この記事でわかること
- 粉体搬送で配管・ホースが詰まる主な原因
- 搬送速度不足が閉塞につながる理由
- 水分・付着・固結によるトラブル
- 曲がりや長距離搬送が詰まりへ与える影響
- ジェクターで長距離搬送するときの考え方
- 詰まりを防ぐための設備配置と運用方法
- エコワークによる全国での運用サポート
はじめに
粉体・粒体搬送設備を使用している現場では、
- 配管が突然詰まる
- 搬送量が徐々に低下する
- ホース内部に材料が残る
- 清掃回数が増える
- 詰まりを解消するために設備を止める
といったトラブルが発生することがあります。
配管閉塞は、単に「材料が詰まった」という問題だけではありません。
詰まりによって、
- 生産設備の停止
- 清掃作業の増加
- 人件費の増加
- 搬送能力の低下
- メンテナンスコストの増加
など、現場全体へ影響する可能性があります。
さらに長距離・高所搬送では、搬送距離やホースレイアウトが複雑になるため、設備条件を適切に設定することがより重要になります。
本記事では、粉体・粒体搬送で配管やホースが詰まる原因と、その対策について解説します。
配管詰まりはなぜ起こる?
配管閉塞は、1つの原因だけで発生するとは限りません。
実際には、
- 搬送速度
- 粉体の性状
- 水分
- 搬送距離
- 高低差
- ホース径
- 曲がり
- コンプレッサー能力
など、複数の条件が組み合わさって発生することがあります。
公開中の記事でも、搬送速度不足・付着・水分・配管レイアウト・粉体特性が主な原因として整理されています。
原因① 搬送速度が不足している
粉体・粒体を空気で搬送するためには、材料を移動させ続けられるだけの搬送エネルギーが必要です。
搬送状態が不足すると、
材料が徐々に減速
↓
配管底部へ堆積
↓
流路が狭くなる
↓
さらに搬送能力が低下
↓
閉塞
という状態になる場合があります。
特に、
- 比重が大きい
- 粒径が大きい
- 搬送距離が長い
- 高低差が大きい
といった条件では注意が必要です。
速ければよいわけでもない
閉塞対策として単純に空気量を増やせばよいとは限りません。
搬送速度が必要以上に高くなると、
- ホース摩耗
- 配管摩耗
- 粒子破損
- 微粉化
など別の問題が発生する可能性があります。
そのため重要なのは、
詰まらない範囲で、搬送物に適した安定した搬送条件をつくること
です。
原因② 粉体が配管内部へ付着する
粉体によっては、ホースや配管内部へ付着しやすいものがあります。
付着した材料が徐々に厚くなると、配管の有効断面積が小さくなります。
その結果、
- 搬送抵抗が増える
- 搬送量が減る
- さらに材料が堆積する
という悪循環につながる場合があります。
既存記事でも、吸湿性の高い粉体などでは付着が徐々に進行し、閉塞につながることがあるとしています。
原因③ 水分・湿気の影響
粉体搬送では、水分が大きな影響を与える場合があります。
粉体が湿気を吸収すると、
ことがあります。
特に、
- 梅雨時期
- 屋外設備
- 湿度の高い工場
- コンプレッサーエアに水分が含まれている
といった条件では注意が必要です。
公開中の記事でも、水分を吸収した粉体は固まりやすくなり、配管閉塞へつながる可能性があると説明しています。
コンプレッサー側の湿気にも注意
空気搬送機では、コンプレッサーから供給される圧縮空気を使用します。
圧縮空気に水分が多く含まれている場合、搬送物によってはその湿気がトラブルの原因になる場合があります。
そのため、
- ドレン管理
- エアドライヤー
- エア供給設備の点検
なども重要です。
原因④ 配管・ホースの曲がりが多い
搬送物が曲がり部分へ到達すると、進行方向が変わります。
その際、
- 搬送速度が変化する
- 粒子が壁面へ衝突する
- 搬送抵抗が増える
などの影響が発生します。
特に急激な曲がりが連続すると、材料が滞留しやすくなる場合があります。
公開中の記事でも、曲がりの多い配管や急激な方向転換は粉体滞留の原因になるとしています。
原因⑤ ホースが折れている・潰れている
仮設の搬送設備では、柔軟なホースを使用することがあります。
ホースは取り回しやすい一方、
- 急角度で折れている
- 重量物に踏まれている
- 潰れている
- 極端に小さな半径で曲がっている
状態になると、内部の流路が狭くなります。
その結果、局所的に材料が堆積して閉塞する場合があります。
使用前にホース全体の状態を確認することが重要です。
原因⑥ 搬送距離が長すぎる
搬送距離が長くなるほど、ホース・配管内部の抵抗も増えます。
しかし、
「長距離搬送=詰まりやすい」
と単純に考えるのも正確ではありません。
重要なのは、設備能力に対して、
- 距離
- 高低差
- 曲がり
- 搬送物
- 必要搬送量
が適切かどうかです。
適切な設備構成であれば、長距離搬送にも対応できます。
ジェクターでは排出側200m程度の長距離搬送も可能
空気搬送機「ジェクター」は、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続して使用する設備です。
ジェクター1台で、
- 吸引
- 搬送
- 投入
- 排出(散布)
を行うことができます。
搬送条件によりますが、排出側で200m程度の長距離搬送が可能なケースがあります。
ただし、
「200mまで必ず同じ搬送能力が出る」
という意味ではありません。
実際には、
- 搬送物
- 粒径
- 比重
- 水分
- 必要搬送量
- ホース径
- 高低差
- 曲がり
- コンプレッサー能力
などを確認する必要があります。
条件によっては高さ100m程度の高所搬送にも対応
ジェクターでは、搬送条件によって高さ100m程度の高所搬送が可能なケースもあります。
高所搬送では重力に逆らって材料を送るため、
- 水平距離
- 高低差
- ホース長
- 搬送物の比重
などの影響がより大きくなります。
そのため、高所搬送では特に搬送ルート全体を確認することが重要です。
ジェクターでは吸引側を短くすることが重要
ジェクターの長距離搬送で非常に重要なのが、
吸引側と排出側を分けて考えること
です。
ジェクターでは、吸引側は5m程度を推奨しています。
実際には10m程度で使用しているお客様もいますが、基本的にはジェクター本体を搬送物の近くへ設置します。
そして、
搬送物 ↓ 短い吸引ホース ↓ ジェクター ↓ 長い排出ホース ↓ 搬送先
という構成にします。
つまり、
200m先から吸い込むのではなく、近くで吸い込んでから200m送る
という考え方です。
この本体配置は、長距離搬送を安定させるうえで重要なポイントです。
原因⑦ 粉体の性状に設備が合っていない
粉体・粒体によって、
- 粒径
- 比重
- 粒子形状
- 含水率
- 流動性
- 付着性
は異なります。
そのため、同じ設備・同じ運転条件であっても、搬送結果は変わります。
公開中の記事でも、粉体特性に合わない設備選定は閉塞や搬送能力低下につながるとしています。
数cmの塊が混じる場合にも注意
粉体の中に、
- 固結物
- 異物
- 大きな塊
などが混入していると、ホース径や設備内部の通過条件によっては閉塞の原因になる場合があります。
そのため材料名だけでなく、
最大粒径や塊の有無
も設備選定では重要な情報です。
原因⑧ 供給側で材料が安定して流れていない
詰まりは配管内部だけの問題とは限りません。
ホッパーやフレコンなどの供給側で、
- ブリッジ
- ラットホール
- 固結
が発生すると、材料供給が不安定になります。
材料が一気に崩れ落ちることで、一時的に配管へ大量の材料が供給され、閉塞につながることも考えられます。
既存記事でも、ホッパー内のブリッジ現象が配管閉塞へ関係する場合があるとしています。
配管が詰まりやすい現場で確認したいポイント
詰まりが繰り返し発生する場合には、
① いつ詰まるのか
- 運転開始直後
- 長時間運転後
- 雨天時
- 特定の資材だけ
- 特定の搬送量以上
など、発生条件を確認します。
② どこで詰まるのか
毎回同じ場所で詰まる場合、
- 急な曲がり
- ホースの潰れ
- 配管径
- 摩耗
- 段差
など、局所的な原因がある可能性があります。
③ 何を搬送しているのか
同じ設備でも、材料が変われば搬送条件も変わります。
④ 搬送距離・高低差
水平距離だけでなく、垂直方向も確認します。
⑤ コンプレッサー能力
ジェクターの場合、使用するコンプレッサー能力も搬送状態に関係します。
詰まりを防ぐためには配管レイアウトが重要
可能であれば、
- 急な曲がりを減らす
- ホースを潰さない
- 不要な延長を減らす
- 適切なホース径を使用する
ことが重要です。
特に100m、200mといった長距離搬送では、一つ一つの曲がりによる影響が積み重なります。
搬送距離だけではなく、ホースルート全体を設計することが重要です。
摩耗による穴あきも搬送状態を悪化させる
ブラスト材や焼却灰など摩耗性の高い材料では、ホース内部が摩耗します。
穴が開いてエア漏れが発生すると、搬送に必要な空気が不足し、搬送能力が低下する場合があります。
その結果、
摩耗 → エア漏れ → 搬送能力低下 → 材料堆積 → 閉塞
という流れにつながる可能性があります。
ジェクターでは排出部の摩耗対策も重要
ジェクターでは、排出側が特に摩耗しやすい箇所となります。
そのためエコワークでは、摩耗性の高い材料向けに、排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホースをご提案しています。
摩耗しやすい部分を重点的に補強することで、
- エア漏れ防止
- ホース交換頻度の低減
- 突発停止リスクの低減
- 安定搬送
につながります。
ジェクターのシンプルなストレート構造
ジェクター本体は、モーターや回転部などの駆動装置を持たないシンプルなストレート構造です。
搬送物が通過する経路がシンプルなため、
- 複雑な内部機構が少ない
- 点検しやすい
- 清掃しやすい
という特徴があります。
ただし、搬送物やホース条件が適切でなければ、設備全体として閉塞が発生する可能性はあります。
そのため、本体だけでなくホース・搬送条件まで含めて考えることが重要です。
詰まりが起きたときにやってはいけないこと
配管が詰まった際に、原因を確認せず運転条件を大きく変更すると、別のトラブルにつながる場合があります。
例えば、無理に能力を上げようとすると、
- ホース摩耗
- 設備負荷増加
- 材料破損
などが発生する可能性があります。
まずは、
- 詰まり位置
- 搬送物の状態
- ホースレイアウト
- 水分
- エア供給
などを確認しましょう。
エアースコップで固着物を崩す方法もある
ホッパーや設備内部で材料が固着している場合、搬送設備だけで解決できないケースもあります。
エコワークでは、圧縮空気を利用して固着した粉体・堆積物を崩すエアースコップも取り扱っています。
搬送設備と組み合わせることで、
固着物を崩す ↓ ジェクターで吸引 ↓ 搬送・回収
という運用も可能です。
エコワークでは全国の現場で運用指導を行っています
配管詰まりは、設備スペックだけでは判断できないトラブルです。
実際には、
- ジェクターの設置位置
- 吸引側ホースの長さ
- 排出側ホースのルート
- ホース径
- 高低差
- コンプレッサー
- 搬送物
を確認する必要があります。
エコワークではジェクターを販売するだけでなく、全国の現場で操作方法や運用方法の指導も行っています。
「今の使い方でなぜ詰まるのか」
「本体をどこに置けばよいか」
「ホースをどう取り回せばよいか」
など、実際の現場条件を確認しながら運用方法をご提案しています。
詰まりの相談時にあると便利な情報
配管閉塞についてお問い合わせいただく場合は、
- 搬送物
- 粒径・最大粒径
- 比重
- 含水率
- 水平搬送距離
- 高低差
- ホース径
- 曲がりの数
- 詰まる位置
- 使用するコンプレッサー
- 必要搬送量
- 現場写真・図面
などをご共有いただけると、原因を検討しやすくなります。
まとめ
粉体・粒体搬送における配管閉塞は、
- 搬送速度不足
- 材料の付着
- 水分
- 配管・ホースの曲がり
- 長距離・高所搬送
- ホースの折れ・潰れ
- 粉体特性
- 供給側のブリッジ
- 摩耗によるエア漏れ
など、さまざまな原因によって発生します。
そのため、詰まりを改善するには、
「詰まった部分を掃除する」だけではなく、なぜ詰まったのかを確認すること
が重要です。
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送
や、
高さ100m程度の高所搬送
にも対応できる可能性があります。
一方、吸引側は5m程度を推奨しており、現場によっては10m程度で使用されている例もあります。
そのため、
搬送物の近くにジェクターを設置し、吸引側を短く、排出側を長くする
という配置が長距離搬送では重要になります。
「配管が何度も詰まる」
「長距離搬送で能力が安定しない」
「高所へ送る途中で材料が残る」
「現在のホースルートが適切かわからない」
といった課題がありましたら、お気軽にエコワークまでお問い合わせください。
設備だけでなく、現場条件・搬送ルート・運用方法まで含めてご提案いたします。
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