この記事でわかること
- 鋳造工場で鋳物砂を扱う主な作業
- 鋳物砂の回収で発生しやすい課題
- 空気搬送機を活用できる可能性がある工程
- 鋳物砂を搬送する際の注意点
- ジェクターを活用した設備構成の考え方
はじめに
鋳造工場では、鋳型を製作するために珪砂などを主成分とした鋳物砂が使用されています。
造型、注湯、型ばらし、砂処理などの工程では、大量の鋳物砂を繰り返し取り扱うため、設備周辺の清掃や使用済み砂の回収に多くの時間と人手を要する場合があります。
現場によっては、
- スコップで砂を集めている
- 一輪車や台車で何度も運搬している
- 設備下部へ砂が堆積している
- 清掃のために設備を停止している
- 粉じんが発生しやすい
といった課題が発生することもあります。
こうした鋳物砂の回収や搬送を効率化する方法の一つとして、空気搬送機を活用できる可能性があります。
本記事では、鋳造工場で空気搬送機を活用できる工程や、導入時のポイントについて解説します。
鋳物砂とは?
鋳物砂とは、鋳物を製造する際に鋳型を作るための砂です。
代表的なものには、
- 珪砂
- 生型砂
- レジンコーテッドサンド
- 自硬性鋳型用の砂
- 中子砂
- 使用済み鋳物砂
などがあります。
同じ鋳物砂でも、
- 粒径
- 水分量
- 粘結剤の有無
- 金属片などの異物混入
によって流動性や搬送性は大きく変化します。
そのため、設備選定では実際の搬送物を確認することが重要です。
鋳物砂の回収で発生しやすい課題
人力による回収作業の負担
床面へこぼれた鋳物砂は、スコップで集めて容器へ入れ、台車などで運搬するケースも少なくありません。
鋳物砂は重量があるため、これらの作業を繰り返すことで腰や腕への負担が大きくなる場合があります。
搬送設備を導入することで、人力による運搬作業の軽減につながる可能性があります。
設備周辺へ砂が堆積する
型ばらし設備や振動コンベア周辺では、工程中に鋳物砂が飛散・堆積することがあります。
砂が蓄積すると、
- 通路が歩きにくくなる
- 設備点検がしづらくなる
- 排水溝へ流れ込む
- 粉じんの再飛散につながる
といった問題が発生する場合があります。
定期的かつ効率的に回収できる仕組みづくりが重要です。
狭い場所の清掃が難しい
設備下部やピット内部などは、スコップが入りにくく、人力での清掃に時間がかかる場合があります。
吸引ホースを使用できれば、人が入りにくい場所から鋳物砂を回収しやすくなる可能性があります。
清掃による設備停止時間
設備停止中に清掃を行っている現場では、回収作業に時間がかかるほど生産再開も遅れてしまいます。
回収から搬送までを効率化することで、設備停止時間の短縮につながる場合があります。
空気搬送機を活用できる可能性がある工程
床面へこぼれた鋳物砂の回収
空気搬送機は、床面へ堆積した鋳物砂を吸引し、
- フレコンバッグ
- ドラム缶
- 回収容器
- 砂処理設備
などへ直接搬送できる可能性があります。
スコップや台車を使用する工程を減らせるため、作業負担の軽減につながります。
型ばらし設備周辺の残砂回収
型ばらし設備周辺には、鋳物砂が残留する場合があります。
吸引ホースを使用することで、人力では回収しにくい場所の清掃を効率化できる可能性があります。
ただし、高温の鋳物や砂が残っている状態では使用できない場合があるため、温度確認が必要です。
ピットや溝へ堆積した砂の回収
設備下部や床面の溝には、鋳物砂が徐々に堆積していきます。
空気搬送機を使用して上部の容器まで直接搬送できれば、持ち上げ作業の軽減が期待できます。
ただし、水分を多く含んだ砂や、大きな金属片が混入している場合には、そのまま搬送できない可能性があります。
使用済み鋳物砂の移送
型ばらし後の使用済み鋳物砂は、再生設備や回収設備へ移送される場合があります。
現場条件によっては、
- 再生設備への供給
- 一時保管場所への搬送
- 補助ラインとしての使用
などに空気搬送機を活用できる可能性があります。
集じん機で回収したダストの搬送
鋳造工場では集じん設備で砂や微粉を回収することがあります。
回収したダストを容器や処理設備まで搬送する用途にも活用できる可能性があります。
ただし、粉じん爆発や有害物質など、安全面を十分考慮した設備構成が必要です。
鋳物砂を搬送する際の注意点
高温の砂は搬送しない
型ばらし直後の鋳物砂は高温になっている場合があります。
高温のまま搬送すると、
- ホースの劣化
- パッキンの損傷
- 火傷
- 可燃物への着火
などにつながるおそれがあります。
十分に冷却された状態で搬送することが重要です。
金属片や異物の混入に注意する
使用済み鋳物砂には、
- バリ
- 鉄片
- ボルト
- 鋳型の破片
などが混入している場合があります。
異物による詰まりを防ぐため、必要に応じて分別機やスクリーンなどを組み合わせることが重要です。
水分や粘結剤による固着
生型砂などは水分や粘結剤を含むため、乾燥した砂より流動性が低下する場合があります。
状況によっては、
が発生することもあるため、搬送前の状態確認が重要です。
粉じん対策も重要
鋳物砂には細かな粉じんが含まれている場合があります。
そのため、空気搬送設備だけでなく、集粉機を組み合わせた設備構成を検討することが重要です。
ジェクターを鋳物砂回収へ活用できる可能性
空気搬送機ジェクターは、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで使用できます。
ジェクターは、
- 吸引
- 搬送
- 投入
- 排出(散布)
を1台で行える空気搬送機です。
本体内部はシンプルなストレート構造で、駆動部を持たないため、メンテナンス性にも配慮されています。
鋳造工場では、
- 床面へこぼれた鋳物砂の回収
- 型ばらし設備周辺の残砂回収
- ピット内の砂回収
- 使用済み砂の移送
などへの活用が考えられます。
ただし、砂の粒径や水分、異物の混入状態によって適した設備構成は異なります。
実際の鋳物砂を使用した搬送テストをご提案しています。
排出部の摩耗対策
空気搬送設備では、排出部が最も摩耗しやすい箇所です。
鋳物砂は摩耗性が高いため、ホースや排出口の摩耗対策も重要になります。
エコ・ワークでは、摩耗性の高い搬送物に対して、排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホースをご提案しています。
搬送物に適したホースを選定することで、設備の安定稼働や交換頻度の低減につながります。
関連動画
ブラスト材回収・分別作業
セラミックボール回収作業
パーライト回収・投入作業
エコ・ワークのサポート
エコ・ワークでは、搬送物や現場条件を確認したうえで、空気搬送機ジェクターを使用した設備構成をご提案しています。
鋳物砂についても、実物を使用した搬送テストを行うことで、
- 安定して吸引できるか
- 必要な搬送能力を確保できるか
- ホースや配管内で詰まらないか
- 異物を含んだ状態でも搬送できるか
- 摩耗対策が必要か
- 集粉機や分別機との組み合わせが必要か
などを確認できます。
「スコップによる砂回収を減らしたい」
「設備下の鋳物砂を効率よく回収したい」
「使用済み鋳物砂を離れた設備まで搬送したい」
といったご相談にも対応しています。
まとめ
鋳造工場では、床面や設備周辺へこぼれた鋳物砂の回収や、使用済み砂の移送など、多くの工程で人手が必要になる場合があります。
空気搬送機を活用することで、
- 人力による回収作業の負担軽減
- 台車による運搬回数の削減
- 狭い場所の清掃効率向上
- 清掃時間の短縮
- 作業環境の改善
につながる可能性があります。
一方で、鋳物砂は摩耗性が高く、水分や異物、粉じんなども考慮した設備選定が重要です。
実際の搬送物を使用した搬送テストを行い、現場条件に合わせた設備構成を検討することをおすすめします。
設備導入や設備改善をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
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