粉体搬送設備の能力はどう決める?搬送量・距離・比重から考える選定方法

粉体・粒体の搬送設備を導入するとき、

「どのくらいの能力の設備を選べばいいのか?」

「1時間あたり○トン運びたい場合、どの機種が必要なのか?」

「搬送距離が長くなると能力はどのくらい変わるのか?」

といった疑問が出てきます。

粉体搬送設備の能力は、単純に「1時間あたりの搬送量」だけでは決められません。

同じ設備でも、

・搬送物の種類
・粒径
・比重
・含水率
・搬送距離
・高低差
・配管やホースの構成

などによって、実際の搬送能力は変化します。

この記事では、粉体・粒体搬送設備の能力を決める際に確認したい条件と、設備選定の考え方について解説します。

粉体搬送設備の「能力」とは?

粉体搬送設備では、

「○kg/h」

「○t/h」

など、一定時間あたりに搬送できる量で能力を表すことがあります。

例えば、

1時間あたり2t搬送できる設備

であれば、単純計算では30分で約1tを搬送することになります。

しかし、実際の現場では必ずしもカタログ上の数値通りになるとは限りません。

粉体・粒体は対象物によって性質が大きく異なるためです。

同じ設備でも搬送能力が変わる理由

例えば、

・細かい粉体
・砂
木質ペレット
PKS
焼却灰

では、それぞれ粒径や比重、流動性などが異なります。

さらに、

水平10mを搬送する場合

水平100m+垂直20mを搬送する場合

でも必要な条件は変わります。

そのため、

「この機械は○t/h搬送できます」

という数字だけで設備を選定するのではなく、

「何を、どこから、どこまで、どのくらい運びたいのか」

を整理することが重要です。

搬送能力を決める主な条件

粉体・粒体搬送設備を選定するときは、主に次の条件を確認します。

① 必要な搬送量

まず確認したいのが、

「どのくらいの量を、どのくらいの時間で搬送したいのか」

です。

例えば、

1tを1時間で搬送したい

場合と、

1tを10分で搬送したい

場合では、必要な設備能力が大きく異なります。

また、

・連続運転なのか
・1日数回だけ使用するのか
・清掃目的なのか
・生産工程として使用するのか

によっても設備選定は変わります。

② 搬送物の種類

粉体搬送設備では、搬送物の性質が非常に重要です。

確認したい代表的な項目として、

・粉体か粒体か
・粒径
粒度分布
・比重
・形状
・流動性
付着
・含水率

などがあります。

同じ重量でも、軽い材料と重い材料では必要な搬送条件が異なります。

③ 粒径

粒径も搬送性に影響します。

例えば、

・微粉
・砂状
・ペレット状
・比較的大きな粒体

では、それぞれ搬送時の挙動が異なります。

また、大きな粒だけでなく、

「大きさがバラバラ」

という場合も注意が必要です。

搬送設備を検討するときは、

平均粒径だけでなく最大粒径

も確認しておくと設備選定がしやすくなります。

④ 比重・かさ密度

搬送物の重量も重要です。

例えば、パーライトのような軽量材料と、砂やブラスト材のような重量物では搬送条件が異なります。

設備メーカーへ相談する際には、

・真比重
かさ密度

などの情報があると、より具体的な検討ができます。

正確な数値が分からない場合でも、

「20Lの容器に入れると何kg程度になる」

といった情報が参考になる場合があります。

⑤ 含水率

粉体搬送では、水分も重要な条件です。

乾燥した材料では問題なく流れていても、水分を含むことで、

・付着する
・固まる
・ブリッジする
・ホースや配管内部に堆積する

といった現象が発生する場合があります。

そのため、

「通常は乾燥しているが、雨天時には濡れる」

「工程上、水分を含むことがある」

といった情報も設備選定時には重要です。

⑥ 搬送距離

空気搬送設備では、搬送距離も能力に影響します。

一般的に搬送経路が長くなるほど、圧力損失などの影響を受けるため、設備条件を慎重に検討する必要があります。

例えば、

吸引側5m+排出側20m

吸引側20m+排出側100m

では、同じ条件とは考えられません。

そのため設備メーカーへ相談するときは、

「全長100m」

だけではなく、

吸引側○m
排出側○m

というように分けて伝えると、より具体的な検討ができます。

⑦ 高低差

水平距離だけでなく、高低差も重要です。

例えば、

・地下ピットから地上へ搬送
・地上から設備上部へ投入
・船倉内部から船外へ搬送

などでは、垂直方向への搬送が発生します。

設備選定時には、

水平距離○m
垂直距離○m

という形で整理しておきましょう。

⑧ ホース・配管の曲がり

搬送距離が同じでも、経路によって条件は変化します。

例えば、

直線20m

曲がりが何ヶ所もある20m

では搬送条件が異なります。

空気搬送では曲がり部分で圧力損失が発生するほか、対象物によっては摩耗にも注意が必要です。

可能であれば、

・搬送経路
・曲がりの数
・設置スペース

なども確認しておきましょう。

搬送能力は「最大値」だけで選ばない

設備選定では、

「とにかく能力の大きな機械を選べばいい」

というわけではありません。

必要以上に大型の設備を選ぶと、

・設備費
・消費エネルギー
・必要なコンプレッサー
・設置スペース
・取り回し

などが大きくなる可能性があります。

重要なのは、

必要な搬送量を満たしながら、現場で運用しやすい設備を選ぶこと

です。

空気搬送機「ジェクター」の場合

エコ・ワークが取り扱う空気搬送機「ジェクター」は、コンプレッサーから供給される圧縮空気を利用して、粉体・粒体を吸引・搬送する設備です。

用途や必要能力に応じて複数の機種があります。

これまで、

・木質ペレット
・PKS
・ブラスト材
・焼却灰
フライアッシュ
・パーライト
溶接砂
セラミックボール
・土砂

など、さまざまな対象物の回収・搬送に使用されています。

ジェクターは長距離・高所搬送にも対応

ジェクターでは、条件によって、

水平最大200m
垂直最大100m

の搬送が可能です。

ただし、

「200mなら必ず同じ能力で搬送できる」

という意味ではありません。

実際の搬送能力は、

・対象物
・粒径
・比重
・含水率
・搬送距離
・高低差
・ホース構成
・コンプレッサー能力

などによって変化します。

そのため、実際の現場条件を確認したうえで機種を選定することが重要です。

コンプレッサー能力も重要

ジェクターは圧縮空気を動力として使用するため、コンプレッサーの能力も設備選定に関係します。

ジェクター本体だけを大型化しても、必要な空気量を供給できなければ十分な性能を発揮できません。

そのため、

ジェクター本体

コンプレッサー

ホース・配管

を一つの搬送システムとして考える必要があります。

実際の対象物で搬送テストを行う

粉体・粒体搬送では、計算や仕様だけでは判断しにくい対象物があります。

特に、

・付着性がある
・水分を含む
・粒径が不均一
・材料が固まりやすい
・初めて扱う材料

などでは、実際の対象物を使った搬送テストが有効です。

エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてご相談いただけます。

テストによって、

・搬送できるか
・どの程度の能力が出るか
・どの機種が適しているか
・どの程度のコンプレッサーが必要か
・ホース構成をどうするか

などを確認できます。

設備相談前に準備しておきたい情報

粉体・粒体搬送設備についてお問い合わせいただく際は、次の情報があると設備選定がスムーズです。

・搬送物
・粒径
・最大粒径
・比重またはかさ密度
・含水率
・必要搬送量
・水平搬送距離
・垂直搬送距離
・現在の作業方法
・使用可能なコンプレッサー
・現場写真
・設備図面

すべて分からなくても問題ありません。

例えば、

「砂のような材料を1日約5t、現在は人力で運んでいる」

といった情報からでも検討を始めることができます。

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よくある質問

粉体搬送設備の能力は何を基準に決めますか?

必要な搬送量だけでなく、対象物、粒径、比重、含水率、搬送距離、高低差などを総合的に確認して選定します。

同じ機械ならどんな材料でも搬送能力は同じですか?

同じではありません。

対象物の性質によって搬送能力は変化します。

搬送距離が長くなると能力は落ちますか?

一般的に搬送距離や高低差、配管構成などは搬送能力に影響します。

実際の能力については対象物と搬送条件を含めて検討する必要があります。

搬送物の詳しいデータがなくても相談できますか?

可能です。

対象物の名称、写真、おおよその粒径、現在の作業方法など、分かる範囲の情報から検討できます。

実際の材料で試すことはできますか?

実際の対象物を使用した搬送テストについてご相談いただけます。

特に搬送実績の少ない材料や、水分・付着性のある材料では事前テストをおすすめします。

まとめ

粉体・粒体搬送設備の能力は、

「1時間あたり何トン運べるか」

だけで決めるものではありません。

重要なのは、

・必要搬送量
・対象物
・粒径
・比重
・含水率
・搬送距離
・高低差
・配管やホースの構成
・動力源

などを総合的に確認することです。

特に空気搬送では、対象物と搬送経路によって実際の能力が変化するため、現場条件に合わせた設備選定が重要になります。

エコ・ワークでは、空気搬送機「ジェクター」の機種選定から、実際の対象物を使用した搬送テストまでご相談いただけます。

「この材料を搬送できるか知りたい」

「必要なジェクターの機種を知りたい」

「現在の人力作業を機械化したい」

といった場合は、対象物や現場条件をお聞かせください。

設備導入をご検討の方へ

ジェクターの導入に
補助金を活用できる可能性があります

人手不足や作業負担の軽減を目的とした設備導入では、 中小企業省力化投資補助金などを活用できる場合があります。 必要に応じて、見積書・製品仕様・導入効果など、 申請に必要となる設備関連資料の作成をお手伝いします。

※補助対象となるかどうかは、導入内容や事業計画、公募要件等によって異なります。

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