養殖場の配合飼料搬送を効率化するには?ペレット飼料の移送・回収に空気搬送機を活用

この記事でわかること

  • 養殖場で行われる配合飼料の搬送作業
  • 飼料搬送で発生しやすい現場の課題
  • 空気搬送機を活用できる可能性がある作業
  • ペレット飼料を搬送する際の注意点
  • ジェクターを活用した設備構成の考え方

はじめに

魚類養殖では、魚の成長段階や飼育環境に合わせて、ペレット状の配合飼料が使用されています。

飼料はフレコンバッグや紙袋などで納入され、保管場所から給餌設備や作業船まで移動させる必要があります。

しかし、飼料を扱う現場では、

  • 袋からホッパーへ投入する作業が重労働になっている
  • 保管場所と給餌設備が離れている
  • こぼれた飼料の回収に時間がかかる
  • 狭い場所で人力運搬を繰り返している
  • 飼料の粉化によって粉じんが発生する

といった課題が発生する場合があります。

こうした飼料の移送や回収作業を効率化する方法の一つとして、空気搬送機を活用できる可能性があります。

本記事では、養殖場におけるペレット飼料の搬送作業と、空気搬送機を導入する際のポイントについて解説します。


養殖場ではどのように飼料を搬送している?

養殖用の配合飼料は、使用量や設備規模に応じてさまざまな方法で取り扱われます。

代表的な作業には、次のようなものがあります。

  • 紙袋から給餌機への投入
  • フレコンバッグからホッパーへの供給
  • 倉庫から作業船への積み込み
  • サイロやタンクへの補充
  • 給餌設備間の飼料移送
  • こぼれた飼料や残留物の回収

小規模な養殖場では人力による投入や運搬も行われますが、取扱量が増えるほど作業者への負担も大きくなります。

また、飼料の投入場所が高所にある場合や、設備周辺の通路が狭い場合には、袋を持って移動する作業が安全面の課題になることもあります。


ペレット飼料の搬送で発生しやすい課題

袋や容器の持ち運びに負担がかかる

飼料を袋のまま運搬する場合、持ち上げ、移動、開封、投入といった作業が繰り返し発生します。

一袋ごとの重量が大きい場合や、一日に何度も補充する場合には、腰や腕への負担が蓄積しやすくなります。

搬送作業の機械化は、作業者の負担軽減や省人化につながる可能性があります。


飼料が設備周辺へこぼれる

ホッパーや給餌機へ飼料を投入する際、ペレットや粉状になった飼料が周囲へこぼれることがあります。

こぼれた飼料を放置すると、

  • 歩行時の滑りや転倒
  • 害虫や鳥類の誘引
  • 湿気による固着や腐敗
  • 作業環境の悪化

につながる場合があります。

そのため、搬送だけでなく、こぼれた飼料を速やかに回収できる仕組みも重要です。


湿気によって流動性が低下する

養殖場は海や水槽の近くに位置することが多く、湿度の影響を受けやすい環境です。

ペレット飼料が湿気を含むと、

  • ペレット同士が付着する
  • ホースや配管内で流れにくくなる
  • ホッパー内でブリッジが発生する
  • 配管内部に飼料が残留する

といった問題が起こる可能性があります。

飼料を保管する際は、防湿対策や先入れ先出しの管理も必要です。


養殖場で空気搬送機を活用できる可能性がある作業

フレコンバッグからホッパーへの移送

大量の配合飼料をフレコンバッグで受け入れている場合、飼料を吸引し、給餌設備や中間ホッパーへ搬送する方法が考えられます。

人が袋を持ち上げて投入する工程を減らせるため、作業負担の軽減につながる可能性があります。

ただし、フレコンバッグの排出口や吸引方法によっては、飼料が一度に流れ込み、搬送量が不安定になることがあります。

安定して供給するためには、吸引ノズルや供給方法を含めた検討が必要です。


倉庫から給餌設備への搬送

飼料倉庫と給餌設備が離れている場合、ホースや配管を使用して飼料を搬送する方法が考えられます。

台車や人力で何度も往復する必要がなくなれば、移動時間の削減が期待できます。

一方で、搬送距離や高低差、曲がりの数が増えるほど搬送抵抗も大きくなります。

現場レイアウトに合わせて、できるだけ短くシンプルな搬送ルートを検討することが重要です。


作業船や飼料タンクへの積み込み

海面養殖では、陸上の保管場所から作業船へ飼料を積み込む作業が発生します。

使用環境や設備条件が合えば、陸上側から船上の容器やタンクへ飼料を送る用途にも、空気搬送を活用できる可能性があります。

ただし、船の揺れや潮風、塩分、ホースの固定方法など、陸上設備とは異なる条件を考慮しなければなりません。

設備を常設するのか、補充時だけ使用するのかによっても、適した構成は異なります。


こぼれた飼料の回収

空気搬送機は、新しい飼料を設備へ供給するだけでなく、床や設備周辺へこぼれた飼料を吸引して回収する用途にも使用できる可能性があります。

回収した飼料を再利用できるかどうかは、異物混入や衛生状態によって判断する必要があります。

再利用できない場合でも、容器や廃棄場所へ直接搬送できれば、ほうきやスコップを使用した清掃作業の軽減につながります。


ペレット飼料を空気搬送する際の注意点

ペレットが割れたり粉化したりする可能性がある

ペレット飼料は、種類によって硬さや大きさが異なります。

搬送速度が高すぎたり、配管の曲がり部分へ強く衝突したりすると、ペレットが割れて粉化する可能性があります。

粉化が進むと、

  • 給餌時に水面へ拡散しやすくなる
  • 飼料ロスが増える
  • 粉じんが発生しやすくなる
  • 配管内に粉状飼料が付着する

といった問題につながる場合があります。

実際の飼料を使用した搬送テストを行い、搬送後の形状や粉化の程度を確認することが重要です。


配管の曲がりを少なくする

配管の曲がり部分では、ペレットが配管内壁へ衝突しやすくなります。

曲がりが多いほど搬送抵抗が増え、ペレットの割れや配管摩耗につながる可能性もあります。

可能な範囲で、

  • 搬送距離を短くする
  • 急な曲がりを避ける
  • 曲がり部分を少なくする
  • ホースの折れや潰れを防ぐ

といった対策が必要です。


飼料の水分と保管状態を確認する

同じ種類の飼料でも、保管状態によって流動性が変わることがあります。

湿気を含んだ飼料は搬送しにくく、ホースや配管内部へ付着する場合があります。

空気搬送設備だけでなく、飼料倉庫の換気、防湿、容器の密閉といった保管環境も確認することが重要です。


食品・飼料としての衛生管理が必要

配合飼料を搬送する設備では、異物混入や残留物にも注意が必要です。

ほかの資材を搬送したホースや機器を飼料用途へ転用すると、異物や汚れが混入するおそれがあります。

飼料用途では、専用機や専用ホースとして運用し、使用後の清掃方法や保管場所をあらかじめ決めておくことが大切です。


ジェクターを飼料搬送へ活用できる可能性

空気搬送機ジェクターは、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで使用できます。

ジェクターは、

  • 吸引
  • 搬送
  • 投入
  • 排出(散布)

を1台で行える空気搬送機です。

シンプルなストレート構造で、モーターや回転羽根などの駆動部を持たないため、搬送経路が比較的シンプルです。

養殖場では、現場条件に応じて、

  • フレコンバッグからホッパーへの供給
  • 飼料容器間の移送
  • 作業船への積み込み
  • 設備周辺へこぼれた飼料の回収

などへの活用が考えられます。

ただし、ペレット飼料の硬さ、粒径、搬送距離、必要搬送量によって適否は異なります。

飼料の粉化や破損を確認するためにも、実際の搬送物による事前テストをご提案しています。


排出部とホースの摩耗にも注意する

空気搬送設備では、搬送物の速度が高くなりやすい排出部が最も摩耗しやすい箇所です。

ペレット飼料はブラスト材焼却灰ほど摩耗性が高くない場合もありますが、長期間にわたって大量搬送すると、ホースや曲がり部分が徐々に摩耗する可能性があります。

搬送物の種類や使用頻度に応じて、排出部やホースの状態を定期的に確認することが重要です。

エコ・ワークでは、摩耗性の高い搬送物を扱う場合に、排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホースもご提案しています。

搬送物の特性に合ったホースを使用することで、設備の安定稼働や交換頻度の低減につながります。


導入前に確認したい項目

養殖用飼料の搬送設備を検討する際は、次の項目を確認します。

  • 飼料の種類
  • ペレットの粒径や長さ
  • ペレットの硬さ
  • 一時間あたりの必要搬送量
  • 搬送距離
  • 高低差
  • 配管やホースの曲がり
  • 投入元と搬送先の形状
  • 使用できるコンプレッサーの能力
  • 設備の使用頻度
  • 清掃方法
  • 屋内または屋外での使用条件

飼料の種類だけで設備を選ぶのではなく、現場全体の作業工程を確認することが重要です。


エコ・ワークのサポート

エコ・ワークでは、搬送物や現場条件を確認したうえで、空気搬送機ジェクターを使用した設備構成をご提案しています。

養殖用の配合飼料など、これまで取り扱い実績が少ない搬送物についても、実物を使用した搬送テストを行うことで、

  • 搬送できるか
  • 必要な搬送能力を確保できるか
  • ペレットが粉化しないか
  • 配管内へ残留しないか
  • どのようなホース構成が適しているか

を確認できます。

「現在は人力で飼料を運んでいる」

「フレコンバッグから給餌設備へ直接移送したい」

「こぼれた飼料の清掃を効率化したい」

といったご相談にも対応しています。


まとめ

養殖場では、配合飼料の運搬や投入、作業船への積み込み、こぼれた飼料の回収など、さまざまな場面で人手が必要です。

空気搬送機を活用することで、

  • 人力運搬の削減
  • ホッパーへの投入作業の効率化
  • 離れた場所への飼料移送
  • 設備周辺の清掃負担軽減

につながる可能性があります。

一方で、ペレットの割れや粉化、湿気による付着、衛生管理など、飼料特有の注意点もあります。

実際の飼料と現場条件を確認し、搬送テストを行ったうえで設備構成を検討することが重要です。

設備導入や設備改善をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。


関連記事

空気搬送とは?粉体・粒体を効率よく運ぶ仕組みとメリット・デメリットを解説

空気搬送とは?粉体・粒体を効率よく運ぶ仕組みとメリット・デメリットを解説


粉体・粒体搬送設備で配管レイアウトが重要な理由とは?搬送効率を高める設計のポイントを解説

粉体・粒体搬送設備で配管レイアウトが重要な理由とは?搬送効率を高める設計のポイントを解説


粉体搬送で配管が詰まる原因とは?現場でよくあるトラブルと対策を解説

粉体搬送で配管が詰まる原因とは?現場でよくあるトラブルと対策を解説


粉体・粒体搬送設備の処理能力を向上させるには?搬送効率を高める改善ポイントを解説

粉体・粒体搬送設備の処理能力を向上させるには?搬送効率を高める改善ポイントを解説

粉体・粒体の回収・搬送でお困りではありませんか?

焼却灰・フライアッシュ・木質ペレット・ブラスト材など、 各種粉粒体の回収・搬送・分別作業に対応しています。
現場条件に応じた最適な機器選定や運用方法について、お気軽にご相談ください。