓
フレコンなどへ回収

という構成を検討できます。

ジェクロンには、

  • 高性能集じんフィルター
  • インバーターによる風量調整
  • パルスエアーによる自動逆洗

などの機能があります。


選定ポイント10.材料の固結

ホッパーやサイロ内で材料が固結している場合には、搬送設備だけを導入しても材料が供給されないことがあります。

例えば、

材料がブリッジ
↓
吸引口へ材料が流れない
↓
搬送できない

という状態です。

この場合には、

エアースコップで固結物を崩す
↓
ジェクターで吸引・搬送

といった組み合わせも検討できます。

設備選定では、搬送工程だけでなく材料をどのように搬送設備へ供給するかまで確認します。


選定ポイント11.摩耗

砂・ブラスト材・砕石などを搬送する場合には、摩耗も重要です。

空気搬送では材料がホース・配管内部を移動するため、摩耗性の高い材料では対策が必要になります。

ジェクターでは、排出部が最も摩耗しやすい部分です。

摩耗対策として、排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホースを使用する方法があります。

設備本体だけでなく、

  • ホース
  • 配管
  • 曲がり
  • 消耗部品

まで含めて検討します。


選定ポイント12.メンテナンス

搬送設備は導入後も継続して使用するため、メンテナンス性も重要です。

例えば、

  • ベルト
  • ローラー
  • スクリュー
  • 軸受
  • モーター

などの駆動部を持つ設備では、それぞれの点検が必要になります。

ジェクターは駆動部を持たないシンプルなストレート構造ですが、ホース・配管・排出部などの摩耗や付着については定期的な確認が必要です。


選定ポイント13.既存設備を活かせるか

設備改善では、既存ラインをすべて交換する必要があるとは限りません。

例えば、

既存スクリューコンベアはそのまま使用
↓
その先の長距離搬送だけジェクターへ変更

という方法も考えられます。

設備構造によっては、

  • フランジ
  • ニップル
  • ボールジョイント
  • 各種継手

などを利用してジェクターを既存設備へ接続できます。


1種類の搬送方式だけで考えない

工場全体を、

全部空気搬送にする

必要はありません。

例えば、

ホッパーからの定量供給
→ スクリューコンベア

長距離の設備間搬送
→ ジェクター

微粉体の回収
→ ジェクロン

というように、各設備の特徴を活かして組み合わせる方法もあります。

重要なのは、

現場全体で最も使いやすい構成を考えること

です。


「設備価格」だけで比較しない

搬送設備を比較するとき、本体価格だけで判断すると実際のコストを把握しにくくなります。

例えば、

  • 本体価格
  • 配管・ホース
  • 架台
  • 電気工事
  • 設置工事
  • 消耗部品
  • メンテナンス
  • 作業員数
  • フォークリフト運搬
  • 外注費

などがあります。

設備本体が安くても、人力運搬が大量に残るのであれば、長期的な負担が大きくなる可能性があります。


「1工程」ではなく作業全体を見る

例えば、

粉体を20m運ぶ

という工程だけを見ると、現在の台車運搬でも問題がないように見えるかもしれません。

しかし実際には、

材料をスコップですくう
↓
台車へ積む
↓
20m運ぶ
↓
台車から下ろす
↓
ホッパーへ投入する

という作業になっている場合があります。

この場合、

吸引
+
搬送
+
投入

を一つの設備で行えれば、複数工程をまとめられる可能性があります。

設備選定では、単純な「搬送距離」だけでなく作業全体を確認します。


空気搬送が特に検討しやすいケース

ジェクターによる空気搬送は、例えば次のような現場で検討できます。

  • 床・設備下から直接回収したい
  • 搬送距離が長い
  • 高低差がある
  • 搬送経路が複雑
  • コンベアを設置するスペースが少ない
  • 複数箇所で使用したい
  • フレコンへの中間回収を減らしたい
  • 既存設備へ後付けしたい
  • 回収から投入まで一連で行いたい

一方、大量の材料を短距離・固定ルートで常時連続搬送する場合などは、固定式コンベアを含めて比較することが重要です。


空気搬送を選んだ後にジェクターの機種を決める

「空気搬送が適している」と判断した後に、

どのジェクターを使用するか

を検討します。

機種選定では、

  • 搬送物
  • 最大粒径
  • かさ密度
  • 水分
  • 必要搬送量
  • 搬送距離
  • 高低差
  • 曲がり数
  • コンプレッサー能力

などを確認します。

つまり、

搬送方式を選ぶ
↓
必要能力を決める
↓
機種を選定する

という順番です。


実際の材料で搬送テストを行う

粉体・粒体は材料によって搬送特性が異なります。

そのため、空気搬送を検討する場合には実際の材料を使用した搬送テストが有効です。

例えば、

  • 搬送できるか
  • 必要な搬送量を確保できるか
  • ホースへ付着しないか
  • 詰まりが発生しないか
  • 材料へ影響がないか
  • どの機種が適しているか

などを確認します。

「搬送できる」ことと「必要能力を満たせる」ことは別なので、必要に応じて時間当たりの搬送量まで確認します。


現場写真・動画から検討を始めることもできる

設備方式が決まっていない段階でも相談できます。

例えば、

「現在3人でこの作業をしています」

という現場動画があれば、

  • どこから吸引するか
  • どこへ搬送するか
  • どの工程を減らせそうか
  • ジェクターが適しているか
  • 他方式の方が適しているか

を検討しやすくなります。

最初から、

「ジェクターを導入したい」

と決める必要はありません。

現在の作業内容から、適した設備構成を検討することが重要です。


よくある質問

粉体搬送なら空気搬送が一番よいですか?

一概には言えません。

搬送物、搬送量、距離、高低差、使用頻度、設置スペースなどによって適した方式は異なります。

ベルトコンベアとジェクターはどちらが向いていますか?

大量の材料を固定ルートで連続搬送する場合には、ベルトコンベアが適している場合があります。

一方、吸引回収、長距離、高低差、複雑な経路などではジェクターによる空気搬送を検討できます。

スクリューコンベアとジェクターを組み合わせることはできますか?

設備構造によっては可能です。

既存のスクリューコンベアを残し、その前後工程へジェクターを追加する方法なども検討できます。

バキューム車と自社設備はどちらがよいですか?

使用頻度や回収量によります。

一時的な大量回収ではバキューム車が適している場合があり、頻繁に回収作業が発生する場合には自社設備の導入を比較する価値があります。

どの搬送方式がよいか分からなくても相談できますか?

問題ありません。

搬送物、現在の作業方法、距離、高低差、必要搬送量などから設備構成を検討できます。


まとめ

粉体・粒体搬送設備には、

  • 空気搬送
  • ベルトコンベア
  • スクリューコンベア
  • バケットエレベーター
  • フレコン・フォークリフト搬送
  • バキューム車

など、さまざまな方法があります。

重要なのは、

「どの設備が最も高性能か」ではなく、「どの方式が現場に合っているか」

です。

設備選定では、

  • 搬送物
  • 搬送量
  • 距離
  • 高低差
  • 搬送経路
  • 設置スペース
  • 吸引の必要性
  • 粉じん
  • 摩耗
  • メンテナンス
  • 現在の作業工程

などを総合的に確認します。

空気搬送機「ジェクター」は、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機です。

内部はシンプルなストレート構造で駆動部を持ちません。

設備導入や設備改善をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

「ジェクターを使えるか」だけでなく、現在の作業方法や現場条件を確認しながら、空気搬送が適しているか、既存設備との組み合わせが可能かを含めて設備構成をご提案します。


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