この記事でわかること
- ジェクターが急に吸わなくなったときに確認したい原因
- ジェクター本体以外で搬送が止まるケース
- サイロ・ホッパー内の固結やブリッジによる供給不良
- ホース閉塞と供給不良の違い
- エアースコップで固結・ブリッジを解消する方法
- ジェクターを取り外して復旧する基本的な流れ
- 圧縮空気・ホース・搬送物を切り分けて確認する方法
- 同じトラブルを繰り返す場合に見直したいポイント
- 搬送トラブル時の原因切り分けを早くする考え方
はじめに
空気搬送機「ジェクター」を使用していると、
「さっきまで吸えていたのに急に資材が来なくなった」
「ジェクターは動いているようだが搬送物が出てこない」
「コンプレッサーも動いているのに搬送できない」
といった状態になることがあります。
このとき、
「ジェクターが故障したのでは?」
と考えるかもしれません。
しかし、粉体・粒体搬送では、
ジェクター本体が正常でも搬送できなくなる
ことがあります。
例えば、
- 圧縮空気が十分に供給されていない
- 吸引・排出ホースが閉塞している
- サイロから資材が供給されていない
- ホッパー内部でブリッジが発生している
- 資材が固結して動かなくなっている
といったケースです。
特にサイロやホッパー下部へジェクターを接続している場合、
ジェクターまで材料が来ているか
を確認することが重要です。
固結やブリッジが原因であれば、一度ジェクターを取り外し、エアースコップで固結物を崩してからジェクターを再接続し、搬送を再開する方法があります。
本記事では、ジェクターが急に吸わなくなったときの代表的な原因と、固結・ブリッジ発生時の対処方法について解説します。
まず「吸わない」とはどんな状態?
現場で、
「ジェクターが吸わない」
と言っても、実際にはいくつかの状態があります。
例えば、
状態①
吸引力そのものを感じない
状態②
吸引力はあるが資材が入ってこない
状態③
資材は入るが途中で止まる
状態④
ジェクターまでは来るが排出されない
などです。
症状によって確認する場所が違う
例えば、
吸引力そのものが弱い
のであれば、
圧縮空気側
を確認する必要があります。
一方、
吸引力はある
↓
しかし資材が来ない
のであれば、
資材供給側
に問題がある可能性があります。
原因① 圧縮空気が不足している
ジェクターは圧縮空気によって作動します。
そのため、
- 圧力不足
- 空気量不足
- 配管径不足
- 他設備との同時使用
などによって必要な圧縮空気を確保できない場合には、性能が低下する可能性があります。
圧力だけでは判断できない
例えば、
圧力計は正常
でも、
実際には必要な空気量が供給されていない
場合があります。
特に工場内エアーを使用している場合には注意が必要です。
工場内エアーでは配管条件も確認
工場全体に大きなコンプレッサーがあっても、
ジェクター設置場所までの枝管が細い
場合には、必要な空気量が届かないことがあります。
そのため、
- 圧力
- 空気量
- 配管径
- 取り出し口
などを確認します。
原因② 吸引ホースが閉塞している
粉体・粒体を搬送していると、
吸引ホース内で資材が詰まる場合があります。
例えば、
- 大きな塊
- 異物
- 粘着性材料
- 水分を含んだ粉体
などです。
ホース閉塞では資材の状態を見る
例えば本来は細かな粉体でも、
固結
↓
大きな塊
になっている場合があります。
その塊がホース径に対して大きければ、途中で閉塞する可能性があります。
原因③ 排出側で閉塞している
ジェクターへ資材が入っていても、
排出ホース
↓
詰まり
が発生すれば搬送できません。
特に、
- 曲がりが多い
- 搬送距離が長い
- 大きな塊が混入
- 資材が付着しやすい
場合には注意が必要です。
原因④ サイロから資材が供給されていない
ジェクター本体が正常でも、
搬送物そのものがジェクターまで来なければ搬送できません。
これはサイロ・ホッパー直結で特に重要です。
サイロ内部に材料があっても出てこないことがある
例えば、
サイロ内
↓
大量の粉体
が残っているにもかかわらず、
排出口
↓
材料が出ない
場合があります。
この原因の一つが、
ブリッジ
です。
ブリッジとは?
ブリッジとは、粉体・粒体がサイロやホッパー内部でアーチ状に固まり、
下部の排出口へ落ちなくなる状態です。
イメージとしては、
資材
資材
資材
\ /
\/
空洞
↓
排出口
という状態です。
ジェクターから見ると「材料がない」
ブリッジが発生すると、
ジェクター
↓
吸引
していても、
その入口には資材が供給されません。
そのため、
「ジェクターが吸わない」
ように見えます。
しかしジェクターは正常な場合がある
例えば、
圧縮空気
→ 正常
吸引力
→ ある
ジェクター
→ 正常
でも、
サイロ
→ ブリッジ
なら資材は搬送できません。
原因⑤ 固結によって資材が動かない
ブリッジだけでなく、
資材そのものが大きく固まっている
場合もあります。
例えば、
- 湿気
- 水分
- 長期間保管
- 自重による圧縮
などによって固結します。
吸引口まで落ちてこない
資材が大きく固まっていれば、
ジェクターに吸引力があっても、
固結物
↓
動かない
ため、搬送できません。
「吸引力の問題」と「供給の問題」を分ける
搬送トラブルでは、
この切り分けが非常に重要です。
例えば、
吸引力が弱い
→ 圧縮空気・ジェクター側を確認。
吸引力はあるが資材が来ない
→ サイロ・ホッパー・固結・ブリッジを確認。
資材が途中で止まる
→ ホース閉塞などを確認。
という考え方です。
簡単な確認方法
例えばジェクターがサイロ下部へ接続されている場合、
搬送停止
↓
安全を確保
↓
供給側の状態を確認
します。
サイロ内部や排出口周辺で、
- 固結
- ブリッジ
- 資材の詰まり
が発生していないか確認します。
ブリッジが原因ならエアースコップを使用
固結・ブリッジが確認された場合には、
エアースコップ
を使用する方法があります。
エアースコップは、圧縮空気を利用して固まった資材を崩すための機器です。
基本的な復旧方法
例えば、
サイロ
↓
ジェクター
↓
搬送先
という設備の場合です。
ブリッジが発生したら、
①ジェクターを停止
↓
②ジェクターを取り外す
↓
③エアースコップへ切り替える
↓
④固結・ブリッジを崩す
↓
⑤資材が再び流れる状態にする
↓
⑥エアースコップを取り外す
↓
⑦ジェクターを再接続
↓
⑧搬送再開
という流れです。
ジェクターを付けたまま無理に吸わせない
大きな固結物がある状態で、
吸引力を上げれば何とかなる
とは限りません。
固結した大きな塊を無理に吸わせると、閉塞の原因になる可能性があります。
まず固結を崩す
この場合、
エアースコップ
↓
固結を崩す
ジェクター
↓
搬送する
という役割分担にします。
エアースコップは破砕機ではない
エアースコップは、固結した資材を圧縮空気によって掘り崩すための機器です。
大きな機械式破砕機のように、
何でも粉砕する
という設備ではありません。
実際の固結状態に応じて使用可否を確認します。
大きな塊が残ったらさらに崩す
ジェクターによる搬送を再開する前に、
ホースへ入る大きさか
流動しやすい状態か
を確認します。
搬送トラブル時のチェックポイント
ジェクターが吸わなくなった場合には、順番に確認すると原因を切り分けやすくなります。
①コンプレッサーは動いているか
②必要な圧縮空気が来ているか
③吸引ホースは閉塞していないか
④排出ホースは閉塞していないか
⑤ジェクターまで搬送物が供給されているか
⑥サイロ・ホッパー内部で固結していないか
⑦ブリッジが発生していないか
と確認します。
「音だけ」で判断しない
ジェクターが作動音を出していても、
必要な空気量が不足
している場合があります。
逆に、
ジェクターは正常
でも、
資材供給が停止
している場合があります。
現場全体を見ることが重要
粉体搬送トラブルでは、
ジェクターだけを見る
のではなく、
搬送物
↓
供給設備
↓
ジェクター
↓
ホース
↓
搬送先
という工程全体を確認します。
ケース① サイロから突然材料が出なくなった
例えば、
午前中
↓
正常搬送
午後
↓
突然搬送停止
という場合です。
圧縮空気やホースに問題がなく、
サイロ排出口から材料が出ていない
のであれば、ブリッジ・固結の可能性があります。
ケース② 最初だけ搬送できる
例えば、
運転開始
↓
少量出る
↓
その後止まる
という状態です。
サイロ下部にあった資材だけ排出され、
その上でブリッジが形成されている可能性もあります。
ケース③ 長期間停止後に搬送できない
設備をしばらく使用していなかった場合、
保管中に、
- 吸湿
- 圧縮
- 固結
が進むことがあります。
そのため、再稼働時に排出できなくなる場合があります。
ケース④ 何度も同じ場所で詰まる
毎回、
サイロ出口付近
ホッパー下部
など同じ場所で詰まる場合には、
資材特性と設備形状の組み合わせによってブリッジが起きやすい可能性があります。
頻繁に発生するなら根本対策も検討
エアースコップは、
発生した固結・ブリッジを解消する方法
として有効です。
ただし、
1日に何度も同じ場所で発生する
のであれば、毎回復旧するだけでなく、
- サイロ形状
- 排出口
- 供給方法
- 資材状態
などの見直しが必要になる場合があります。
「予防」と「復旧」を分ける
例えば、
予防
ブリッジを発生しにくくする設備・運用。
復旧
発生したブリッジをエアースコップで解消。
という考え方です。
ジェクター+エアースコップは復旧手段として使える
通常時はジェクターで搬送。
トラブル時だけエアースコップへ切り替える。
という運用なら、
必要なときに固結対応できる体制を用意できます。
両方とも圧縮空気で作動
ジェクターとエアースコップは、どちらも圧縮空気を利用します。
そのため現場条件によっては、
同じコンプレッサー
または、
工場内エアー
を切り替えて使用できる場合があります。
工場内エアーを使用する場合
確認したいのは、
- 圧力
- 空気量
- 配管径
- 取り出し口
- 他設備との同時使用
です。
切り替え運用ならエアー源を活用しやすい場合もある
今回の基本運用は、
ジェクター
↓
停止
エアースコップ
↓
使用
という切り替えです。
そのため、条件によっては同じ圧縮空気供給源を活用できます。
ジェクターの着脱性も重要
ブリッジが起こる可能性があるサイロで、
ジェクターを取り外してエアースコップへ切り替える
のであれば、
着脱作業のしやすさ
も運用上のポイントになります。
復旧作業を考えた接続方法
例えば毎回、
多数のボルトを外す
↓
ジェクター取り外し
↓
復旧
↓
再び大量のボルト締め
では時間がかかります。
現場条件によって、接続・取り外し方法も検討します。
「故障だと思って業者を呼ぶ」前に確認できること
ジェクターが急に吸わなくなった場合、
必ず本体故障とは限りません。
まず、
- エアー
- ホース
- 資材供給
を確認することで、現場で原因を見つけられる場合があります。
供給側トラブルなら現場復旧できる可能性
ブリッジ・固結が原因なら、
エアースコップ
↓
固結解消
によって、その場で搬送を再開できる可能性があります。
搬送停止時間を減らすためにも原因切り分けが重要
トラブル発生
↓
原因不明
↓
各所を確認
↓
長時間停止
より、
症状
↓
原因候補を切り分け
↓
固結確認
↓
復旧
とできる方が効率的です。
現場で簡単なチェック表を作る方法もある
例えば、
「ジェクターが吸わない場合」
①圧縮空気確認
②吸引ホース確認
③排出ホース確認
④供給側確認
⑤固結・ブリッジ確認
というチェック表を設備周辺へ置く方法もあります。
オペレーターによる判断差を減らせる
経験のある作業員なら、
「今回はブリッジだ」
と分かっても、新しい担当者には判断できないことがあります。
確認手順を決めておけば、対応を標準化しやすくなります。
導入前に確認したいこと① 搬送物
例えば、
- 粉体
- 粒体
- ペレット
- 灰
- 砂
- 副産物
などです。
資材によって固結・ブリッジの発生しやすさは異なります。
確認したいこと② 固結頻度
例えば、
年に数回
週に数回
毎日
などです。
頻度によって、復旧方法だけでよいか、根本対策が必要かを考えます。
確認したいこと③ 発生場所
- サイロ中央
- 下部
- ホッパー出口
- 配管入口
などを確認します。
確認したいこと④ 固結の硬さ
例えば、
軽く崩れる
スコップが必要
非常に硬い
などです。
エアースコップで対応可能かを検討します。
確認したいこと⑤ 現在の復旧方法
例えば、
- 棒で突く
- ハンマーで叩く
- スコップで掘る
- 設備を停止して人力清掃
などです。
現在の作業から省力化できる部分を探します。
写真や動画からでも相談できる
例えば、
- サイロ
- 排出口
- 固結物
- ジェクター接続部
- ホース
- 現在の復旧作業
などの写真・動画があると初期検討しやすくなります。
実物テストも有効
搬送物や固結物の状態が特殊な場合には、実際の資材を使用して確認できます。
テストで確認できること
例えば、
- エアースコップで固結を崩せるか
- 崩した後にジェクターで搬送できるか
- 閉塞しないか
- 必要な空気量
- 適したジェクター
などです。
エコ・ワークではトラブル時の運用までご案内
粉体・粒体搬送では、
設備を導入したあと、
「詰まったときどうするか?」
も重要です。
エコ・ワークでは、
- ジェクターの通常運転
- トラブル原因の切り分け
- ブリッジ発生時の停止
- ジェクター取り外し
- エアースコップによる固結解消
- 再接続
- 搬送再開
など、実際の運用方法についても全国の現場でご案内しています。
まとめ
ジェクターが急に吸わなくなった場合、
必ずしもジェクター本体の故障とは限りません。
代表的な原因として、
- 圧縮空気不足
- 吸引ホース閉塞
- 排出ホース閉塞
- 資材供給不足
- 固結
- ブリッジ
などがあります。
特にサイロ・ホッパーからジェクターへ資材を供給している場合、
ジェクターは正常
↓
しかしサイロ内部でブリッジ
↓
資材が来ない
↓
搬送できない
というケースがあります。
この場合には、
ジェクター停止
↓
ジェクター取り外し
↓
エアースコップで固結・ブリッジを解消
↓
ジェクター再接続
↓
搬送再開
という方法を検討できます。
大切なのは、
「ジェクターが吸わない」という現象だけを見るのではなく、資材がどこで止まっているのかを切り分けること
です。
「ジェクターが途中から吸わなくなる」
「サイロには材料があるのに搬送できない」
「圧縮空気は正常なのに資材が来ない」
「ホッパーが詰まるたびに人が対応している」
「ブリッジ発生時の復旧方法を決めたい」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
現在の設備構成・搬送物・症状・固結状態などを確認し、ジェクター本体だけでなく、供給側・ホース・圧縮空気まで含めて原因を整理し、必要に応じてエアースコップを組み合わせた運用方法をご提案いたします。
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