この記事でわかること
- ガラス工場で扱われる主な粉体・粒体
- 原料やガラスカレットの搬送・回収で発生しやすい課題
- 空気搬送機を活用できる工程
- ガラス原料を搬送する際の注意点
- ジェクターを活用した設備改善の考え方
はじめに
ガラス工場では、製品の種類に応じてさまざまな粉体・粒体原料を取り扱います。
代表的な原料として、
- 珪砂
- ソーダ灰
- 石灰石
- 長石
- 芒硝
- ガラスカレット
- ガラス粉
などが挙げられます。
これらの原料は、保管場所から計量設備や混合設備、溶解炉周辺などへ搬送されます。
しかし、原料の投入や設備間の移し替えでは、
- コンベア下へ原料がこぼれる
- 設備の隙間へ粉体が堆積する
- ガラス粉が周囲へ飛散する
- 人力での回収や清掃に時間がかかる
- 搬送配管やホースが摩耗する
といった課題が発生する場合があります。
特に珪砂やガラスカレットは摩耗性が高いため、単に搬送できるかだけでなく、設備の耐摩耗性も考慮することが重要です。
本記事では、ガラス工場における原料やガラスカレットの回収・搬送を効率化する方法と、空気搬送機を活用する際のポイントについて解説します。
ガラス工場で扱われる主な搬送物
ガラス工場では、製造するガラスの種類や工程によって異なる原料が使用されます。
珪砂
珪砂は、ガラスの主成分となる二酸化ケイ素を含む原料です。
粒状の資材ですが、搬送時には細かな粉じんが発生する場合があります。
また、硬度が高いため、配管やホースの摩耗にも注意が必要です。
ソーダ灰
ソーダ灰は、ガラス原料の溶融温度を下げる目的で使用される粉体原料です。
細かな粉体であるため、
- 投入時の飛散
- 設備周辺への堆積
- 吸湿による固まり
- 配管内での付着
などが発生する場合があります。
石灰石や長石
石灰石や長石も、ガラスの性質を調整するために使用される代表的な原料です。
粉末状または粒状で扱われることが多く、設備への投入や混合工程で搬送作業が発生します。
ガラスカレット
ガラスカレットとは、製造工程で発生した端材や回収されたガラスを細かく砕いたものです。
溶解原料として再利用されることがあります。
ただし、カレットは、
- 粒径がそろっていない
- 角が鋭い
- 摩耗性が高い
- 異物が混入している場合がある
といった特徴があります。
粒径の大きなカレットや鋭利な破片については、空気搬送が適しているかを事前に確認することが重要です。
ガラス粉
研磨や切断、破砕などの工程では、細かなガラス粉が発生する場合があります。
ガラス粉は設備周辺へ堆積しやすく、清掃作業や作業環境の維持が課題になることがあります。
ガラス工場で発生しやすい搬送・回収の課題
設備周辺への原料のこぼれ
コンベアやホッパー、計量設備の接続部では、振動や投入時の衝撃によって原料がこぼれる場合があります。
こぼれた原料を放置すると、
- 通路の安全性低下
- 原料ロス
- 設備周辺の汚れ
- 清掃時間の増加
につながる可能性があります。
少量のこぼれでも、設備が毎日稼働することで堆積量が増えていきます。
設備下部や隙間への堆積
ガラス工場には、コンベアやホッパー、混合設備、集じん設備などが設置されています。
これらの設備の下部や隙間へ粉体・粒体が入り込むと、ほうきやスコップでは回収しにくくなる場合があります。
狭い場所で無理な姿勢による清掃を繰り返すことは、作業者の負担増加にもつながります。
粉じんの発生
珪砂やソーダ灰、ガラス粉などを投入・移し替えする際には、粉じんが発生する場合があります。
粉じんが設備や床面へ堆積すると、
- 清掃頻度の増加
- 周辺設備への付着
- 作業環境の悪化
- 設備点検の妨げ
につながる可能性があります。
回収作業の効率化だけでなく、粉じんをできるだけ飛散させない設備構成も重要です。
人力による回収作業
設備周辺へこぼれた原料を、
- ほうきで集める
- スコップですくう
- 一輪車や台車へ積み込む
- 回収容器へ移し替える
といった方法で処理している現場もあります。
珪砂やカレットは重量があるため、回収量が多くなるほど作業者への負担も大きくなります。
配管やホースの摩耗
珪砂やガラスカレットなどの硬い資材を搬送すると、資材が配管やホースの内壁へ衝突します。
特に、
- 配管の曲がり部分
- 排出部
- ホースの接続部
- 資材が直接衝突する箇所
では摩耗が進行しやすくなります。
摩耗対策を行わずに使用すると、ホースの交換頻度が増えたり、穴あきによる粉体漏れが発生したりする場合があります。
空気搬送機を活用できる工程
コンベア下にこぼれた原料の回収
ベルトコンベアやスクリューコンベアの下部へこぼれた珪砂や原料粉を、吸引ホースで回収する方法があります。
回収した資材を、
- フレコンバッグ
- ドラム缶
- 回収容器
- 再投入設備
などへ直接排出することで、人力による積み替え作業の軽減が期待できます。
ホッパーや設備周辺の清掃
ホッパー下部や計量設備周辺には、細かな原料が堆積する場合があります。
吸引ホースを使用することで、ほうきやスコップが入りにくい場所にも対応しやすくなります。
設備停止中の清掃時間を短縮できれば、生産再開までの時間短縮にもつながります。
ガラス粉の回収
切断設備や研磨設備、破砕設備周辺で発生したガラス粉の回収にも、空気搬送機を活用できる可能性があります。
ただし、非常に細かな粉体は排気とともに飛散する可能性があるため、集粉機との組み合わせを検討することが重要です。
回収対象物や必要な集粉性能に応じて、適した設備構成を選定します。
フレコンバッグからの原料投入
珪砂やソーダ灰などがフレコンバッグで納入される場合、バッグから取り出した原料をホッパーや混合設備へ搬送する用途にも活用できます。
投入先が離れている場合や高所にある場合でも、ホースや配管を敷設することで搬送できる可能性があります。
クレーンや人力による小分け投入を減らすことで、作業の省力化につながります。
ピット内や設備下部の残材回収
設備下部のピットや狭い空間へ原料が落下すると、作業者が内部へ入って回収しなければならない場合があります。
吸引ホースを延長し、外部から資材を回収できれば、ピット内で行う作業時間の短縮が期待できます。
ただし、実際の作業では現場の安全管理や設備停止、立入手順などを守る必要があります。
小粒のガラスカレットの搬送
粒径や形状が空気搬送に適しているガラスカレットであれば、回収場所から再利用工程や回収容器へ搬送できる可能性があります。
一方で、
- 大きな破片が含まれる
- 長い破片が含まれる
- 異物が混入している
- 鋭利な資材が多い
といった場合は、ホースの損傷や配管詰まりの原因になることがあります。
実際のカレットを使用した搬送テストによって、搬送の可否や適切な粒径を確認することが重要です。
ガラス原料の空気搬送で確認したいポイント
粒径と形状
同じガラスカレットでも、破砕方法によって粒径や形状は異なります。
細かな粒状資材は搬送できても、大きな破片や細長い破片は配管内で引っ掛かる場合があります。
最大粒径だけでなく、資材全体の粒度分布や形状も確認します。
比重
珪砂やガラスカレットは、木質ペレットなどと比べて比重が大きい資材です。
比重が大きくなるほど、同じ搬送量を確保するために必要な圧縮空気量も増える傾向があります。
搬送距離や高低差とあわせて、コンプレッサー容量を確認することが重要です。
搬送距離と高低差
空気搬送設備の能力は、
- 水平搬送距離
- 垂直搬送距離
- 配管径
- 配管の曲がり
- 搬送物の比重
- コンプレッサー容量
などによって変化します。
直線距離だけで判断せず、実際の配管レイアウトをもとに検討します。
水分量
原料が濡れている場合や湿気を含んでいる場合は、資材同士が付着しやすくなります。
ソーダ灰などの吸湿しやすい粉体では、
- 配管内への付着
- ホース内での固まり
- 搬送能力の低下
- 詰まり
が発生する場合があります。
コンプレッサーから供給される圧縮空気の水分にも注意が必要です。
粉じん対策
細かなガラス粉や原料粉を搬送する場合は、排出先で粉じんが舞い上がる可能性があります。
必要に応じて、
- 集粉機
- 密閉容器
- フレコンバッグ
- 排気フィルター
などを組み合わせ、粉じんの飛散を抑える設備構成を検討します。
異物の混入
回収したカレットや設備周辺の残材には、
- 金属片
- ボルト
- 包装材
- 清掃用具の一部
- 大きなガラス片
などが混入する可能性があります。
大きな異物は、配管詰まりや設備損傷の原因になることがあります。
必要に応じて、吸引前の目視確認やふるい分け、分別設備の導入を検討します。
ジェクターを活用した設備改善
空気搬送機ジェクターは、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで使用できます。
ジェクターは、
- 吸引
- 搬送
- 投入
- 排出(散布)
を1台で行える空気搬送機です。
本体内部はシンプルなストレート構造となっており、モーターや回転羽根などの駆動部を持たないことが特徴です。
ガラス工場では、
- コンベア下へこぼれた珪砂の回収
- 設備周辺に堆積した原料粉の清掃
- フレコンバッグからホッパーへの原料投入
- ガラス粉の回収
- ピット内の残材回収
- 小粒カレットの搬送
などへの活用が考えられます。
既設設備を大きく変更せず、必要な工程へ吸引ホースや排出ホースを配置できるため、局所的な回収・搬送設備として導入を検討できます。
ただし、ガラス原料は比重や摩耗性が高く、カレットは粒径や形状にもばらつきがあります。
エコ・ワークでは、実際の搬送物や現場条件を確認したうえで、搬送テストを行い、適した設備構成をご提案しています。
排出部の摩耗対策
空気搬送設備では、排出部が最も摩耗しやすい箇所です。
搬送物は圧縮空気によって加速した状態で排出されるため、排出部のホースや配管内壁へ繰り返し衝突します。
特に、
- 珪砂
- ガラスカレット
- ガラス粉
- 鉱物系原料
などは摩耗性が高く、通常のホースでは摩耗が早く進む場合があります。
エコ・ワークでは、摩耗性の高い搬送物に対して、排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホースをご提案しています。
また、配管を設計する際には、資材が強く衝突する曲がり部分を少なくすることも重要です。
搬送物の性状と使用頻度に応じた摩耗対策を行うことで、ホース交換頻度の低減や設備の安定稼働につながります。
導入前の搬送テストが重要
ガラス工場で扱われる原料は、種類によって性状が大きく異なります。
例えば、
- 珪砂は硬く比重が大きい
- ソーダ灰は細かく吸湿しやすい
- ガラス粉は飛散しやすい
- カレットは粒径や形状にばらつきがある
といった違いがあります。
そのため、名称だけで搬送の可否や処理能力を判断することは困難です。
搬送テストでは、
- 安定して吸引できるか
- 配管内で詰まらないか
- 必要な搬送量を確保できるか
- 資材が破損しないか
- 排出時に粉じんが発生しないか
- どの程度の摩耗対策が必要か
などを確認します。
実際の搬送物を使用することで、導入後のトラブルを減らし、現場に適した設備構成を検討しやすくなります。
エコ・ワークのサポート
エコ・ワークでは、搬送物の性状や現場条件を確認し、空気搬送機ジェクターを活用した設備構成をご提案しています。
ご相談の際には、
- 搬送物の名称
- 粒径
- 比重
- 水分量
- 1時間当たりの希望搬送量
- 水平搬送距離
- 垂直搬送距離
- 既設コンプレッサーの仕様
- 吸引場所と排出場所
- 現場写真や設備図面
などの情報があると、より具体的な検討が可能です。
「コンベア下へこぼれた珪砂を回収したい」
「フレコンバッグから原料を投入したい」
「ガラス粉の清掃作業を省力化したい」
「カレットが空気搬送できるか確認したい」
といったご相談にも対応しています。
まとめ
ガラス工場では、珪砂やソーダ灰、石灰石、ガラスカレット、ガラス粉など、さまざまな粉体・粒体を取り扱います。
これらの回収・搬送作業を効率化することで、
- 人力による清掃作業の負担軽減
- 原料ロスの低減
- 設備周辺の作業環境改善
- フレコンバッグからの投入作業の省力化
- 設備停止中の清掃時間短縮
につながる可能性があります。
一方で、珪砂やカレットは比重と摩耗性が高く、ガラス粉やソーダ灰は飛散や吸湿への対策が必要です。
粒径や形状、搬送距離、コンプレッサー容量などを確認し、現場条件に合わせて設備を選定することが重要です。
設備導入をご検討の際は、実際の搬送物を使用した搬送テストを行い、搬送能力や摩耗、詰まりの有無を事前に確認することをおすすめします。
設備導入や設備改善をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
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