この記事でわかること
- フレコンバッグから粉体・粒体を取り出す代表的な方法
- 人力で取り出す場合に発生しやすい課題
- フレコンから吸引して、そのまま次工程へ搬送する方法
- 高所のホッパーや離れた設備へ直接投入する考え方
- 微粉体を扱う場合の粉じん回収
- ジェクターを使ったフレコンからの吸引・搬送方法
はじめに
工場やプラントでは、粉体・粒体の保管や運搬に**フレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)**が広く利用されています。
一度に大量の材料を扱える便利な容器ですが、実際の製造現場では、
- フレコンから粉体を取り出すのに人手がかかる
- 取り出した材料を別の容器へ移している
- 台車やフォークリフトで次工程まで運んでいる
- 高所のホッパーへの投入が大変
- 排出時に粉じんが舞う
- フレコン内部に材料が残る
といった課題が発生することがあります。
こうした作業を省力化するには、単に**「フレコンからどう出すか」**だけを見るのではなく、
取り出す → 搬送する → 次工程へ投入する
までを一つの工程として考えることが重要です。
この記事では、フレコンバッグから粉体・粒体を取り出す方法と、空気搬送機「ジェクター」を使って取り出しから設備投入までを省力化する方法について解説します。
フレコンから直接吸引して次工程まで搬送する方法
現在、
フレコンからスコップで取り出す
↓
小型容器へ移す
↓
台車などで運ぶ
↓
ホッパー・製造設備へ投入する
という作業を行っている場合、空気搬送によって工程をまとめられる可能性があります。
例えば、
フレコンバッグ
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
搬送ホース・配管
↓
ホッパー・サイロ・反応槽など
という構成です。
エコ・ワークが取り扱う空気搬送機「ジェクター」は、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機です。
本体内部はシンプルなストレート構造で、モーターなどの駆動部を持ちません。
フレコン内部へ吸引ホースを入れることで、
材料を取り出す作業と、次工程まで運ぶ作業を一つにつなげられる
ことが大きな特徴です。
実際のジェクターによる粉体・粒体の吸引・搬送動画
→ タンカー内のヤシ殻を離れた場所まで搬送している事例です。
※実際にフレコンから吸引・搬送できるかは、対象物の粒径・比重・水分・付着性・必要搬送量・搬送距離・高低差などによって異なります。
フレコンバッグとは?
フレコンバッグとは、粉体・粒体などを大量に保管・運搬するための大型の袋状容器です。
「フレキシブルコンテナバッグ」「フレキシブルコンテナ」「FIBC」などと呼ばれることもあります。
工場やプラントでは、
などの保管・輸送に利用されています。
一方、製造工程で使用するためには、フレコン内部から材料を取り出し、次の設備へ供給する工程が必要です。
この**「フレコンから設備まで」**の作業方法によって、必要な人員や作業負担が大きく変わります。
フレコンバッグから粉体を取り出す代表的な方法
1.下部排出口から排出する
底部に排出口が付いたフレコンでは、バッグを吊り上げて下部の排出口を開き、重力によって材料を落下させる方法があります。
構造がシンプルで大量の材料を排出しやすい方法ですが、
- フレコンを吊り上げる設備
- 排出先との高低差
- 設置スペース
- ホッパーなどの受入設備
が必要になります。
また、粉体の流動性が低い場合や固結している場合には、排出口を開いても内部に材料が残ることがあります。
2.上部から人力で取り出す
フレコン上部を開け、スコップなどで材料を取り出す方法です。
専用の搬送設備を用意せずに作業できますが、材料量が増えると、
取り出す → 容器へ移す → 運ぶ → 設備へ投入する
という工程が繰り返し発生します。
少量であれば対応できても、毎日複数のフレコンを処理するような現場では作業負担が大きくなる可能性があります。
3.吸引ホースを使って取り出す
フレコン内部へ吸引ホースを入れ、粉体・粒体を吸い出す方法です。
吸引した材料をそのままホースや配管で搬送できれば、
「取り出す」と「運ぶ」を一つの工程にまとめる
ことができます。
特に、
「フレコンから取り出した後、結局離れた設備まで運んでいる」
という現場では、工程全体を見直す余地があります。
フレコンからの取り出しで起こりやすい課題
人力作業が多くなる
手作業では、
- 袋を開ける
- 材料を掻き出す
- 小型容器や袋へ移す
- 台車などで運ぶ
- ホッパーへ投入する
といった工程が発生する場合があります。
問題は、一つ一つの作業よりも同じ作業を何度も繰り返すことです。
例えば1袋のフレコンを何十回にも分けて運んでいる場合、取り出しだけでなく中間運搬まで含めて改善を考える必要があります。
粉じんが飛散する
フライアッシュやセメント系原料などの細かな粉体では、フレコンを開封したり、別容器へ移し替えたりすると粉じんが発生する場合があります。
特に、
スコップで取り出す
↓
容器へ落とす
↓
ホッパーへ再び投入する
という工程では、材料を開放状態で扱う機会が増えます。
吸引した材料をホース・配管内で次工程まで搬送することで、開放状態での移し替え作業を減らせる可能性があります。
設備までの中間運搬が必要になる
フレコンの保管場所と、原料を投入する設備が離れているケースもあります。
例えば、
フレコン
↓
小型容器へ移し替え
↓
台車・フォークリフトで運搬
↓
製造設備へ投入
という工程です。
フレコンから材料を取り出す作業だけを自動化しても、この運搬工程が残れば省力化効果は限定的です。
そのため、最終的な投入先まで直接搬送できないかを検討します。
高所への投入が難しい
投入先のホッパーや設備が高い位置にある場合、人力での投入が難しくなります。
フレコンそのものをクレーン等で吊り上げる方法もありますが、設備レイアウトによっては設置が難しい場合があります。
空気搬送ではホースや配管を利用できるため、条件が合えば地上付近のフレコンから高所の設備まで直接搬送する構成を検討できます。
フレコン内部に材料が残る
粉体の流動性が低い場合や、水分・付着性・圧密などの影響を受けている場合には、下部排出口を開いても材料が完全に排出されないことがあります。
バッグの底や側面に材料が残ると、
- フレコンを揺らす
- 人が掻き出す
- 残った材料を別途回収する
といった作業が必要になります。
このような残留物についても、材料の状態によっては吸引回収を検討できます。
ポイントは「取り出す」と「運ぶ」を一つにすること
フレコン工程を省力化するときに重要なのが、材料を取り出した後の工程です。
従来、
フレコン → 容器 → 台車 → ホッパー
と何度も材料を移しているのであれば、
フレコン → ジェクターで吸引 → ホース・配管搬送 → ホッパー
という構成に変えることで、中間の移し替えや運搬を減らせる可能性があります。
さらに投入先が、
- ホッパー
- サイロ
- 反応槽
- 混合設備
- 製造ライン
- 別のフレコン
などの場合も、設備条件に応じて搬送方法を検討できます。
フレコンから反応槽・ホッパーへ直接投入する
ジェクターを使用する場合、単にフレコンから材料を吸い出して近くへ排出するだけではありません。
例えば、
原料フレコン
↓
ジェクターで吸引
↓
搬送ホース・配管
↓
製造設備・反応槽・ホッパー
という構成も検討できます。
これまで、
取り出す → 小分けする → 人が運ぶ → 設備へ投入する
という作業を行っている場合には、直接搬送することで工程数を減らせる可能性があります。
既存設備についても、条件に応じてフランジ・ニップル・ボールジョイントなどを利用し、搬送配管を接続する方法を検討できます。
ただし、投入先が反応槽などの場合は、対象物だけでなく設備内の圧力、排気、使用環境、材料との適合性なども含めた確認が必要です。
長距離・高所へ搬送したい場合
ジェクターを使用する際は、吸引側をできるだけ短くし、長距離部分を排出側に取るのが基本です。
吸引側は5m程度を推奨していますが、現場条件によっては10m前後で使用されるケースもあります。
排出側については、対象物・コンプレッサー能力・ホース径・曲がり・高低差などの条件が合えば、
水平約200m
垂直約100m
程度の搬送を検討できる場合があります。
ただし、これらは搬送距離を保証する数値ではありません。
実際の搬送能力は、
- 粒径
- 比重・かさ密度
- 水分
- 付着性
- 流動性
- 必要搬送量
- ホース・配管径
- 搬送距離
- 高低差
- 曲がり
- コンプレッサー能力
などによって変わります。
微粉体では排出側の粉じん対策も重要
フレコン内部の材料が微粉体の場合は、吸引できるかどうかだけでなく、搬送した後の空気をどう処理するかも重要です。
ジェクターは材料と空気を一緒に搬送するため、排出側では搬送エアーを処理する必要があります。
特に、
- 焼却灰
- フライアッシュ
- セメント系粉体
- その他の微粉体
などでは、排出時の粉じん対策を含めて設備構成を検討します。
エコ・ワークでは、ジェクターとサイクロン式の集粉機**「ジェクロン」**を組み合わせる構成も取り扱っています。
ジェクロンを利用して搬送物と空気を分離し、粉体をフレコンへ回収する構成も検討できます。

フレコン内部で材料が固まっている場合
長期保管や水分、付着性、自重による圧密などによって、フレコン内部の材料が固結している場合があります。
この場合、単純に吸引力を上げれば解決するとは限りません。
固結した大きな塊をそのままジェクターへ吸引するのではなく、吸引できる状態まで材料をほぐして供給することを検討します。
対象物や固結状態によっては、圧縮空気を利用して固結物を崩す「エアースコップ」を組み合わせる方法もあります。

ジェクターによるフレコン取り出しが向いているケース
例えば、
- フレコンから材料をスコップで取り出している
- 小型容器へ移して人が運んでいる
- 投入先がフレコンから離れている
- 高所のホッパーへ原料を投入している
- 粉体の移し替え回数を減らしたい
- フレコン内部の残留物を回収したい
- 既存設備へ後付けできる搬送方法を探している
といった現場では、ジェクターによる空気搬送を検討できます。
一方、大量の材料を連続的に高能力で搬送する工程などでは、他の搬送方式が適している場合もあります。
「フレコンから吸えるか」だけでなく、必要搬送量と次工程まで含めて判断することが重要です。
設備選定前に確認したい情報
フレコンからの搬送設備を検討する場合は、まず次の条件を確認します。
搬送物
必要搬送量
- フレコン1袋の重量
- 1時間あたりに処理したい量
- 1日に処理するフレコン数
搬送ルート
- 水平距離
- 高低差
- 曲がり
- ホース・配管径
投入先
- ホッパー
- サイロ
- 反応槽
- 混合機
- その他の製造設備
さらに、使用できるコンプレッサーの圧力・空気量についても確認します。
実際の材料を使った搬送テストも可能
粉体・粒体は、材料名だけで搬送可否を判断することが難しい場合があります。
同じ種類の材料でも、
- 粒径
- 水分
- 付着性
- かさ密度
- 固結状態
などによって搬送特性が変わるためです。
特に、
「フレコンからこの粉体を直接吸引したい」
「50m離れた設備まで送りたい」
「高所のホッパーへ直接投入したい」
「現在の人力作業を減らしたい」
といった場合には、実際の対象物を使った搬送テストが有効です。
設備導入や設備改善をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
対象物・フレコン1袋の重量・必要搬送量・搬送距離・高低差・投入先・コンプレッサー条件などを確認し、ジェクターを使った搬送方法をご提案します。
よくある質問
フレコンバッグから粉体を直接吸引できますか?
対象物の性状によっては可能です。
フレコン内部へ吸引ホースを入れ、ジェクターで材料を吸引しながら目的地まで搬送する方法を検討できます。
フレコンからホッパーへ直接搬送できますか?
対象物、搬送距離、高低差、必要搬送量、コンプレッサー能力などの条件が合えば検討できます。
高い位置にある設備へ投入できますか?
ジェクターは垂直方向への搬送にも利用できます。
ただし、高低差だけでなく対象物や必要搬送量、配管条件などを含めて確認する必要があります。
湿った粉体でも吸引できますか?
含水率や付着性によって異なります。
湿った粉体ではホース・配管への付着や固結が発生する場合があるため、実際の状態で確認することが重要です。
フレコン内部に固まった材料も吸引できますか?
固結状態によって異なります。
大きく固まった材料をそのまま吸引できない場合には、材料をほぐしてから吸引する方法を検討します。
微粉体もそのまま排出できますか?
排出側で搬送エアーを処理する必要があります。
微粉体では粉じんが発生する可能性があるため、ジェクロンなどの集粉設備を組み合わせる方法も検討します。
まとめ
フレコンバッグから粉体・粒体を取り出す方法には、
- 下部排出口から重力で排出する
- 上部から人力で取り出す
- 吸引ホースで取り出す
といった方法があります。
作業を省力化するうえで重要なのは、「フレコンからどう出すか」だけで考えないことです。
現在、
取り出す → 小分けする → 運ぶ → 設備へ投入する
という工程になっているのであれば、
フレコンから吸引 → ホースで搬送 → 次工程へ直接投入
という構成にすることで、中間作業を減らせる可能性があります。
空気搬送機「ジェクター」は、お手持ちのコンプレッサーと接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行えます。
フレコンからの取り出しだけでなく、その先の運搬・設備投入まで含めて工程全体を見直すことが省力化のポイントです。
関連動画
ブラスト材を吸引・搬送してフレコンへ回収する事例
→ 今回とは搬送方向が逆ですが、ジェクターで粉粒体を搬送し、フレコンへ回収する実際の設備構成をご覧いただけます。
関連記事
フレコンバッグへの投入作業を効率化する方法とは?粉体・粒体回収現場の改善ポイントを解説
→ 今回とは逆に、搬送した粉体・粒体をフレコンへ投入・回収する方法を解説しています。

エア搬送とは?粉体を効率よく運ぶ仕組みとメリット・デメリット
→ フレコンからの直接搬送にも利用できる空気搬送の基本的な仕組みを解説しています。

高所への粉体・粒体投入を効率化する方法とは?空気搬送機が活躍する現場を解説
→ フレコンから取り出した材料を高所の設備へ搬送する場合の考え方を解説しています。

微粉体とは?回収・搬送時に発生する課題と対策
→ フレコンで微粉体を扱う場合に確認したい粉じん・付着・固結などについて解説しています。

