粉体・粒体を扱う設備では、
「空気搬送機」
と
「スクリューフィーダー」
が同じような設備として比較されることがあります。
しかし、実際には両者の役割は大きく異なります。
簡単に整理すると、
スクリューフィーダー
→ 粉体・粒体を一定量ずつ次工程へ供給する設備
空気搬送機
→ 粉体・粒体を吸引し、離れた場所へ搬送する設備
です。
そのため、
「どちらの設備の方が優れているか」
というより、
「現在の工程で何をしたいのか」
によって選ぶ設備が変わります。
例えば、
・ホッパーから製造設備へ一定量ずつ原料を供給したい
→ スクリューフィーダー
・フレコンや床にある粉体を吸引して別設備へ運びたい
→ 空気搬送機
といった使い分けが考えられます。
この記事では、空気搬送機とスクリューフィーダーの違い、それぞれのメリット・デメリット、適している用途について解説します。
スクリューフィーダーとは?
スクリューフィーダーは、ケーシング内部に設置されたスクリューを回転させ、粉体や粒体を一定量ずつ次工程へ送り出す設備です。
主に、
・ホッパー
・サイロ
・原料タンク
などの下部に設置され、
貯蔵設備
↓
スクリューフィーダー
↓
製造設備
というように使用されます。
スクリューの回転によって材料を切り出すため、材料供給量を安定させやすいことが特徴です。
スクリューフィーダーの主な役割
スクリューフィーダーの主目的は、
「材料を運ぶこと」
というより、
「必要な量を安定して供給すること」
です。
例えば、
ホッパー内部に1tの原料が入っていても、それを一気に次工程へ流すのではなく、
一定量ずつ安定して供給したい
という場合に使用されます。
製造工程では、
・原料投入量
・混合比
・処理能力
などを一定に保つ必要があるため、供給量の安定は重要です。
スクリューフィーダーのメリット
① 一定量の材料を供給しやすい
最大のメリットです。
スクリューの回転速度などを調整することで、材料の供給量を制御できます。
そのため、
「製造設備へ一定量ずつ原料を送る」
用途に適しています。
② ホッパー・サイロからの切り出しに使いやすい
大量の材料が入ったホッパーやサイロから、そのまま材料を落とすと供給量が不安定になる場合があります。
スクリューフィーダーを設置することで、材料を一定量ずつ切り出すことができます。
③ 連続運転に向いている
製造ラインの一部として常時運転し、原料を連続供給する用途に向いています。
④ 設備制御と組み合わせやすい
インバーターや計量設備などと組み合わせることで、供給量を制御する設備構成も可能です。
スクリューフィーダーのデメリット
① 吸引回収はできない
スクリューフィーダーは、基本的に設備内部へ入ってきた材料を送り出す設備です。
そのため、
・床に堆積した粉体を吸う
・フレコンから直接吸引する
・設備内部を清掃する
といった用途には向いていません。
② 搬送距離が限定される
スクリューフィーダーは、長距離搬送を主目的とした設備ではありません。
基本的には、
ホッパー
↓
近くの次工程
という比較的短い距離で使用します。
③ 搬送ルートを簡単に変更できない
固定設備として設置するため、
「別の場所へ原料を供給したい」
という場合は設備変更が必要になることがあります。
④ 材料によっては摩耗・詰まりに注意が必要
摩耗性の高い材料ではスクリュー羽根やケーシングが摩耗する場合があります。
また、付着性・含水率の高い材料では、設備内へ材料が付着する場合もあります。
空気搬送機とは?
空気搬送機は、空気の流れを利用して粉体・粒体をホースや配管内で搬送する設備です。
エコ・ワークが取り扱う空気搬送機「ジェクター」は、コンプレッサーから供給される圧縮空気を利用して材料を吸引・搬送します。
例えば、
フレコン
↓
ジェクターで吸引
↓
ホース搬送
↓
ホッパーへ投入
といった使い方ができます。
これまで、
・木質ペレット
・PKS
・ブラスト材
・焼却灰
・フライアッシュ
・パーライト
・溶接砂
・セラミックボール
・土砂
など、さまざまな対象物の回収・搬送に使用されています。
空気搬送機のメリット
① 材料を吸引できる
スクリューフィーダーとの大きな違いです。
空気搬送機では、
・床
・フレコン
・設備内部
・船倉
・地下ピット
などから材料を吸引できます。
そのため、
「今ある材料を回収する」
工程から設備化できます。
② 長距離搬送が可能
対象物や設備条件によって、離れた場所へ材料を搬送できます。
ジェクターでは条件によって、
水平最大200m
垂直最大100m
までの搬送に対応します。
ただし、実際の搬送能力は、
・対象物
・粒径
・比重
・含水率
・搬送距離
・高低差
・ホース構成
・コンプレッサー能力
などによって変化します。
③ 高所へ投入できる
例えば、
地上のフレコン
↓
ジェクター
↓
設備上部のホッパー
という使い方ができます。
人が材料を持って階段を上るような工程を省力化できる場合があります。
④ 搬送ルートを変更しやすい
ホースを使用するため、
・搬送場所を変更する
・複数の場所から吸引する
・設備の隙間を通す
といった運用ができます。
⑤ 設備清掃にも利用できる
床や設備内部に残った材料を吸引し、そのまま別の場所へ搬送することができます。
そのため、
「搬送設備」
だけでなく、
「回収・清掃設備」
として使用される場合もあります。
空気搬送機のデメリット
① 定量供給は得意分野ではない
空気搬送機は材料の吸引・搬送を主目的とする設備です。
そのため、
「毎分○kgを高精度に供給する」
といった用途では、スクリューフィーダーなど専用の供給設備が適するケースがあります。
② コンプレッサーなどの動力が必要
ジェクターでは圧縮空気を使用します。
機種によって必要な空気量が異なるため、コンプレッサー能力の確認が必要です。
③ 対象物によって搬送能力が変わる
粉体・粒体は、
・粒径
・比重
・含水率
・付着性
などによって搬送性が変化します。
カタログ上の能力だけではなく、実際の材料・現場条件から設備を選定する必要があります。
空気搬送機とスクリューフィーダーの違い① 設備の役割
最も重要な違いです。
空気搬送機
材料を、
吸引
↓
搬送
↓
投入
する設備です。
スクリューフィーダー
材料を、
貯蔵設備
↓
一定量ずつ切り出す
↓
次工程へ供給
する設備です。
つまり、
「材料を移動させたい」
のか、
「材料を一定量供給したい」
のかで選択肢が変わります。
違い② 吸引回収
空気搬送機は、粉体・粒体を吸引して回収できます。
例えば、
床に堆積した粉体
↓
ジェクター
↓
フレコン
という使用が可能です。
一方、スクリューフィーダーでは、材料を設備内へ投入する必要があります。
そのため、
「現在、人がスコップで材料を集めている」
ような作業では空気搬送機が適するケースがあります。
違い③ 定量供給
定量供給ではスクリューフィーダーが有利です。
一定速度でスクリューを回転させることで、材料を安定して次工程へ供給できます。
空気搬送機でも材料を連続搬送できますが、
「高精度な供給量管理」
を目的とする場合はフィーダー設備の方が適する場合があります。
違い④ 搬送距離
空気搬送機は、長距離・高所搬送に対応できる場合があります。
一方、スクリューフィーダーはホッパーから次工程など、比較的短距離の供給に使用されることが一般的です。
違い⑤ 搬送ルートの自由度
空気搬送ではホース・配管を使用するため、
・設備を避ける
・高所へ上げる
・地下から搬送する
・別の場所へ変更する
といったレイアウトを構成できます。
スクリューフィーダーは固定式のため、供給先の変更には設備変更が必要になる場合があります。
違い⑥ 設備清掃
空気搬送機では、設備内部や床などに残った粉体を直接吸引できます。
スクリューフィーダーは材料供給設備のため、設備清掃を主目的として使用するものではありません。
空気搬送機とスクリューフィーダーの比較表
| 比較項目 | 空気搬送機 | スクリューフィーダー |
|---|---|---|
| 吸引回収 | ◎ | × |
| 定量供給 | △ | ◎ |
| 長距離搬送 | ◎ | △ |
| 高所搬送 | ◎ | △ |
| 設備清掃 | ◎ | × |
| 搬送経路変更 | ◎ | △ |
| 製造ラインへの安定供給 | ○ | ◎ |
| 複数地点からの回収 | ◎ | × |
※実際の適否は対象物・設備仕様・必要能力によって異なります。
スクリューフィーダーが向いている現場
例えば、
・ホッパーから一定量ずつ原料を供給したい
・製造設備へ安定供給したい
・搬送距離が短い
・供給地点が固定されている
・連続生産ラインで使用したい
といった現場です。
空気搬送機が向いている現場
例えば、
・フレコンから原料を吸引したい
・床に堆積した材料を回収したい
・離れた場所へ搬送したい
・高所へ材料を投入したい
・作業場所が複数ある
・設備清掃も行いたい
・人力運搬を減らしたい
といった現場です。
空気搬送機とスクリューフィーダーは組み合わせて使用できる
両者は競合設備というより、
「役割の異なる設備」
として組み合わせることもできます。
例えば、
フレコン
↓
ジェクターで吸引
↓
ホッパー
↓
スクリューフィーダー
↓
製造設備
という構成です。
この場合、
ジェクター
→ フレコンからホッパーまで搬送
スクリューフィーダー
→ ホッパーから製造設備へ一定量供給
という役割分担になります。
人力投入だけをジェクターへ置き換える方法
現在、
フレコン
↓
人が袋を開封・投入
↓
ホッパー
↓
スクリューフィーダー
という設備の場合、
既存のスクリューフィーダーを残したまま、
フレコン
↓
ジェクター
↓
ホッパー
↓
既存スクリューフィーダー
という構成を検討できます。
つまり、
「既存設備を全部交換する」
のではなく、
「人力で行っている前工程だけを省力化する」
方法です。
原料供給工程全体で考えることが重要
設備選定では、
「空気搬送機かスクリューフィーダーか」
の二択で考えない方がよいケースがあります。
例えば原料投入工程では、
原料保管
↓
搬送
↓
一時貯蔵
↓
定量供給
↓
製造設備
という複数工程があります。
この場合、
搬送
→ 空気搬送機
定量供給
→ スクリューフィーダー
と設備を使い分けることで、それぞれの長所を活かすことができます。
空気搬送機「ジェクター」
ジェクターは、コンプレッサーから供給される圧縮空気を利用して粉体・粒体を吸引・搬送する設備です。
ホースを利用することで、
・吸引
・搬送
・投入
・回収
・設備清掃
などに活用できます。
→ 空気搬送機「ジェクター」の詳しい情報はこちら

導入前に実際の対象物でテストする
空気搬送設備では、実際の対象物によって搬送性が変化します。
確認したい条件として、
・粒径
・最大粒径
・比重
・含水率
・必要搬送量
・搬送距離
・高低差
などがあります。
エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。
「現在の原料をホッパーまで搬送したい」
「スクリューフィーダーへの人力投入を減らしたい」
「既存設備を残しながら原料搬送を省力化したい」
といった場合も、対象物や現場条件をお聞かせください。
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よくある質問
スクリューフィーダーとスクリューコンベアは同じですか?
構造が似ている設備もありますが、一般的には目的に違いがあります。
スクリューフィーダーは材料の供給量を調整することを重視し、スクリューコンベアは材料を搬送することを主目的として使用されます。
設備によって構造や用途は異なるため、仕様を確認することが重要です。
空気搬送機で定量供給できますか?
空気搬送機は吸引・搬送を主目的とする設備です。
高い精度で一定量ずつ供給する必要がある場合は、スクリューフィーダーなどの供給設備を組み合わせる方法があります。
スクリューフィーダーまで材料を空気搬送できますか?
現場条件によって可能です。
ジェクターでホッパーなどへ材料を投入し、その後スクリューフィーダーで一定量ずつ次工程へ供給する構成を検討できます。
既存のスクリューフィーダーを残したままジェクターを追加できますか?
現場条件によって可能です。
既存設備をそのまま使用し、フレコンからホッパーまでの人力搬送工程だけをジェクターへ置き換える方法などがあります。
長距離搬送にはどちらが向いていますか?
長距離・高所へ材料を搬送する用途では、空気搬送が適する場合があります。
スクリューフィーダーは一般的に短距離の材料供給を主目的としています。
導入前に搬送テストできますか?
ジェクターについては、実際の対象物を使用した搬送テストをご相談いただけます。
搬送可否、搬送量、必要機種、コンプレッサーなどを確認できます。
まとめ
空気搬送機とスクリューフィーダーは、どちらも粉体・粒体設備で使用されますが、役割が異なります。
スクリューフィーダーは、
・材料を一定量供給する
・ホッパーから材料を切り出す
・製造ラインへ安定供給する
ことを得意とする設備です。
一方、空気搬送機は、
・材料を吸引する
・離れた場所へ搬送する
・高所へ投入する
・設備内部を清掃する
といった用途に適しています。
そのため、
「どちらを導入するか」
ではなく、
「搬送工程と供給工程のどちらを改善したいのか」
を整理することが重要です。
また、
空気搬送機
+
スクリューフィーダー
という組み合わせも可能です。
既存のスクリューフィーダーを残し、人力で行っている原料投入工程だけを空気搬送へ変更することで、省力化できる場合があります。
エコ・ワークでは、既存設備や対象物、搬送距離などを確認したうえで、空気搬送機「ジェクター」を活用した設備改善をご提案しています。
実際の対象物による搬送テストについてもご相談いただけます。
