粉体・粒体の性質を表す数値の一つに「真密度」があります。
真密度とは、粒子と粒子の間にある空間などを除き、材料そのものが占める体積を基準として求める密度です。
粉体を扱う現場では、真密度のほかに「かさ密度」や「見かけ密度」といった言葉も使われるため、違いが分かりにくいことがあります。
特に粉体搬送設備を検討する場合は、真密度だけを見るのではなく、実際に粉体がどの程度の体積を占めるのかを示すかさ密度や、粒径・含水率・流動性なども合わせて確認することが重要です。
この記事では、真密度とは何か、基本的な計算方法、かさ密度・見かけ密度との違い、粉体・粒体を扱う設備との関係について解説します。
真密度とは?
真密度とは、材料の質量を、材料そのものが実際に占める体積で割った値です。
粉体や粒体を容器へ入れると、粒子と粒子の間には空間ができます。
真密度では、この粒子間の空間を材料の体積として扱いません。
そのため、粉体を容器へ入れた状態全体の密度を表す「かさ密度」とは意味が異なります。
簡単に整理すると、
- 真密度:材料そのものの密度
- かさ密度:粒子間の空間も含めた粉体全体の密度
という違いがあります。
真密度の計算方法
真密度の基本的な考え方は、次の式で表せます。
真密度 = 材料の質量 ÷ 材料そのものが占める体積
例えば、ある材料の質量が200gで、材料そのものが占める体積が100cm³だった場合、
200g ÷ 100cm³ = 2g/cm³
となります。
したがって、この材料の真密度は2g/cm³です。
ただし粉体では、粒子同士の間に多数の空間が存在するため、単純に容器へ粉体を入れて体積を測定しただけでは真密度を求めることはできません。
真密度の単位
真密度には、一般的に次のような単位が使用されます。
- g/cm³
- kg/m³
例えば、
1g/cm³ = 1,000kg/m³
です。
材料データシートなどではg/cm³、設備設計や重量計算などではkg/m³が使われる場合があります。
真密度とかさ密度の違い
粉体・粒体を扱う際に特に混同されやすいのが、「真密度」と「かさ密度」です。
最も大きな違いは、粒子と粒子の間にある空間を体積に含めるかどうかです。
| 項目 | 真密度 | かさ密度 |
|---|---|---|
| 意味 | 材料そのものの密度 | 粉体全体としての密度 |
| 粒子間の空間 | 含めない | 含める |
| 粉体の詰まり方による影響 | 比較的小さい | 受けやすい |
| 設備容量の計算 | 通常は直接使用しない | 重要 |
| 粉体搬送量の重量換算 | 通常は直接使用しない | 重要 |
例えば、材料そのものの真密度が2,000kg/m³だったとしても、その粉体1m³の重量が2,000kgになるとは限りません。
粉体として積み上げると粒子と粒子の間に空間ができるため、実際の1m³あたりの重量はそれより小さくなります。
粉体搬送量やホッパー・サイロ容量などを検討するときには、このかさ密度が重要になります。
→ かさ密度とは?計算方法・真密度との違いと粉体搬送への影響を解説
真密度と見かけ密度の違い
真密度と合わせて「見かけ密度」という言葉が使われることもあります。
ここで注意したいのは、「見かけ密度」という言葉の使われ方が分野や測定方法によって異なる場合があることです。
一般的には、材料内部に存在する細孔などをどこまで体積として扱うかによって、真密度とは異なる値になります。
一方、粉体全体を容器へ入れたときの体積を基準にするものは、かさ密度として扱われます。
そのため、材料データに「密度」「見かけ密度」などと記載されている場合は、どの体積を基準として測定した値なのかを確認することが重要です。
なぜ真密度とかさ密度で値が違う?
粉体や粒体を容器へ入れると、粒子同士が完全に隙間なく詰まるわけではありません。
例えば、大きな粒子を容器へ入れると、粒子と粒子の間には空間ができます。
真密度ではその空間を除いて材料そのものの体積を考えますが、かさ密度では空間を含めて体積を計算します。
そのため、一般的には、
真密度 > かさ密度
という関係になります。
この差は、粉体内部にどの程度の空間が存在するかを考えるうえでも重要です。
真密度と空隙率の関係
粉体を積み上げた状態では、粒子と粒子の間に空間が存在します。
この空間が粉体全体に占める割合を表す指標の一つが空隙率です。
真密度とかさ密度が分かっている場合、条件によっては両者の関係から粉体層の空隙の割合を考えることができます。
概念的には、
空隙率 = 1 −(かさ密度 ÷ 真密度)
として表すことができます。
百分率で表す場合は、
空隙率(%)={1 −(かさ密度 ÷ 真密度)}×100
です。
例えば、
- 真密度:2,000kg/m³
- かさ密度:1,000kg/m³
だった場合、
1 −(1,000 ÷ 2,000)= 0.5
となり、単純化した条件では空隙率は50%となります。
ただし、実際の粉体では測定方法や粒子内部の空隙の扱いなどによって考え方が変わるため、使用する密度の定義をそろえることが重要です。
→ 空隙率とは?粉体・粒体の充填状態や搬送に与える影響を解説
真密度は何によって決まる?
真密度は基本的に材料そのものの性質によって決まります。
例えば、
- 材料の組成
- 結晶構造
- 材料内部の構造
- 測定時の温度
- 測定方法
などによって値が異なる場合があります。
一方、かさ密度は材料そのものの性質だけでなく、粒子の詰まり方によっても大きく変化します。
そのため、
- 粒径
- 粒度分布
- 粒子形状
- 振動
- 圧密
などの影響は、特にかさ密度を考える際に重要になります。
真密度は粉体搬送でなぜ重要?
粉体搬送設備を選定する際、真密度は対象物の物性を把握するための情報の一つになります。
ただし、「1時間に何kg搬送できるか」などを検討するときに、真密度をそのまま使用するわけではありません。
実際の粉体は粒子間に空間を持った状態で搬送・保管されるため、重量と体積を換算するときには、かさ密度がより直接的な情報になります。
例えば、真密度が2,500kg/m³の粉体でも、かさ密度が800kg/m³であれば、粉体1m³の重量を考える際には基本的に800kg/m³という値が重要になります。
この違いを理解せず真密度を使用すると、必要な設備容量や搬送量の計算を大きく誤る可能性があります。
粉体搬送設備では密度以外の物性も重要
粉体搬送では、真密度やかさ密度だけで搬送性を判断することはできません。
実際には、
などを総合的に確認する必要があります。
例えば、かさ密度が同じ粉体でも、一方が乾燥したサラサラの材料、もう一方が水分を含んで付着性の高い材料であれば、搬送性能は大きく異なる可能性があります。
粒径・粒度分布も確認する
粉体・粒体を搬送するときには、粒子の大きさも重要です。
また、単純な平均粒径だけでなく、どの大きさの粒子がどの程度含まれているかという粒度分布も確認します。
大きな粒子と細かな粒子が混在している材料では、粒子同士の隙間へ細かな粒子が入り込み、粉体の充填状態やかさ密度が変化する場合があります。
含水率・吸湿性も搬送性能に影響する
粉体の水分状態も重要です。
粉体が水分を含むと、
- 粒子同士が付着する
- 塊が形成される
- 流動性が低下する
- 配管へ付着する
- ホッパーから排出しにくくなる
といった変化が発生する場合があります。
そのため、密度データだけでなく、実際に搬送する状態での含水率や吸湿性も確認します。
空気搬送設備を選定するときに確認したい情報
空気搬送は、空気の流れを利用して粉体・粒体をホースや配管内部で搬送する方式です。
設備選定では、対象物について、
- 材料名
- かさ密度
- 真密度
- 粒径・粒度分布
- 含水率
- 付着性
- 流動性
- 固結の有無
などを確認します。
さらに現場条件として、
- 必要搬送量
- 水平搬送距離
- 垂直方向の高低差
- ホース・配管径
- 曲がりの数
- 吸引場所
- 排出場所
なども重要です。
材料物性と搬送条件の両方を確認することで、必要な設備能力を検討します。
空気搬送機「ジェクター」の選定でも対象物の物性を確認
エコ・ワークでは、圧縮空気を利用して粉体・粒体を吸引・搬送する空気搬送機「ジェクター」を取り扱っています。
ジェクターの機種や設備構成を検討する場合にも、対象物の物性と現場条件を確認します。
特に、
- 対象物のかさ密度
- 粒径
- 含水率
- 必要搬送量
- 搬送距離
- 高低差
などは重要な情報です。
ジェクターは、本体内部にモーターや回転部などの駆動装置を持たないシンプルなストレート構造で、圧縮空気を動力として使用します。
粉体・粒体の、
- 吸引
- 搬送
- 投入
- 回収
などに利用できます。
実際の対象物による搬送テストも可能
真密度・かさ密度などの物性データは設備選定の参考になりますが、数値だけで実際の搬送性能を完全に判断することはできません。
粉体は、
- 水分
- 付着性
- 粒度分布
- 粒子形状
- 固結状態
などによって実際の挙動が変わるためです。
エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。
例えば、
- この粉体をジェクターで搬送できるか
- どの程度の搬送能力が出るか
- 長距離まで搬送できるか
- 高所へ投入できるか
- 配管への付着や詰まりが発生しないか
などを確認できます。
材料データがある場合は、かさ密度・粒径・含水率などの情報と合わせてお知らせください。
よくある質問
真密度とは簡単にいうと何ですか?
粒子同士の間にある空間などを除き、材料そのものが占める体積を基準として求める密度です。
真密度の計算式は?
基本的には「真密度=材料の質量÷材料そのものが占める体積」で表されます。
真密度とかさ密度は何が違いますか?
真密度は粒子間の空間を除いて考えますが、かさ密度は粒子間の空間も含めた粉体全体の体積を基準にします。そのため、一般的には真密度の方がかさ密度より大きくなります。
真密度が分かれば粉体1m³の重量も分かりますか?
粉体として実際に1m³を占める重量を求めたい場合、通常は真密度ではなくかさ密度を確認します。粉体には粒子間の空間が存在するためです。
真密度が高いほど粉体は搬送しにくくなりますか?
真密度だけでは判断できません。実際の搬送性には、かさ密度、粒径、含水率、流動性、付着性、必要搬送量、搬送距離など多くの条件が影響します。
粉体搬送設備を相談するときは真密度が必要ですか?
分かれば対象物を把握する参考になります。ただし、搬送設備の選定では、かさ密度、粒径、含水率、必要搬送量、搬送距離なども重要です。すべての情報が揃っていなくても、分かる範囲から検討できます。
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まとめ
真密度とは、粒子間の空間などを除き、材料そのものが占める体積を基準として求める密度です。
一方、かさ密度は粒子間の空間を含めた粉体全体の体積を基準とします。
そのため、粉体・粒体を扱う場合には、
- 材料そのものの性質を把握する → 真密度
- 実際の保管容量や重量を考える → かさ密度
というように、目的に応じて使い分けることが重要です。
特に粉体搬送設備では、真密度だけで搬送能力を判断することはできません。
かさ密度、粒径、粒度分布、含水率、流動性、付着性、必要搬送量、搬送距離、高低差などを総合的に確認する必要があります。
エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストにも対応しています。粉体・粒体の搬送方法をご検討の場合は、現在分かっている材料情報や現場条件からご相談ください。
