この記事でわかること
- 木質系軽量物をジェクターで搬送できる条件
- 木質チップ・木片・ペレット由来のカスの違い
- 軽量な木質廃材をホース搬送するメリット
- 製造設備やバイオマス関連設備での活用方法
- 袋詰め・台車運搬を減らす考え方
- サイロ・ホッパーなどへの直接搬送
- 長距離・高所搬送を検討するポイント
- 長い木片や大きな破片で注意したいこと
- 木質系資材の搬送可否を判断する方法
- 実際の資材を使った搬送テストの重要性
はじめに
空気搬送機「ジェクター」は、
- 粉体
- 粒体
- 砂
- 灰
- ペレット
などの搬送に利用されています。
しかし条件によっては、
木質チップ・木片・ペレット由来のカスなど、粉体・粒体に分類しにくい木質系軽量物も搬送できます。
例えば、
などです。
こうした資材は、
袋へ回収
↓
台車やフォークリフトで移動
↓
別設備へ投入
といった人力・中間搬送が行われている場合があります。
一方、資材の大きさ・形状・比重などの条件が合えば、
木質系軽量物
↓
ジェクター
↓
搬送ホース・配管
↓
回収設備・別工程
という方法を検討できます。
本記事では、木質チップや木片、ペレット由来のカスなどをジェクターで回収・搬送する方法について解説します。
木質系軽量物とは?
木質系資材といっても、状態はさまざまです。
例えば、
木質ペレット
一定形状に成形された粒状物。
ペレット由来のカス
搬送・保管などによって崩れ、細かな破片や粉状物になったもの。
木質チップ
木材などを細かく加工したチップ状の資材。
木片・加工くず
切削・加工工程などで発生する不定形の軽量物。
それぞれ形状が異なるため、同じ条件で搬送できるとは限りません。
木質系だから搬送できる・できないでは判断しない
重要なのは、
「木だから」
ではなく、
空気の流れに乗ってホース内部を安定して移動できるか
です。
搬送可否を左右する主な条件
例えば、
- 大きさ
- 最大サイズ
- 長さ
- 形状
- 比重
- 水分
- 発生量
- 搬送距離
などです。
活用例① 木質ペレット由来のカス
バイオマス関連設備では、木質ペレットを扱う過程で、
- 粉状物
- 細かな破片
- ペレットの崩れ
などが発生することがあります。
ペレットは搬送中にも崩れることがある
例えば、
荷役
↓
搬送
↓
貯蔵
を繰り返す中で、
完全なペレット
+
細かな破片
+
粉状物
という状態になる場合があります。
カスを一時貯蔵するケース
こうしたペレット由来のカスを、
一時貯蔵サイロ
へ集める場合があります。
その後、
別の処理工程
フレコン充填
回収設備
などへ移送する必要があります。
実際にサイロ間搬送にもジェクターを活用
バイオマス発電所では、
ペレット由来のカスを一時貯蔵するサイロ下部の配管へジェクターを取り付け、
フレコン詰め用サイロまで搬送する方法が採用されています。
設備構成は、
一時貯蔵サイロ
↓
排出配管
↓
ジェクター
↓
搬送配管
↓
フレコン詰め用サイロ
↓
フレコン
です。
「回収」ではなく「工程間搬送」として使う
この使い方では、
床に落ちた資材を吸引する
のではありません。
既存サイロ
↓
ジェクター
↓
別サイロ
と、
設備同士の間をつなぐ搬送機
として利用しています。
活用例② 木材加工工場の木片・加工くず
木材加工では、
- 切断
- 切削
- 加工
- トリミング
などによって、木質系の加工くずが発生します。
細かな木片なら空気搬送を検討できる
例えば、
細かな木片
↓
床へ落下
↓
ほうき
↓
袋
としている場合です。
資材条件が合えば、
木片
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
回収場所
と搬送できます。
製造ラインから直接回収できる場合もある
加工設備から一定箇所へ木質くずが排出される場合には、
加工設備
↓
排出口
↓
ジェクター
↓
回収設備
という設備構成も検討できます。
「床に落としてから掃除」を減らす
従来、
木質くず発生
↓
床へ落ちる
↓
清掃
としていたものを、
発生
↓
そのまま搬送
とできれば、清掃工程を減らせる可能性があります。
活用例③ 木質チップの搬送
比較的小さな木質チップであれば、ジェクターによる搬送を検討できる場合があります。
例えば、
チップ保管場所
↓
ジェクター
↓
別設備
という方法です。
木質チップは形状が一定とは限らない
注意したいのは、
チップ
↓
全て同じサイズ
ではないことです。
大きな破片が混ざる可能性
例えば、
通常
↓
数mm~数cm
一部
↓
さらに大きな木片
が混ざる場合があります。
この最大サイズが搬送可否へ影響します。
活用例④ バイオマス関連設備の回収作業
バイオマス設備では、
木質系燃料やその残渣を、
- サイロ
- ホッパー
- 搬送設備周辺
- 貯蔵設備
などから回収する作業があります。
人力で集めている場合
例えば、
木質系カス
↓
スコップ
↓
袋
↓
運搬
という工程です。
ホース搬送へ変更
これを、
木質系カス
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
回収場所
へ変更できる可能性があります。
木質軽量物を搬送するメリット① 袋詰めを減らせる
例えば、
木片
↓
袋
↓
満杯
↓
交換
としている場合です。
大型回収場所へ直接送ることができれば、中間袋の使用回数を減らせる可能性があります。
メリット② 台車運搬を減らせる
袋詰めした資材を、
台車
フォークリフト
で別設備まで運んでいる場合です。
ホースで直接搬送できれば、人や車両による中間搬送を減らせます。
メリット③ 回収場所を離せる
加工設備のすぐ横に大型回収容器を置けない場合でも、
離れた場所まで排出側で送る
ことができます。
条件によって排出側200m程度
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度
の搬送が可能なケースがあります。
そのため、
工場内
↓
建屋外
などの搬送も検討できます。
メリット④ 高所へ搬送できる可能性
条件によっては、
高さ100m程度
の搬送が可能なケースもあります。
例えば、
地上
↓
高所サイロ
などです。
吸引側は短くする
ジェクターの基本的な使用方法として、
吸引側5m程度を推奨
しています。
現場によっては10m程度で使用されるケースもあります。
長い距離は排出側で搬送
例えば、
木質カス
↓
吸引3m
↓
ジェクター
↓
排出50m
↓
回収サイロ
という配置です。
木質系軽量物で特に重要なのが「長さ」
粉体・粒体では、
粒径
が重要です。
一方、木片などでは、
長さ
も非常に重要になります。
細長い木片は引っ掛かる可能性
例えば、
短い木片
ならホースを通過しても、
細長い木片
では、
- ホースの曲がり
- 接続部
- ジェクター内部
などで引っ掛かる可能性があります。
同じ重量でも形状で大きく違う
例えば、
20gの小さな木質チップ
と、
20gの長い木片
では搬送性が異なります。
「軽いから吸える」とは限らない
空気搬送では、
比重
+
形状
+
サイズ
をまとめて考える必要があります。
最大サイズ・最大長を確認
例えば、
平均サイズ
↓
10mm
でも、
最大
↓
100mm
が混ざるなら、その100mmを確認します。
大きな木片だけ分別する方法もある
例えば、
細かな木質くず
↓
ジェクター
大きな端材
↓
別回収
という使い分けです。
水分にも注意
木質資材は、水分状態によって搬送性が変わる場合があります。
乾燥状態
比較的、
サラサラ
軽い
状態。
水分が増えると
- 付着
- 固まり
- 重量増加
などが発生する可能性があります。
木質くずが固まっている場合
例えば、
水分
+
木質粉
↓
固結
している場合には、そのまま吸引できない可能性があります。
固結がある場合は別の対処が必要
大きな固結物がある場合には、
崩す
↓
ジェクターで搬送
といった対応を検討します。
対象物の状態確認が重要です。
発生量も確認する
例えば、
木質くず
↓
数kg/h
なのか、
数百kg/h
なのかで設備条件が異なります。
軽量物では体積も重要
例えば、
重量50kg
でも、
非常にかさばる
場合があります。
袋数で考える方法もある
例えば、
1時間
↓
5袋
という情報でも、現在の作業負荷を把握しやすくなります。
連続発生か断続発生か
例えば、
加工中ずっと発生
するのか、
加工終了時にまとめて出る
のかでジェクターへの供給方法も変わります。
製造設備へ直結する場合は供給量に注意
加工設備
↓
ジェクター
と直結する場合、
一気に大量の木質くずが入る
と処理能力を超える可能性があります。
ピーク時の供給量を見る
平均ではなく、
瞬間最大の発生量
も確認します。
必要なら一時受けを設ける
例えば、
加工設備
↓
一時受け
↓
一定量ずつ
↓
ジェクター
という方法です。
木質ペレットとは条件が違う
木質ペレットは、
比較的形状が揃った粒体
です。
一方、
木質チップ・木片
は不定形です。
ペレット搬送実績があっても木片は別確認
「木質ペレットが送れるから木片も送れる」
とは限りません。
実際の資材を確認する必要があります。
異物にも注意
木質廃材の中に、
- 釘
- 金属片
- ビニール
- 長い紐
などが混ざっている場合には注意が必要です。
特に金属異物
木材加工現場では、資材によっては金属片等が混入する可能性があります。
搬送設備への影響やその後の処理方法も含めて確認します。
搬送先を決める
ジェクターで搬送した木質軽量物を、
最終的にどこへ送るか
も重要です。
例えば、
- 回収サイロ
- フレコン詰め設備
- 大型容器
- 再利用工程
- 廃材処理設備
などです。
木質系なら再利用工程へ送る場合も
例えば、
回収した木質くず
↓
再利用
↓
別工程
とする場合には、その次工程まで直接搬送できないか検討します。
「回収」だけでなく「次工程への供給」
例えば、
木質くず
↓
ジェクター
↓
再処理設備
とできれば、中間運搬を減らせます。
サイロ間搬送にも活用
木質系資材を一時貯蔵している場合には、
サイロA
↓
ジェクター
↓
サイロB
という搬送も可能です。
既存配管へ接続できる場合
例えば、
サイロ下部
↓
排出配管
↓
ジェクター
と、既存設備へ組み込む方法があります。
大型固定設備を増やさず搬送できる可能性
間欠的な搬送や既存設備への後付けでは、ジェクターを活用しやすい場合があります。
ただし、常時大量搬送では別方式の方が適するケースもあります。
ジェクターが向かない可能性があるケース
例えば、
- 非常に大きな木片
- 長い端材
- 絡みやすい形状
- 強く湿った資材
- 大量の連続搬送
などです。
大量の木質チップなら別搬送方式も検討
例えば非常に大量のチップを常時搬送する場合には、
コンベヤ
固定式搬送設備
などが適する可能性があります。
重要なのは現在の作業を合理化できるか
ジェクターを使うことそのものが目的ではありません。
例えば現在、
木質くず
↓
袋
↓
フォークリフト
↓
別設備
としているなら、
どの工程を直接搬送へ変更できるか
を考えます。
圧縮空気はコンプレッサーまたは工場エアー
ジェクターは圧縮空気で作動します。
供給源として、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置型コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
を使用できます。
木材加工工場でも既設エアーを活用できる可能性
工場に圧縮空気設備がある場合には、条件が合えば利用できます。
確認するのは圧力だけではない
- 圧力
- 空気量
- 配管径
- 使用場所
- 他設備との同時使用
などを確認します。
搬送可否の判断で確認したいこと① 資材写真
まず、実際の木質系資材を確認します。
例えば、
手のひらに載せた状態
の写真があると大きさを把握しやすくなります。
確認したいこと② 最大サイズ・最大長
「大体1cm」
だけでなく、
最大でどの程度のものが混ざるか
を確認します。
確認したいこと③ 水分
乾燥しているのか、
湿っているのか
を確認します。
確認したいこと④ 発生量
例えば、
kg/h
袋/h
などです。
確認したいこと⑤ 現在の搬送方法
例えば、
- バケツ
- フレコン
- 台車
- フォークリフト
などです。
確認したいこと⑥ 搬送距離・高低差
水平距離と垂直距離を確認します。
実物テストが非常に有効
木質チップ・木片などは不定形のため、
材料名だけで搬送可否を判断しにくい資材
です。
テストで確認できること
例えば、
- ジェクターへ取り込めるか
- ホースを安定して流れるか
- 長い木片が引っ掛からないか
- 必要処理量を確保できるか
- 長距離・高所搬送できるか
- 排出状態
などです。
「こんな木片だけど吸える?」でも相談できる
例えば、
「木材加工で小さな木片が大量に出る」
「ペレットのカスを別設備へ送りたい」
「チップをフレコンで運ぶ工程を減らしたい」
「粉体ではないのでジェクターが使えるか分からない」
という段階でも構いません。
現在の工程から改善方法を考える
例えば、
現在:
加工設備
↓
木質くず
↓
袋
↓
台車
↓
回収場所
なら、
改善案:
加工設備
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
回収場所
とできないか検討します。
エコ・ワークでは実物を確認してご提案
木質系軽量物では、
同じ「木質チップ」という名称でも、現場によって形状が大きく異なります。
そのため、
- 写真
- 動画
- サンプル
- 発生量
- 搬送距離
などから検討します。
必要に応じて、実際の資材を使った搬送テストも行います。
全国で運用方法もご案内
ジェクターでは、
- 本体をどこへ置くか
- 吸引側をどう構成するか
- 排出ホースをどう通すか
- 搬送先でどう受けるか
など、実際の使い方も重要です。
エコ・ワークでは機器の販売だけでなく、全国の現場でジェクターの使い方や運用方法の指導も行っています。
まとめ
空気搬送機「ジェクター」は、粉体・粒体だけでなく、条件によって、
- 木質チップ
- 細かな木片
- 木質系加工くず
- 木質ペレット由来のカス
- バイオマス関連設備で発生する軽量残渣
などの搬送にも使用できます。
例えば、
木質軽量物
↓
ジェクター
↓
搬送ホース・配管
↓
回収設備
とすることで、
- 袋詰め
- 台車運搬
- フォークリフト搬送
- 中間積み替え
などを減らせる可能性があります。
また、実際にバイオマス発電所では、ペレット由来のカスを一時貯蔵するサイロ下部へジェクターを取り付け、フレコン詰め用サイロまで搬送する方法が採用されています。
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送、高さ100m程度の搬送
が可能なケースもあります。
ただし木質系軽量物では、
- 最大サイズ
- 最大長
- 形状
- 比重
- 水分
- 発生量
- 異物
- 搬送距離
- ホースの曲がり
などが搬送性へ大きく影響します。
特に、
長い木片や大きな不定形物
はホース内部で引っ掛かる可能性があるため、事前確認が重要です。
「木質チップを別設備まで送りたい」
「細かな木片を人力で回収している」
「木質ペレットのカスを搬送したい」
「木質廃材の袋詰め・運搬を減らしたい」
「粉体ではない木質資材でもジェクターを使えるか確認したい」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
実際の資材・サイズ・形状・発生量・搬送距離などを確認し、必要に応じて実物テストも行いながら、ジェクターを活用した木質系軽量物の回収・搬送方法をご提案いたします。
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