この記事でわかること
- ジェクロンの集粉フィルターの役割
- 粉体回収でフィルターが目詰まりする理由
- 自動逆洗とはどのような仕組みか
- 作業中に逆洗するメリット
- ジェクロンが搬送物と空気を分離する仕組み
- 微負圧状態で運転する理由
- 焼却灰・フライアッシュなど微粉体回収での活用
- ジェクロン導入時に確認したい圧縮空気・電源条件
- JC400とJC900の違い
- フィルター管理まで含めた設備選定のポイント
はじめに
焼却灰やフライアッシュなどの微粉体を回収するとき、
「集粉機のフィルターがすぐに詰まらない?」
「粉体を大量に吸ったら途中で掃除が必要?」
「フィルターを毎回手作業で清掃するの?」
と気になる方も多いのではないでしょうか。
粉体を集粉する設備では、空気中に含まれる細かな粉じんをフィルターで捕集します。
そのため運転を続けると、少しずつフィルター表面へ粉じんが付着します。
粉じんが蓄積すると、
- 通気性が低下する
- 空気が流れにくくなる
- 集粉能力へ影響する
- 清掃作業が必要になる
といった問題につながる可能性があります。
そこで集粉機「ジェクロン」には、
作業中にもフィルターへ付着した粉じんを自動的に落とす逆洗機能
が搭載されています。
本記事では、ジェクロンの自動逆洗機能と、粉体・粒体を安定して集粉・回収する仕組みについて解説します。
まずジェクロンとは?
ジェクロンは、空気搬送機「ジェクター」から送られてきた搬送物を受け入れ、
- 搬送物と空気を分離
- 粉じんをフィルターで捕集
- 搬送物を回収
するための集粉設備です。
基本的な構成は、
搬送物
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
ジェクロン
↓
フレコンバッグなどへ回収
となります。
ジェクターが、
吸引・搬送
を担当し、
ジェクロンが、
分離・集粉・回収
を担当します。
なぜ空気搬送には集粉が必要になる?
ジェクターでは、圧縮空気を利用して粉体・粒体を搬送します。
そのため排出側へ送られてくるのは、
搬送物だけではありません。
搬送に使用した空気も一緒に送られてきます。
つまり、
ジェクター
↓
搬送物+空気
↓
ジェクロン
という流れになります。
微粉体をそのまま排出すると粉じんが発生する場合がある
例えば、
- 焼却灰
- フライアッシュ
- 微粉原料
などを排出ホースからそのまま容器へ入れると、搬送空気によって細かな粉体が舞うことがあります。
そのため、
搬送物と空気を分離する工程
が重要になります。
ジェクロン内部ではどう処理する?
ジェクターから送られてきた、
搬送物+空気
はジェクロン内部へ入ります。
ジェクロンでは、
搬送物
↓
下部へ落下
空気
↓
集粉フィルター
↓
ターボファン
↓
排気
という流れで処理します。
搬送物と空気を分離する
ジェクロン内部では、搬送物が下部へ落下します。
一方、搬送空気はフィルターを通ります。
フィルターによって空気中に含まれる細かな粉じんを捕集しながら空気を排出します。
これによって、
粉体を回収しながら、搬送空気を処理する
ことができます。
集粉フィルターの役割
ジェクロンのフィルターは、
搬送空気に含まれる細かな粉じんを捕集する役割を持っています。
例えば、
焼却灰
↓
ジェクター
↓
ジェクロン
と搬送した場合、
比較的大きな搬送物は下部へ落下します。
一方、空気中へ浮遊している細かな粉じんはフィルターで捕集します。
なぜフィルターは目詰まりする?
フィルターは粉じんを捕集する設備です。
つまり、運転を続ければ当然、
フィルター表面へ粉じんが付着していきます。
例えば、
きれいなフィルター
↓
粉体を回収
↓
粉じんが付着
↓
さらに回収
↓
付着量が増える
という状態です。
粉じんが蓄積すると空気が通りにくくなる
フィルター表面を粉じんが覆うと、空気の通り道が少なくなります。
その結果、
- 通気抵抗が増える
- 吸引・集粉状態へ影響する
- 安定した運転が難しくなる
可能性があります。
そこで必要になるのが、
フィルターの清掃
です。
自動逆洗とは?
ジェクロンには、
フィルターへ付着した粉じんを自動的に払い落とす逆洗機能
があります。
通常の運転では、
搬送空気
↓
フィルター
という方向へ空気が流れます。
逆洗では、圧縮空気を利用してフィルターへ付着した粉じんを払い落とします。
パルスエアーでフィルターを清掃
ジェクロンでは、圧縮空気を利用してフィルターを逆洗します。
イメージすると、
フィルターに粉じんが付着
↓
パルス状の圧縮空気
↓
粉じんを払い落とす
↓
再び集粉
という流れです。
作業中にも自動的に逆洗する
ジェクロンの特徴は、
回収作業中にもフィルターを自動逆洗できること
です。
つまり、
作業停止
↓
フィルターを取り外す
↓
手作業で清掃
↓
再び取り付ける
↓
作業再開
を毎回行うことを前提とした設備ではありません。
自動逆洗のメリット① フィルターの目詰まりを抑える
最も大きな目的は、
フィルター表面への粉じんの蓄積を抑えること
です。
粉じんを定期的に払い落とすことで、フィルターの通気性を維持しやすくなります。
自動逆洗のメリット② 連続作業しやすくなる
例えば大量の焼却灰を回収する場合、
少量吸う
↓
フィルター清掃
↓
再び吸う
↓
また清掃
という作業では効率が下がります。
自動逆洗によって、
集粉しながらフィルターの状態を維持する
ことで、連続した回収作業を行いやすくなります。
自動逆洗のメリット③ 清掃作業の負担を抑えやすい
フィルターを頻繁に手作業で清掃する場合、
- 設備停止
- フィルター取り外し
- 清掃
- 再取り付け
などの作業が必要になります。
自動逆洗によって、こうした作業頻度を抑えやすくなります。
自動逆洗のメリット④ 微粉体を扱いやすくする
特に、
- 焼却灰
- フライアッシュ
- 細かな粉体
では、フィルターへ粉じんが付着しやすくなります。
こうした材料を扱う設備では、
フィルターをどう管理するか
が安定運転の重要なポイントになります。
ジェクロンでは内部を微負圧状態に調整
ジェクロンでは、ターボファンを使用しながら内部を微負圧状態に調整します。
ジェクターから送られてくる搬送空気を適切に処理しながら、
搬送物
↓
下部へ
空気
↓
フィルターへ
という流れを作ります。
なぜ微負圧にする?
ジェクターからは、搬送物とともに大量の空気が送られてきます。
その空気をジェクロン内部から適切に排出できなければ、安定した回収ができません。
そのためターボファンを利用して、ジェクロン内部の空気を処理します。
インバーターによって風量を調整
ジェクロンでは、インバーターを利用してターボファンの風量を調整します。
使用するジェクターや搬送条件に合わせて内部状態を調整します。
そのため、
ジェクロン単体ではなく、ジェクターからジェクロンまでを一つのシステムとして考える
ことが重要です。
自動逆洗にも圧縮空気を使用する
ジェクロンの逆洗には圧縮空気を使用します。
そのため設備導入時には、
ジェクロンへ圧縮空気を供給できるか
も確認します。
ジェクターも圧縮空気を使用する
ジェクター自体も圧縮空気によって作動します。
圧縮空気は、
- 可搬式コンプレッサー
- 据置コンプレッサー
- 条件を満たした工場内エアー
を利用できます。
工場内エアーを利用できる場合もある
工場に既設の圧縮空気設備がある場合には、条件が合えばジェクターやジェクロンへ供給できます。
ただし、
「工場にエアーがある」
だけでは判断できません。
確認したいのは、
- 圧力
- 空気量
- 配管径
- 取り出し口径
- 他設備との同時使用
などです。
特に空気量が重要
工場全体では十分なコンプレッサー能力があっても、
ジェクター・ジェクロンを接続する枝管が細い
場合には必要な空気量を供給できない可能性があります。
そのため、
実際に設備を使用する場所でのエアー条件
を確認します。
ジェクロンには電源も必要
ジェクター本体は圧縮空気を動力として使用しますが、ジェクロンではターボファンなどを使用するため電源が必要です。
JC400
三相200V・2.2kW
JC900
三相200V・3.7kW
です。
活用例① 焼却灰回収
自動逆洗機能を活用しやすい現場の一つが、
焼却灰回収
です。
焼却灰には細かな粉じんが含まれることがあります。
例えば、
焼却設備内部
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
ジェクロン
↓
フレコン
という構成です。
「吸う」だけではなく「集粉して回収する」
焼却灰では、
ジェクターで吸引できた
だけでは作業は終わりません。
排出側で、
- 搬送空気を処理
- 微粉を捕集
- フレコンへ回収
まで行う必要があります。
そこでジェクロンを組み合わせます。
活用例② フライアッシュ
フライアッシュなどの細かな粉体でも、フィルターによる集粉が重要になります。
空気中へ浮遊しやすい微粉体を扱う場合には、
搬送+集粉
を一つの設備構成として考えます。
活用例③ 工場内清掃
例えば、
コンベア下
↓
粉体が堆積
↓
毎日スコップ清掃
している現場です。
これを、
堆積粉体
↓
ジェクター
↓
ジェクロン
↓
フレコン
とできれば、
人力清掃から吸引回収へ変更
できる可能性があります。
活用例④ ブラスト材回収
ブラスト材の回収では、資材そのものだけでなく細かな粉じんが混ざる場合があります。
ジェクターによって搬送し、ジェクロン側で集粉することで、
回収と粉じん処理を一連の工程として構成
できます。
粉じんが多いほどJC900を選べばいい?
必ずしもそうではありません。
ジェクロンの機種選定では、
- 使用するジェクター
- 搬送物
- 搬送量
- 設置スペース
などを確認します。
単純に、
「粉じんが多い=JC900」
と判断するわけではありません。
JC400とは?
JC400は、
コンパクトで狭い場所にも設置しやすいタイプ
です。
対応するジェクターは、
- JT19
- JT38
です。
主な仕様は、
- 全高:2,511mm
- 全長:1,039mm
- 幅:1,200mm
- 三相200V・2.2kW
- 圧縮空気使用
です。
JC900とは?
JC900は、
複数のジェクターを使用する場合や大量回収にも対応するタイプ
です。
対応ジェクターは、
JT19~JT75
です。
主な仕様は、
- 全高:2,600mm
- 全長:1,668mm
- 幅:1,530mm
- 三相200V・3.7kW
- 圧縮空気使用
です。
フィルターの逆洗機能だけで機種を選ばない
JC400とJC900を選ぶときには、
フィルター性能だけを見るのではなく、
設備全体の処理条件
から考えます。
例えば、
JT38を使用する
↓
比較的小規模
↓
設置スペースが限られる
ならJC400を検討できます。
一方、
JT75を使用
↓
大量回収
ならJC900を検討します。
自動逆洗があればメンテナンス不要?
いいえ。
自動逆洗は、
フィルターの目詰まりを抑えながら運転するための機能
です。
設備をまったく点検しなくてよいという意味ではありません。
実際の運用では、
- フィルター
- ホース
- ジェクロン本体
- ジェクター
- 接続部
- エアー供給
などを確認する必要があります。
搬送物によって点検方法も変わる
例えば、
- 微粉体
- 湿気を含む材料
- 摩耗性材料
などでは、それぞれ注意するポイントが異なります。
設備選定では、
搬送できるかだけでなく、継続して運用できるか
まで考えることが重要です。
湿った粉体では状態確認が特に重要
湿った粉体では、
- フィルターへの付着
- ホースへの付着
- 固結
などが発生する可能性があります。
そのため材料によっては、事前に実際の資材を確認することが重要です。
必要に応じて搬送テストを行う
例えば、
- 初めて扱う粉体
- 微粉が非常に多い
- 湿り気がある
- 必要処理量が大きい
といった場合には、実際の搬送物を使用したテストを検討します。
テストでは、
- 安定して吸引できるか
- 必要搬送量が出るか
- ジェクロンで集粉できるか
- フィルターの状態
- フレコンへの回収状態
などを確認できます。
ジェクターの長距離搬送と組み合わせる
ジェクターでは条件によって、
排出側200m程度の長距離搬送
が可能なケースがあります。
そのため、
粉体がある場所
↓
ジェクター
↓
長距離搬送
↓
ジェクロン
↓
フレコン
という設備構成も検討できます。
ジェクロンを広い場所へ設置する
例えば、
設備内部は狭い
↓
ジェクターだけ近くへ設置
↓
50m搬送
↓
建屋外のジェクロン
↓
フレコン
という構成です。
フレコン交換やフォークリフト搬出を行いやすい場所へ回収物を集約できます。
ジェクターの吸引側は短くする
ジェクターでは、
吸引側を5m程度にすることを推奨
しています。
現場によっては10m程度で使用するケースもあります。
基本は、
回収物
↓
短い吸引ホース
↓
ジェクター
↓
長い排出ホース
↓
ジェクロン
という構成です。
自動逆洗が特に活きる現場
例えば、
- 微粉体を大量に回収する
- 長時間連続して回収する
- 焼却灰をフレコンへ回収する
- 定修工事で大量回収する
- 工場内清掃を定期的に行う
といった現場です。
こうした作業では、
集粉フィルターの状態を維持しながら作業できること
が重要になります。
ジェクロン導入前に確認したい情報
ジェクロンを検討するときには、
- 搬送物
- 粒径
- 水分
- 粉じんの量
- 回収量
- 必要処理能力
- 使用するジェクター
- 搬送距離
- 高低差
- 電源
- コンプレッサー・工場エアー
- 設置スペース
- 最終回収方法
などを確認します。
「フィルターが詰まらないか心配」という相談でもよい
ジェクロンの機種まで決めていただく必要はありません。
例えば、
「焼却灰を大量に回収したいけれどフィルターが心配」
「微粉が多い材料でも使える?」
「連続して作業できる設備を探している」
「工場エアーで逆洗できる?」
といった段階からご相談いただけます。
現場写真や搬送物の写真も役立つ
例えば、
- 搬送物
- 現在の回収作業
- 粉じんの発生状況
- ジェクター設置場所
- ジェクロン設置場所
などの写真があると、設備構成を検討しやすくなります。
エコ・ワークでは設備全体から提案
ジェクロンだけを選んでも、粉体回収システムは完成しません。
例えば、
搬送物
↓
吸引方法
↓
ジェクター
↓
ホース
↓
ジェクロン
↓
フレコン
まで一連の工程として考えます。
エコ・ワークでは、搬送物や現場条件を確認しながら、ジェクターとジェクロンを組み合わせた設備構成をご提案します。
全国で運用方法もご案内
ジェクター・ジェクロンでは、
- ジェクターの設置位置
- 吸引方法
- 排出ホースの取り回し
- ジェクロンの設置位置
- エアー供給
- フレコン交換方法
などによって実際の作業性が変わります。
エコ・ワークでは機器の販売だけでなく、全国の現場で使い方や運用方法の指導も行っています。
まとめ
ジェクロンは、ジェクターから送られてきた搬送物と空気を分離しながら、粉体を集粉・回収する設備です。
搬送空気はフィルターを通して処理し、搬送物は下部へ落下して回収します。
粉体を集粉し続けるとフィルターへ粉じんが付着しますが、ジェクロンには、
作業中にもフィルターへ付着した粉じんを自動的に払い落とす逆洗機能
が搭載されています。
これによって、
- フィルターの目詰まりを抑える
- 安定した集粉状態を維持しやすくする
- 連続した回収作業を行いやすくする
- 手作業でのフィルター清掃負担を抑える
ことにつながります。
特に、
- 焼却灰
- フライアッシュ
- 微粉体
- 工場内の堆積粉体
- ブラスト材
などを大量に回収する現場では、搬送能力だけでなく、
搬送後にどのように集粉し、フィルターを維持しながら回収するか
まで考えることが重要です。
「微粉体を大量に回収したい」
「フィルターがすぐ詰まらないか心配」
「長時間連続して集粉したい」
「焼却灰をジェクターで吸引してフレコンへ回収したい」
「JC400とJC900のどちらが合うか分からない」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
搬送物・処理量・搬送距離・エアー条件などを確認し、ジェクターによる吸引・搬送からジェクロンによる集粉・回収まで、現場に合わせた設備構成をご提案いたします。
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