工場の粉じんを舞い上げずに床清掃するには?粉体・粒体を吸引回収する方法を解説

この記事でわかること

  • 工場の床清掃で粉じんが舞いやすい理由
  • ほうき・ブラシによる清掃の課題
  • 粉体・粒体を吸引しながら回収する考え方
  • 回収した材料をそのまま離れた場所へ搬送する方法
  • 設備下・壁際・狭所の粉体を回収する方法
  • ジェクターを床面清掃へ活用する考え方
  • 集粉機「ジェクロン」と組み合わせる方法
  • 粉じん対策と搬送を同時に考えるメリット
  • 導入前に確認したい対象物・作業環境
  • 実物による搬送テストの重要性

はじめに

粉体を扱う工場では、

「床にこぼれた粉をほうきで掃くと粉じんが舞う」

「清掃した直後なのに、細かな粉が周辺設備へ再付着する」

「設備下に溜まった粉体をかき出すと周囲へ飛散する」

といった問題が発生することがあります。

床面清掃というと、

ほうき

ちりとり

という方法が一般的です。

しかし、対象物が細かな粉体の場合には、

ほうきで動かす

粉じんが舞い上がる

周囲へ拡散する

可能性があります。

その結果、

一度集めた粉体が再び床へ落ちる

周囲の設備へ付着する

作業員の周辺へ粉じんが広がる

といったことが起こる場合があります。

こうした現場では、

粉体を広く掃き集めるのではなく、発生場所・堆積場所から吸引しながら回収する

方法を検討できます。

空気搬送機「ジェクター」は、圧縮空気を利用して対象物を吸引し、そのまま排出側へ搬送する装置です。

例えば、

床面の粉体

吸引ホース

ジェクター

排出ホース

回収設備

という構成です。

これによって、

床面清掃

回収

搬送

を一連の工程として行える可能性があります。

本記事では、工場の粉じんをできるだけ舞い上げずに床面の粉体・粒体を回収する考え方について解説します。


なぜほうきで掃くと粉じんが舞う?

床面に堆積した粉体をほうきで掃くと、

ほうき

粉体へ接触

細かな粒子が空気中へ

という状態になることがあります。

特に、

  • 微細な粉体
  • 乾燥した粉体
  • 嵩密度の小さい粉体
  • 軽く飛散しやすい粉体

では、清掃時に粉じんが発生しやすくなります。


「集める動作」そのものが粉体を動かす

例えば、

床面

2m四方に粉体が散らばっている

場合です。

これをほうきで一箇所へ集めるには、粉体を床面上で何度も移動させる必要があります。


粉体を動かす回数が増える

広い範囲から、

中央へ集める

ちりとりへ

袋へ

と、何度も材料を動かします。

そのたびに細かな粉じんが舞う可能性があります。


粉じんが舞うと清掃効率も下がる

例えば、

床から舞い上がった粉じん

空気中

時間が経つ

再び床へ

となれば、一度清掃した場所へ粉体が戻る場合があります。


周辺設備へ付着する可能性も

舞い上がった粉じんは、

  • 製造設備
  • 架台
  • 配管
  • ケーブル

などへ付着する場合があります。


床だけを掃除して終わらない場合もある

つまり、

床清掃

粉じんが舞う

周囲へ付着

別の清掃が必要

となる可能性があります。


吸引回収という考え方

そこで、

粉体を床面上で広く動かさず、その場から吸引する

方法を考えます。


基本的な流れ

床面

吸引ホース

ジェクター

排出ホース

回収先

です。


粉体を一箇所へ集める工程を減らせる可能性

ほうきの場合、

広い範囲

一箇所へ集める

必要があります。

吸引の場合には、

ホース

粉体

と直接回収できます。


「掃く」のではなく「吸う」

これによって、粉体を床面上で移動させる距離・回数を減らせる可能性があります。


活用例① 設備周辺のこぼれ粉

例えば、

原料投入

少量こぼれる

設備周辺へ堆積

という現場です。


毎日少しずつ清掃

現在、

作業終了

ほうき

設備周辺清掃

としている場合があります。


吸引ホースで局所回収

設備周辺

吸引ノズル

ジェクター

とすることで、対象物を直接回収できます。


活用例② 壁際

床面清掃で手間がかかりやすいのが、

壁際
巾木周辺

などです。


ほうきで何度もかき出す必要がある

細かな粉体が壁際へ入ると、

ほうき

手前へかき出す

再度集める

という作業になります。


ホースで壁際から直接吸引

吸引ノズルを壁際へ沿わせることで、その場から回収できる可能性があります。


活用例③ 設備の脚・架台周辺

工場設備には、

  • 架台
  • 支柱

などがあります。

その周囲へ粉体が入り込むと、ほうきを細かく動かして清掃する必要があります。


複雑な形状でもホースならアクセスしやすい

吸引ホースやノズルを利用し、

脚周辺

局所吸引

する方法を検討できます。


活用例④ 設備下部

設備下部は、

ほうき

奥まで届かない

場合があります。


かき出すと粉じんが手前へ広がる場合も

例えば、

設備下

粉体

長いブラシでかき出す

とすると、粉体を大きく動かすことになります。


ホースを設備下へ入れる

吸引ホース

設備下部

粉体

とすれば、その場から回収できる可能性があります。


活用例⑤ 配管下・ケーブル周辺

床面に、

配管
ケーブル
その他設備

があると、清掃しにくくなります。


ホースを隙間へ通す

大型の清掃設備を動かすのではなく、

吸引ホース

狭い部分

へ入れて回収できる場合があります。


活用例⑥ ピット・溝

床へこぼれた粉体・粒体が、


ピット

へ入る場合があります。


上部から吸引

例えば、

ピット開口部

吸引ホース

底部

という方法を検討できます。

ただし、ピット等の作業では現場固有の安全条件を確認する必要があります。


粉じん対策では「回収後」も重要

床面でうまく吸引できても、

排出側

粉じんが大量に出る

のであれば、工場全体としては問題が残ります。


吸引場所だけ見ない

設備構成は、

床面

ジェクター

排出ホース

回収先

まで一つのシステムとして考えます。


排出先を開放すると粉じんが発生する可能性

例えば、

ジェクター

ホース

開放容器へ排出

の場合です。

対象物によっては、排出時に粉じんが発生する可能性があります。


集粉設備との組み合わせを検討

こうした場合、

回収

搬送

集粉

まで考えます。


ジェクロンとの組み合わせ

エコ・ワークでは、集粉機「ジェクロン」とジェクターを組み合わせた設備構成も検討できます。

例えば、

床面の粉体

ジェクター

搬送

ジェクロン

集粉・回収

です。


「吸引できる」だけでなく「粉じんをどう処理するか」

微細な粉体を扱う場合には、

回収方法

搬送方法

排出・集粉方法

をセットで検討することが重要です。


工場用掃除機との違いは?

工場の床清掃では、

産業用掃除機

なども選択肢になります。


掃除機が適するケース

例えば、

  • 清掃量が少ない
  • 回収場所が近い
  • 本体容器へ溜めればよい
  • 短時間の清掃

などです。

このような場合には、産業用掃除機の方が合理的なケースもあります。


ジェクターが活きやすいケース

一方、

  • 回収量が多い
  • 回収場所が離れている
  • 吸引後にそのまま搬送したい
  • 設備下・狭所など複数箇所から回収したい
  • 回収後の袋詰め・台車運搬を減らしたい

場合には、ジェクターを検討できる可能性があります。


本体容器への貯留ではなく搬送

ジェクターの特徴は、

吸引

そのまま排出側へ搬送

できることです。


回収と運搬を一体化

例えば現在、

床清掃

掃除機

本体から回収物を取り出す



台車

回収場所

なら、



ジェクター

排出ホース

回収場所

という方法を比較できます。


「最終的にどこへ運ぶか」で設備を選ぶ

清掃設備を選ぶ際には、

何で吸うか

だけでなく、

吸った後、どこへ持っていくか

を見ることが重要です。


回収場所が近い場合

例えば、

清掃場所

5m

回収容器

なら、シンプルな回収設備でも十分な場合があります。


回収場所が遠い場合

例えば、

清掃場所

80m

廃材置場

なら、長距離搬送まで含めて検討する価値があります。


ジェクターでは条件によって長距離搬送が可能

ジェクターでは条件によって、

排出側200m程度

の搬送が可能なケースがあります。


工場内をホース・配管で搬送

例えば、

製造設備エリア

ジェクター

排出ホース

建屋端部の回収場所

という構成です。


高さ方向にも搬送できるケース

条件によっては、

高さ100m程度

の搬送が可能なケースもあります。


床面から上階の回収設備へ

例えば、

1階

ジェクター

上階の回収設備

とする方法を検討できます。


ただし能力は対象物によって異なる

200m・100mという数値は、すべての材料・条件で保証されるものではありません。

確認するのは、

  • 粒径
  • 嵩密度・比重
  • 含水率
  • 付着性
  • 搬送量
  • ホース径
  • 水平距離
  • 高低差
  • 曲がり

などです。


粉じんが舞いやすい材料ほど性状確認が重要

微細な粉体では、

吸引そのもの

はできても、

  • ホース内への付着
  • 搬送先での飛散
  • フィルター負荷

などを確認する必要があります。


確認① 粒径

どの程度細かな粉体か。


微細なほど粉じん対策が重要になる場合がある

粒径が非常に小さい場合には、清掃時の飛散だけでなく、搬送・排出時の管理も重要です。


確認② 嵩密度・比重

軽い粉体と重い粉体では搬送条件が異なります。


確認③ 含水率

乾燥した粉体か、

湿っている粉体か

を確認します。


湿ると飛びにくくても付着しやすい場合がある

例えば、

乾燥

飛散しやすい

湿潤

壁面へ付着しやすい

というように、別の問題が発生する場合があります。


確認④ 付着性

床面へ付着している粉体は、

吸引力だけでは剥がれない

場合があります。


固着している場合は事前に崩す

例えば、

固着

ブラシ・その他の方法で崩す

ジェクターで吸引

という方法が必要になる場合があります。


確認⑤ 異物

床面には、

目的の粉体だけ

があるとは限りません。


大きな異物が混ざる場合

例えば、

  • 紙片
  • ビニール
  • 金属片
  • その他のゴミ

などです。

サイズや形状によっては、ホースやジェクター内部で閉塞する可能性があります。


異物だけ事前除去する方法

大きな異物

人力で除去

粉体・粒体

ジェクター

という役割分担も有効です。


粉じん清掃では安全性の確認も重要

粉体にはさまざまな性質があります。

例えば、

  • 可燃性
  • 爆発性
  • 有害性
  • 反応性

などです。


「粉だから吸えばいい」とは判断しない

対象物によっては、

設備
作業方法
周辺環境

について特別な安全対策が必要になります。


静電気にも注意

粉体を空気で搬送する際には、対象物・ホース・設備条件によって静電気が発生する可能性があります。


対象物ごとに確認

例えば、

  • 材質
  • 接地
  • ホース
  • 周辺雰囲気

などを確認します。


粉じん爆発リスクがある材料では個別評価が必要

可燃性粉じん等を扱う場合には、

ジェクターで物理的に搬送できるか

だけではなく、

その設備・使用方法が現場の安全要求を満たせるか

を個別に検討する必要があります。


清掃時間を計測してみる

粉じん清掃を省力化する際には、まず現在の作業を数字にすると分かりやすくなります。


例えば

設備周辺清掃

30分

床全体

30分

回収物の袋詰め

15分

運搬

15分

合計

90分/日

という現場です。


年間では375時間

年間250日なら、

90分 × 250日
=22,500分

375時間/年

になります。


2人作業なら750人時

2人で作業している場合には、

750人時/年

です。

※あくまで工数を考えるための計算例です。


粉じん対策と省力化を同時に考える

例えば、

現在:

ほうき

粉じん飛散



台車

改善案:

吸引ホース

ジェクター

搬送

回収・集粉設備

です。


清掃方法だけを変えるのではない

ポイントは、

「ほうきを吸引に変える」

だけではありません。


回収後の作業もまとめて改善

  • 集める
  • 吸う
  • 袋に入れる
  • 運ぶ
  • 排出する

という工程のどこまでを連続化できるか考えます。


そもそも床へ落ちる量を減らせないか?

床清掃を省力化すると同時に、

粉体がこぼれる原因

も確認することをおすすめします。


例えば原料投入時にこぼれる場合

現在:



ホッパーへ手投入

周囲へ粉体

なら、

袋・原料供給位置

ジェクター

ホッパー

とする方法を検討できる可能性があります。


設備排出口から落ちる場合

現在:

設備



清掃

なら、

設備

ジェクター

回収先

とできないか検討します。


「掃除を速くする」より「汚れない工程」にする

床面清掃の記事ですが、最終的には、

粉体を床へ落とさない

ことが最も大きな省力化になる場合があります。


発生源回収+清掃回収

例えば、

設備から通常発生する粉体

ジェクターで直接回収

突発的に床へこぼれた粉体

吸引ホースで清掃

という組み合わせも考えられます。


実物による搬送テストを推奨

粉体は材料によって性状が大きく異なります。

そのため、

「微粉だからジェクターで吸える」

とは一概に判断できません。


床にある状態で確認

可能であれば、

実際に工場の床で回収している状態

に近い対象物を使用します。


テストで確認したいこと

  • 安定して吸引できるか
  • 粉じんの発生状態
  • 必要な回収速度が得られるか
  • ホースへ付着しないか
  • 閉塞しないか
  • 必要距離を搬送できるか
  • 排出時の状態
  • 集粉設備との組み合わせ

などです。


写真・動画でも初期検討できる

例えば、

  • 床面へ堆積した粉体
  • 現在の清掃範囲
  • 設備下部
  • 現在のほうき清掃
  • 回収先

などの写真が参考になります。


清掃動画も有効

例えば、

ほうきで掃く

粉じんが舞う

様子が分かれば、現在の課題を把握しやすくなります。


問い合わせ時に確認したい情報

対象物

何の粉体・粒体か。

粒径

おおよその大きさ。

嵩密度・比重

分かる範囲で構いません。

含水率

乾燥・湿潤状態。

付着性

床へ付着するか。

回収量

1日・1回あたりどの程度か。

清掃面積

どの程度の範囲か。

清掃頻度

毎日、毎シフトなど。

現在の作業人数・時間

何人で何分か。

異物

床面に他のゴミが混ざるか。

回収先

どこへ送るのか。

搬送距離・高低差

回収場所までの条件。


「ほうきで掃くと粉が舞う」からご相談いただけます

ジェクターの導入が決まっている必要はありません。

例えば、

「工場の床清掃で粉じんが舞う」

「設備周辺の粉を毎日掃いている」

「細かい粉が設備下へ入り込む」

「清掃後に袋へ詰めて運んでいる」

「吸引した粉体をそのまま離れた場所まで送りたい」

「ジェクターと集粉設備を組み合わせられるか知りたい」

という段階からでも構いません。


空気搬送機「ジェクター」の詳細

ジェクターの機種・基本構造・搬送能力・活用事例については製品ページでも紹介しています。

→ 空気搬送機「ジェクター」の詳細はこちら

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まとめ

工場の床へ細かな粉体がこぼれる場合、

ほうき

粉体を集める

という清掃方法では、対象物によって粉じんが舞い上がることがあります。

その結果、

  • 周辺への再飛散
  • 設備への再付着
  • 再清掃
  • 袋詰め
  • 回収後の運搬

など、清掃工程が増える場合があります。

こうした現場では、

床面

吸引ホース

ジェクター

排出ホース

回収・集粉設備

という方法を検討できます。

これによって、

粉体を床面上で広く動かさず、その場から吸引して回収する

ことができます。

さらにジェクターでは、吸引した対象物をそのまま排出側へ搬送できるため、

  • ほうきによる集積
  • ちりとり・スコップによる回収
  • 中間袋への投入
  • 袋交換
  • 台車運搬

などを減らせる可能性があります。

また条件によって、

排出側200m程度の長距離搬送、高さ100m程度の搬送

が可能なケースもあります。

一方、実際の搬送可否・能力は、

  • 粒径
  • 嵩密度・比重
  • 含水率
  • 付着性
  • 固結
  • 異物
  • 搬送量
  • 搬送距離
  • 高低差
  • ホース・配管径

などによって変わります。

さらに粉体によっては、

  • 静電気
  • 可燃性
  • 粉じん爆発
  • 有害性
  • 反応性

などのリスクを確認する必要があります。

そのため、導入前には実際の対象物・現場環境を確認し、必要に応じて搬送テストを行うことが重要です。

「床をほうきで掃くと粉じんが舞う」

「工場内の粉体清掃に時間がかかっている」

「設備下や壁際の粉を効率よく吸引したい」

「回収後の袋詰め・台車運搬まで減らしたい」

「粉体を回収しながら離れた集粉設備まで送りたい」

という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。

対象物・現在の清掃方法・回収量・作業時間・搬送距離・粉じんの発生状況などを確認し、必要に応じて実物による搬送テストを行いながら、ジェクターやジェクロンを活用した現場に適した粉体回収方法をご提案いたします。


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