粉体・粒体搬送設備は、製造工場や焼却施設、発電所、プラント設備など、さまざまな現場で使用されています。
しかし設備を長期間使用していると、
・以前より搬送量が減った
・配管やホースが詰まりやすくなった
・修理や部品交換が増えた
・清掃やメンテナンスに時間がかかる
・現在の作業人数では運用が難しくなった
といった変化が現れることがあります。
こうした症状が出たとき、
「修理して使い続けるべきか?」
「設備を改造すれば対応できるのか?」
「新しい搬送設備へ更新した方がよいのか?」
と迷うこともあります。
粉体搬送設備は、単に「古くなったから交換する」のではなく、現在の搬送物・処理量・搬送距離・作業人数などを含めて見直すことが重要です。
この記事では、粉体搬送設備の更新を検討したいサインと、修理・改造・新規導入を判断するときのポイントについて解説します。
粉体搬送設備はなぜ更新が必要になる?
粉体搬送設備は、使用を続けることで少しずつ状態が変化します。
例えば、
・配管
・ホース
・シール部
・接続部
・フィルター
・エルボ
・排出部
などは、対象物や運転条件によって摩耗・劣化します。
特に、
など、摩耗性のある粉体・粒体では消耗が進みやすい場合があります。
一方で、設備本体に大きな故障がなくても、導入当初と現場条件が変化することがあります。
設備ではなく「現場条件」が変わっていることもある
例えば、設備導入時と比較して、
・処理量が増えた
・搬送距離が長くなった
・新しい材料を扱うようになった
・人員が減った
・高所まで搬送する必要が出てきた
・粉じん対策が必要になった
といった変化です。
この場合、
「設備が壊れた」
のではなく、
「今の設備では現在の作業条件を満たせなくなった」
可能性があります。
そのため更新を検討する際は、設備の年数だけでなく、現在の作業条件と合っているかを確認することが重要です。
更新を検討したいサイン① 配管・ホースの詰まりが増えた
以前は問題なく搬送できていたのに、
・配管詰まりが増えた
・清掃回数が増えた
・搬送中に頻繁に停止する
・特定の場所に材料が堆積する
といった症状がある場合は、設備状態や搬送条件を確認する必要があります。
原因としては、
・材料の含水率変化
・配管内部への付着
・エアー量不足
・搬送量の増加
・配管ルート変更
・ホースの劣化
などが考えられます。
必ずしも設備交換が必要とは限りません。
まずは、
「なぜ詰まりが増えたのか」
を確認することが重要です。
更新を検討したいサイン② 搬送能力が低下した
同じ対象物・同じ作業なのに、
・以前より作業時間が長い
・1時間あたりの搬送量が減った
・吸引力が弱く感じる
・材料が配管内へ残る
といった場合は、搬送能力が低下している可能性があります。
原因として、
・ホースへの穴あき
・エア漏れ
・配管内部への堆積
・フィルターの目詰まり
・コンプレッサー能力不足
・搬送物の性状変化
なども考えられます。
そのため、
「能力が落ちた=すぐ設備交換」
とは限りません。
更新を検討したいサイン③ 修理・部品交換が増えた
設備を長期間使用していると、
・ホース交換
・シール交換
・モーター修理
・ベアリング交換
・配管修理
・緊急停止対応
などが増える場合があります。
一つひとつの修理費は小さくても、年間で積み重なると大きなコストになります。
例えば、
年間修理費
+
部品代
+
作業員の対応時間
+
設備停止による損失
まで含めると、新設備へ更新した方が合理的になる場合があります。
更新を検討したいサイン④ 設備停止時間が増えた
粉体搬送設備のトラブルによって、
・生産ラインが止まる
・清掃が終わるまで次工程へ進めない
・修理業者を待つ必要がある
といった状態になる場合があります。
設備更新では、
「修理費がいくらかかるか」
だけでなく、
「設備停止によってどれくらいの損失が発生しているか」
も重要です。
例えば、1時間の停止が大きな生産ロスにつながる設備では、故障頻度が増えた段階で更新を検討する価値があります。
更新を検討したいサイン⑤ 人手不足への対応が難しい
設備そのものは正常でも、
「以前は4人いた作業員が現在は2人しかいない」
というように、人員構成が変化する場合があります。
これまで、
・スコップで回収する
・一輪車で運搬する
・人がホッパーへ投入する
といった作業を複数人で行っていた場合、人員が減ると作業そのものが難しくなります。
このような場合は設備更新を、
「老朽化対策」
ではなく、
「省人化・省力化」
として考えることもできます。
更新を検討したいサイン⑥ 搬送距離・高低差が変わった
設備導入後に工場レイアウトが変わり、
・搬送先が遠くなった
・設備上部へ投入する必要が出た
・地下ピットから地上まで搬送したい
・別棟へ搬送する必要が出た
といった条件変更が発生することがあります。
搬送距離や高低差が変わると、設備に必要な能力も変化します。
そのため、従来設備をそのまま延長するだけでは十分な能力を確保できない場合があります。
更新を検討したいサイン⑦ 扱う材料が変わった
以前は乾燥した粉体だけを扱っていた設備で、
・湿った材料
・比重の重い材料
・大きな粒体
・摩耗性の高い材料
・付着性の高い材料
を扱うようになるケースもあります。
同じ搬送設備でも、対象物が変われば搬送条件も変化します。
そのため、新しい材料を扱う際は、既存設備がその対象物に適しているか確認する必要があります。
更新を検討したいサイン⑧ 粉じん・清掃負担を改善したい
古い設備では、
・開放状態で材料を投入する
・積み替え回数が多い
・粉体が設備周辺へ飛散する
といった構造になっている場合があります。
搬送設備を見直すことで、
・ホース・配管による密閉搬送
・集粉設備との組み合わせ
・フレコンへの直接排出
などを検討できる場合があります。
設備更新は、搬送能力だけでなく作業環境改善の機会にもなります。
修理・改造・新規導入のどれを選ぶ?
設備に問題が出たからといって、必ず新しい設備へ交換する必要はありません。
大きく、
・修理
・改造
・新規導入
の3つの選択肢があります。
修理が向いているケース
例えば、
・ホースが摩耗している
・シールが劣化している
・接続部からエア漏れしている
・一部の消耗部品だけが故障している
といった場合です。
設備本体の能力や構成に問題がなく、消耗部品を交換すれば本来の性能へ戻る場合は、修理の方が合理的です。
改造が向いているケース
既存設備を活かしながら、
・ホースを変更する
・配管ルートを変更する
・集粉設備を追加する
・排出先を変更する
・搬送設備を追加する
などで改善できる場合があります。
設備の基本能力は足りているものの、
「現在の使い方だけ改善したい」
場合は改造が候補になります。
新規導入が向いているケース
一方、
・必要搬送量が大幅に増えた
・搬送距離が大きく伸びた
・現在とは異なる材料を扱う
・故障・修理が頻発する
・部品供給が難しくなった
・省人化を大きく進めたい
といった場合は、新しい設備を検討する価値があります。
「修理費が高いから更新」だけで判断しない
設備更新の判断では、
修理費 vs 新設備価格
だけで比較するのでは不十分です。
確認したいのは、
・年間修理費
・年間メンテナンス時間
・設備停止時間
・必要作業人数
・処理能力
・清掃時間
・将来必要な搬送量
などです。
例えば、
古い設備の修理費自体は年間50万円でも、
・設備停止
・清掃
・作業人数
まで含めると、年間でより大きなコストになっている場合があります。
設備更新前に現在の作業を数字にする
更新効果を判断するためには、現在の状態を数字で残しておくことをおすすめします。
例えば、
・1時間あたりの搬送量
・1回の作業時間
・必要人数
・年間修理回数
・年間修理費
・清掃時間
・設備停止時間
などです。
更新後に同じ項目を測定すれば、
「どれだけ改善できたか」
を評価できます。
設備更新によって期待できる効果
現場条件に適した設備へ見直すことで、
・搬送能力向上
・作業時間短縮
・作業人数の削減
・設備停止時間の短縮
・メンテナンス負担軽減
・粉じん対策
・作業環境改善
などにつながる可能性があります。
既存記事でも、設備更新によって作業時間短縮・能力向上・人員削減・粉じん対策・安全性向上などが期待できるとしています。
空気搬送機「ジェクター」を設備更新の選択肢に
エコ・ワークが取り扱う空気搬送機「ジェクター」は、コンプレッサーから供給される圧縮空気を利用して、粉体・粒体を吸引・搬送する設備です。
ジェクター本体にはモーターや回転機構などの駆動部がなく、シンプルな構造となっています。
これまで、
・焼却灰
・フライアッシュ
・ブラスト材
・木質ペレット
・PKS
・パーライト
・溶接砂
・セラミックボール
・土砂
などの回収・搬送に使用されています。
用途によって、
・回収
・搬送
・投入
・排出
・散布
などに活用できます。
ジェクターが向いている設備更新の例
例えば、
人力搬送を減らしたい
スコップや台車による運搬をホース搬送へ置き換える。
重機が入れない場所から回収したい
工場設備内部、船倉、地下、狭所などへホースを延長する。
長距離・高所へ搬送したい
離れた場所や設備上部へ粉体・粒体を搬送する。
集粉設備と組み合わせたい
ジェクターと集粉機「ジェクロン」を組み合わせて、粉じん対策を含めた設備構成を検討する。
すべての既存設備をジェクターへ置き換える必要はない
設備更新で重要なのは、
「今ある設備を全部なくしてジェクターへ交換する」
ことではありません。
現場によっては、
既存設備
+
ジェクター
という構成も有効です。
例えば、
既存ホッパーやフレコン設備は残し、
「そこまで材料を運ぶ工程」
だけをジェクターで省力化する方法です。
現在の設備を活かせる部分は残しながら、負担の大きい工程だけを改善する方法も検討できます。
導入前に実際の対象物でテストする
新しい搬送設備を検討するときは、
「現在扱っている材料を本当に搬送できるか」
を確認することが重要です。
粉体・粒体は、
・粒径
・比重
・含水率
・付着性
・摩耗性
などによって搬送性が変化します。
エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。
テストでは、
・搬送可否
・搬送量
・必要機種
・コンプレッサー能力
・ホース構成
・付着・詰まり
などを確認できます。
設備更新を相談するときに準備したい情報
次の情報があると設備検討を進めやすくなります。
・現在扱っている材料
・粒径
・比重・かさ密度
・含水率
・現在の搬送量
・必要な搬送量
・搬送距離
・高低差
・現在の設備
・現在困っていること
・作業人数
・現場写真
・設備図面
すべて揃っていなくても問題ありません。
「現在4人でスコップ作業をしている」
「配管詰まりが増えている」
といった情報からでも検討を始めることができます。
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よくある質問
粉体搬送設備は何年で更新するべきですか?
一律に年数だけで判断することはできません。
対象物、運転時間、摩耗性、メンテナンス状況などによって設備状態は異なります。
使用年数よりも、故障頻度や能力低下、修理費などを確認して判断することが重要です。
搬送能力が落ちたら設備交換が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。
エア漏れ、ホース劣化、材料付着、フィルター目詰まりなどが原因の場合は、修理や清掃で改善できる可能性があります。
修理と設備更新はどう判断しますか?
設備本体の能力が現在の条件を満たしているのであれば、修理が合理的な場合があります。
一方、必要搬送量や搬送距離が大きく変化している場合は、設備自体の見直しを検討します。
既存設備を残したままジェクターを追加できますか?
現場条件によって可能です。
既存設備への投入・回収工程だけをジェクターで省力化するなど、組み合わせて使用できる場合があります。
更新前に搬送テストできますか?
ジェクターについては、実際の対象物を使用した搬送テストをご相談いただけます。
搬送可否や能力を確認したうえで、適した設備構成を検討します。
まとめ
粉体搬送設備の更新は、
「古くなったから交換する」
だけではありません。
更新を検討したいサインとして、
・配管・ホースの詰まり増加
・搬送能力低下
・修理・部品交換の増加
・設備停止時間の増加
・人手不足
・搬送距離や処理量の変化
・新しい搬送物への対応
・粉じんや清掃負担
などがあります。
重要なのは、
「現在の設備が壊れているか」
だけではなく、
「現在の現場条件に合っているか」
を確認することです。
状態によっては、
・修理
・部分改造
・新規設備導入
のいずれかが適しています。
エコ・ワークでは、現在の作業方法や対象物、搬送距離などを確認したうえで、空気搬送機「ジェクター」を活用した設備改善についてご相談いただけます。
実際の対象物による搬送テストにも対応していますので、設備更新・省力化をご検討の場合はお気軽にお問い合わせください。
