この記事でわかること
- 樹脂加工くずをジェクターで搬送できる条件
- 軽量な樹脂片・切削くず・端材の回収方法
- 粉体・粒体ではない樹脂廃材を空気搬送する考え方
- 製造設備から直接回収する方法
- 袋詰め・台車運搬を減らす方法
- 離れた回収場所までホース搬送する方法
- 樹脂片の形状・長さ・最大サイズが重要な理由
- フィルム状・ひも状の廃材で注意したいポイント
- 静電気や付着を確認する理由
- 実物テストで搬送可否を確認する方法
はじめに
樹脂製品を加工・製造する工場では、
- 切削
- 切断
- 成形後の仕上げ
- 穴あけ
- トリミング
などの工程から、さまざまな樹脂加工くずが発生します。
例えば、
- 細かな樹脂片
- 軽量な切削くず
- 小さな端材
- 不定形の破片
- 樹脂系の軽量廃材
などです。
こうした資材は、
「粉体でも粒体でもないから、空気搬送はできないのでは?」
と思われることがあります。
しかし空気搬送機「ジェクター」は、粉体・粒体だけでなく、
条件によって軽量・中軽量の樹脂片や加工くずにも使用できます。
例えば、
樹脂加工くず
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
回収設備
とすることで、
- 清掃
- 袋詰め
- 廃材箱交換
- 台車運搬
- 中間積み替え
などの作業を減らせる可能性があります。
本記事では、樹脂加工工程から発生する軽量・中軽量の廃材をジェクターで回収・搬送する方法について解説します。
樹脂加工ではどのような廃材が発生する?
樹脂加工といっても、加工方法によって発生する廃材は異なります。
例えば、
切削加工
細かな切削片や削りくず。
切断加工
小さな破片や端材。
成形後のトリミング
不要部分を切り取った樹脂片。
穴あけ・仕上げ加工
細かな破片や削りくず。
などです。
同じ樹脂でも形状は大きく違う
例えば同じ材質でも、
細かな粒状のくず
と、
薄く長い樹脂片
では、ホース内部での動きが異なります。
そのため、
「樹脂だから搬送できる・できない」では判断できません。
ジェクターは粉体専用ではない
ジェクターは、圧縮空気によって空気の流れを作り、その流れに搬送物を乗せて吸引・搬送します。
そのため重要なのは、
粉体か
粒体か
という分類だけではなく、
対象物が空気の流れに乗ってホース内部を移動できるか
です。
軽量な樹脂片なら搬送を検討できる
例えば、
数mm~数cm程度
比較的軽量
絡みにくい形状
などの樹脂片なら、ジェクターによる空気搬送を検討できます。
活用例① 樹脂切削加工くず
樹脂部品を切削加工すると、
加工機周辺へ細かな削りくずが発生する場合があります。
現在、
加工設備
↓
切削くず
↓
床・受け皿
↓
人が清掃
としている現場です。
ジェクターで吸引回収
例えば、
切削くず
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
回収場所
とできます。
これによって、ほうきや手作業による回収を減らせる可能性があります。
活用例② 成形後のトリミングくず
樹脂成形品では、仕上げ工程で余分な部分を切り取ることがあります。
その際、
小さな端材
不定形の樹脂片
が発生します。
軽量な端材を直接回収
形状やサイズが条件に合えば、
トリミング工程
↓
ジェクター
↓
回収設備
という方法を検討できます。
活用例③ 加工設備から直接回収
廃材が一定の排出口から出てくる設備なら、
床へ落ちる前に回収できる可能性があります。
例えば、
加工設備
↓
廃材排出口
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
回収設備
です。
「発生してから掃除」ではなく「発生時に回収」
従来、
加工
↓
廃材発生
↓
床へ落下
↓
清掃
だったものを、
加工
↓
廃材発生
↓
そのまま搬送
とできれば、
清掃工程そのものを減らせる可能性
があります。
活用例④ 廃材箱からの回収
現在、
加工機
↓
小型廃材箱
としている現場もあります。
箱が満杯になると、
交換
↓
台車へ載せる
↓
廃材置場へ運搬
という作業が必要です。
廃材箱の交換回数を減らす
ジェクターで、
加工設備周辺
↓
大型回収場所
まで直接送れれば、小型廃材箱の交換頻度を減らせる可能性があります。
活用例⑤ 複数加工設備から回収場所を集約
例えば、
加工機A
↓
樹脂くず
加工機B
↓
樹脂くず
加工機C
↓
樹脂くず
という工場です。
各設備から同じ回収場所へ
運用方法によって、
各加工設備
↓
ジェクター
↓
共通回収場所
とし、廃材処理場所を集約することも検討できます。
樹脂加工くずをホース搬送するメリット① 清掃作業を減らせる
現在、
加工終了
↓
設備周辺を清掃
している場合です。
発生場所から直接回収できれば、日常清掃の負担を減らせる可能性があります。
メリット② 袋詰めを減らせる
例えば、
樹脂くず
↓
袋
↓
満杯
↓
交換
としている場合です。
大型回収容器へ直接搬送できれば、中間袋の使用回数を減らせる可能性があります。
メリット③ 台車・フォークリフト運搬を減らせる
回収した樹脂廃材を、
台車
フォークリフト
などで別の場所まで運んでいる場合があります。
ジェクターなら、ホースで直接搬送できます。
メリット④ 回収場所を離せる
加工設備周辺に大型容器を置くスペースがなくても、
工場端部
建屋外
などへ排出側を延ばせる可能性があります。
ジェクターは長距離搬送にも対応できる場合がある
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度
の搬送が可能なケースがあります。
例えば、
加工設備
↓
ジェクター
↓
排出ホース50m
↓
建屋外回収場所
という構成です。
高所搬送も検討できる
条件によっては、
高さ100m程度
の搬送が可能なケースもあります。
例えば、
1階加工設備
↓
上階回収サイロ
などです。
ただし樹脂片だから200m送れるとは限らない
搬送能力は、
- 資材重量
- 形状
- 大きさ
- 発生量
- ホース径
- 曲がり
- 水平距離
- 高低差
などによって変わります。
樹脂加工くずで最も重要なのは「形状」
樹脂片では、
重量以上に形状が重要になる場合があります。
例えば、
短い粒状片
と、
薄く長い帯状片
では搬送性が異なります。
注意したい形状① 長い樹脂片
例えば、
細長い切削くず
です。
ホース内部で、
曲がる
絡む
引っ掛かる
可能性があります。
注意したい形状② フィルム状
薄いフィルム状の廃材も注意が必要です。
例えば、
ホース内部で広がる
↓
壁面へ張り付く
↓
詰まる
可能性があります。
注意したい形状③ ひも状
樹脂加工によっては、長いひものような切削くずが発生することがあります。
こうしたものは、
ホース
接続部
ジェクター内部
へ絡む可能性があります。
軽いから吸いやすいとは限らない
重量だけを考えると、
非常に軽い
↓
簡単に吸えそう
と思われます。
しかし、
軽くても長くて絡みやすければ搬送しにくい
場合があります。
最大長を確認する
樹脂廃材では、
最大粒径
だけでなく、
最大長
も確認することが重要です。
例えば平均2cmでも
大部分
↓
2cm程度
一部
↓
30cmのひも状
なら、その30cmがトラブル原因になる可能性があります。
大きなもの・長いものを分別する方法
例えば、
小さな樹脂片
↓
ジェクター
長い端材
↓
別回収
とする方法もあります。
静電気にも注意
樹脂系の軽量物では、
静電気
によって、
- ホース内壁へ付着
- 回収容器周辺へ付着
- 廃材同士がまとまる
といった挙動が見られる場合があります。
実物で確認することが重要
静電気の発生状況は、
材質
湿度
搬送条件
などによって変わります。
そのため、実際の資材による確認が有効です。
油分・水分を含む場合
加工方法によっては、樹脂くずに、
- 油
- 切削液
- 水分
などが付着する場合があります。
付着性が高くなる可能性
乾燥した樹脂片なら流れても、
油分が付着
↓
ホース内壁へ付く
可能性があります。
「乾いたくず」と「濡れたくず」は別条件
同じ樹脂でも、
乾燥状態
と、
湿潤状態
では搬送性が変わることがあります。
発生量も確認
例えば、
1時間数kg
なのか、
数百kg
なのかでジェクターの選定条件が変わります。
軽量廃材では体積も見る
樹脂片も形状によっては、
重量は軽い
↓
かさばる
場合があります。
「1時間に何袋出るか」も参考になる
例えば、
1時間2袋
なのか、
1時間10袋
なのかで、現在の作業負担も分かります。
連続発生か断続発生か
加工設備から、
少量ずつ連続して出る
のか、
一定時間ごとに大量に排出される
のかも重要です。
直結する場合は瞬間供給量を見る
加工設備
↓
ジェクター
へ直接接続する場合、
一気に大量の廃材が入れば処理能力を超える可能性があります。
必要に応じて一時受けを設ける
例えば、
加工設備
↓
一時受け
↓
一定量ずつ供給
↓
ジェクター
という設備構成です。
樹脂くずをどこへ送る?
回収後の行き先も重要です。
例えば、
- 大型回収容器
- フレコン
- 再資源化工程
- 粉砕機
- 処理設備
などです。
粉砕工程へ直接送る方法も検討
例えば現在、
樹脂片
↓
袋
↓
台車
↓
粉砕機
としている場合です。
ジェクターで粉砕設備側まで搬送
条件が合えば、
樹脂片
↓
ジェクター
↓
粉砕設備周辺
とできます。
中間運搬を減らす
これによって、
袋詰め
↓
台車
↓
再投入
を減らせる可能性があります。
リサイクル工程への供給にも
樹脂くずを再利用する場合には、
加工設備
↓
回収
↓
再処理
という工程があります。
この間の資材搬送をジェクターでつなげられる可能性があります。
ジェクターは圧縮空気で作動
動力には圧縮空気を使用します。
供給源として、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置型コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
を利用できます。
樹脂加工工場なら既設エアーも候補
加工設備で圧縮空気を使用している工場なら、条件が合えば既設エアーを利用できる可能性があります。
圧力だけでは判断しない
確認したいのは、
- 圧力
- 空気量
- 配管径
- 取り出し口
- 他設備との同時使用
などです。
搬送可否を確認するポイント① 材質
まず、
どのような樹脂か
を確認します。
材質によって重量や静電気などの特性も異なります。
ポイント② サイズ
例えば、
数mm
数cm
などです。
最大サイズも確認します。
ポイント③ 長さ
特に切削くずでは重要です。
ひも状・帯状の場合は最大長を確認します。
ポイント④ 形状
- 粒状
- 破片状
- 板状
- フィルム状
- ひも状
などです。
ポイント⑤ 水分・油分
乾燥しているか、付着物があるかを確認します。
ポイント⑥ 発生量
kg/hだけでなく、
袋/h
などでも構いません。
ポイント⑦ 搬送距離・高低差
例えば、
水平30m
高さ5m
などです。
ポイント⑧ ホースルート
曲がりが多いほど、長い樹脂片などが引っ掛かる可能性があります。
樹脂加工くずは実物テストが特に有効
樹脂廃材は形状のバリエーションが大きいため、
「樹脂くず」
という名称だけでは搬送可否を判断しにくい資材です。
テストで確認できること
例えば、
- 吸引口へ入るか
- ホース内を安定して流れるか
- 長い片が絡まないか
- 静電気による付着
- 必要処理量
- 長距離搬送
- 排出状態
などです。
写真・動画でも初期確認できる
例えば、
- 手に持った廃材
- 床へ落ちた状態
- 長いくず
- 加工設備から出てくる様子
などが分かる写真・動画が参考になります。
動画なら発生方法も分かる
例えば10~20秒程度、
加工設備
↓
樹脂くずが排出
される様子を撮影すると、
- 連続か
- 一気に出るか
- 飛散するか
- 長いものが含まれるか
を確認できます。
「この樹脂くずは吸える?」でも相談できる
例えば、
「切削加工で細かな樹脂片が出る」
「ひも状のくずが少し混ざる」
「加工機から廃材箱まで自動で送りたい」
「袋詰めして粉砕機まで運んでいる」
という段階でも構いません。
現在の工程から考える
例えば現在、
加工設備
↓
樹脂くず
↓
廃材箱
↓
袋
↓
台車
↓
粉砕機
なら、
改善案として、
加工設備
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
粉砕工程
を検討できます。
ジェクターが向かない可能性があるケース
例えば、
- 非常に長いひも状くず
- 大きな板状端材
- フィルムが大量に絡む
- 強い粘着性がある
- 非常に大量の連続搬送
などです。
大量連続搬送なら別方式も検討
常時大量の樹脂廃材が発生する場合には、
コンベヤ
専用搬送設備
などが適する可能性もあります。
重要なのはジェクターを使うことではない
目的は、
現在の清掃・回収・運搬工程を合理化すること
です。
資材や処理量によって、最適な方法を検討します。
エコ・ワークでは粉体以外の搬送もご相談いただけます
「樹脂片なのでジェクターの対象外だと思っていた」
という場合でも、条件によって使用できる可能性があります。
実際の資材から判断
特に樹脂系軽量物では、
- 材質
- 形状
- 最大サイズ
- 最大長
- 発生量
- 搬送距離
などを確認します。
必要に応じて、実際の廃材による搬送テストも行います。
全国で運用方法もご案内
ジェクターによる樹脂廃材搬送では、
- 本体の設置場所
- ホース径
- 吸引方法
- 搬送ルート
- 排出先
などによって使い勝手が変わります。
エコ・ワークでは機器の販売だけでなく、全国の現場でジェクターの使い方や運用方法の指導も行っています。
まとめ
空気搬送機「ジェクター」は、粉体・粒体だけでなく、条件によって、
- 細かな樹脂片
- 樹脂切削くず
- 軽量な端材
- 成形・トリミング工程で発生する廃材
などの軽量・中軽量物にも使用できます。
例えば、
加工設備
↓
樹脂廃材
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
回収・処理設備
とすることで、
- 床面清掃
- 廃材箱交換
- 袋詰め
- 台車運搬
- 粉砕工程への再投入
などを減らせる可能性があります。
一方、樹脂加工くずでは、
形状・長さ
が特に重要です。
軽量でも、
- 長いひも状
- フィルム状
- 大きな板状
のものは、ホース内部で絡んだり引っ掛かったりする可能性があります。
そのため、
- 材質
- 最大サイズ
- 最大長
- 形状
- 静電気
- 水分・油分
- 発生量
- 搬送距離
- 高低差
などを確認することが重要です。
またジェクターでは条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送、高さ100m程度の搬送
が可能なケースがあります。
「樹脂切削くずを人力で回収している」
「廃材箱を何度も交換している」
「樹脂片を粉砕設備まで直接送りたい」
「加工ライン周辺の清掃作業を減らしたい」
「粉体ではない樹脂廃材でもジェクターが使えるか知りたい」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
実際の樹脂廃材・形状・最大サイズ・発生量・現在の回収方法などを確認し、必要に応じて実物テストも行いながら、ジェクターによる回収・搬送が適しているかを含めて現場に合った方法をご提案いたします。
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