この記事でわかること
- 粉体・粒体以外でもジェクターで搬送できる条件
- 軽量物・中軽量物の搬送可否を左右する要素
- 大きさ・形状・長さ・比重を見る理由
- 発泡スチロールくず・木質くず・樹脂片などの違い
- 長い資材やフィルム状資材で注意したいこと
- 水分・油分・付着性が搬送へ与える影響
- 発生量・搬送距離・高低差の考え方
- 実際の資材でテストした方がよいケース
- ジェクターが向かない可能性がある資材
- 問い合わせ時に準備しておくとよい情報
はじめに
空気搬送機「ジェクター」について、
「粉体ではないけれど吸える?」
「樹脂の破片でも送れる?」
「木片や発泡スチロールくずは搬送できる?」
といったご相談をいただくことがあります。
ジェクターは、
- 粉体
- 粒体
- 砂
- 灰
- ペレット
などの搬送に使用されています。
しかし、
粉体・粒体だけに用途が限定されているわけではありません。
条件によっては、
- 発泡スチロール加工くず
- 軽量な樹脂片
- 木質系の細かなカス
- 小さな木片
- 各種軽量廃材
などの軽量物・中軽量物にも使用できます。
ただし、
「軽いから吸える」
「小さいから送れる」
という単純な判断はできません。
実際の搬送可否は、
- 大きさ
- 最大サイズ
- 長さ
- 形状
- 比重
- 水分
- 付着性
- 発生量
- 搬送距離
- 高低差
- ホースルート
など、複数の条件によって決まります。
本記事では、粉体・粒体以外の資材をジェクターで搬送できるか判断するときに確認したいポイントを整理します。
まず確認したいのは「空気の流れに乗るか」
ジェクターは圧縮空気を利用して搬送物を吸引し、排出側へ送る空気搬送機です。
そのため重要なのは、
対象物がホース内部で空気の流れに乗って移動できるか
です。
「粉体かどうか」だけでは決まらない
例えば、
細かな発泡スチロール片
は粉体ではありません。
しかし軽量で、サイズ・形状などの条件が合えば空気搬送できる場合があります。
一方、
非常に軽いフィルム片
でも、
長い
絡む
ホースへ張り付く
場合には安定搬送できない可能性があります。
チェックポイント① 大きさ
最初に確認したいのが、
対象物の大きさ
です。
例えば、
- 数mm
- 1cm
- 5cm
- 10cm
などです。
ホースへ入るサイズか?
当然ですが、
対象物がホース内径より大きければ、そのまま搬送できません。
また、
ギリギリ入る
というだけでも十分ではありません。
曲がり部分も通れる必要がある
資材は、
吸引口
↓
ホース
↓
曲がり
↓
ジェクター
↓
排出側
を通ります。
そのため、
直線部分には入る
↓
しかし曲がりで止まる
という可能性があります。
平均サイズより「最大サイズ」が重要
例えば、
90%
↓
1cm以下
でも、
10%
↓
10cm程度
の破片が含まれている場合です。
日常的な資材だけを見て、
「小さいから問題ない」
と判断すると、この大きな破片が閉塞原因になる可能性があります。
最大サイズを確認する
相談時には、
平均サイズ
だけでなく、
最も大きいものはどの程度か
を確認します。
チェックポイント② 長さ
軽量物・中軽量物では、
粒径だけでなく、
長さ
も重要です。
特に、
- 樹脂切削くず
- 木片
- 細長い端材
- ひも状資材
などです。
長い資材は引っ掛かりやすい
例えば、
幅5mm
長さ30cm
の樹脂片です。
重量は非常に軽くても、
ホース内部で、
曲がる
絡む
折れ曲がる
可能性があります。
「軽い=搬送しやすい」ではない
例えば、
10gの粒状物
と、
10gの長いフィルム
では搬送性が大きく異なります。
重量だけでは判断できません。
チェックポイント③ 形状
軽量物では、
形状が搬送性に大きく影響
します。
例えば、
粒状
比較的流動しやすい。
小さな不定形破片
条件によって搬送しやすい。
板状
ホース内部で向きによって引っ掛かる可能性。
フィルム状
内壁へ張り付く可能性。
ひも状
絡む可能性。
などです。
発泡スチロールでも形状によって違う
例えば、
細かな発泡スチロール粒
↓
空気搬送を検討しやすい
一方、
手のひらサイズの薄い板状片
↓
別確認が必要
となります。
木質系でも同様
木質チップでも、
短く細かなチップ
と、
長い木片
では搬送条件が異なります。
樹脂系では特に形状に注意
樹脂加工くずでは、
- カールした切削くず
- 帯状
- ひも状
- フィルム状
などが発生する場合があります。
こうした資材は、軽量でも搬送しにくいことがあります。
チェックポイント④ 比重・重量
対象物の重さも重要です。
空気搬送では、
資材を空気の流れによって移動させる
ため、比重が大きいほど必要条件が変わります。
軽量物は有利な場合がある
例えば、
発泡スチロール
木質系の軽いカス
などは、比較的空気の流れに乗りやすい場合があります。
中軽量物も条件次第
ある程度重量があっても、
サイズ
形状
ホース径
空気量
などが合えば搬送できるケースがあります。
「何kgあるか」だけではなく1個あたりを見る
例えば、
1個が非常に重い
のか、
多数集まると重い
のかで違います。
チェックポイント⑤ 水分
対象物が乾燥しているか、湿っているかも重要です。
乾燥状態
比較的、
- 流れやすい
- 軽い
- 付着しにくい
場合があります。
水分を含む場合
- 重量が増える
- ホース内壁へ付着する
- 資材同士がまとまる
可能性があります。
同じ材料でも状態で変わる
例えば木質系資材でも、
乾いた木片
と、
湿った木片
では搬送状態が変わります。
チェックポイント⑥ 油分・粘着性
加工くずでは、
- 切削油
- 油分
- その他の付着物
が付いている場合があります。
付着するとホース内部に残る可能性
対象物が、
ベタつく
↓
ホース内壁へ付着
↓
徐々に堆積
すると、閉塞につながる可能性があります。
樹脂切削くずなどでは加工条件も確認
同じ樹脂くずでも、
乾式加工
と、
切削液を使った加工
では条件が違います。
チェックポイント⑦ 静電気
発泡スチロールや樹脂系の軽量物では、
静電気
が発生することがあります。
軽い資材ほど付着しやすい場合も
例えば、
ホース内壁
回収容器
周辺設備
などへ付着する場合があります。
静電気は実物確認が重要
材質・湿度・搬送条件によって変わるため、実際の資材を使って確認することが重要です。
チェックポイント⑧ 発生量
対象物そのものを吸えるかだけでなく、
必要な量を処理できるか
を確認します。
「1個吸えた」だけでは設備として使えない
例えば、
樹脂片を数個
↓
問題なく吸引
できても、
製造ライン
↓
1時間100kg発生
するのであれば、その処理量を満たす必要があります。
1時間あたりの発生量を確認
例えば、
- kg/h
- m3/h
- 袋/h
などです。
軽量物では袋数も有効
例えば、
重量は1時間20kg
でも、
袋10袋分
という場合があります。
この方が実際の作業負担をイメージしやすいことがあります。
チェックポイント⑨ 瞬間的な発生量
平均値だけでなく、
一度にどれだけ出るか
も重要です。
例えば平均10kg/hでも
通常
↓
少量ずつ
10分ごと
↓
一気に大量排出
なら、その瞬間の供給量を確認します。
設備直結では特に重要
加工設備
↓
ジェクター
と直結する場合には、人が供給量を調整しません。
そのため瞬間的に処理能力を超えないか確認します。
必要に応じて一時受けを設ける
例えば、
加工設備
↓
一時受け
↓
一定量ずつ
↓
ジェクター
という設備構成も考えられます。
チェックポイント⑩ 搬送距離
ジェクターでは、
吸引側を短く、長い距離は排出側
で送ることを基本とします。
吸引側は5m程度を推奨
ジェクターでは、
吸引側5m程度
を推奨しています。
現場によっては10m程度で使用しているケースもあります。
例えば50m先へ送りたい場合
資材
↓
吸引3m
↓
ジェクター
↓
排出50m
↓
回収場所
という構成を検討します。
条件によって排出側200m程度
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度
の搬送が可能なケースがあります。
ただし軽量物なら必ず200mではない
実際の搬送距離は、
- 形状
- 大きさ
- 発生量
- ホース径
- 曲がり
- 高低差
などによって変わります。
チェックポイント⑪ 高低差
例えば、
同じフロア
↓
水平搬送
と、
1階
↓
3階
では条件が異なります。
条件によって高さ100m程度
ジェクターでは条件によって、
高さ100m程度
の搬送が可能なケースもあります。
高さだけでなく水平距離も見る
例えば、
高さ20m
+
水平100m
などです。
水平・垂直を合わせた搬送ルートで判断します。
チェックポイント⑫ ホースの曲がり
資材形状によっては、
直線なら流れる
↓
曲がりで詰まる
ことがあります。
軽量物では特に形状との組み合わせを見る
例えば、
小さな発泡スチロール片
なら曲がりを通っても、
長い樹脂片
では引っ掛かる可能性があります。
曲がりが多いほど条件が厳しくなる
実際の設備配置では、
- 柱
- 配管
- 製造設備
- 壁
などを避けてホースを通します。
そのため、
直線距離だけでは判断できません。
チェックポイント⑬ 搬送先
吸ったあと、
どこへ送るのか
も重要です。
例えば、
- 大型回収容器
- フレコン
- 回収サイロ
- 減容設備
- 粉砕設備
- 再利用工程
などです。
排出先から設備構成を考える
例えば発泡スチロールくずなら、
加工設備
↓
ジェクター
↓
減容設備
とできる可能性があります。
樹脂片なら粉砕設備へ
加工設備
↓
ジェクター
↓
粉砕工程
と直接送ることで、中間袋・台車運搬を減らせる可能性があります。
木質系なら回収サイロへ
木質くず
↓
ジェクター
↓
回収サイロ
などです。
粉体・粒体以外で搬送しやすい可能性があるもの
例えば、
- 細かな発泡系加工くず
- 短い木質チップ
- 小さな木片
- 小型の樹脂片
- ペレット由来のカス
- 軽量な加工端材
などです。
一方で注意したい資材
例えば、
- 長いひも状資材
- 大きなフィルム
- 大きな板状物
- 非常に長い木片
- 絡みやすい資材
- 強い粘着性のある資材
です。
「対象外」と決めるのではなく確認する
これらも絶対に搬送できないという意味ではありません。
ただし、
事前確認の重要性が高い資材
です。
大きな資材だけ別回収にする方法もある
例えば、
細かな樹脂片
↓
ジェクター
大きな端材
↓
別容器
といった使い分けです。
すべてを一つの設備で処理する必要はない
設備改善では、
全廃材をジェクターで処理
することが目的ではありません。
ジェクターが得意な部分だけ設備化
例えば、
細かな軽量くず
↓
毎日大量に発生
する部分だけジェクターへ置き換える方法があります。
実物テストをおすすめするケース
特に、
- 不定形
- 初めて扱う資材
- 長いものが混ざる
- 静電気がある
- 付着性がある
- 必要処理量が大きい
- 長距離搬送したい
場合です。
テストで確認するポイント
実際の資材を使い、
- 吸引できるか
- ジェクター内部を通過できるか
- ホースで安定搬送できるか
- 曲がりで詰まらないか
- 必要搬送量を確保できるか
- 長距離・高所搬送できるか
- 搬送先でどう排出されるか
を確認します。
資材サンプルが難しければ写真でもよい
初期相談では、
手に持った状態
定規と並べた状態
などの写真があると、大きさを判断しやすくなります。
動画も非常に参考になる
例えば、
加工設備から資材が出てくる様子
を撮影すれば、
- 発生量
- 発生頻度
- 形状
- 飛散
- 瞬間供給量
などを確認できます。
問い合わせ前に準備するとよい情報
最低限、次のような情報があると検討しやすくなります。
搬送物
何を運ぶのか。
写真
大きさ・形状が分かるもの。
最大サイズ・最大長
最も大きなもの。
1時間あたりの発生量
kgでも袋数でも構いません。
搬送距離
水平距離。
高低差
上方向・下方向。
現在の回収方法
袋、台車、人力など。
搬送先
最終的にどこへ送るのか。
現在の作業工程も教えていただくと分かりやすい
例えば、
現在:
加工設備
↓
樹脂くず
↓
箱
↓
袋
↓
台車
↓
粉砕機
という情報です。
改善案を考える
例えば、
加工設備
↓
ジェクター
↓
粉砕設備
へできないか検討します。
「搬送可否」だけでなく省力化効果を見る
仮にジェクターで搬送できても、
現在の作業時間が非常に少ない
のであれば、設備導入メリットが小さい可能性もあります。
現在の作業時間を確認する
例えば、
1日
- 清掃30分
- 袋交換20分
- 台車運搬30分
なら、
80分/日
です。
年間作業時間へ換算
年間250日なら、
約333時間/年
になります。
こうした工程なら、省力化を検討する価値があります。
「人が持てるから設備化しない」は見直せる
軽量物では、
人が簡単に持てる
ため設備化が後回しになることがあります。
しかし、
人が持てることと、人が毎日運ぶ必要があることは別
です。
回数が多ければ十分な省力化対象
一袋が軽くても、
年間数千回
交換・運搬しているなら、改善余地があります。
ジェクターは圧縮空気で作動
圧縮空気は、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置型コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
を利用できます。
工場内エアーも選択肢
加工工場などでは、既設エアー設備がある場合があります。
条件が合えばジェクターへ利用できます。
確認するのは圧力だけではない
- 圧力
- 必要空気量
- 配管径
- 取り出し位置
- 他設備との同時使用
などを確認します。
エコ・ワークでは「これも運べる?」という段階からご相談いただけます
粉体・粒体以外の資材では、
カタログだけを見ても使用できるか判断しにくいケースがあります。
例えば、
「この樹脂片を吸える?」
「この木片は長すぎる?」
「発泡スチロールくずを50m送れる?」
といった段階でも構いません。
実際の資材を見て判断
- 写真
- 動画
- サンプル
- 現在の作業方法
- 発生量
- 搬送距離
などを確認します。
必要に応じて実物テストも行います。
全国で運用方法もご案内
軽量物・中軽量物では、
- 吸引方法
- ホース径
- ジェクター設置場所
- 搬送ルート
- 排出方法
などによって使い勝手が変わります。
エコ・ワークでは機器の販売だけでなく、全国の現場でジェクターの使い方や運用方法の指導も行っています。
まとめ
ジェクターは、
粉体
粒体
だけを搬送する設備ではありません。
条件によって、
- 発泡スチロール加工くず
- 木質チップ・細かな木片
- 木質ペレット由来のカス
- 小さな樹脂片
- 軽量な加工端材
などの軽量物・中軽量物にも使用できます。
ただし搬送可否は、
「軽いかどうか」
だけでは判断できません。
特に確認したいのは、
- 最大サイズ
- 最大長
- 形状
- 比重
- 水分
- 油分・粘着性
- 静電気
- 発生量
- 瞬間供給量
- 搬送距離
- 高低差
- ホースの曲がり
- 搬送先
です。
例えば、
軽い
↓
しかし長いひも状
ならホース内部で絡む可能性があります。
逆に、
粉体ではない
↓
しかし小さく軽量で空気の流れに乗りやすい
資材なら、ジェクターで搬送できる可能性があります。
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送、高さ100m程度の搬送
が可能なケースもあります。
「粉体ではないのでジェクターが使えるか分からない」
「この加工くずをホースで回収できる?」
「軽量廃材の袋詰め・台車運搬をなくしたい」
「製造ラインから処理設備まで直接送りたい」
「実際に搬送できるかテストしたい」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
搬送物の写真・形状・最大サイズ・発生量・搬送距離などを確認し、必要に応じて実物テストも行いながら、ジェクターで対応できるかを含めた現場に適した搬送方法をご提案いたします。
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