この記事でわかること
- 軽量廃材が「軽いのに運搬が大変」になる理由
- かさばる廃材で袋交換が増える理由
- 袋詰め・台車運搬を減らす考え方
- ジェクターで軽量廃材を直接回収する方法
- 離れた回収場所までホース搬送する方法
- 加工設備から直接回収する設備構成
- 発泡スチロールくずなどへの活用
- 軽量物でも形状によって閉塞する可能性がある理由
- 長距離・高所搬送を検討するポイント
- 実際の資材で搬送テストする重要性
はじめに
工場や加工現場では、
- 発泡スチロールくず
- 軽量な樹脂系廃材
- 木質系の加工くず
- 細かな端材
- 軽い破片
など、重量そのものはそれほど大きくない廃材が発生することがあります。
こうした資材について、
「軽いから運搬は楽なのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし実際には、
軽量だからこそ、かさばって運搬回数が増える
ことがあります。
例えば、
加工設備
↓
軽量廃材が発生
↓
袋へ入れる
↓
袋がすぐ満杯
↓
新しい袋へ交換
↓
台車で廃材置場まで運ぶ
という工程です。
1袋あたりの重量は軽くても、
1日に何袋も発生する
のであれば、
- 袋の準備
- 袋交換
- 台車への積載
- 運搬
- 廃材置場での積み替え
といった作業が繰り返されます。
このような軽量・中軽量物では、空気搬送機「ジェクター」を利用し、
廃材発生場所
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
大きな回収場所
へ直接搬送する方法を検討できます。
本記事では、かさばる軽量廃材の袋詰めや台車運搬を減らす考え方について解説します。
軽量廃材が「軽いのに大変」な理由
例えば発泡スチロールのような資材では、
重量
↓
非常に軽い
一方、
体積
↓
大きい
という特徴があります。
袋の重量より「容積」が先に限界になる
例えば廃材袋へ、
軽量くず
↓
投入
↓
投入
↓
投入
していくと、
重量はそれほど重くない
にもかかわらず、
袋の容積がいっぱい
になることがあります。
そのため交換回数が増える
例えば、
1袋10kg
まで入るはずでも、
軽量資材では、
2kg
↓
袋がいっぱい
という場合があります。
この場合、
重量ではなくかさによって交換回数が決まります。
1日何回も袋交換する現場もある
例えば、
1時間に1袋
×
8時間
なら、
1日8回
袋を交換します。
年間250日なら、
2,000回
の交換作業になります。
1回の作業は短くても年間では大きい
例えば袋交換に、
3分
かかるとしても、
3分
×
2,000回
なら、
年間100時間
になります。
これに台車運搬などが加わります。
現在の工程を書き出してみる
例えば、
加工設備
↓
軽量廃材
↓
袋へ投入
↓
袋満杯
↓
袋を閉じる
↓
台車へ載せる
↓
廃材置場まで運ぶ
↓
新しい袋をセット
という工程です。
本当に必要なのは「袋に入れること」?
この工程の目的は、
袋を交換すること
ではありません。
本来の目的は、
加工設備から発生した廃材を、最終的な回収場所まで移動させること
です。
途中の袋詰めをなくせないか?
そこで、
加工設備
↓
ジェクター
↓
回収設備
と直接送れないか検討します。
ジェクターとは?
ジェクターは圧縮空気を利用して資材を吸引・搬送する空気搬送機です。
粉体・粒体だけでなく、条件によって、
軽量物・中軽量物
も搬送できます。
軽量廃材をホースで送る
例えば、
床面の加工くず
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
大型回収容器
という構成です。
小さな袋を何度も交換しない
例えば現在、
45L・90Lなどの袋
へ何度も回収している場合でも、
ジェクター
↓
大きな回収場所
へ直接送ることができれば、途中の袋交換を減らせる可能性があります。
回収場所を大きくする
例えば、
- 大型バッグ
- 大型コンテナ
- 回収サイロ
- 廃材処理設備
などへ直接送ります。
活用例① 発泡スチロール加工くず
発泡スチロール加工工場では、
- 粉末状くず
- 小さな破片
- 切削くず
などが発生します。
非常に軽いため、袋へ入れてもすぐにかさばることがあります。
袋交換+運搬が発生
従来、
加工くず
↓
袋
↓
満杯
↓
台車
↓
廃材置場
としている場合です。
これを、
加工くず
↓
ジェクター
↓
大型回収場所
へ変更できないか検討します。
活用例② 軽量樹脂加工くず
樹脂加工工程でも、
- 細かな端材
- 小さな破片
- 軽量な加工くず
などが発生する場合があります。
形状・サイズなどの条件が合えば、ジェクターによる回収を検討できます。
活用例③ 木質系の加工くず
木質材料でも、
- 細かな木片
- 軽量なチップ
- ペレット由来のカス
などは空気搬送を検討できるケースがあります。
木質系でも形状確認が重要
例えば、
細かな木片
と、
長い木片
では条件が異なります。
長いものはホース内部で引っ掛かる可能性があります。
活用例④ 製造工程の副産物
製品ではなく、
製造工程から出る副産物
が軽量な場合にも活用できます。
例えば、
製造設備
↓
軽量副産物
↓
箱へ入れる
↓
人が回収
としている場合です。
製品ラインだけでなく「廃材ライン」も設備化する
工場では、
製品
↓
自動搬送
でも、
廃材
↓
人力搬送
になっていることがあります。
廃材処理も一つの工程
例えば、
製造設備
↓
廃材発生
↓
ジェクター
↓
廃材処理設備
とできれば、廃材処理工程も設備化できます。
メリット① 袋交換回数を減らせる
最も分かりやすいメリットです。
例えば、
1日10回
袋交換していた作業を、
大型回収容器
↓
1日1回
にできれば、交換回数を減らせます。
メリット② 台車運搬を減らせる
袋が満杯になったら、
台車へ積む
↓
廃材置場まで運ぶ
という作業が発生します。
ホースで廃材置場まで送る
ジェクターでは、
廃材発生場所
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
廃材置場
と直接搬送できます。
「人が運ぶ距離」をホースへ置き換える
例えば、
毎回50m
↓
台車運搬
しているなら、
ジェクター
↓
排出ホース50m
へ変更できないか検討します。
メリット③ 途中の積み替えを減らせる
例えば、
加工くず
↓
小袋
↓
大型袋へ移し替え
↓
搬出
としている場合です。
直接大型回収場所へ送ることができれば、
小袋
↓
大袋
という積み替えを減らせる可能性があります。
メリット④ 廃材回収場所を集約できる
工場内に、
加工設備A
加工設備B
加工設備C
がある場合です。
それぞれに廃材袋が置かれていると、
各設備
↓
袋交換
↓
運搬
が必要です。
一か所へ集める
ジェクターを活用して、
複数設備周辺
↓
回収
↓
共通の廃材回収場所
とできれば、回収場所を集約できます。
メリット⑤ 飛散しやすい資材にも
軽量廃材は、
袋へ入れる途中
や、
ほうきで集める途中
に飛散することがあります。
吸引してホース内へ取り込む
資材が発生した場所で、
吸引
↓
ホース内部
↓
回収場所
とできれば、開放状態で扱う時間を減らしやすくなります。
「清掃してから回収」ではなく直接吸引
例えば、
加工設備周辺
↓
くずが散らばる
↓
ほうき
↓
袋
ではなく、
加工設備周辺
↓
吸引ホース
とします。
加工設備から直接回収できる場合もある
さらに、
加工くずが一定箇所から排出
される設備なら、
床に落とす必要すらない可能性があります。
排出口とジェクターをつなぐ
例えば、
加工設備
↓
くず排出口
↓
ジェクター
↓
回収場所
です。
廃材が発生した時点で搬送
これなら、
発生
↓
床へ落下
↓
清掃
ではなく、
発生
↓
搬送
とできます。
作業そのものを消すという考え方
省力化では、
今の作業を速くする
だけでなく、
その作業を発生させない
ことも重要です。
袋交換を速くするより袋をなくす
例えば、
袋交換に便利な治具を導入
する方法もあります。
しかし設備条件が合えば、
そもそも中間袋を使用しない
方が工程を短縮できる場合があります。
ジェクターは吸引後にそのまま搬送できる
一般的な清掃設備では、
吸引
↓
本体内部へ回収
した後、
本体を移動
↓
中身を捨てる
必要があります。
ジェクターでは排出側へ送り続ける
ジェクターは、
吸引
↓
ジェクター
↓
排出
という流れです。
そのため、
回収場所までそのまま送れる
ことが特徴です。
吸引側は短くする
ジェクターの基本運用では、
吸引側5m程度を推奨
しています。
現場によっては10m程度で使用されるケースもあります。
回収物の近くにジェクターを置く
例えば、
加工設備
↓
吸引3m
↓
ジェクター
とします。
長い距離は排出側
その後、
ジェクター
↓
排出ホース
↓
廃材回収場所
へ送ります。
条件によって排出側200m程度
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度
の搬送が可能なケースがあります。
そのため、廃材回収場所を加工ラインのすぐ横へ置けない場合にも検討できます。
建屋外へ送ることも検討
例えば、
工場内部
↓
加工くず発生
廃材コンテナ
↓
建屋外
という場合です。
ジェクター
↓
排出ホース
↓
建屋外
とできる可能性があります。
高低差にも対応できる場合がある
条件によっては、
高さ100m程度
の搬送が可能なケースもあります。
例えば、
加工設備
↓
上階の回収設備
などです。
軽いから距離を気にしなくてよいわけではない
軽量物でも、
- 形状
- サイズ
- 発生量
- ホース径
- 曲がり
- 高低差
によって搬送条件は変わります。
特に「かさばる形状」に注意
例えば、
軽いが大きい破片
の場合です。
ホースへ入ったとしても、
曲がり部分で引っ掛かる
可能性があります。
搬送可否を判断するポイント① 最大サイズ
平均サイズだけでなく、
最も大きい廃材
を確認します。
例えば通常は数mmでも
ほとんど
↓
数mm
時々
↓
10cmの破片
なら、その10cmが閉塞原因になる可能性があります。
ポイント② 形状
例えば、
- 粒状
- 不定形
- 板状
- 繊維状
- フィルム状
などです。
細長いものは注意
長い資材は、
ホースの曲がり
接続部
などへ引っ掛かる可能性があります。
ポイント③ 静電気・付着
発泡系・樹脂系の軽量物では、静電気などによって付着する場合があります。
実際の資材で状態確認することが重要です。
ポイント④ 発生量
例えば、
1時間数kg
なのか、
連続して大量発生
するのかで設備条件が変わります。
軽い廃材ほど体積で見る
重量だけではなく、
1時間あたり何袋分発生するか
を見るのも分かりやすい方法です。
例えば1時間5袋
重量は20kgしかなくても、
1時間5袋
なら、袋交換・運搬作業は多くなります。
ポイント⑤ どこまで送りたいか
例えば、
10m先
50m先
100m先
などです。
ポイント⑥ 回収先
最終的に、
- 袋
- コンテナ
- サイロ
- 減容機
- その他処理設備
のどこへ送るかを決めます。
発泡スチロールなら減容設備との組み合わせも
発泡スチロールはかさばるため、
最終的に減容機などで処理するケースがあります。
この場合、
加工設備
↓
ジェクター
↓
減容工程
とできないか検討します。
袋に入れて減容機まで運ばない
現在、
加工くず
↓
袋
↓
台車
↓
減容機
なら、
加工くず
↓
ジェクター
↓
減容機周辺
とすることで中間工程を減らせる可能性があります。
ジェクターは圧縮空気で作動
ジェクターの動力は圧縮空気です。
供給源として、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置型コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
を利用できます。
既存の工場エアーを使える可能性
製造工場では、すでに圧縮空気設備が設置されていることがあります。
条件が合えば、そのエアーをジェクターへ利用できます。
確認するのは圧力・空気量
特に、
- 圧力
- 必要空気量
- 配管径
- 取り出し口
を確認します。
工場全体のコンプレッサーだけでは判断しない
大きなコンプレッサーがあっても、
ジェクター設置位置までの配管
が細ければ必要な空気量を確保できない場合があります。
実物テストが重要
軽量廃材では、
材料名だけでは搬送性を判断しにくい
ことがあります。
例えば同じ発泡系でも
細かな粒状
↓
搬送しやすい可能性
大きな板状
↓
ホースで引っ掛かる可能性
があります。
搬送テストで確認
実際の廃材を使い、
- 吸引状態
- ホース内部の流れ
- 曲がり部分
- 必要処理量
- 排出状態
などを確認します。
「袋が何袋出る」だけでも相談できる
例えば、
「1日20袋くらい軽い廃材が出る」
「重量は軽いが何度も台車で運んでいる」
「建屋外のコンテナへ直接送りたい」
といった情報からでも初期検討できます。
作業時間を測ってみる
省力化効果を見るには、
1日あたり、
- 袋交換に何分
- 運搬に何分
- 清掃に何分
使っているか確認します。
年間作業時間へ換算
例えば、
1日30分
×
年間250日
なら、
年間125時間
です。
軽量廃材でも、繰り返し作業なら改善効果が大きくなる可能性があります。
「軽量だから後回し」になっている工程を探す
工場では、
重量物の搬送
↓
優先して設備化
される一方、
軽量廃材
↓
人が運べる
↓
そのまま人力
になっている場合があります。
人ができることと人がやるべきことは別
軽いので人が持てるとしても、
毎日何十回も行う必要があるなら、省力化を検討する価値があります。
廃材工程も生産性改善の対象
製品を作る工程だけでなく、
廃材を、
回収
運搬
処理
する工程にも人件費と時間がかかります。
エコ・ワークでは現在の回収作業からご相談いただけます
ジェクターの機種を決めていただく必要はありません。
例えば、
「軽い廃材がかさばって困っている」
「袋交換が多い」
「台車運搬をなくしたい」
「廃材置場まで直接送りたい」
という現在の作業から設備構成を検討できます。
全国で運用方法もご案内
軽量物は、粉体や砂とはホース内部での挙動が異なる場合があります。
そのため、
- ジェクターの配置
- ホース径
- ホースルート
- 吸引方法
- 排出方法
などが重要です。
エコ・ワークでは機器の販売だけでなく、全国の現場でジェクターの使い方や運用方法の指導も行っています。
まとめ
発泡スチロール加工くずなどの軽量廃材は、
重量は軽くても、かさばるため回収・運搬回数が増えやすい
という特徴があります。
現在、
軽量廃材
↓
袋
↓
満杯
↓
交換
↓
台車
↓
廃材置場
としている場合には、
軽量廃材
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
大型回収場所
という工程を検討できます。
これによって、
- ほうきによる清掃
- 小袋への袋詰め
- 頻繁な袋交換
- 台車運搬
- 中間容器への積み替え
などを減らせる可能性があります。
また、加工設備から廃材が一定箇所へ排出される場合には、
加工設備
↓
ジェクター
↓
回収設備
と直接接続し、
「廃材が床へ落ちてから回収する」工程そのものをなくす
ことも検討できます。
ジェクターでは条件によって、排出側200m程度の長距離搬送や、高さ100m程度の搬送が可能なケースがあります。
ただし軽量物でも、
- 最大サイズ
- 形状
- 付着性
- 発生量
- ホース径
- 曲がり
- 搬送距離
- 高低差
によって使用可否や搬送能力は変わります。
「軽量廃材の袋交換が多い」
「かさばるので何度も運搬している」
「加工設備から廃材置場まで直接送りたい」
「発泡スチロールくずを減容設備まで搬送したい」
「人が運べる程度の軽い廃材だが、作業回数を減らしたい」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
実際の廃材・発生量・サイズ・現在の回収方法・搬送距離などを確認し、必要に応じて実物テストも行いながら、ジェクターを活用した軽量廃材回収・搬送の省力化をご提案いたします。
関連記事
ジェクターは粉体・粒体だけじゃない?軽量物・中軽量物の回収・搬送にも使える空気搬送機を解説
→ 粉体・粒体以外の軽量物をジェクターで搬送する基本的な考え方を紹介しています。

発泡スチロール加工くずを効率よく回収するには?軽量廃材をジェクターで吸引・搬送する方法
→ 発泡スチロール加工工場で発生する粉末状・破片状のくずを回収する方法を詳しく紹介しています。

工場内の「設備と設備の間」に残る人力搬送を減らすには?ジェクターを活用した工程改善を解説
→ 袋・台車・フォークリフトなどによる中間搬送を減らし、設備間を直接つなぐ考え方を紹介しています。

重機が入れない場所の資材回収はどうする?狭所・高所作業の効率化方法
→ 設備周辺や狭い場所の資材を吸引ホースで回収する方法を解説しています。

粉体・粒体搬送設備のデモはできる?導入前に確認したいポイントを解説
→ 実際の搬送物を使ってジェクターで安定して搬送できるか確認する方法を紹介しています。

