この記事でわかること
- ジェクターは粉体・粒体以外にも使えるのか
- 軽量物・中軽量物とはどのようなものか
- 空気搬送と相性のよい資材の特徴
- 軽い廃材や加工くずをホースで搬送するメリット
- 発泡スチロール加工くずなどへの活用
- 木片・チップなどの搬送を検討する考え方
- 人力回収・袋詰め・台車運搬を減らす方法
- 長距離・高所へ軽量物を搬送する方法
- 搬送可否を判断するときに確認したいポイント
- 実際の資材を使った搬送テストの重要性
はじめに
空気搬送機「ジェクター」というと、
「粉を吸う機械」
「砂やペレットを運ぶ設備」
というイメージを持たれることがあります。
実際にジェクターは、
- 粉体
- 粒体
- 砂
- 灰
- ペレット
などの搬送に幅広く使用されています。
しかし、ジェクターの用途はそれだけではありません。
条件によっては、
粉体・粒体以外の軽量物・中軽量物の回収・搬送にも使用できます。
例えば、
- 発泡スチロールの加工くず
- 軽い破片
- 木質系のチップ
- 軽量な廃材
- 製造工程で発生する細かな端材
などです。
こうした資材は、
人が集める
↓
袋へ入れる
↓
台車で運ぶ
↓
別の容器へ移す
という方法で処理されていることがあります。
しかし、空気の流れに乗せて搬送できる資材であれば、
ホースで吸引し、そのまま離れた場所まで搬送する
方法を検討できます。
本記事では、ジェクターを使った軽量物・中軽量物の回収・搬送について解説します。
ジェクターは粉体専用機ではない
ジェクターは、圧縮空気を利用して搬送物を吸引し、排出側へ送る空気搬送機です。
そのため、
「粉か粒か」
だけで搬送可否が決まるわけではありません。
重要なのは、
対象物が空気の流れに乗ってホース内部を移動できるか
です。
粉体・粒体以外でも空気で運べるものがある
例えば非常に軽い加工くずなら、
床面に落ちる
↓
人がほうきで集める
のではなく、
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
回収場所
と搬送できる可能性があります。
「軽量物」とは?
軽量物といっても明確な一つの基準があるわけではありません。
ここでは、
比較的比重が小さく、空気の流れによって移動させやすい資材
をイメージします。
例えば、
- 発泡スチロール片
- 軽い樹脂加工くず
- 木質系の軽量チップ
- 細かな軽量廃材
などです。
「中軽量物」も検討できる
極端に軽いものだけでなく、
ある程度重量があるものでも、
- 形状
- 大きさ
- 比重
- ホース径
- 搬送距離
- 圧縮空気条件
によって搬送できる場合があります。
そのため、
「粉体ではないから無理」
と最初から判断する必要はありません。
活用例① 発泡スチロール加工工場
例えば発泡スチロールの加工工程では、
- 切削くず
- 細かな破片
- 粉末状の加工くず
などが発生することがあります。
軽いため飛散しやすく、床面や設備周辺へ広がる場合があります。
人力清掃では集める工程が必要
例えば現在、
加工
↓
発泡スチロールくず発生
↓
ほうきで集める
↓
袋へ入れる
↓
回収場所まで運ぶ
という工程です。
ジェクターで直接回収する
これを、
加工くず
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
回収場所
とできれば、
集める・袋へ入れる・運ぶ
といった工程を減らせる可能性があります。
軽い資材ほど「飛散」が問題になることもある
軽量物は人が持ち運びやすい一方、
非常に軽いため、
- 風で飛ぶ
- 清掃時に舞う
- 周辺設備へ入り込む
という問題もあります。
ホース内で回収するメリット
例えば、
ほうき
↓
床面を掃く
↓
くずが舞う
より、
吸引ホース
↓
その場で回収
とした方が、周囲へ散らばる工程を減らしやすくなります。
活用例② 木質系の軽量資材
ジェクターでは、木質系資材の搬送を検討できる場合もあります。
例えば、
- 木質チップ
- 細かな木片
- ペレット由来のカス
- 木質系加工くず
などです。
バイオマス関連設備でも活用
バイオマス関連設備では、
木質ペレットやその破砕・搬送工程で、
細かなカス
が発生することがあります。
こうした資材を、
一時保管
↓
別設備
へ送る用途でもジェクターが活用されています。
粒状ではなくても搬送できる可能性
例えば木質系のカスが、
完全な粒体
ではなく、
細かな破片
+
粉状物
の混合状態でも、条件によって搬送できます。
活用例③ 製造工程で発生する軽量廃材
工場では製品そのものだけでなく、
加工工程から、
- 切削くず
- 端材
- 小さな破片
- 軽量廃材
などが発生します。
「廃材だから人が捨てる」が残りやすい
製品搬送は自動化されていても、
廃材だけは、
箱へ入れる
↓
人が運ぶ
↓
廃棄場所へ
という工程になっていることがあります。
副産物・廃材の搬送も省力化対象
例えば、
加工設備
↓
軽量廃材
↓
ジェクター
↓
回収容器
とできれば、廃材処理工程も省力化できる可能性があります。
「軽いから簡単に運べる」とは限らない
軽量物は1個あたりは軽くても、
大量に発生すれば、
- 回収回数
- 袋交換
- 台車運搬
- 清掃
などの作業が増えます。
かさばる資材ほど運搬回数が増える
例えば軽い発泡系資材では、
重量は小さい
↓
しかし体積が大きい
という場合があります。
そのため、
袋はすぐいっぱいになる
↓
交換
↓
運搬
を繰り返すことがあります。
空気搬送なら「重さ」だけでなく「かさ」の問題も改善できる可能性
ホースで直接回収場所へ送れるなら、
途中で袋へ受ける回数
を減らせる可能性があります。
活用例④ 高所・離れた場所への搬送
軽量物を回収したあと、
同じ場所へ置くだけ
とは限りません。
例えば、
加工設備
↓
30m先の回収場所
や、
1階
↓
上階の回収設備
へ送りたい場合があります。
ジェクターは排出側を長く取れる
ジェクターでは、
吸引側を短くし、長い距離は排出側で搬送する
ことが基本です。
吸引側は5m程度を推奨しています。
現場によっては10m程度で使用するケースもあります。
条件によって排出側200m程度の搬送も可能
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度
の長距離搬送が可能なケースがあります。
そのため、
工場内
↓
ジェクター
↓
建屋外の回収設備
などの構成も検討できます。
高さ方向も搬送できる
条件によっては、
高さ100m程度
の搬送が可能なケースもあります。
例えば、
1階で発生した軽量物
↓
ジェクター
↓
上階の回収設備
という構成です。
軽量物なら長距離搬送しやすい?
一般的には比重が搬送条件へ影響します。
ただし、
「軽いから必ず200m送れる」
というわけではありません。
実際には、
- 形状
- 大きさ
- 空気抵抗
- ホース径
- 曲がり
- 搬送量
なども関係します。
特に形状が重要
例えば、
同じ重量でも、
丸い粒
と、
薄く大きな板状物
ではホース内での動きが異なります。
大きすぎる資材はホースへ入らない
当然ですが、
ホース径より大きな資材
は搬送できません。
また、
ホースには入っても、
曲がり部分で引っ掛かる
可能性があります。
長いものにも注意
例えば、
- 細長い端材
- 長い繊維状物
- フィルム状のもの
などです。
形状によっては、
ホース内部で絡む
↓
閉塞
する可能性があります。
軽量物だからこそ形状確認が重要
例えば、
発泡スチロール片
でも、
細かな粒状
なのか、
手のひらサイズの板状
なのかで搬送条件は大きく変わります。
「平均サイズ」だけでなく最大サイズを見る
搬送物の大部分が小さくても、
時々大きな破片が混ざる
場合があります。
そのため、
最大サイズ
を確認することが重要です。
活用例⑤ 複数箇所から一か所へ集約
工場内で、
設備A
↓
軽量くず
設備B
↓
軽量くず
設備C
↓
軽量くず
が発生する場合があります。
人が各設備を回る方法
従来、
袋を持って設備Aへ
↓
回収
↓
設備Bへ
↓
回収
↓
設備Cへ
↓
回収
としている場合です。
ジェクターを移動しながら回収
ジェクターを必要な場所へ移動し、
各設備
↓
吸引
↓
一定の回収場所
へ送る運用も検討できます。
回収場所を一か所へ集約
例えば、
各製造設備
↓
ジェクター
↓
建屋端の回収設備
とすれば、
廃材搬出場所を集約できる可能性があります。
活用例⑥ 狭い場所の軽量くず回収
加工設備の、
- 下
- 裏側
- 配管の間
- 狭い隙間
などへ軽量くずが入り込むことがあります。
人が入りにくくてもホースなら届く場合がある
重機や大型清掃設備が入らなくても、
吸引ホース
ならアクセスできるケースがあります。
「人が入る」のではなく「ホースを入れる」
ジェクターの用途では、この考え方が重要です。
人が資材の近くまで入る
↓
回収
ではなく、
吸引ホース
↓
資材へアクセス
とできる場合があります。
軽量物回収のメリット① 人力清掃を減らせる
例えば、
ほうき
↓
ちりとり
↓
袋
という作業を、
吸引ホース
↓
ジェクター
へ変更できる可能性があります。
メリット② 袋詰め回数を減らせる
途中で小さな袋へ受けず、
直接大きな回収場所へ送る
ことができれば、袋交換の回数を減らせる可能性があります。
メリット③ 台車・フォークリフト運搬を減らせる
回収物をホースで離れた場所へ送れるため、
回収
↓
台車
↓
運搬
という中間工程を減らせる場合があります。
メリット④ 高所・長距離でも搬送できる可能性
軽量物を、
- 上階
- 建屋外
- 離れた回収設備
へ送る場合にも活用できます。
メリット⑤ 工程間搬送にも利用できる
床面清掃だけでなく、
設備A
↓
ジェクター
↓
設備B
という使い方もあります。
排出口へ直接接続することもできる
例えば加工設備から軽量くずが一定の場所へ排出される場合、
排出口
↓
ジェクター
↓
回収設備
とできる可能性があります。
毎回人が回収しなくてもよい設備構成へ
現在、
加工機
↓
箱
↓
満杯
↓
人が交換
しているのであれば、
加工機
↓
ジェクター
↓
離れた回収場所
という工程を検討できます。
ジェクターは圧縮空気で作動
ジェクターは圧縮空気を動力として使用します。
供給源として、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置型コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
を利用できます。
工場内エアーを使える可能性もある
製造工場では、すでに圧縮空気設備を使用しているケースがあります。
条件が合えば、
工場エアー
↓
ジェクター
という設備構成も検討できます。
確認するのは圧力だけではない
工場内エアーを使用する場合には、
- 圧力
- 空気量
- 配管径
- 取り出し位置
- 他設備との同時使用
などを確認します。
搬送可否を判断するポイント① 資材の重量・比重
まず、
どの程度軽い資材なのか
を確認します。
ただし重量だけで判断することはできません。
ポイント② 大きさ
例えば、
数mm
数cm
手のひらサイズ
などです。
最大サイズまで確認します。
ポイント③ 形状
例えば、
- 粒状
- 破片状
- 板状
- 繊維状
- フィルム状
などです。
ポイント④ 柔らかさ
資材がホース内部で、
変形する
のか、
硬いまま
なのかも確認します。
ポイント⑤ 付着性
軽い資材でも、
静電気などで付着しやすい
場合があります。
また、水分や油分を含んでいる場合には、ホース内壁へ付着する可能性があります。
ポイント⑥ 搬送量
例えば、
1時間あたり数kg
と、
数百kg
では設備条件が異なります。
「搬送できる」と「必要処理量が出る」は別
一つの資材を吸えることと、
工場で必要な処理能力を満たすこと
は別です。
そのため、
何kgを何分・何時間で処理したいか
を確認します。
ポイント⑦ 搬送距離
例えば、
5m
20m
100m
などです。
ポイント⑧ 高低差
例えば、
床面
↓
同じ高さの回収設備
と、
1階
↓
3階
では条件が異なります。
ポイント⑨ ホースの曲がり
軽量物では形状によって、
曲がり部分
で引っ掛かる可能性があります。
そのため実際のホースルートも確認します。
「これは粉じゃないから無理」と判断する前に確認する
例えば、
発泡スチロールくず
木質の軽い破片
樹脂系の軽量加工くず
などです。
空気搬送に適した形状・サイズであれば、ジェクターを使用できる可能性があります。
実物テストが非常に有効
粉体・粒体以外の資材では、
資材名だけで搬送可否を判断しにくいケースがあります。
同じ「発泡スチロールくず」でも違う
例えば、
細かな粉末状
と、
大きな板状破片
ではまったく条件が違います。
実際の資材で確認する
搬送テストでは、
- 吸引できるか
- ホース内を安定して流れるか
- 曲がりで詰まらないか
- 必要な処理量が出るか
- 排出状態
- 適したホース径
- 適したジェクター
などを確認できます。
現物を送れない場合は写真・動画から相談
例えば、
- 資材全体
- 手に持った大きさ
- 発生場所
- 現在の回収方法
- 1日あたり発生量
などが分かる写真・動画でも初期検討できます。
「こんなものも吸える?」という相談でもよい
例えば、
「発泡スチロールの切削くずが出る」
「軽い木片を回収したい」
「粉体ではないが軽い廃材をホースで送りたい」
「現在は袋に入れて人が運んでいる」
という段階からでも構いません。
現在の工程から考える
例えば、
現在:
加工設備
↓
軽量くず
↓
床へ落下
↓
ほうき
↓
袋
↓
台車
なら、
改善案:
加工設備周辺
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
回収場所
とできないか検討します。
設備から直接吸い出す方法もある
資材が一定の排出口から出てくるのであれば、
加工設備
↓
排出口
↓
ジェクター
↓
回収場所
という構成も検討できます。
回収設備まで直接つなぐ
こうすれば、
床へ落とす
↓
集める
↓
袋へ入れる
という工程そのものを減らせる可能性があります。
ただしジェクターが適さない資材もある
空気搬送機なので、
すべての軽量物を搬送できるわけではありません。
例えば、
- 非常に大きい
- 極端に長い
- ホース内部で絡みやすい
- 強い粘着性がある
- 大きさが不揃いすぎる
場合には適さない可能性があります。
無理にジェクターへ当てはめない
重要なのは、
ジェクターで運ぶこと
ではなく、
現在の作業を合理的に改善すること
です。
資材によっては別の搬送方法が適する場合もあります。
エコ・ワークでは実物を見ながらご提案
粉体・粒体以外の軽量物では、
カタログ上の材料名だけでは判断しにくいケースがあります。
そのため、
- 資材
- 大きさ
- 形状
- 発生量
- 現在の回収方法
- 搬送距離
- 高低差
などを確認します。
必要に応じて、実際の資材による搬送テストも行います。
全国で運用方法もご案内
ジェクターでは、
機種選定だけでなく、
- 吸引方法
- 吸引ホースの扱い方
- 本体の設置場所
- 排出ホースのルート
- 回収先
などによって実際の作業性が変わります。
エコ・ワークでは機器の販売だけでなく、全国の現場でジェクターの使い方や運用方法の指導も行っています。
まとめ
空気搬送機「ジェクター」は、
- 粉体
- 粒体
- 砂
- 灰
- ペレット
だけに使用する設備ではありません。
条件によっては、
粉体・粒体以外の軽量物・中軽量物も回収・搬送できます。
例えば、
- 発泡スチロール加工くず
- 軽量な樹脂系廃材
- 木質系の細かなチップ・カス
- 製造工程で発生する軽い端材
などです。
こうした資材を、
ほうきで集める
↓
袋へ入れる
↓
台車で運ぶ
のではなく、
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
回収場所
と搬送できれば、人力による回収・積み替え・運搬工程を減らせる可能性があります。
また条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送や、高さ100m程度の搬送
が可能なケースもあります。
ただし、軽量物であれば何でも搬送できるわけではありません。
特に、
- 大きさ
- 最大サイズ
- 形状
- 比重
- 付着性
- 搬送量
- 搬送距離
- 高低差
- ホースの曲がり
などの確認が重要です。
「粉体ではないけれどジェクターで吸える?」
「軽い加工くずをまとめて回収したい」
「発泡スチロールくずの清掃を省力化したい」
「軽量廃材を別の場所までホースで送りたい」
「現在は袋詰めして台車で運んでいる」
「そもそも空気搬送できる資材なのか確認したい」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
実際の資材・形状・発生量・搬送距離などを確認し、必要に応じて実物による搬送テストも行いながら、ジェクターで対応できるかを含めて現場に適した回収・搬送方法をご提案いたします。
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