工場やプラント、焼却施設など、粉体・粒体を扱う現場では、
「集じん機」
と
「空気搬送機」
という設備が使用されています。
どちらも粉体を扱う設備ですが、
「何が違うのか?」
「粉体を吸うなら同じ設備ではないのか?」
「どちらを導入すればいいのか?」
と迷うことがあります。
集じん機と空気搬送機では、基本的な目的が異なります。
簡単に整理すると、
集じん機
→ 空気中へ飛散する粉じんを回収する設備
空気搬送機
→ 粉体・粒体そのものを吸引して別の場所へ搬送する設備
です。
また、現場によってはどちらか一方ではなく、
空気搬送機
+
集粉・集じん設備
を組み合わせて使用することもあります。
この記事では、集じん機と空気搬送機の役割・用途・違い、それぞれが向いている現場について解説します。
集じん機とは?
集じん機とは、空気中に浮遊した粉じんや微粒子を吸引・捕集するための設備です。
主な目的は、
・粉じん飛散の抑制
・作業環境の改善
・設備周辺への粉体堆積の抑制
・粉じんの回収
などです。
例えば、粉体をホッパーへ投入するときに粉じんが舞い上がる場合、その周辺の空気を吸引して粉じんを捕集します。
つまり、
「材料そのものを何十mも運ぶ」
ことよりも、
「空気中へ飛散した細かな粉じんを回収する」
ことを目的とする設備です。
集じん機が使用される代表的な場所
集じん機は、
・粉体投入設備
・ホッパー
・フレコン排出部
・研磨作業
・ブラスト作業
・焼却施設
・製造ライン
・粉体を扱う工程周辺
などで使用されます。
粉体を移し替える工程では、材料が落下したときなどに微粉が空気中へ舞い上がる場合があります。
こうした粉じんを局所的に吸引するのが集じん設備の主な役割です。
空気搬送機とは?
空気搬送機とは、空気の流れを利用して粉体・粒体そのものをホースや配管内で搬送する設備です。
エコ・ワークが取り扱う空気搬送機「ジェクター」は、コンプレッサーから供給される圧縮空気を動力として、粉体・粒体を吸引・搬送します。
例えば、
床に堆積した材料
↓
ジェクターで吸引
↓
ホース内を搬送
↓
フレコンや別設備へ排出
といった使い方ができます。
これまで、
・ブラスト材
・焼却灰
・フライアッシュ
・木質ペレット
・PKS
・パーライト
・溶接砂
・セラミックボール
・土砂
などの回収・搬送に使用されています。
集じん機と空気搬送機の最大の違い
最も大きな違いは、
「何を吸引するための設備なのか」
です。
集じん機
主に、
空気
+
空気中に浮遊する微細な粉じん
を吸引します。
空気搬送機
主に、
粉体・粒体そのもの
を吸引し、目的地まで搬送します。
例えば床に100kgの砂が堆積している場合、
その砂そのものを吸引して別の場所へ運びたい
のであれば、空気搬送設備を検討します。
一方、
砂を投入した際に周囲へ舞う細かな粉じんを回収したい
のであれば、集じん設備を検討します。
違い① 目的
集じん機の目的
粉じんを回収し、作業環境を改善することが主な目的です。
例えば、
粉体投入
↓
粉じん発生
↓
集じん機で吸引
という使い方です。
空気搬送機の目的
粉体・粒体を別の場所へ移動させることが主な目的です。
例えば、
床のブラスト材
↓
ジェクターで吸引
↓
ホース搬送
↓
分別設備
といった使い方です。
違い② 対象物
集じん機は、空気中に浮遊する比較的細かな粉じんを対象とします。
一方、空気搬送機では、
・粉体
・粒体
・砂
・ペレット
など、材料そのものを搬送します。
そのため、
「粉体を扱う設備」
という点では似ていますが、実際に求められる機能は異なります。
違い③ 搬送距離
集じん機は、主に発生源周辺から粉じんを吸引して捕集します。
一方、空気搬送機では、
・別の設備
・フレコン
・高所のホッパー
・離れた排出場所
などへ対象物を搬送する用途があります。
そのため、
「材料を離れた場所まで運びたい」
場合は空気搬送設備を検討します。
違い④ 回収後の処理
集じん機で捕集した粉じんは、集じん機内部や回収容器などへ集められます。
空気搬送機の場合は、
・フレコン
・ホッパー
・分別設備
・別工程
など、目的の場所へ材料を直接搬送する構成を検討できます。
そのため、
「回収した材料を再利用したい」
という場合にも空気搬送方式が活用されます。
集じん機と空気搬送機の比較
集じん機が得意なこと
・空気中の粉じん回収
・粉じん飛散の抑制
・作業環境改善
・投入・排出部分の粉じん対策
空気搬送機が得意なこと
・粉体そのものの吸引回収
・粉体・粒体の搬送
・長距離搬送
・高所への投入
・狭所からの回収
・別設備への直接投入
「粉じんを吸いたい」の意味を整理する
設備相談では、
「粉じんを吸いたい」
という表現が使われることがあります。
しかし、この言葉だけでは必要な設備を判断できません。
例えば、
空気中に舞っている粉じんを吸いたい
→ 集じん機
床に積もった粉体を吸いたい
→ 空気搬送機
粉体を吸引して別の場所へ運びたい
→ 空気搬送機
粉体を搬送しながら排出時の粉じんも抑えたい
→ 空気搬送機+集粉・集じん設備
というように、目的によって設備構成が変わります。
集じん機だけでは大量の粉体搬送に向かない場合がある
集じん機は粉じんを吸引する設備ですが、
「床に積もっている大量の砂を50m先へ運ぶ」
といった用途を主目的とする設備ではありません。
大量の粉体・粒体そのものを移送する必要がある場合は、搬送設備として検討する必要があります。
空気搬送機だけでは粉じん対策が十分でない場合もある
逆に、
「空気搬送機を使えば集じん機はいらない」
とも限りません。
空気搬送はホース・配管を利用するため、開放状態で材料を運ぶ場合と比較して粉じん飛散を抑えやすいケースがあります。
しかし、排出部分では空気と材料を分離する必要があります。
特に微粉体では、
・フレコン排出時
・材料分離時
・設備開放時
などに粉じんが発生する場合があります。
そのため、対象物によっては集粉設備との組み合わせが重要です。
ジェクターとジェクロンを組み合わせる
エコ・ワークでは、
空気搬送機「ジェクター」
と
集粉機「ジェクロン」
を組み合わせた設備構成も取り扱っています。
例えば、
粉体をジェクターで吸引
↓
ホース内を搬送
↓
ジェクロンで材料と空気を分離
↓
フレコン等へ回収
という構成です。
これによって、
「材料を搬送する」
ことと、
「搬送時に発生する微粉を処理する」
ことを組み合わせることができます。
ブラスト材回収では搬送・集粉・分別を組み合わせる
橋梁塗装などで使用されるブラスト材では、
・使用済みブラスト材
・塗膜片
・微粉
などが混在する場合があります。
このような現場では、
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
分別設備
というように、複数設備を組み合わせることがあります。
つまり、
回収
+
搬送
+
集粉
+
分別
までを一連の工程として考えることができます。
集じん機が向いている現場
例えば、
・ホッパー投入時に粉じんが舞う
・袋開封時の粉じんを吸いたい
・製造設備周辺の粉じんを抑えたい
・局所的な粉じん発生源がある
といった場合です。
この場合は、材料そのものを運ぶよりも、発生した粉じんを効率よく捕集することが重要です。
空気搬送機が向いている現場
例えば、
・床へ堆積した粉体を回収したい
・離れた場所へ材料を運びたい
・人力運搬を減らしたい
・高所へ投入したい
・車両が入れない場所から回収したい
・回収物を別工程へ送りたい
といった場合です。
両方を組み合わせた方がよい現場
次のような場合は、空気搬送機と集粉設備を組み合わせる価値があります。
・微粉体を大量に搬送する
・排出時の粉じんを減らしたい
・回収後にフレコンへ収納したい
・作業環境を改善しながら搬送を省力化したい
・ブラスト材などを回収・分別したい
設備単体で考えるより、
「吸引から排出までの工程全体」
で設備構成を考えることが重要です。
空気搬送機「ジェクター」
ジェクターは、圧縮空気を利用して粉体・粒体を吸引・搬送する空気搬送機です。
ホースを利用して、
・粉体回収
・粒体搬送
・設備清掃
・高所への投入
・長距離搬送
などに使用できます。
ただし、実際の搬送能力は、
・対象物
・粒径
・比重
・含水率
・搬送距離
・高低差
・コンプレッサー能力
などによって変化します。
→ 空気搬送機「ジェクター」の詳しい情報はこちら

集粉機「ジェクロン」
エコ・ワークでは、ジェクターと組み合わせて使用できる集粉機「ジェクロン」も取り扱っています。
粉体搬送時に、
・材料と空気を分離したい
・微粉を回収したい
・フレコンへ排出したい
・粉じん飛散を抑えたい
といった場合に設備構成を検討します。
→ 集粉機「ジェクロン」の詳しい情報はこちら
実際の対象物・現場条件から設備を選ぶ
「集じん機か空気搬送機か」
だけで設備を選ぶのではなく、
まず、
「何をしたいのか」
を整理することが重要です。
例えば、
・空気中の粉じんを吸いたい
・床の粉体を回収したい
・材料を50m運びたい
・回収物を再利用したい
・排出時の粉じんを抑えたい
では、必要な設備構成が異なります。
エコ・ワークでは、対象物や搬送距離、現場条件などを確認したうえで設備構成をご提案しています。
実際の粉体・粒体で搬送テストできます
粉体や粒体は、
などによって搬送性が変わります。
そのため、空気搬送機を検討する場合は、実際の対象物を使用した搬送テストも有効です。
エコ・ワークでは、ジェクターによる搬送テストについてご相談いただけます。
「ジェクターだけでよいのか?」
「ジェクロンも必要なのか?」
「現在扱っている粉体を搬送できるのか?」
といった場合も、対象物や現場条件をお知らせください。
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よくある質問
集じん機と空気搬送機は同じ設備ですか?
同じではありません。
集じん機は主に空気中に浮遊する粉じんを捕集する設備で、空気搬送機は粉体・粒体そのものを別の場所へ搬送する設備です。
集じん機で粉体を搬送できますか?
集じん機は粉じん捕集を主目的とする設備です。
大量の粉体・粒体を離れた場所へ搬送したい場合は、搬送設備として検討する必要があります。
空気搬送機だけで粉じん対策できますか?
対象物や排出方法によって異なります。
搬送経路をホース・配管内にできる一方、排出時などに粉じんが発生する場合があります。
必要に応じて集粉設備との組み合わせを検討します。
ジェクターとジェクロンは一緒に使えますか?
使用できます。
ジェクターで粉体・粒体を搬送し、ジェクロンで材料・微粉を回収する構成を検討できます。
どちらの設備が必要か分からない場合はどうすればいいですか?
対象物、現在の作業方法、粉じんの発生場所、搬送距離などを整理すると判断しやすくなります。
現場条件をお聞かせいただければ設備構成をご検討できます。
実物で搬送テストできますか?
ジェクターについては、実際の対象物を使用した搬送テストをご相談いただけます。
搬送可否や必要機種、集粉設備の必要性などを確認できます。
まとめ
集じん機と空気搬送機は、どちらも粉体を扱う設備ですが、目的が異なります。
集じん機は、
「空気中に浮遊した粉じんを回収する」
ための設備です。
一方、空気搬送機は、
「粉体・粒体そのものを吸引し、別の場所へ搬送する」
ための設備です。
そのため、
・粉じん飛散を抑えたい
→ 集じん機
・床や設備内の粉体を回収したい
→ 空気搬送機
・粉体を離れた場所へ運びたい
→ 空気搬送機
・材料を搬送しながら微粉も処理したい
→ 空気搬送機+集粉設備
というように、目的によって設備構成を検討します。
重要なのは、
「どちらの機械が優れているか」
ではなく、
「現在の作業で何を解決したいのか」
から設備を選ぶことです。
エコ・ワークでは、空気搬送機「ジェクター」と集粉機「ジェクロン」などを組み合わせ、対象物や現場条件に合わせた設備構成をご提案しています。
実際の対象物を使用した搬送テストについてもご相談いただけます。
