この記事でわかること
- 粉体・粒体搬送設備を社内提案するときに整理したい情報
- 「作業が楽になる」だけでは設備投資が通りにくい理由
- 現在の人員・作業時間・外注費を数字にする方法
- 設備導入前後を比較する考え方
- 搬送テストやデモを社内説明へ活用する方法
- ジェクターの長距離・高所搬送を提案するときのポイント
- 工場内エアー活用による設備構成の考え方
- エコワークが設備検討・運用まで支援できる内容
はじめに
工場やプラントの現場で、
「この人力作業を何とかしたい」
「ジェクターを使えば省力化できそう」
「今の回収方法より効率が良さそう」
と感じても、設備導入にはもう一つハードルがあります。
それが、
社内で設備投資として承認を得ること
です。
現場担当者としては、
「作業が大変だから改善したい」
という理由が十分に感じられても、設備投資を決定する側から見ると、
- いくらかかるのか
- どの程度改善するのか
- 本当に搬送できるのか
- 何人減らせるのか
- 年間でどれだけ使用するのか
- 他の方法より優れているのか
といった情報が必要になります。
そのため設備導入を進めるには、
「良さそうな設備です」
ではなく、
「現在この作業にこれだけの人・時間・費用がかかっており、設備導入によってここまで改善できる可能性があります」
と説明できる形に整理することが重要です。
本記事では、粉体・粒体搬送設備を社内で提案するときに整理しておきたいポイントについて解説します。
設備導入の提案では「現状」を数字にする
最初に必要なのは、
現在の作業がどの程度の負担になっているか
を整理することです。
例えば、
「粉体回収が大変です」
だけでは、設備投資の必要性を判断しにくくなります。
そこで、
- 作業人数
- 作業時間
- 作業頻度
- 年間作業日数
- 外注費
- 車両費
- 設備停止時間
などを数字にします。
例えば現在4人で3時間かかっている場合
現在の作業が、
作業員4人
×
3時間
=
12人・時間
必要だとします。
この作業を月10回行っていれば、
12人・時間
×
10回
=
120人・時間/月
です。
年間では、
120人・時間
×
12か月
=
1,440人・時間
となります。
こうして数字にすると、
「大変な作業」ではなく、「年間1,440人・時間を使っている工程」
として説明できます。
人件費まで含めると設備投資と比較しやすい
さらに、
1人・時間あたりの社内コスト
を掛ければ、現在の年間作業コストを概算できます。
例えば仮に、
1人・時間あたり3,000円
として考えた場合、
1,440人・時間
×
3,000円
=
432万円/年
となります。
※実際の人件費や社内原価は企業によって異なります。
ここまで整理できれば、
設備価格と年間作業コストを比較する
ことができます。
「何人減るか」だけで考えない
省力化設備というと、
4人
↓
2人
のように必要人数が減ることへ注目しがちです。
しかし設備導入の効果はそれだけではありません。
例えば、
- 作業時間短縮
- 身体的負担軽減
- 外注回数削減
- フォークリフト作業削減
- 清掃時間削減
- 設備停止時間短縮
- 粉じん抑制
- 原料ロス削減
なども改善効果になります。
「人を減らす」のではなく「別の仕事へ回せる」
人手不足の現場では、
設備導入
↓
作業員を減らす
だけが目的ではありません。
例えば、
4人必要だった作業
↓
2人で対応可能
となれば、残り2人を、
- 生産作業
- 設備保全
- 出荷
- 清掃
- 品質管理
など別の業務へ配置できます。
つまり、
限られた人員を有効活用できる
ことも設備投資の効果です。
現場の身体的負担も重要な判断材料
粉体・粒体回収では、
- スコップ
- バケツ
- 一輪車
- 台車
- フレコンバッグ
などを使用した人力作業が残っている場合があります。
重量物を繰り返し扱う作業では、
「今はできている」
としても、
- 作業員の高齢化
- 人員減少
- 夏場の作業環境
などによって今後維持できなくなる可能性があります。
そのため、
現在のコストだけでなく、将来同じ方法を続けられるか
という視点も社内提案では重要です。
外注費も年間で整理する
粉体回収では、バキューム車や専門業者へ作業を依頼している現場もあります。
外注の場合には、
- 作業費
- 車両費
- 移動費
- 人件費
- 宿泊費
- リース費
などが発生する場合があります。
一回あたりの費用だけでなく、
年間で何回利用しているか
を確認します。
年数回でも金額が大きくなる場合がある
例えば、
1回30万円
×
年10回
なら、
年間300万円
です。
設備を購入した方が必ず安いとは限りませんが、
数年間の累計外注費
まで比較すると、設備導入の方が合理的になるケースもあります。
「外注をゼロにする」必要はない
設備導入を提案するとき、
「今後すべて自社で行います」
とする必要はありません。
例えば、
日常清掃
→ 自社でジェクター
大量回収
→ バキューム車
特殊作業
→ 専門業者
というように使い分ける方法もあります。
この方が現実的な設備提案になる場合があります。
設備停止時間もコストとして考える
例えば定期修繕や設備清掃で、
粉体回収が終わらない
↓
次の点検作業へ進めない
という場合があります。
このとき粉体回収時間を短縮できれば、
設備停止期間そのものを短縮できる可能性
があります。
生産設備では、作業員の人件費よりも、
設備が停止している時間の損失
の方が大きい場合もあります。
「1時間短縮すると何が変わるか」を考える
例えば、
現在:回収4時間
改善後:回収2時間
となった場合、
単純に2時間分の人件費が減るだけではありません。
その後の、
- 点検
- 補修
- 復旧
- 生産再開
を2時間早く開始できる可能性があります。
このような効果も社内提案では整理しておきたいポイントです。
現在の作業工程を書き出す
社内提案の資料を作るときには、現在の作業を簡単に図にすると分かりやすくなります。
例えば、
現在
粉体をスコップで回収
↓
バケツへ投入
↓
台車で移動
↓
フレコンへ投入
↓
フォークリフトで移動
という工程です。
改善後の工程も並べる
ジェクター導入後に、
粉体
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
フレコン
とできるのであれば、
工程そのものがどれだけ減るか
を視覚的に説明できます。
「機械を入れる」のではなく「工程を減らす」と説明する
設備投資の提案では、
「ジェクターという機械を買いたい」
より、
「現在5工程ある作業を2工程へ減らしたい」
と説明した方が、導入目的が明確になります。
機械そのものではなく、
何を改善するための設備なのか
を中心にします。
ジェクターで対応できる作業
空気搬送機「ジェクター」は、圧縮空気を利用して、
- 吸引
- 搬送
- 投入
- 排出
を行う設備です。
例えば、
- 堆積物回収
- フレコンからの原料投入
- 設備間搬送
- 高所ホッパーへの投入
- 定修時の資材回収
などに活用できます。
1台を複数用途で使えるか確認する
設備投資の社内説明で強いポイントの一つが、
1台を何種類の作業に使えるか
です。
例えば、
通常時
→ 原料投入
週末
→ 工場清掃
定修時
→ 設備内部の回収
緊急時
→ 仮設搬送
という運用ができれば、設備稼働率を高められます。
「年1回のための設備」より説明しやすくなる
例えば定修作業だけを見ると、
年1回しか使わない
設備に見えるかもしれません。
しかし、
- 日常清掃
- 原料投入
- 緊急回収
にも使えるのであれば、
年間利用回数を増やすことができます。
設備投資では、
導入後にどれだけ活用できるか
という視点も重要です。
工場内エアーを使える可能性も確認する
ジェクターは圧縮空気を動力として使用します。
圧縮空気は、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
から供給できます。
すでに工場内に十分なエアー設備がある場合には、既存インフラを活用できる可能性があります。
既存設備を使えると追加設備を減らせる可能性
例えば、
工場エアー
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
という構成にできれば、新たに専用コンプレッサーを準備する必要を減らせる可能性があります。
社内提案では、
新しく必要な設備だけでなく、既存設備で流用できるもの
も整理すると、導入コストを説明しやすくなります。
ただし工場エアーは能力確認が必要
工場エアーが存在するだけで使用できるとは限りません。
確認したいのは、
- 圧力
- 空気量
- 配管径
- 取り出し口径
- 他設備との同時使用
などです。
そのため、
「工場エアーを使える前提」ではなく、「利用可能か確認する」
という形で設備計画を進めます。
長距離搬送は固定設備との比較材料になる
例えば、
搬送元と搬送先が100m離れている
場合、
- コンベアを新設
- 固定配管を設置
- フォークリフトで運搬
- ホースによる空気搬送
など複数の方法が考えられます。
ジェクターでは条件によって、排出側200m程度の長距離搬送が可能なケースがあります。
「固定設備を100m作る場合」と比較する
社内提案では、
ジェクターの価格だけを見るのではなく、
他方式の場合に必要になる、
- 架台
- 基礎
- 電源
- 制御盤
- 据付工事
- 配管工事
- 通路変更
まで含めて比較します。
ホース搬送であれば、既存設備を避けながらルートを構築できる場合があります。
高所搬送でも同じ考え方
ジェクターでは条件によって、高さ100m程度の高所搬送が可能なケースもあります。
例えば、
地上
↓
高所ホッパー
への搬送です。
この場合も、
- バケットエレベーター
- クレーン
- フォークリフト
- 人力
- 空気搬送
などを比較します。
200m・100mという数字だけで社内説明しない
重要なのは、
「200m送れる機械です」
と説明することではありません。
実際の能力は、
- 搬送物
- 粒径
- 比重
- 必要搬送量
- 水平距離
- 高低差
- 曲がり
- エアー供給能力
などによって変わります。
そのため、
自社条件でどの程度搬送できるか
を確認してから社内説明へ使うことが重要です。
吸引側は5m程度を推奨
ジェクターでは吸引側について、5m程度を推奨しています。
現場によっては10m程度で使用しているお客様もいますが、基本的には、
材料
↓
短い吸引ホース
↓
ジェクター
↓
長い排出ホース
↓
搬送先
という構成にします。
設備配置図があると社内説明しやすい
例えば、
現在:
材料
↓
人力運搬100m
↓
設備
改善案:
材料
↓
吸引5m
↓
ジェクター
↓
排出100m
↓
設備
と図にすれば、
なぜジェクターをその場所へ置くのか
も説明しやすくなります。
設備投資では「本当に使えるのか?」という不安が出る
社内で提案すると、
「理屈は分かったけれど、本当にこの材料を送れるの?」
という質問が出ることがあります。
これは当然の疑問です。
粉体・粒体は、
- 水分
- 粒径
- 比重
- 流動性
- 固結
などで搬送状態が変わります。
そのためカタログだけでは判断しにくい場合があります。
搬送テストを社内説明へ活用する
その場合には、実際の材料を使った搬送テストが有効です。
例えば、
- 搬送できたか
- 何kgを何分で送れたか
- 詰まりがないか
- 粉じんはどうか
- ホース操作は可能か
などを確認します。
テスト結果を数字にする
社内提案では、
「問題なく搬送できました」
だけでなく、
○kgを○分で搬送
と数字で残すと説得力が高まります。
例えば、
テスト結果:500kgを30分
であれば、
現場で必要な処理量に対して十分かどうか比較できます。
動画を残すのも有効
搬送テストやデモでは、
- 吸引している様子
- 排出している様子
- 作業人数
- 粉じん状況
を動画で撮影しておくと、設備投資の決裁者にも伝わりやすくなります。
現場へ来られなかった上司や経営層へも、
実際に動いている状態
を見せられます。
「カタログスペック」より自社テストの方が説明しやすい
設備投資を判断する側からすると、
メーカー資料だけより、
自社の材料を実際に搬送した結果
の方が判断材料として使いやすくなります。
そのため導入を本格検討する場合には、実機確認を行う価値があります。
エコワークでは出張デモやレンタルにも対応
エコワークでは、
実際の現場環境で使用できるか、実際の資材を搬送できるか確認するための出張デモ運転やレンタルにも対応しています。
公開済みの技術コラムでも、全国への出張デモ運転やレンタルに対応していることをご案内しています。
これにより、
購入前に確認する
という段階を設けることができます。
「まず試す」という選択肢を社内提案へ入れる
例えば、
いきなり購入承認
ではなく、
①現場条件を相談
↓
②デモ・テスト
↓
③改善効果を確認
↓
④設備導入を検討
という流れです。
設備投資の判断材料を段階的に増やすことで、社内でも検討を進めやすくなります。
安全面の改善も整理する
粉体・粒体搬送設備の導入効果は、金額だけではありません。
例えば、
- 重量物運搬を減らす
- 高所への人力搬送を減らす
- 狭所へ入る作業を減らす
- 粉じんの発生源を減らす
といった改善があります。
こうした項目は金額へ換算しにくい場合もありますが、設備導入を判断するうえでは重要です。
「何も起きていないから問題ない」とは限らない
現在、
事故がない
↓
今の作業を継続
となっていても、
- 人員減少
- 高齢化
- 作業負荷
- 夏場の暑熱環境
などによって、将来的に同じ方法を続けることが難しくなる可能性があります。
そのため社内提案では、
現在の問題+将来のリスク
を整理することも有効です。
設備導入後の教育も説明しておく
設備投資を判断する側からすると、
「買った後、誰が使うの?」
という疑問もあります。
そのため、
- 操作方法
- 作業人数
- 点検
- 消耗品
- 保管方法
まで簡単に整理しておくと安心材料になります。
エコワークでは全国で運用指導を行っています
ジェクターは設備本体だけでなく、
- 本体設置位置
- 吸引ホースの使い方
- 排出側のルート
- 工場エアーの接続
- 搬送量の調整
など、現場に合わせた運用が重要です。
エコワークではジェクターの販売だけでなく、全国の現場で使い方や運用方法の指導も行っています。
そのため、
「設備を買ったが現場で使い方が分からない」
という状態を避けられるよう、実際の運用までご案内します。
社内提案では導入後のサポートも伝える
設備選定では、
- 本体価格
- 性能
だけでなく、
導入後に相談できるか
も重要です。
現場条件は、
- 搬送物が変わる
- 搬送先が変わる
- 使用場所が増える
など、導入後に変化する場合があります。
そのため、長期的に相談できる体制があることも設備投資の判断材料になります。
稟議・社内提案で整理したい項目
設備導入を社内で説明するときには、最低限次の内容を整理すると分かりやすくなります。
① 現在の課題
例:
- 4人必要
- 3時間かかる
- 夏場の負担が大きい
- 外注費が高い
② 現在の年間コスト
- 人件費
- 外注費
- 車両費
- 設備停止時間
③ 改善したい内容
例:
4人
↓
2人
3時間
↓
1時間
など。
④ 設備構成
- ジェクター
- 必要ホース
- ジェクロン
- コンプレッサーまたは工場エアー
⑤ 設備導入費
設備本体だけでなく周辺機器も含めます。
⑥ 年間利用回数
日常清掃や他工程でも使用できるか確認します。
⑦ テスト結果
実物による搬送結果があれば記載します。
⑧ 導入後の運用
- 作業人数
- 操作担当
- 保管
- 点検
- 消耗品
まで整理します。
1枚にまとめてもよい
最初から何十ページもの資料を作る必要はありません。
例えば、
現状
4人×3時間
↓
問題
人手不足・作業負担・外注費
↓
改善案
ジェクターによる吸引・搬送
↓
想定効果
2人×1時間
↓
確認方法
実物デモ
という形で1枚にまとめるだけでも、社内検討の入口になります。
詳細な設備仕様は後から確認できる
設備担当者が最初から、
- 最適機種
- 必要空気量
- ホース径
- 圧力
- 配管条件
をすべて決める必要はありません。
まず、
現在何に困っているのか
を整理します。
そのうえで設備業者と条件を詰めていく方が現実的です。
エコワークへの相談時に分かる範囲で伝えてほしい情報
社内提案のために設備条件を確認したい場合には、
- 搬送物
- 粒径
- 比重
- 含水率
- 現在の処理量
- 現在の作業人数
- 現在の作業時間
- 年間作業回数
- 搬送距離
- 高低差
- コンプレッサーまたは工場エアー
- 現場写真
などがあると検討しやすくなります。
すべて分からなくても問題ありません。
「社内説明のために条件を知りたい」という相談でも問題ない
まだ購入が決まっていなくても、
「社内で設備導入を検討したいので、必要な設備構成を知りたい」
「上司へ説明するために、搬送できるか確認したい」
という段階からご相談いただけます。
粉体・粒体搬送設備では、
搬送可能か確認しなければ、そもそも予算化できない
こともあります。
相談→テスト→社内提案という流れでもよい
設備導入を、
問い合わせ
↓
即購入
と考える必要はありません。
例えば、
現場条件を相談
↓
設備構成を確認
↓
必要に応じて搬送テスト
↓
改善効果を整理
↓
社内提案
↓
導入判断
という進め方ができます。
まとめ
粉体・粒体搬送設備を社内で提案するときには、
「この設備が欲しい」
だけではなく、
「現在の作業をどのように改善できるか」
を整理することが重要です。
特に確認したいのは、
- 現在の作業人数
- 作業時間
- 年間作業回数
- 人件費
- 外注費
- 設備停止時間
- 導入後の想定人数
- 導入後の想定作業時間
です。
さらに、
- 1台を複数用途へ使えるか
- 工場内エアーを利用できるか
- 長距離・高所搬送が必要か
- 実際の材料で搬送できるか
まで確認すると、社内説明の材料を増やせます。
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送
や、
高さ100m程度の高所搬送
にも対応できる可能性があります。
吸引側は5m程度を推奨しており、現場によっては10m程度で使用されているケースもあります。
また圧縮空気については、
- コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
を利用できます。
「現場では導入したいが、社内へどう説明すればいいかわからない」
「費用対効果を整理したい」
「稟議を出す前に実際に搬送できるか確認したい」
「必要な設備構成と予算感を知りたい」
という段階でも、お気軽にエコワークまでお問い合わせください。
設備を売るところからではなく、現在の作業条件を整理するところからご相談いただけます。
現場条件や実際の作業を確認し、社内で設備導入を検討しやすい設備構成をご提案いたします。
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