この記事でわかること
- ジェクターだけで対応できるケース
- ジェクロンを組み合わせた方がよいケース
- 搬送物と空気を分離する必要がある理由
- 微粉体で集粉設備が重要になる理由
- フレコンバッグへ回収する場合の考え方
- 焼却灰・フライアッシュ回収での設備構成
- ジェクロンを導入するか判断するポイント
- ジェクター+ジェクロンを検討する際に確認したい現場条件
はじめに
空気搬送機「ジェクター」を検討していると、
「ジェクターだけあれば使える?」
「ジェクロンも一緒に必要?」
「ホースの先をそのままフレコンへ入れてはいけない?」
「どんな粉体なら集粉設備が必要?」
と疑問に思うことがあります。
結論からいうと、すべてのジェクター使用現場でジェクロンが必要なわけではありません。
例えば、搬送した材料をそのままホッパーや設備へ投入できる場合には、ジェクター単体で構成できるケースがあります。
一方、
- 微粉体を搬送する
- 排出時の粉じんを抑えたい
- 搬送物と空気を分離したい
- フレコンバッグへ回収したい
といった場合には、集粉機「ジェクロン」を組み合わせることで、より現場に適した回収システムを構築できる可能性があります。
重要なのは、「ジェクロンが必要かどうか」を機械だけで判断するのではなく、搬送後に材料をどうしたいのかから考えることです。
本記事では、ジェクターだけで対応しやすい現場と、ジェクロンを組み合わせたい現場の違いについて解説します。
まずジェクターとジェクロンの役割を整理する
ジェクターとジェクロンは、同じ粉体・粒体回収システムで使用できますが、役割は異なります。
ジェクター
粉体・粒体を、
- 吸引
- 搬送
- 投入
- 排出
する空気搬送機です。
ジェクロン
ジェクターから送られてきた搬送物と空気を受け入れ、
- 搬送物と空気を分離
- 粉じんを集粉
- 搬送物を回収
する設備です。
簡単にいえば、
ジェクター=運ぶ
ジェクロン=搬送先で集める
という関係です。
ジェクターだけで対応できるケースもある
例えば、
原料
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
ホッパー
という設備構成です。
搬送した材料を設備へそのまま投入でき、搬送空気の排出にも問題がない場合には、ジェクロンを必要としないケースがあります。
例えば高所ホッパーへの原料投入
地上にある粉体・粒体を、
地上
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
高所ホッパー
へ直接投入する場合です。
目的が**「材料をホッパーへ送ること」**であり、ホッパー側で搬送空気を適切に処理できるのであれば、ジェクター単体で設備構成を検討できます。
設備間搬送でもジェクター単体を検討できる
例えば、
設備A
↓
ジェクター
↓
設備B
という工程です。
設備Bが搬送物を直接受け入れられるのであれば、ジェクロンを介さずに搬送できる可能性があります。
では、ジェクロンはどんなときに必要?
大きな判断ポイントは、「搬送した後の材料をどう回収したいか」です。
例えば、
- フレコンへ回収したい
- 微粉体を回収したい
- 排出時の粉じんを抑えたい
- 材料と搬送空気を分離したい
といった場合には、ジェクロンとの組み合わせを検討します。
判断ポイント① 微粉体を搬送する
ジェクロンを特に検討したいのが、細かな粉体を扱う現場です。
例えば、
- 焼却灰
- フライアッシュ
- 微粉原料
などです。
空気搬送では材料と空気が一緒に移動する
ジェクターは圧縮空気を利用して材料を搬送します。
つまり排出側には、搬送物+空気が送られます。
粒体などであれば、搬送先へそのまま投入できる場合があります。
しかし微粉体では、搬送空気によって細かな粒子が舞う可能性があります。
ジェクロンで搬送物と空気を分離する
このような場合には、
ジェクター
↓
ジェクロン
という構成を検討します。
ジェクロン内部で、
搬送物 → 下部へ
空気 → フィルターへ
と分離します。
これにより、材料を回収しながら搬送空気を処理できます。
判断ポイント② 排出時に粉じんが発生する
例えば現在、
ジェクター
↓
排出ホース
↓
回収容器
としていて、ホース出口周辺で粉じんが舞うという場合です。
この場合、ジェクターの搬送性能そのものではなく、排出方法に課題がある可能性があります。
「搬送できる」と「きれいに回収できる」は別
粉体搬送設備では、
50m先まで材料を送れた
としても、
50m先で粉体が大量に飛散する
のであれば、現場全体としては改善できていない場合があります。
そのため設備選定では、搬送能力+回収方法をセットで考える必要があります。
判断ポイント③ フレコンバッグへ回収したい
搬送した材料を最終的に、フレコンバッグへまとめたい現場でもジェクロンを検討できます。
例えば、
焼却灰
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
ジェクロン
↓
フレコンバッグ
という構成です。
ホースを直接フレコンへ入れる場合との違い
ジェクターからは材料だけでなく搬送空気も送られます。
そのため微粉体を排出ホースから直接フレコンへ送り込むと、
- フレコン内部へ空気が入る
- 粉じんが吹き返す
- 周囲へ飛散する
などの問題が起こる場合があります。
ジェクロンを介することで、搬送空気を分離してから材料をフレコンへ回収することができます。
判断ポイント④ 袋詰めまで連続して行いたい
例えば従来、
粉体を吸引
↓
一時容器へ回収
↓
容器を運搬
↓
フレコンへ積み替え
としている場合です。
この方法では、搬送後にも人力工程が残ります。
中間容器を減らす
ジェクター+ジェクロンなら、
粉体
↓
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
フレコン
という設備構成を検討できます。
これによって、
- 一時容器
- 台車搬送
- 再投入
などの工程を減らせる可能性があります。
判断ポイント⑤ 焼却灰・フライアッシュを回収する
焼却灰やフライアッシュは、ジェクロンとの組み合わせを検討しやすい代表的な搬送物です。
こうした微粉体では、吸引できるかだけではなく、どう集粉して回収するかが重要になります。
焼却灰回収の設備イメージ
例えば、
焼却設備内部
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
ジェクロン
↓
フレコン
という構成です。
これによって、回収・搬送・集粉・袋詰めまで一連の工程として考えることができます。
判断ポイント⑥ 工場清掃で粉体を集約したい
工場内の複数箇所で、
- コンベア下
- 床面
- 設備周辺
- ピット
などへ粉体が堆積している場合があります。
現在、
各場所でスコップ回収
↓
袋詰め
しているのであれば、ジェクター+ジェクロンによる吸引回収を検討できます。
回収場所を一か所へまとめる
例えば、
設備A周辺
↓
ジェクター
設備B周辺
↓
ジェクター
設備C周辺
↓
ジェクター
とジェクターを移動させながら使用し、排出側では一定の場所に設置したジェクロンへ送り、回収場所を集約するという運用も検討できます。
フレコン交換しやすい場所へ集める
例えば設備周辺では、
- 狭い
- フォークリフトが入れない
- フレコンを置けない
場合があります。
その場合には、回収物の近くへジェクターを配置し、フレコン交換しやすい場所まで排出側で搬送する方法を検討できます。
判断ポイント⑦ 回収場所と袋詰め場所を離したい
ジェクターでは、条件によって排出側200m程度の長距離搬送が可能なケースがあります。
そのため、
回収場所
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
離れたジェクロン
↓
フレコン
という設備構成を検討できます。
ジェクロンを材料のすぐ近くへ置く必要はない
これはジェクターと組み合わせる大きなメリットです。
例えば、
炉内部
↓
ジェクター
↓
50m先の建屋外
↓
ジェクロン
↓
フレコン
という構成です。
袋交換や搬出作業がしやすい場所へ材料を送ることで、その後の作業も改善できる可能性があります。
判断ポイント⑧ 高低差がある
例えば、
地下ピット
↓
地上の回収場所
へ材料を送る場合です。
ジェクターでは条件によって、高さ100m程度の高所搬送が可能なケースがあります。
そのため、回収場所とジェクロンの設置場所に高低差がある現場でも検討できます。
吸引側はできるだけ短くする
ジェクターでは、吸引側5m程度を推奨しています。
現場によっては10m程度で使用しているケースもありますが、基本的には、
材料の近くへジェクターを置く
↓
短い距離で吸引
↓
排出側を長くする
↓
ジェクロンへ送る
という考え方です。
判断ポイント⑨ 搬送物を再利用・保管したい
回収した材料を、
- 廃棄
- 再利用
- 保管
- 別工程へ投入
する場合には、どの状態で回収するのが次工程に適しているかも重要です。
回収後の工程から逆算する
例えば、
廃棄する
フレコンへまとめて搬出。
再利用する
回収した状態のまま次工程へ移動。
ホッパーへ直接投入する
ジェクター単体を検討。
というように、最終目的によって設備構成は変わります。
ジェクターだけでよいか判断する簡単な考え方
まず、「搬送先へそのまま排出して問題ないか?」を考えます。
問題なければ、ジェクター単体で対応できる可能性があります。
次に「空気と材料を分けたいか」を考える
例えば、
- 微粉体
- フレコン回収
- 粉じん対策
が必要なら、ジェクロンの検討価値が高くなります。
つまり、
送るだけ → ジェクター
送ったあと集粉・回収する → ジェクター+ジェクロン
という考え方です。
ジェクロンを使えば粉じんが完全になくなる?
ジェクロンを使うことで、搬送物と空気を分離しながら集粉できます。
ただし、ジェクロンを設置すれば現場の粉じんがすべてゼロになるという意味ではありません。
実際には、
- 吸引方法
- 搬送物
- ホース接続
- フレコン交換
- 周辺作業
なども粉じん発生に影響します。
システム全体を見ることが重要
例えば、
吸引時はきれい
↓
ジェクロンでも問題なし
↓
満杯のフレコン交換時に粉じん発生
というケースも考えられます。
そのため、回収開始からフレコン搬出まで作業全体を確認することが重要です。
ジェクロンの集粉の仕組み
ジェクロン内部へ送られた搬送空気は、フィルターを通ります。
フィルターによって細かな粉じんを捕集し、空気を排気します。
搬送物は下部へ落下して回収します。
ジェクロンは、搬送物と空気を分離しながら粉じんをフィルターで捕集し、回収物をフレコンへ連続排出できる設備です。
内部を微負圧状態へ調整
ジェクロンではターボファンを使用し、内部を適切な微負圧状態に調整しながら運転します。
使用条件に合わせて風量を調整しながら、ジェクターから送られてくる搬送空気を処理します。
自動逆洗機能を搭載
フィルターには、粉じんが付着します。
ジェクロンではパルスエアーによる自動逆洗を行い、フィルターへ付着した粉じんを払い落としながら運転します。
ジェクロンにはJC400とJC900がある
ジェクロンには、
JC400
と、
JC900
があります。
どちらを使用するかは、
- 使用するジェクター
- 回収量
- 搬送物
- 設置スペース
などを確認して選定します。
「ジェクロンが必要」=機種まで自分で決める必要はない
例えば、
「焼却灰をJT50で回収したい」
「フレコンへ回収したい」
という段階からご相談いただけます。
設備条件を確認したうえで、適したジェクロンや周辺設備を検討します。
ジェクロンを検討する際に確認したい情報
最初から詳細な仕様がすべて分かっている必要はありません。
分かる範囲で、
- 搬送物
- 粒径
- 水分
- 回収量
- 必要処理能力
- 搬送距離
- 高低差
- 現在の回収方法
- 最終的な回収先
- ジェクターの機種
- ジェクロン設置候補場所
などがあると検討しやすくなります。
現在の作業写真も参考になる
例えば、
①現在の回収場所
②搬送物
③現在の排出方法
④フレコン設置場所
⑤その間の搬送ルート
の写真があると、設備構成をイメージしやすくなります。
「ジェクロンが必要か分からない」という相談でよい
問い合わせ時に、
「JC400の見積もりをください」
などと機種まで決めていただく必要はありません。
例えば、
「ジェクターでこの粉を吸いたいのですが、出口側をどうすればいいですか?」
という相談でも構いません。
そこから、
- 直接排出できるか
- ジェクロンが必要か
- フレコン回収にするか
- 集粉対策が必要か
を確認していきます。
こんな場合はジェクロンを一度検討
例えば、
- ジェクターで微粉体を搬送したい
- 排出側で粉じんが発生する
- 焼却灰・フライアッシュを回収したい
- フレコンへ直接回収したい
- 一時容器への積み替えを減らしたい
- 回収場所と袋詰め場所を離したい
- 工場内清掃物を一か所へ集約したい
といった現場です。
逆にジェクターだけでよい可能性がある現場
例えば、
- 搬送先のホッパーへ直接投入できる
- 別設備が搬送物をそのまま受け入れられる
- 搬送空気を受けても問題がない
- 粉じん対策・袋詰めが不要
といった場合です。
必要以上に設備を増やさないことも重要
ジェクロンは有効な設備ですが、必要のない現場へ追加すればよいわけではありません。
設備が増えれば、
- 設置スペース
- 電源
- 圧縮空気
- 運用管理
も必要になります。
そのため、本当に集粉・分離・回収機能が必要かを確認して設備構成を決めます。
エコ・ワークではシステム全体から設備を検討
エコ・ワークでは、ジェクターだけ、ジェクロンだけを見るのではなく、搬送元から最終回収先までを確認しながら設備構成を検討しています。
例えば現在、
粉体
↓
スコップ
↓
バケツ
↓
台車
↓
フレコン
なら、
粉体
↓
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
フレコン
へ変更できないか検討します。
一方、
粉体
↓
高所ホッパー
へ入れたいだけなら、ジェクター単体を検討できる場合があります。
全国で運用方法もご案内
ジェクター+ジェクロンでは、
- ジェクターの設置位置
- 吸引方法
- 排出ホースのルート
- ジェクロンの設置位置
- フレコン交換方法
などによって作業性が変わります。
エコ・ワークでは機器の販売だけでなく、全国の現場で使い方や運用方法の指導も行っています。
設備導入後に実際の作業へ落とし込めるよう、現場条件に合わせてご案内します。
まとめ
ジェクターを使用する場合、必ずジェクロンが必要というわけではありません。
例えば、
- ホッパーへ直接投入する
- 別設備へ直接搬送する
など、搬送先が材料と搬送空気を受け入れられる場合には、ジェクター単体で対応できる可能性があります。
一方、
- 微粉体を搬送する
- 粉じんを抑えながら回収したい
- 搬送物と空気を分離したい
- フレコンバッグへ回収したい
- 焼却灰・フライアッシュを回収したい
場合には、ジェクターとジェクロンを組み合わせることで、
吸引
↓
搬送
↓
集粉
↓
回収
まで一連の工程として構成できます。
設備選定で重要なのは、「ジェクロンを付けるか?」から考えるのではなく、「搬送後に材料をどうしたいのか?」から考えることです。
「ジェクターだけでいいのか分からない」
「排出側の粉じんが気になる」
「ホースから直接フレコンへ入れていい?」
「焼却灰を搬送してそのまま袋詰めしたい」
「どの設備構成が合うか判断できない」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
搬送物・距離・搬送量・最終回収方法を確認し、ジェクター単体でよいのか、ジェクロンを組み合わせるべきかも含めて現場に合った設備構成をご提案いたします。
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