工場やプラントでは、粉体・粒体の保管や運搬にフレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)が広く利用されています。
一度に大量の材料を扱える便利な容器ですが、実際の製造現場では、
- フレコンから粉体を取り出すのに人手がかかる
- 排出時に粉じんが舞う
- 取り出した材料を別の設備まで運ぶ必要がある
- 高い位置にあるホッパーへ投入するのが大変
- 材料が固まってスムーズに排出されない
といった課題が発生することがあります。
こうした作業を効率化するには、単に「フレコンからどう出すか」だけでなく、
フレコンから取り出す → 搬送する → 次工程へ投入する
という一連の工程で考えることが重要です。
この記事では、フレコンバッグから粉体・粒体を取り出す代表的な方法、現場で発生しやすい課題、空気搬送を利用して作業を省力化する方法について解説します。
フレコンバッグとは?
フレコンバッグとは、粉体・粒体などを大量に保管・運搬するための大型の袋状容器です。
「フレキシブルコンテナバッグ」「フレキシブルコンテナ」「FIBC」などと呼ばれることもあります。
工場やプラントでは、例えば、
などの保管・輸送に利用されています。
一度に大量の材料を運べる一方、工場で使用する際には、フレコン内部の材料を取り出して製造設備やホッパーへ投入する工程が必要です。
フレコンバッグから粉体を取り出す代表的な方法
フレコンから材料を取り出す方法は、バッグの構造や材料の性状、必要な処理量によって異なります。
下部排出口から排出する
底部に排出口が付いたフレコンでは、バッグを吊り上げて下部の排出口を開き、重力によって材料を落下させる方法があります。
構造がシンプルで大量の材料を排出しやすい方法ですが、排出先との高低差や設備レイアウトを確保する必要があります。
また、粉体の性状によっては材料がスムーズに流れず、フレコン内部に残る場合もあります。
上部から人力で取り出す
スコップなどを使用して、フレコン上部から材料を取り出す方法です。
設備を用意せず作業できる一方、材料量が多くなると作業員の負担が大きくなります。
さらに、
取り出す → 容器へ移す → 運ぶ → 設備へ投入する
という工程が必要になると、多くの人手と時間が必要になります。
吸引ホースを使って取り出す
フレコン内部へ吸引ホースを入れ、粉体・粒体を吸い出す方法です。
材料を取り出した後、そのままホースや配管内を搬送できる設備であれば、
取り出しと搬送を一つの工程にまとめる
ことができます。
フレコンから粉体を取り出す作業で起こりやすい課題
人力作業が多くなる
フレコンから材料を手作業で取り出す場合、
- 袋を開ける
- 材料を掻き出す
- 小型容器や袋へ移す
- 搬送設備まで運ぶ
- ホッパーなどへ投入する
といった工程が発生することがあります。
材料を大量に使用する工程では、この繰り返しが大きな作業負担になります。
粉じんが飛散する
フライアッシュやセメント原料などの細かな粉体では、フレコンを開封したり材料を移し替えたりする際に粉じんが発生しやすくなります。
特に、
- スコップで掻き出す
- 別容器へ移す
- 上方からホッパーへ落とす
といった開放状態での作業では、粉じんが周囲へ広がる場合があります。
そのため、できるだけ材料を開放状態で扱う回数を減らすことが重要です。
設備までの運搬が必要になる
フレコンを置いている場所と、材料を投入したい設備が離れていることがあります。
例えば、
フレコン
↓
小型容器へ移し替え
↓
台車・フォークリフトで運搬
↓
製造設備へ投入
という工程です。
この中間搬送を減らせれば、工程全体の省力化につながります。
高所への投入が難しい
材料の投入先が高い場所にある場合、フレコンをクレーンなどで吊り上げたり、別の搬送設備を使用したりする必要があります。
設備レイアウトによっては、人が袋を持ち上げて投入するといった負担の大きい作業が残っている場合もあります。
→ 高所への粉体・粒体投入を効率化する方法とは?空気搬送機が活躍する現場を解説
フレコン内部に材料が残ることがある
粉体の流動性が低い場合や、水分・付着性の影響を受けている場合、排出口を開いても材料が完全に排出されないことがあります。
バッグ内部や底部へ材料が残ると、人が振動を与えたり、別途掻き出したりする作業が必要になります。
フレコンからの取り出しを効率化するポイント
「取り出す」と「運ぶ」を一つにする
最も大きな改善ポイントの一つが、材料を取り出した後の運搬工程です。
例えば、人力では、
フレコン → 容器 → 台車 → ホッパー
と何度も材料を移します。
一方、空気搬送設備を利用して、
フレコン → 吸引 → ホース・配管搬送 → ホッパー
とすれば、中間の移し替えや運搬を削減できる可能性があります。
材料を開放する工程を減らす
微粉体では、材料を移し替える回数が増えるほど粉じん飛散の機会も増えます。
フレコンから吸引した材料をホースや配管内部で直接搬送することで、開放状態での作業を減らせます。
投入先まで直接搬送する
省力化を考える場合は、フレコンから材料を取り出すところだけではなく、最終的な投入先まで考えます。
例えば、
- ホッパー
- 反応槽
- 混合設備
- サイロ
- 製造ライン
- 別のフレコン
などへ直接搬送できれば、人による中間運搬を減らせます。
空気搬送によるフレコンからの粉体取り出し
空気搬送は、空気の流れを利用して粉体・粒体をホースや配管内で搬送する方式です。
吸引方式を利用すれば、フレコン内部へホースを差し込み、材料を吸引しながら次工程まで搬送することができます。
例えば、
フレコンバッグ
↓
吸引ホース
↓
空気搬送機
↓
搬送ホース・配管
↓
ホッパー・サイロ・製造設備
という構成です。
これにより、
- スコップによる取り出し
- 小分け容器への移し替え
- 台車による運搬
- 人力による投入
といった工程を削減できる場合があります。
→ エア搬送とは?粉体を効率よく運ぶ仕組みとメリット・デメリット
空気搬送機「ジェクター」でフレコンから吸引・搬送
エコ・ワークでは、圧縮空気を利用して粉体・粒体を吸引・搬送する空気搬送機「ジェクター」を取り扱っています。
ジェクターは、フレコン内部へ吸引ホースを入れて材料を吸引し、排出側のホース・配管を通して離れた場所まで搬送できます。
例えば、
- フレコンから原料を吸引する
- 離れた製造設備まで搬送する
- 高所のホッパーへ投入する
- 設備間の中間運搬を減らす
- フレコン内部に残った材料を回収する
といった用途を検討できます。
本体内部にモーターや回転部などの駆動装置を持たず、圧縮空気を動力として使用するシンプルな構造です。
フレコンから反応槽・ホッパーへ直接投入することも検討できる
フレコンから材料を取り出した後、最終的に反応槽やホッパーへ投入する工程であれば、空気搬送によって両者を直接つなぐ方法も検討できます。
例えば、
原料フレコン
↓
ジェクターで吸引
↓
搬送配管
↓
製造設備・反応槽・ホッパー
という構成です。
これまで、
フレコンから取り出す → 小分けする → 人が運ぶ → 設備へ投入する
という工程だった場合、直接搬送することで作業工程を大幅に減らせる可能性があります。
ただし、実際の設備では対象物の性状だけでなく、投入先の設備条件や運用方法などを確認して構成を検討する必要があります。
微粉体では粉じん回収まで含めて考える
フレコン内部の材料が微粉体の場合、吸引・搬送だけでなく、排出側での粉じん対策も重要です。
特に、
- 焼却灰
- フライアッシュ
- セメント系粉体
- その他の細かな粉体
では、材料を排出する際に細かな粉じんが空気とともに流れる場合があります。
エコ・ワークでは、空気搬送機ジェクターと集粉機「ジェクロン」を組み合わせた構成も取り扱っています。
ジェクロンで搬送物と空気を分離し、材料をフレコンなどへ回収する構成も可能です。
フレコン内部で粉体が固まっている場合
材料の種類や保管環境によっては、フレコン内部の粉体が固結し、吸引や自然排出が難しくなる場合があります。
その原因として、
- 水分・湿気
- 長期保管
- 自重による圧密
- 付着性の高い粉体
などが考えられます。
この場合、単に吸引力を上げるのではなく、材料の状態を確認し、適切な方法でほぐしながら供給することが重要です。
ジェクターによるフレコン取り出しが向いているケース
例えば、次のような現場では空気搬送を検討する価値があります。
- フレコンから材料をスコップで取り出している
- 材料を小型容器へ移して人が運んでいる
- 投入先まで数十m以上離れている
- ホッパーが高い位置にある
- 床や設備周辺への粉じん飛散を減らしたい
- 人手不足で原料投入工程を省力化したい
- 既存設備へ後付けできる搬送設備を探している
一方、対象物や必要搬送量、設備条件によっては他の搬送方式が適している場合もあります。
そのため、フレコンからの取り出し方法だけで設備を選ぶのではなく、工程全体を確認することが重要です。
設備選定前に確認したいポイント
フレコンから粉体・粒体を搬送する設備を検討する際は、次のような情報を確認します。
搬送物の条件
必要な搬送能力
- フレコン1袋あたりの重量
- 1時間あたりに処理したい量
- 1日に使用するフレコン数
搬送ルート
- 水平搬送距離
- 垂直方向の高低差
- 配管・ホース径
- 曲がり・エルボ数
投入先
- ホッパー
- サイロ
- 反応槽
- 混合機
- その他の製造設備
こうした情報が分かれば、必要な機種や設備構成を検討しやすくなります。
実際の粉体・粒体で搬送テストも可能
空気搬送では、材料名だけで搬送可否を判断することが難しい場合があります。
同じ種類の粉体でも、
- 含水率
- 粒度分布
- 付着性
- かさ密度
- 搬送距離
- 必要搬送量
などによって搬送性能が変わるためです。
エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。
「フレコンからこの粉体を吸引できるか試したい」
「反応槽まで直接送れるか確認したい」
「現在の投入作業を何人減らせるか検討したい」
「長距離・高所まで搬送できるか試したい」
といった場合は、材料や現場条件をお知らせください。
よくある質問
フレコンバッグから粉体を直接吸引できますか?
対象物の性状によっては可能です。吸引ホースをフレコン内部へ入れ、空気搬送機で吸引しながら目的地へ搬送する方法があります。
フレコンからホッパーへ直接搬送できますか?
搬送距離、高低差、必要搬送量、対象物の性状などの条件が合えば、フレコンからホッパーまで直接搬送する構成を検討できます。
高い位置にある設備へ投入できますか?
空気搬送は垂直方向への搬送にも利用できます。ただし、必要な能力は高低差や搬送物、配管条件などによって変わります。
湿った粉体でも吸引できますか?
含水率や付着性によって搬送性が大きく変わります。湿った材料ではホースや配管への付着、固結などが発生する場合があるため、実際の対象物で確認する方法があります。
フレコン内部に固まった材料でも回収できますか?
固結状態によって異なります。塊をそのまま吸引できない場合には、材料を適切な大きさへ崩してから吸引する方法などを検討します。
フレコンへの回収にもジェクターを利用できますか?
はい。ジェクターで粉体・粒体を吸引・搬送し、排出側でフレコンへ回収する構成も利用されています。微粉体ではジェクロンなどの集粉設備を組み合わせる方法もあります。
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まとめ
フレコンバッグは大量の粉体・粒体を保管・運搬するのに便利ですが、実際に材料を使用する工程では、
- 人力による取り出し
- 粉じん飛散
- 小分け・移し替え
- 台車などによる中間搬送
- 高所設備への投入
などが課題になることがあります。
作業を省力化するためには、単に「フレコンから材料を出す」という作業だけを見るのではなく、
「取り出す → 搬送する → 次工程へ投入する」
までを一つの工程として考えることが重要です。
空気搬送機「ジェクター」を利用すれば、フレコン内部から材料を吸引し、ホース・配管を通して離れた設備や高所まで直接搬送できる場合があります。
フレコンからの粉体取り出し、人力運搬、ホッパー・反応槽への投入などの省力化をご検討の場合は、対象物・必要搬送量・搬送距離・高低差・投入先などをお知らせください。
