この記事でわかること
- 生コン工場のコンベア下・ホッパー周辺にこぼれた砂や骨材の回収方法
- スコップ・ほうき・一輪車による清掃作業を見直す考え方
- 空気搬送機「ジェクター」でこぼれ材を吸引・搬送する方法
- 設備下・架台周辺など狭い場所を清掃する方法
- 回収した砂・骨材を離れた場所まで直接搬送する方法
- 細かなセメント・粉体を回収する場合のジェクロン活用方法
- 毎日発生する清掃作業を年間人時で考える方法
- 湿った砂・骨材を搬送するときの注意点
- 砂・骨材搬送で重要な摩耗対策
- 実際のこぼれ材による搬送テストの重要性
はじめに
生コン工場では、
砂
骨材
セメント
などの原料を大量に取り扱います。
原料の貯蔵や計量、ミキサーまでの供給には、
ベルトコンベア
ホッパー
サイロ
計量設備
などが使用されています。
しかし、こうした設備の周辺では、
「コンベア下に砂がこぼれる」
「ホッパー周辺へ細かな骨材が落ちる」
「設備下に入り込んだ材料をスコップでかき出している」
「回収した砂を一輪車で運んでいる」
「セメントなどの細かな粉体が床へ溜まる」
といった清掃作業が発生する場合があります。
製造そのものは設備化されていても、
こぼれた材料だけは人が回収している
という現場もあるのではないでしょうか。
このような作業に対して検討できるのが、
空気搬送機「ジェクター」による吸引・搬送
です。
例えば、
コンベア下の砂・骨材
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
回収場所
という構成にすることで、
スコップで集める
一輪車へ積む
人が運ぶ
といった工程を減らせる可能性があります。
本記事では、生コン工場のコンベア下・設備周辺にこぼれた砂・骨材・細かな粉体を効率よく回収し、清掃・運搬を省力化する方法について解説します。
生コン工場では「こぼれ材」の回収に人手がかかる
生コン工場では、原料を連続的に搬送する設備が使用されています。
一方、
コンベア乗継部
ホッパー周辺
計量設備周辺
設備下
などでは、少量ずつ材料がこぼれる場合があります。
少量でも毎日なら大きな作業になる
例えば、
1日に一度
↓
コンベア下を清掃
↓
砂・骨材を回収
↓
回収場所まで運搬
という作業です。
1回30分程度なら、
「それほど大きな作業ではない」
と感じるかもしれません。
しかし、毎日繰り返せば年間では大きな作業時間になります。
例えば1日30分なら年間125時間
年間稼働日数を250日とすると、
0.5時間 × 250日
=125時間/年
です。
2人作業なら250人時
2人で清掃している場合には、
125時間 × 2人
=250人時/年
となります。
※作業時間を分かりやすくするための計算例であり、特定の生コン工場における実績値ではありません。
複数箇所ならさらに増える
例えば、
コンベアA
コンベアB
ホッパー周辺
計量設備周辺
をそれぞれ清掃している場合には、その分だけ人時が積み重なります。
清掃は「スコップですくう」だけではない
こぼれ材の回収作業では、
材料を集める
だけでなく、その後の工程にも人手が必要です。
従来の清掃工程
例えば、
コンベア下へ砂がこぼれる
↓
スコップで集める
↓
一輪車へ積む
↓
回収場所まで運ぶ
↓
材料を降ろす
↓
一輪車で戻る
という流れです。
回収より運搬に時間がかかる場合もある
例えば回収場所まで50mあれば、
50m運搬
↓
排出
↓
50m戻る
ことになります。
材料の量が多ければ、この往復を何度も繰り返します。
「清掃+積み込み+運搬」で考える
省力化を検討するときには、
清掃時間
だけを見るのではなく、
集積
積み込み
運搬
排出
戻り
まで含めて考えることが重要です。
空気搬送機「ジェクター」で直接回収する
こうした工程に対して活用できるのが、
空気搬送機「ジェクター」
です。
ジェクターとは?
エコ・ワークが取り扱うジェクターは、
お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機
です。
本体内部は、
シンプルなストレート構造
となっており、
モーターや回転羽根などの
駆動部を持ちません。
コンベア下へ吸引ホースを入れる
例えば、
コンベア下に堆積した砂
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
という構成です。
吸引した材料をそのまま搬送
ジェクターでは、
吸引した砂・骨材
↓
ジェクター
↓
排出側ホース
↓
回収場所
と、そのまま搬送できます。
従来の方法
砂・骨材
↓
スコップ
↓
一輪車
↓
人が運搬
↓
回収場所
ジェクターを使用した場合
砂・骨材
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
回収場所
「人が材料を運ぶ」作業を減らせる
この方法では、
材料
+
人
+
一輪車
が回収場所まで移動するのではなく、
材料だけをホース内で移動させる
ことができます。
設備下・架台周辺の清掃にも活用
生コン工場には、
コンベア架台
配管
計量設備
ホッパー
支柱
などがあり、人や清掃道具が入りにくい場所があります。
スコップが使いにくい場所
例えば、
高さの低い設備下
壁際
架台の奥
設備同士の隙間
などです。
このような場所では、
奥から材料をかき出す
↓
手前へ集める
↓
スコップで回収する
といった作業になる場合があります。
人ではなく吸引ホースを入れる
ジェクターを使用する場合には、
作業員が奥まで入り込む
のではなく、
吸引ホースを対象物まで取り回す
方法を検討できます。
「人が入れる場所」から「ホースが届く場所」へ
従来:
人
+
スコップ
↓
対象物へ接近
ジェクター:
吸引ホース
↓
対象物へ接近
という違いです。
ただし安全手順を守る
もちろん、
吸引ホースが届くからといって、
稼働中のコンベア
回転設備
立入禁止区域
へホースを挿入してよいという意味ではありません。
設備停止
誤作動防止
ロックアウト等
工場側の安全手順
に従って作業する必要があります。
回収場所まで距離がある場合にも有効
生コン工場では、
コンベア下
と、
材料を戻す場所・回収場所
が離れている場合があります。
例えば40m先へ運搬
現在、
コンベア下
↓
一輪車
↓
40m運搬
↓
回収場所
となっている場合です。
ジェクターなら排出側ホースで搬送
改善案:
コンベア下
↓
吸引ホース3m
↓
ジェクター
↓
搬送ホース40m
↓
回収場所
という構成を検討できます。
吸引側を短くする
ジェクターでは、
吸引側をできるだけ短くし、長い距離は排出側で確保する
方法を基本として考えます。
吸引側については、
5m程度を一つの目安として推奨
しています。
現場条件によっては10m程度で使用されているケースもあります。
条件によって長距離・高所搬送も可能
ジェクターは対象物・設備条件によって、
排出側で水平200m程度
の搬送が可能な場合があります。
また、条件によっては、
垂直方向へ100m程度
の搬送が可能な場合もあります。
砂・骨材で保証される距離ではない
ただし、
砂なら200m
骨材なら100m
という意味ではありません。
搬送能力は、
粒径
最大粒径
比重
かさ密度
水分
搬送量
ホース径
距離
高低差
曲がり
コンプレッサー能力
などによって変わります。
生コン工場の砂は「水分」が重要
砂をジェクターで搬送する場合に確認したいのが、
含水状態
です。
乾いた砂と湿った砂では状態が違う
乾燥した砂では、
粒子が比較的さらさら動く
場合があります。
一方、湿った砂では、
可能性があります。
現場で使う状態の砂を確認する
例えば、
テストでは乾いた砂
でも、
実際の工場では湿った砂
を扱うのであれば、実運用と条件が異なります。
そのため、
実際に清掃・搬送したい状態の砂
で確認することが重要です。
骨材では最大粒径を確認
骨材を搬送する場合には、
平均粒径
だけでなく、
最大粒径
を確認します。
大きな骨材が混ざっていないか
床へこぼれた材料には、
砂
細かな骨材
大きめの骨材
細かな粉体
異物
などが混在している場合があります。
一番大きな材料が通過できるか
ホースやジェクター内部に対して対象物が大きすぎれば、
引っ掛かり
閉塞
の原因になる可能性があります。
そのため、
実際のこぼれ材の中にどの程度の大きさの骨材が含まれているか
を確認します。
細かなセメント・粉体では回収方法も考える
コンベア・設備周辺では、
砂や骨材
だけでなく、
細かなセメント系粉体などが堆積する場合があります。
ほうき清掃では舞い上がる場合がある
細かな粉体を、
ほうきで掃く
ことで、対象物によっては粉じんが舞い上がる場合があります。
このような場合には、
吸引による回収
を検討できます。
ただし吸引後の処理が必要
細かな粉体では、
対象物
+
空気
を吸引します。
そのため、
ジェクターで吸う
だけでなく、
搬送先でどのように集粉・回収するか
も考える必要があります。
ジェクター+ジェクロン
例えば、
設備周辺の細かな粉体
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
ジェクロン
↓
回収
という構成です。
ジェクロンとは?
集粉機「ジェクロン」は、
ジェクターによって搬送されてきた粉体・粒体を集粉・回収する設備
です。
細かな粉体の回収では、
ジェクター
=吸引・搬送
ジェクロン
=集粉・回収
という役割分担になります。
フレコンバッグへ回収する構成も検討
設備構成によっては、
粉体
↓
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
フレコンバッグ
という回収方法も検討できます。
回収・運搬・移し替えを減らす
従来:
粉体を清掃
↓
小さな容器へ入れる
↓
運搬
↓
フレコンへ移す
改善案:
粉体
↓
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
フレコン
とできれば、途中工程を減らせる可能性があります。
ただし既存の粉じん対策設備とは分けて考える
ジェクター+ジェクロンによって粉体を吸引・集粉できるからといって、
生コン工場に必要なすべての局所排気・粉じん対策設備を置き換えられる
という意味ではありません。
工場側の安全・衛生基準や既存設備を確認したうえで、用途に適した設備構成を検討します。
「こぼれた材料を清掃する」だけで終わらせない
毎日、
同じコンベア
同じホッパー
同じ設備
の下へ材料がこぼれている場合には、
清掃方法を改善するだけでなく、
なぜそこへ材料が落ちているのか
も確認する価値があります。
発生源から回収できないか?
例えば、
設備
↓
床へ落下
↓
ジェクターで回収
となっている場合、
条件によっては、
設備
↓
ジェクター
↓
搬送
↓
回収先
という構成を検討できます。
清掃を省力化するだけでなく清掃自体を減らす
最初は、
スコップ
↓
ジェクター
へ変更するだけでも、
作業時間を減らせる可能性があります。
さらに、
床へ落ちる前に直接回収
できれば、
清掃そのものを減らす
改善につながる可能性があります。
既存設備への後付けを検討
ジェクターは設備条件に応じて、
フランジ
ニップル
ボールジョイント
などを使用し、既存設備へ接続する方法を検討できます。
現在の生コン設備を活かす
例えば、
設備を大幅に交換する
のではなく、
人力作業が残っている部分
だけにジェクターを追加します。
「設備と設備の間」の人力作業をなくす
例えば、
ホッパー
↓
容器
↓
人・フォークリフト
↓
別設備
となっている場合、
条件が合えば、
ホッパー
↓
ジェクター
↓
別設備
と直接搬送することも検討できます。
砂・骨材では摩耗対策が重要
砂や骨材は、
摩耗性のある対象物
です。
ジェクターで空気搬送すると、対象物が高速で内部を通過します。
排出部が最も摩耗しやすい
摩耗性の高い対象物をジェクターで搬送する場合、
排出部が最も摩耗しやすい
部分になります。
セラミック補強耐摩耗ホース
摩耗対策として、
排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホース
を使用する方法があります。
曲がり部分も確認
搬送ホースに曲がりがあると、
砂・骨材
↓
ホース内壁へ衝突
します。
そのため、
曲がり数
曲がり角度
搬送量
搬送距離
使用時間
などを確認します。
「搬送できるか」と「実用できるか」は別
例えば、
砂を50m搬送できた
としても、
必要搬送量が出ない
ホース摩耗が早い
のであれば、実際の運用には適さない可能性があります。
搬送量・摩耗・作業時間まで確認
設備選定では、
吸えるか
↓
希望距離まで届くか
↓
必要量を処理できるか
↓
摩耗は許容できるか
↓
実際に人時を減らせるか
まで考えます。
コンプレッサー能力も確認する
ジェクターは圧縮空気によって作動します。
そのため、
既存コンプレッサーを使いたい
場合には能力を確認します。
確認したい項目
- 圧力
- 吐出空気量
- エアー配管径
- エアーホース径
- ジェクターまでの距離
- 他の空圧設備との同時使用
などです。
コンプレッサーまでの距離にも注意
コンプレッサー自体に能力があっても、
細い配管
長いエアーホース
を通すことで圧力損失が大きくなる場合があります。
そのため、ジェクター接続位置で必要なエアーを確保できるか確認します。
現在の清掃作業を一度数字にする
ジェクター導入を検討する前に、
現在どのくらい人手がかかっているのか
を整理すると、導入効果を検討しやすくなります。
確認したい項目
- 清掃箇所数
- 清掃頻度
- 1回あたりの作業時間
- 作業人数
- 回収量
- 一輪車や台車の往復回数
- 回収場所までの距離
- 年間稼働日数
などです。
例えば
1日45分
2人
年間250日
なら、
0.75時間 × 2人 × 250日
=375人時/年
です。
※説明用の計算例です。
小さな作業でも年間では大きい
毎日見ている作業ほど、
「これが普通」
になりやすいものです。
しかし年間人時へ置き換えると、設備化を検討する価値が見えてくる場合があります。
実際のこぼれ材で搬送テストを行う
生コン工場でジェクターを導入する場合には、
製品サンプルだけでなく、実際に床へこぼれている材料
を使用したテストをおすすめします。
なぜ実際のこぼれ材なのか?
床へ落ちた材料には、
砂
異なる粒径の骨材
細かな粉体
水分
異物
などが混ざっている可能性があります。
製品として管理された骨材とは状態が違う場合があります。
テストで確認するポイント
- 安定して吸引できるか
- 最大粒径まで通過できるか
- 必要量を搬送できるか
- 希望距離まで搬送できるか
- 高低差へ対応できるか
- 湿った砂でも搬送できるか
- ホース内部へ付着しないか
- 閉塞しないか
- 摩耗状態
- 必要なコンプレッサー能力
- 細かな粉体の場合は集粉方法
などです。
写真・動画があると検討しやすい
問い合わせ時には、
コンベア全体
コンベア下
こぼれた砂・骨材
現在の清掃作業
回収場所
搬送ルート
などの写真・動画があると、設備構成を検討しやすくなります。
「毎日のスコップ清掃だから仕方ない」と考える前に
例えば、
「毎朝コンベア下の砂をスコップで回収している」
「骨材を一輪車へ積んで何往復もしている」
「設備下へ入り込んだ砂をかき出している」
「回収場所まで距離がある」
「セメントなどの細かな粉体をほうきで清掃している」
「複数箇所を毎日清掃している」
という場合には、
ジェクターによる吸引・搬送
を検討できる可能性があります。
空気搬送機「ジェクター」の詳細
ジェクターの構造・機種・搬送能力・使用事例については製品ページでも紹介しています。
→ 空気搬送機「ジェクター」の詳細はこちら

まとめ
生コン工場では、
砂
骨材
セメント
細かな粉体
などを大量に扱うため、
コンベア下
ホッパー周辺
計量設備周辺
設備下
などへ材料がこぼれる場合があります。
これを、
スコップで回収
↓
一輪車へ積み込み
↓
人が運搬
↓
回収場所へ排出
している場合、
清掃だけでなく、
積み込み
運搬
排出
戻り
にも人手がかかります。
こうした工程に対して、
空気搬送機「ジェクター」を利用し、
こぼれ材
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
回収場所
とすることで、
清掃・積み込み・運搬を一連の工程として省力化
できる可能性があります。
ジェクターは、
お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機
です。
本体は、
シンプルなストレート構造で、駆動部を持ちません。
また、設備下や架台周辺では、
人ではなく吸引ホースを対象物まで取り回す
ことで、清掃作業を改善できる可能性があります。
細かなセメント系粉体などを回収する場合には、
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
回収
という設備構成も検討できます。
さらに、毎日同じ場所へ材料がこぼれている場合には、
床へ落ちた材料を効率よく清掃する
だけではなく、
設備排出口などから直接回収して、清掃そのものを減らせないか
まで検討することが重要です。
ただし、生コン工場で扱う砂・骨材は、
- 粒径
- 最大粒径
- 形状
- 比重
- かさ密度
- 含水状態
- 摩耗性
- 搬送量
- 搬送距離
- 高低差
- 曲がり
- コンプレッサー能力
などによって搬送性が変わります。
特に砂・骨材など摩耗性のある対象物では、
排出部が最も摩耗しやすいため、排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホースなどによる摩耗対策
も重要です。
また、生コンやモルタルのような粘性の高い材料については、乾いた砂・骨材と同じ条件では判断できません。
そのため、導入前には、
実際にコンベア下や設備周辺へこぼれている砂・骨材・粉体を使用した搬送テスト
をおすすめします。
「毎日のコンベア下清掃を減らしたい」
「スコップ・一輪車による砂・骨材の回収を省力化したい」
「設備下へ入り込んだ材料を吸引したい」
「回収した砂を離れた場所まで直接搬送したい」
「細かなセメント系粉体をジェクロンで回収したい」
という場合には、お気軽にお問い合わせください。
設備導入や設備改善をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
実際のこぼれ材、最大粒径、含水状態、回収量、現在の清掃方法、作業人数、搬送距離、高低差、回収場所、コンプレッサー等を確認し、必要に応じて実物による搬送テストを行いながら、生コン工場の清掃・回収工程に適した設備構成をご提案いたします。
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