粉体や粒体を配管で搬送している現場では、
「以前より搬送量が落ちた」
「配管の途中で材料が詰まる」
「頻繁に清掃しないと安定して運転できない」
といったトラブルが発生することがあります。
配管詰まりは単に搬送効率を低下させるだけでなく、設備停止や清掃作業の増加、生産性の低下につながる場合があります。
また、粉体搬送の配管詰まりは一つの原因だけで発生するとは限りません。
搬送速度、粉体の性状、水分、配管レイアウト、設備の選定など、複数の条件が影響します。
この記事では、粉体搬送で配管が詰まる主な原因と、現場で確認したい対策について解説します。
粉体搬送で配管が詰まる主な原因
1.搬送速度が不足している
粉体や粒体を配管内で安定して搬送するためには、対象物に応じた搬送速度が必要です。
搬送速度が不足すると、材料が配管内に徐々に堆積し、最終的に配管閉塞につながる場合があります。
搬送速度が低下する原因としては、
- 供給エアー量の不足
- ブロワーやコンプレッサー能力の不足
- 搬送距離の増加
- 配管径が条件に合っていない
- 材料供給量が多すぎる
などが考えられます。
特に、比重の大きい材料や粒径の大きな粒体では、条件に合った搬送速度を確保することが重要です。
2.配管内部へ粉体が付着している
粉体の中には、配管内壁へ付着しやすい材料があります。
例えば、
- 吸湿性の高い粉体
- 微粉体
- 油分を含む材料
- 付着性の高い原料
などでは、少量の付着から徐々に堆積が進み、配管の有効断面積が小さくなる場合があります。
最初は搬送できていても、付着物が蓄積すると搬送能力が徐々に低下し、最終的に詰まりにつながることがあります。
3.粉体が水分・湿気を含んでいる
粉体搬送では、水分も重要な確認項目です。
材料が湿気を吸収すると、
- 粉体同士が固まりやすくなる
- 配管内壁へ付着しやすくなる
- 流動性が低下する
といった変化が生じる場合があります。
乾燥した状態では問題なく搬送できていた材料でも、梅雨時期や保管環境の変化によって搬送性が変わることがあります。
また、圧縮空気を使用する設備では、供給エアー中の水分にも注意が必要です。
4.配管の曲がりが多い
配管レイアウトも搬送性能に大きく影響します。
直線部分では安定して搬送できていても、エルボなどの曲管部分では材料の速度や流れ方が変化します。
特に、
- 曲がりが多い
- 急な方向転換がある
- 短い距離に複数のエルボがある
といった配管では、材料が滞留しやすくなる場合があります。
摩耗性の高い材料では、エルボ部分の摩耗についても確認が必要です。
5.配管が長すぎる
搬送距離が長くなるほど、配管内での圧力損失も大きくなります。
同じ設備でも、
10mの搬送と100mの搬送では必要な条件が異なります。
また、水平距離だけでなく、
- 垂直方向への搬送
- 曲管の数
- 配管径
- 対象物の比重
- 材料供給量
などによっても必要能力は変わります。
そのため、単純に「何mまで搬送できるか」だけで設備を選定するのではなく、配管全体の条件を確認することが重要です。
6.材料を供給しすぎている
粉体搬送設備へ一度に大量の材料を供給すると、空気に対する材料の割合が大きくなり、安定して搬送できなくなる場合があります。
特に吸引口へ材料を一気に流し込むと、配管内に材料が集中し、閉塞につながることがあります。
搬送設備そのものの能力だけでなく、材料をどの程度の速度で供給するかも重要です。
7.粒径・比重・粒子形状が設備条件に合っていない
すべての粉体・粒体を同じ条件で搬送できるわけではありません。
対象物によって、
- 粒径
- 比重
- 粒子形状
- 含水率
- 付着性
- 摩耗性
- 流動性
などが異なります。
例えば、軽い粉体と重量のある砂では必要な搬送条件が大きく異なります。
平均粒径だけでなく、材料全体の性状を確認したうえで設備を選定する必要があります。
配管が詰まる前に見られる兆候
配管閉塞は、必ずしも突然発生するとは限りません。
事前に、
- 搬送量が以前より減った
- 搬送時間が長くなった
- 配管内に材料が残るようになった
- 特定のエルボ付近で材料が滞留する
- 吸引力が弱く感じる
- 清掃頻度が増えた
といった変化が見られる場合があります。
こうした兆候がある場合は、完全に閉塞する前に搬送条件や設備状態を確認することが重要です。
粉体搬送の配管詰まりを防ぐための対策
搬送条件を見直す
まず確認したいのが、現在の搬送条件です。
- エアー量
- 搬送距離
- 配管径
- 材料供給量
- 搬送物の性状
などを確認し、対象物に適した条件になっているかを確認します。
以前は正常に搬送できていた設備でも、搬送物や配管レイアウトが変わっている場合があります。
配管レイアウトを見直す
曲管が多すぎる場合や、不要に長い配管を使用している場合は、配管ルートを見直すことで改善できる可能性があります。
特に材料が滞留している場所が特定できる場合は、
「なぜその位置で流れが悪くなるのか」
を確認することが重要です。
材料の水分を確認する
雨天時や梅雨時期だけ搬送状態が悪くなる場合は、材料の含水率や供給エアー中の水分を確認します。
必要に応じて、
- 原料の保管環境
- コンプレッサーのドレン管理
- エアドライヤー
なども確認します。
材料の供給方法を見直す
吸引口へ材料を大量に供給している場合は、一度に送り込む量を調整することで安定する場合があります。
材料を連続的かつ適量で供給することも、安定搬送では重要です。
定期的に配管内部を確認する
付着性のある粉体や摩耗性の高い材料では、定期的な点検も重要です。
配管内部への付着だけでなく、
- ホースの摩耗
- エルボ部分の摩耗
- 配管接続部
- 吸引口
- 排出側
なども確認します。
ホッパー側のブリッジが原因の場合もある
「配管が詰まっている」と思っていても、実際には配管へ材料を供給するホッパー側でブリッジが発生している場合もあります。
ホッパー内部で材料が固まり、排出口から十分に材料が供給されなくなると、搬送量が安定しません。
逆に、ブリッジが突然崩れて大量の材料が流れ込むことで、配管側へ材料が集中する可能性もあります。
ホッパー内部で原料が流れなくなる場合は、
→ 「ブリッジ現象とは?ホッパー内で粉体が流れなくなる原因と対策」
もご覧ください。
摩耗性の高い材料では配管・ホースの摩耗にも注意
ブラスト材、鋳物砂、焼却灰など、摩耗性のある材料を搬送する場合は、詰まりだけでなく設備の摩耗も考える必要があります。
特に、
- エルボ
- 排出側
- 材料が高速で衝突する部分
などでは摩耗が進みやすくなる場合があります。
摩耗が進むと配管やホースに穴が開き、空気漏れによって搬送能力が低下する可能性もあります。
そのため、摩耗性の高い材料では、搬送条件だけでなく適切な配管・ホース選定も重要です。
配管詰まりが頻発する場合は搬送方法自体を見直す
配管清掃や条件調整を繰り返しても閉塞が発生する場合は、現在の設備や搬送方式が対象物に適しているかを改めて確認する必要があります。
例えば、
- 対象物が変わった
- 搬送距離が伸びた
- 生産量が増えた
- 配管ルートを変更した
- 水分を含む材料を扱うようになった
といった条件変更によって、従来の設備では対応しにくくなっている場合があります。
設備の部分的な調整だけでなく、搬送方法そのものを見直した方がよいケースもあります。
空気搬送機「ジェクター」で粉体・粒体を吸引・搬送
エコ・ワークでは、圧縮空気を利用して粉体・粒体を吸引・搬送する空気搬送機「ジェクター」を取り扱っています。
ジェクターはホースを利用して材料を吸引し、離れた場所へ搬送できるため、
- 工場内の粉体回収
- ブラスト材回収
- 焼却灰回収
- 木質ペレット搬送
- 設備内の清掃
- 高所への材料投入
など、さまざまな現場で活用されています。
ただし、搬送能力は対象物や搬送距離、配管条件、供給エアー量などによって異なります。
→ 空気搬送機「ジェクター」の詳しい情報はこちら
実際の材料で搬送テストできます
粉体・粒体の搬送では、カタログ上の粒径や比重だけで搬送可否を判断することは難しい場合があります。
実際には、
- 粒径
- 比重
- 含水率
- 付着性
- 粒子形状
- 摩耗性
- 搬送距離
- 高低差
などが複合的に影響します。
エコ・ワークでは、実際の対象物を使用したジェクターの搬送テストについてもご相談いただけます。
「現在使用している粉体が搬送できるか確認したい」
「配管詰まりが頻繁に発生している」
「既存設備とは違う搬送方法を検討したい」
「どの機種が適しているか確認したい」
といった場合も、対象物や現場条件をお聞かせください。
[ジェクターの詳細を見る]
[現場テストについて相談する]
よくある質問
粉体搬送で最も詰まりやすい場所はどこですか?
設備条件によって異なりますが、材料の流れが変化するエルボ部分や、材料が集中しやすい場所では滞留が発生する場合があります。
吸引口や材料供給部分についても確認が必要です。
配管径を太くすれば詰まりにくくなりますか?
必ずしもそうとは限りません。
配管径を変更すると必要な風量や搬送速度も変化します。
対象物と設備能力を考慮したうえで適切な配管径を選定する必要があります。
湿った粉体も空気搬送できますか?
材料の含水率や付着性によって異なります。
水分を含むことで配管内へ付着したり、固まりが発生したりする場合があるため、実際の対象物で確認する方法があります。
搬送距離が長いと詰まりやすくなりますか?
搬送距離が長くなるほど圧力損失が大きくなるため、設備能力や配管条件が合っていない場合は搬送性能が低下する可能性があります。
水平距離だけでなく、高低差や曲管数も確認する必要があります。
エルボを減らすと搬送しやすくなりますか?
一般的には、不要な曲がりを減らすことで圧力損失や材料の滞留を抑えられる場合があります。
ただし、実際の設備では設置条件もあるため、配管ルート全体で検討する必要があります。
ジェクターで詰まりを完全に防止できますか?
対象物や搬送条件によって異なるため、詰まりが発生しないことを一律に保証することはできません。
実際の搬送物や搬送距離などを確認し、適切な機種・ホース・使用条件を検討することが重要です。
まとめ
粉体搬送で配管が詰まる原因には、
- 搬送速度不足
- 配管内部への付着
- 水分・湿気
- 配管レイアウト
- 長距離搬送
- 材料の過剰供給
- 粒径・比重・粒子形状などの粉体特性
などがあります。
配管閉塞が発生した場合は、単に詰まりを取り除くだけではなく、
「なぜその場所で材料が滞留したのか」
を確認することが重要です。
また、閉塞を繰り返している場合は、現在の搬送条件や設備構成そのものを見直すことで改善できる可能性があります。
粉体・粒体の搬送可否や適切な設備構成を確認したい場合は、実際の対象物を使った搬送テストも有効です。
エコ・ワークでは、搬送物や搬送距離、現場条件を確認したうえで、空気搬送機「ジェクター」を活用した方法をご提案しています。
【配管の詰まり・摩耗によるライン停止のリスクをゼロへ】
配管の詰まりは、内部の突起物や急な湾曲、そして資材の摩耗による管の損傷が主な原因です。 当社の空気搬送機「ジェクター(耐摩耗タイプ)」は、吸引から排出までを直線で処理する完全ストレート構造のため、詰まりの発生を極限まで抑えます。さらに、金属粉や砂、もみ殻といった硬質資材にも耐える強化仕様で、配管の寿命を大幅に延ばします。
また、ホッパー内に固着した頑固な詰まりを瞬時に剥離する「エアースコップ」もご用意。現場の緊急トラブルを解決します。
