この記事でわかること
- 粉体・粒体搬送が生産ラインのボトルネックになる理由
- 「製造設備は速いのに生産量が増えない」原因
- 原料待ち・運搬待ち・投入待ちが発生する工程
- 搬送能力だけでなく工程全体を見る重要性
- 空気搬送によって工程間を直接つなぐ方法
- 工場内エアーを活用した設備改善
- 長距離・高所搬送を活用する考え方
- エコワークによる全国での運用サポート
はじめに
工場やプラントで生産性を改善しようとすると、
- 製造設備を高速化する
- 加工機を更新する
- 自動化設備を導入する
- 作業員を増やす
といった対策を考えることがあります。
しかし、
製造設備そのものには十分な能力があるのに、思ったほど生産量が増えない
という現場もあります。
その原因の一つとして考えたいのが、
設備と設備の間にある「搬送工程」
です。
例えば、
原料が届くまで次工程が待っている
フレコン交換が終わるまで設備を止めている
フォークリフトが来るまで材料を移動できない
ホッパーへの投入が製造速度に追いつかない
といった状態です。
この場合、製造設備の能力を上げても、搬送工程が追いつかなければライン全体の生産性は大きく向上しません。
本記事では、粉体・粒体搬送が生産ラインのボトルネックになる理由と、工程間搬送を見直す際のポイントについて解説します。
ボトルネックとは?
生産工程におけるボトルネックとは、工程全体の処理能力を制限している部分を指します。
例えば、
工程A:2t/h
↓
搬送工程:0.5t/h
↓
工程B:2t/h
というラインがあった場合、
工程Aと工程Bには2t/hの能力があっても、搬送工程が0.5t/hしか処理できなければ、ライン全体として十分な能力を発揮できません。
つまり、
一番遅い工程がライン全体の速度を決める
ことになります。
粉体・粒体を扱う工場では、このボトルネックが製造機械ではなく、
- 原料供給
- 回収
- 中間運搬
- 高所投入
- フレコン交換
などに存在する場合があります。
「搬送」は製造工程として見落とされやすい
例えば製造設備については、
「1時間に何kg処理できるか」
という能力を細かく管理していても、
設備間の搬送については、
「作業員が運んでいるから問題ない」
となっているケースがあります。
しかし実際には、
設備A
↓
フレコンへ排出
↓
フォークリフト待ち
↓
搬送
↓
フレコン吊り上げ
↓
設備Bへ投入
という工程があれば、そのすべてが生産時間に影響します。
つまり、
搬送工程も生産ラインの一部
として見ることが重要です。
ボトルネック① 原料が来るまで設備が待っている
製造設備には十分な処理能力があっても、原料供給が追いつかなければ設備を動かせません。
例えば、
原料フレコンを運ぶ
↓
フォークリフトで吊り上げる
↓
ホッパーへ投入
↓
次のフレコンを準備する
という作業を行っている場合です。
原料供給のタイミングによって、
製造設備側に「材料待ち」が発生する
ことがあります。
原料供給だけ設備化できないか考える
この場合、製造ライン全体を改造しなくても、
原料供給部分だけ搬送設備へ置き換える
方法があります。
例えば、
原料
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
製造設備のホッパー
という構成です。
必要な量を継続的に搬送できれば、人が原料を運搬・投入する工程を減らせる可能性があります。
ボトルネック② フォークリフト待ち
工場ではフォークリフトが、
- 原料受入
- 製品搬送
- 倉庫作業
- フレコン搬送
- パレット搬送
など多くの作業を担当しています。
そのため、
「材料は準備できているが、フォークリフトが別作業中」
という状態が発生することがあります。
製造設備側から見ると、これは単純な搬送待ち時間です。
定点搬送ならフォークリフト以外の方法も検討できる
例えば毎日、
設備A
↓
フォークリフトで100m
↓
設備B
という同じルートを往復している場合、
空気搬送によって、
設備A
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
設備B
と直接つなげられないか検討できます。
フォークリフトを完全になくす必要はありません。
単純な定点搬送だけ設備化し、フォークリフトを本来必要な作業へ回す
という考え方です。
ボトルネック③ フレコン交換
粉体・粒体を一度フレコンへ回収している現場では、
フレコンが満杯
↓
搬送停止
↓
交換
↓
再接続
↓
運転再開
という作業が発生することがあります。
フレコンを使用すること自体には、
- 保管
- 出荷
- ロット管理
など多くのメリットがあります。
一方、
次工程へ運ぶためだけにフレコンへ入れている
場合には、中間工程を見直せる可能性があります。
「一度受ける工程」が生産速度を落としていないか?
例えば、
設備A
↓
フレコン
↓
フォークリフト
↓
設備B
という工程を、
設備A
↓
空気搬送
↓
設備B
へ変更できれば、
- フレコンへの充填
- フレコン交換
- フォークリフト搬送
- 設備Bへの再投入
を減らせる可能性があります。
設備改善では、
作業を速くするだけでなく、工程そのものをなくせないか
という視点も重要です。
ボトルネック④ 高所への投入
工場やプラントでは、原料を、
- サイロ
- ホッパー
- 上階設備
- 反応槽
- 混合設備
などの高所へ投入することがあります。
この場合、
- クレーン
- フォークリフト
- 人力
- バケットエレベーター
などが使用されることがあります。
特に人力やクレーン作業の場合、投入作業が製造設備の処理能力に追いつかないことがあります。
地上から高所へ直接搬送する方法
空気搬送では、材料を地上側からホースで高所へ送ることができます。
ジェクターでは搬送条件によって、
高さ100m程度の高所搬送が可能なケース
もあります。
そのため、
地上の材料
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
高所ホッパー
という設備構成も検討できます。
ただし、高さ100mという数字はすべての搬送物・条件を保証するものではありません。
- 搬送物
- 比重
- 粒径
- 水平距離
- 必要搬送量
- ホース径
- エアー供給能力
などを確認する必要があります。
ボトルネック⑤ 設備間の距離
既存工場では設備が段階的に増設され、
「前工程と後工程が離れている」
ということがあります。
例えば、
製造棟A
↓
100m離れた製造棟B
という配置です。
距離があるため、
「フォークリフトで運ぶしかない」
と考えている場合もあります。
ジェクターなら排出側200m程度の長距離搬送も可能
ジェクターでは条件によって、
排出側で200m程度の長距離搬送が可能なケース
があります。
そのため、
- 工場の反対側
- 別棟
- 屋外設備
- 離れた回収設備
などへの搬送も検討できます。
つまり、
設備同士が離れていること自体が、必ずしも直接搬送できない理由にはなりません。
吸引側と排出側を分けて考える
ジェクターによる長距離搬送で重要なのが、
吸引側を短く、排出側を長くする
という考え方です。
吸引側については5m程度を推奨しています。
現場によっては10m程度で使用しているお客様もいますが、基本的には搬送物の近くへジェクターを設置します。
例えば、
搬送物
↓
吸引ホース5m程度
↓
ジェクター
↓
排出ホース100m
↓
次工程
という構成です。
ボトルネック⑥ 搬送能力そのものが足りない
空気搬送設備を導入していても、
- 搬送量が少ない
- 以前より能力が落ちた
- 材料が途中に残る
- 搬送に時間がかかる
という状態では、搬送設備自体がボトルネックになります。
この場合、
「もっと大きい機械に交換する」
前に、現在の搬送条件を確認することが重要です。
搬送能力は設備本体だけでは決まらない
空気搬送の能力には、
- 搬送物
- 粒径
- 比重
- 水分
- エアー供給能力
- ホース径
- 搬送距離
- 高低差
- 曲がり
などが影響します。
例えば設備そのものに十分な能力があっても、
工場エアーの供給量が不足している
場合には、本来の能力を発揮できない可能性があります。
工場内エアーを活用できる場合もある
ジェクターは圧縮空気を動力として使用します。
圧縮空気は、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置型コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
から供給できます。
工場内に既設のエアー設備があり、必要な、
- 圧力
- 空気量
を確保できれば、そのインフラを活用できる可能性があります。
工場エアーでは取り出し口まで確認する
工場全体のコンプレッサーに十分な能力があっても、
メイン配管
↓
細い枝管
↓
ジェクター
となっていれば、必要な空気量を供給できない場合があります。
また、
- エアーツール
- 生産設備
- エアーシリンダー
などと同時使用することで供給量が変動する可能性もあります。
そのため、
実際にジェクターを接続する場所でのエアー供給条件
を確認することが重要です。
ボトルネック⑦ 搬送ルートが複雑
同じ100mの搬送でも、
直線100m
と、
何度も曲がりながら100m
では搬送条件が異なります。
ホース・配管の曲がりでは、
- 搬送抵抗
- 摩耗
- 材料滞留
が増える場合があります。
設備間を直接つなぐ場合には、距離だけでなく実際の搬送ルートを見ることが重要です。
まず「どこで待っているか」を確認する
ボトルネックを探すとき、最初から設備を購入する必要はありません。
まず現在の工程を、
原料供給
↓
搬送
↓
投入
↓
製造
↓
排出
↓
回収
と並べてみます。
そして、
どこで人・材料・設備が待っているか
を確認します。
「材料待ち」を探す
例えば、
設備は動ける
↓
原料が来ない
↓
設備停止
なら、原料供給工程がボトルネックになっている可能性があります。
「人待ち」を探す
例えば、
材料はある
↓
投入する作業員が来ない
↓
設備停止
なら、人による投入工程を設備化できないか検討します。
「フォークリフト待ち」を探す
材料は準備済み
↓
車両が空いていない
↓
次工程へ送れない
のであれば、中間搬送方法を見直す余地があります。
「フレコン交換待ち」を探す
回収設備は動ける
↓
フレコン満杯
↓
交換まで停止
という場合には、
- フレコン容量
- 回収設備
- 搬送先
- 連続回収方法
を見直します。
生産設備だけを高速化しても解決しない
例えば、
加工設備を1t/hから2t/hへ更新
しても、
原料供給が0.5t/h
であれば、2t/hの能力を十分に活用できません。
この場合、本当に改善すべきなのは加工設備ではなく、
その前にある搬送工程
かもしれません。
設備投資では、
機械単体の能力よりライン全体を見る
ことが重要です。
ジェクターで工程間を直接つなぐ
空気搬送機「ジェクター」は圧縮空気を利用して、
- 吸引
- 搬送
- 投入
- 排出(散布)
を行える設備です。
例えば、
従来:
設備A
↓
容器
↓
台車
↓
フレコン
↓
フォークリフト
↓
設備B
という工程を、
改善案:
設備A
↓
ジェクター
↓
設備B
とできれば、中間搬送工程を大幅に減らせる可能性があります。
ボトルネック改善では「連続化」がポイント
生産性を高めるうえで重要なのが、
工程同士をできるだけ途切れさせないこと
です。
例えば、
回収
↓
運搬
↓
投入
という3つの作業を、
回収しながら搬送し、そのまま投入
できれば、工程を連続化できます。
これは単純に搬送速度を上げるのとは異なります。
待ち時間そのものを減らす
という改善です。
中間ホッパーを残した方がよいケースもある
ただし、すべての設備を直接接続することが正解ではありません。
例えば、
前工程:2t/h
後工程:1t/h
という場合、直接搬送だけでは後工程が処理しきれない可能性があります。
このようなケースでは、
前工程
↓
中間ホッパー
↓
ジェクター
↓
後工程
など、材料を一時的に受けるバッファを残すことが有効な場合があります。
重要なのは、
工程を減らすことそのものではなく、ライン全体を安定させること
です。
可搬式ならボトルネックになっている場所へ設備を移動できる
工場内では、必ずしも同じ場所が毎日ボトルネックになるとは限りません。
例えば、
今日は原料投入
別の日は設備清掃
定修時は回収作業
というように作業内容が変わる場合があります。
ジェクターは可搬式として使用できるため、
必要な場所へ移動させながら複数用途に利用する
ことも可能です。
摩耗性の高い資材では排出側を確認
搬送物が、
など摩耗性の高い材料の場合には、ホース寿命も重要です。
ジェクターでは排出側が特に摩耗しやすい箇所となるため、エコワークでは必要に応じてセラミック補強耐摩耗ホースをご提案しています。
設備の能力だけでなく、長期的に安定運用できる構成を考えることが重要です。
粉じんが多い資材はジェクロンとの組み合わせ
焼却灰やフライアッシュなどの微粉体では、搬送後の粉じん対策も必要です。
その場合には、
ジェクター
↓
集粉機「ジェクロン」
↓
フレコン
という設備構成を検討できます。
搬送・集粉・回収を一つの工程として構築することで、排出後の作業まで含めて効率化できる可能性があります。
ボトルネックを数字で把握する
改善を検討するときには、感覚だけではなく数字を取ることをおすすめします。
例えば、
- 1日の処理量
- 1回の運搬時間
- 1日のフォークリフト往復回数
- フレコン交換回数
- 原料待ち時間
- 設備停止時間
- 作業人数
などです。
特に、
製造設備が「材料待ち」で何分止まっているか
を記録すると、搬送工程を改善する価値が見えやすくなります。
例:1回5分の待ち時間でも積み重なる
例えば原料投入のたびに、
5分待つ
作業が1日10回発生していれば、
1日50分
の待ち時間になります。
これが毎日続けば、年間では大きな時間になります。
設備改善では、大きな停止だけでなく、
毎日繰り返している小さな待ち時間
を見ることが重要です。
こんな工程は一度見直したい
例えば、
- フレコンへ入れた直後に別設備へ投入している
- フォークリフトが毎日同じルートを往復している
- 高所ホッパーへの投入を人が行っている
- 製造設備が原料待ちで止まる
- 台車で粉体を何往復も運んでいる
- 清掃・回収が終わるまで次工程を開始できない
- 設備能力は高いのにライン全体の処理量が増えない
という現場です。
このような場合には、搬送工程がボトルネックになっていないか確認する価値があります。
設備を買う前に搬送テストを行う
工程間を直接搬送する場合には、
「理論上送れる」
だけでなく、
必要な処理量を確保できるか
を確認することが重要です。
搬送テストでは、
- 実際の搬送物
- 搬送量
- 距離
- 高低差
- ホース径
- 圧縮空気
などを確認します。
特に生産ラインへ組み込む場合には、搬送能力がライン全体の要求を満たしているか確認することが重要です。
エコワークでは全国で運用指導を行っています
粉体・粒体搬送のボトルネック改善では、
単純に機械を追加するだけではなく、
- ジェクターをどこへ置くか
- どの工程を直接つなぐか
- 工場エアーを利用できるか
- 吸引側をどこまで短くできるか
- 排出ホースをどのルートで通すか
- 中間ホッパーを残すべきか
などを現場ごとに検討する必要があります。
エコワークでは、ジェクターを販売するだけでなく、全国の現場で使い方や運用方法の指導も行っています。
現在の作業工程を確認しながら、
どこが搬送上のボトルネックになっているか
という視点も含めて設備構成をご提案します。
ご相談時に確認したい情報
搬送工程の改善をご相談いただく際には、
- 搬送物
- 粒径・最大粒径
- 比重
- 含水率
- 1日の処理量
- 必要搬送量
- 現在の作業工程
- 現在の作業人数
- 設備ごとの処理能力
- 水平搬送距離
- 高低差
- フォークリフト搬送回数
- フレコン交換回数
- 原料待ち時間
- コンプレッサーまたは工場エアーの条件
- 現場写真
- 設備レイアウト
などがあると、具体的に検討しやすくなります。
まとめ
工場の生産性を高めるためには、
製造設備だけでなく、設備と設備の間にある搬送工程を見ること
が重要です。
例えば、
- 原料待ち
- フォークリフト待ち
- フレコン交換
- 高所投入
- 台車運搬
- 設備間搬送
などが生産速度を制限している場合があります。
空気搬送機ジェクターを活用すれば、
回収 → 搬送 → 投入
を一つの流れとして構築できる可能性があります。
ジェクターは、
- コンプレッサーまたは条件を満たした工場内エアーから圧縮空気を供給可能
- 吸引・搬送・投入・排出に対応
- 排出側200m程度の長距離搬送が可能なケースあり
- 条件によって高さ100m程度の高所搬送にも対応
という特徴があります。
吸引側については5m程度を推奨しており、現場によっては10m程度で使用しているケースもあります。
「製造設備は止まっていないのに生産量が増えない」
「原料待ちが頻繁に発生する」
「フォークリフトが来るまで工程が止まる」
「粉体の中間搬送をもっと効率化したい」
「どこがラインのボトルネックなのかわからない」
といった課題がありましたら、お気軽にエコワークまでお問い合わせください。
現在の搬送工程を確認し、設備能力だけでなく工程全体から省力化・効率化できる方法をご提案いたします。
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