この記事でわかること
- 鉄道の道床取替工事で発生するバラスト・砕石回収の課題
- 発生砕石を人力で集積・運搬する工程を省力化する考え方
- 空気搬送機「ジェクター」で砕石を吸引・搬送する方法
- JR東海が東海道本線の道床取替工事で実地検証した事例
- JT125を使用した検証で確認された内容
- 従来8人工から新工法5人工となった検証結果
- 一輪車等による砕石運搬を減らせる可能性
- 鉄道保線現場でジェクターを使用する際のメリット
- バラスト・砕石搬送で確認したい粒径・摩耗・含水状態
- 導入前に実際の砕石で搬送テストする重要性
はじめに
鉄道の線路を支える道床には、バラストと呼ばれる砕石が使用されています。
道床取替工事では、既設のバラストを掘削・撤去し、新しい砕石へ入れ替える必要があります。
その際には、
既設バラストを掘削する
↓
発生した砕石をかき出す
↓
一箇所へ集める
↓
一輪車等へ積み込む
↓
搬出場所まで運ぶ
といった作業が発生する場合があります。
こうした作業では、重量のある砕石を人力で何度も取り扱うため、
- 作業員の身体的負担
- 運搬要員の確保
- 搬出場所までの往復
- 限られた施工時間内での作業
などが課題になることがあります。
そこで検討できる方法の一つが、
発生したバラスト・砕石をその場から吸引し、ホースを通じて離れた場所まで搬送する「空気搬送」
です。
空気搬送機「ジェクター」は、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機です。
本体内部はシンプルなストレート構造で、モーターや回転羽根などの駆動部を持ちません。
鉄道保線作業でも対象となる砕石や施工条件が合えば、
道床から砕石をかき出す
↓
吸引ホースからジェクターで吸引
↓
排出ホースを通じて搬送
↓
施工場所から離れた位置へ排出
という方法を検討できます。
さらに、ジェクターによる発生砕石の搬送は机上のアイデアだけではありません。
JR東海では、東海道本線の道床取替工事において、ジェクターを使用した新しい工法の検討・実地検証が行われています。
本記事では、この実績も踏まえながら、鉄道保線・道床取替工事におけるバラスト回収・搬送を空気搬送によって省力化する考え方を解説します。
道床取替工事では「掘った後の砕石をどう運ぶか」も重要
道床取替工事では、
古いバラストを掘削する
だけで作業が終わるわけではありません。
掘削した後には、発生した砕石を施工場所から搬出する必要があります。
例えば、
道床掘削
↓
発生砕石をかき出す
↓
砕石を集積
↓
一輪車等へ積み込む
↓
搬出
↓
新しい砕石を運搬・投入
という工程です。
人力では同じ砕石を何度も取り扱うことがある
人力中心の施工では、
①道床から砕石を掘り出す
②吸い出しやすい位置・運びやすい位置へ集める
③一輪車等へ積み込む
④作業員が搬出場所まで運ぶ
⑤搬出場所で降ろす
というように、同じ砕石を複数回取り扱うことがあります。
砕石は重量物
バラストは重量のある砕石です。
そのため、
一輪車1台分
だけを見ると大きな負担に見えなくても、
何度も往復する
↓
施工時間中繰り返す
となれば、作業負担は大きくなります。
運搬要員も必要
砕石を一輪車等で搬出する場合、
掘削する人
+
砕石を集める人
+
運搬する人
など、複数の作業員が必要になる場合があります。
そこで、
「人が砕石を運ぶ工程を、機械による搬送へ置き換えられないか」
という考え方が重要になります。
空気搬送でバラスト・砕石を運ぶという考え方
空気搬送とは、空気の流れを利用して対象物をホース・配管内で搬送する方法です。
ジェクターを使用する場合、
発生砕石
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
搬出場所
という構成を検討できます。
人が砕石を持って移動するのではなく、砕石をホース内で移動させる
従来、
発生砕石
↓
一輪車へ積み込む
↓
人が移動
↓
搬出場所
だった工程を、
発生砕石
↓
ジェクターで吸引
↓
ホース内を搬送
↓
搬出場所
へ変更する考え方です。
吸引と搬送を一連の工程として行える
ジェクターは、
吸引した砕石を本体内部へ貯めて後から運ぶ
という設備ではありません。
吸引した対象物を、そのまま排出側へ搬送します。
そのため、
砕石を回収する工程と、施工場所から搬出する工程を一連の流れにできる可能性があります。
JR東海が東海道本線の道床取替工事でジェクターを実地検証
鉄道保線におけるジェクター活用については、実際の検証事例があります。
雑誌『新線路』2022年4月号に掲載されたJR東海による
「東海道本線における新たな道床取替工法の確立」
では、東海道本線の道床取替工事における作業負担軽減・省人化を目的として、新しい道床取替工法の検討が紹介されています。
その中で、
長距離空気搬送機「ジェクター」を使用し、発生砕石を吸引・搬送する方法
が検討され、実地で検証されています。
なぜ新しい工法が検討されたのか?
同記事では、従来の道床取替工事において、
- 道床掘削
- 発生砕石の集積
- 一輪車による発生砕石運搬
- バックホウ等による積み込み
- 新しい砕石の運搬・投入
など複数の作業があることが示されています。
中でも発生砕石を扱う工程には人力作業が含まれていました。
そこで、
作業員数を減らせること
などを条件として、新たな工法の検討が進められています。
「砕石を吸引して搬送する」という方法
検討された方法では、
道床から発生した砕石
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース
↓
離れた位置へ搬送
という空気搬送方式が採用されています。
つまり、
一輪車へ積む
↓
人が運ぶ
代わりに、
吸引
↓
ホースで搬送
する考え方です。
事前検証では粒径約20〜60mmの砕石を使用
『新線路』2022年4月号の記事では、砕石搬送に適したジェクターの規格を検討するため、事前の試験施工も行われています。
記事で報告されている試験材料は、
粒径約20〜60mm程度の砕石
です。
この事前検証を経て、実地検証では改良されたジェクター「JT125」が使用されています。
実地検証ではJT125を使用
実地検証で使用されたジェクターは、
JT125
です。
砕石のような比較的大きく重量のある材料を搬送するため、吸引側ホース径などを含む仕様検討を経て使用されています。
搬送側ホース延長30mでの使用を確認
同記事の実地検証では、
搬送側ホース延長30m
での使用が報告されています。
つまり、
施工箇所
↓
ジェクター
↓
30mの搬送ホース
↓
搬出側
という条件で発生砕石の搬送が検証されたことになります。
従来8人工から新工法5人工へ
特に注目したいのが、実地検証で報告された作業人数です。
『新線路』2022年4月号掲載のJR東海の記事では、
従来工法:8人工
新工法:5人工
となり、
3人工削減
という結果が報告されています。
なぜ人工を削減できたのか?
記事で示されている工程を見ると、新工法では、
従来必要だった発生砕石の集積作業
および
一輪車による発生砕石運搬
の工程を、ジェクターによる吸引・搬送へ置き換えています。
つまり、
人が砕石を集める
↓
一輪車へ積む
↓
搬出場所まで運ぶ
という作業の一部を、
砕石を直接吸引
↓
ジェクター
↓
ホース搬送
へ変更したことが、省人化につながっています。
ただし「ジェクターを使えば必ず3人工減る」わけではない
ここは重要です。
従来8人工
↓
新工法5人工
という数字は、
『新線路』2022年4月号掲載のJR東海の記事で報告された特定条件下の実地検証結果
です。
ジェクターを使用するすべての鉄道工事で、
必ず3人工削減できる
という意味ではありません。
現場条件によって省人化効果は変わる
実際の効果は、
- 施工範囲
- 発生砕石量
- 搬送距離
- 現在の作業方法
- 現在の作業人数
- 使用機種
- コンプレッサー能力
- ホースルート
- 現場設備
などによって変わります。
重要なのは、
実際の鉄道の道床取替工事で、発生砕石を空気搬送する方法が検討・実地検証され、省人化につながった事例がある
という点です。
鉄道保線で空気搬送を検討するメリット① 一輪車運搬を減らせる可能性
従来、
発生砕石
↓
一輪車
↓
搬出場所
としている場合です。
一輪車では、
積み込む
↓
運ぶ
↓
降ろす
↓
戻る
という往復作業が必要です。
ジェクターで、
発生砕石
↓
吸引
↓
ホース
↓
搬出場所
とできれば、一輪車等による反復運搬を減らせる可能性があります。
メリット② 重量物を人が取り扱う負担を減らせる可能性
バラストは重量のある資材です。
そのため、
スコップですくう
↓
一輪車へ積む
↓
人が押して移動する
という作業を繰り返せば、作業員への負担も大きくなります。
空気搬送へ置き換えられる工程が増えれば、
重量のある砕石を人が直接取り扱う回数を減らせる可能性
があります。
メリット③ 吸引場所と排出場所をホースでつなげられる
空気搬送では、
施工場所
↓
ホース
↓
搬出場所
とつなぎます。
人が砕石を持って移動するのではなく、砕石だけをホース内部で移動させる考え方です。
メリット④ 施工位置に合わせてホースを取り回せる
鉄道保線では、施工位置が線路に沿って移動していく場合があります。
ジェクターでは、
施工箇所A
↓
吸引
施工箇所B
↓
吸引ホースを移動
といった運用を検討できます。
メリット⑤ 重機を近くまで入れにくい場所でも検討できる
現場条件によっては、
バックホウ
運搬車
大型設備
などを施工位置のすぐ近くへ配置しにくい場合があります。
空気搬送では、
本体
↓
設置可能な場所
吸引ホース
↓
砕石のある場所
という配置を検討できます。
「重機が入るか」ではなく「ホースを通せるか」
空気搬送を検討する場合には、
大型車両が入れるか
だけではなく、
吸引・搬送ホースを施工場所まで取り回せるか
という視点で設備配置を考えることができます。
メリット⑥ 吸引と搬送を一連で行える
例えば従来、
掘削
↓
集積
↓
積み込み
↓
搬送
だったものを、
掘削・かき出し
↓
吸引
↓
搬送
へ近づけます。
中間工程を減らせれば、工程全体の省力化につながる可能性があります。
鉄道工事特有の「施工時間」も重要
鉄道保線工事では、列車運行・作業計画との関係から、施工可能な時間が限られる現場があります。
そのため、
単純に人件費を減らす
だけではなく、
限られた施工時間の中で、いかに効率よく発生砕石を搬出するか
も重要になります。
搬出工程がボトルネックになっていないか?
例えば、
掘削
↓
完了
でも、
砕石搬出
↓
一輪車待ち
となっていれば、工程全体の進行に影響する可能性があります。
連続的に搬送するという考え方
ジェクターでは、
砕石をかき出す
↓
吸引
↓
そのまま搬出
とできます。
そのため、集積後にまとめて人が運ぶ方式とは異なる工程設計を検討できます。
ジェクターとは?
空気搬送機「ジェクター」は、
お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機
です。
シンプルなストレート構造
ジェクター内部は、対象物が通過するシンプルなストレート構造になっています。
駆動部を持たない
モーター
回転羽根
ベルト
などの駆動部を持たず、圧縮空気によって作動します。
そのため、
ジェクター本体
+
コンプレッサー
+
吸引ホース
+
排出ホース
を組み合わせて搬送システムを構成します。
バラスト・砕石なら何でも搬送できるわけではない
JR東海による実地検証事例があるからといって、
「鉄道バラストならすべてジェクターで搬送できる」
とは判断できません。
対象物・設備・現場条件ごとの確認が必要です。
確認① 砕石の粒径
まず重要なのが、
砕石の大きさ
です。
平均粒径だけでなく、
最大粒径
を確認します。
砕石がジェクター本体・吸引ホースを安定して通過できるサイズかを確認する必要があります。
確認② 砕石の形状
砕石は均一な球状ではありません。
例えば、
- 角張っている
- 平たい
- 細長い
- 大小が混ざっている
などの個体差があります。
そのため、単純な直径だけではなく実物による確認が重要です。
確認③ 重量・嵩密度
砕石は比較的重量のある搬送物です。
必要な搬送能力に応じて、
- ジェクター機種
- ホース径
- コンプレッサー能力
などを選定します。
確認④ 含水状態
道床の状態や施工環境によっては、バラストが湿っている場合があります。
乾燥した砕石と、
水分を含んだ砕石
では搬送状態が変化する可能性があります。
また、細かな土砂などが混ざっている場合にも確認が必要です。
確認⑤ 発生砕石量
「吸えるか」
だけでは十分ではありません。
実際の工事では、
必要な施工能力を確保できるか
が重要です。
少量搬送できても処理速度が不足すれば省力化につながりにくい
例えば、
1時間あたり何m³必要なのか
一定区間の道床を何分で処理したいのか
といった条件を確認します。
そのうえで必要能力を満たせる構成を検討します。
確認⑥ 搬送距離
施工場所から、
どこまで砕石を送りたいか
を確認します。
例えば、
10m
30m
50m
では、必要条件が変わります。
JR東海の検証では搬送側ホース30m
『新線路』2022年4月号の記事では、
搬送側ホース延長30m
での使用が確認されています。
ただし、
「30mならどの鉄道バラストでも必ず搬送できる」
という意味ではありません。
砕石・コンプレッサー・ホース径・施工条件などによって能力は変わります。
確認⑦ 高低差
例えば、
道床
↓
低い位置
から、
回収場所
↓
高い位置
へ搬送するのであれば、高低差も確認します。
確認⑧ 曲がり
搬送ホースに、
急な曲がり
複数の曲がり
がある場合には、直線搬送とは条件が変わります。
搬送ルートはできるだけシンプルにすることが基本です。
確認⑨ コンプレッサー能力
ジェクターは圧縮空気によって作動します。
そのため、
- 圧力
- 空気量
- エアーホース径
- コンプレッサー能力
が重要です。
JR東海の検証でもコンプレッサーを含めて工法を検討
実際の『新線路』の記事でも、ジェクターだけではなく、コンプレッサーや吸引・搬送ホースを含めた設備構成で実地検証されています。
つまり、
ジェクター単体の能力ではなく、現場全体を一つの搬送システムとして考える必要があります。
砕石搬送では摩耗対策が特に重要
鉄道バラストのような硬い砕石を高速で搬送すれば、ホース・ジェクターへの摩耗が発生します。
排出部が最も摩耗しやすい
ジェクターで摩耗性の高い対象物を搬送する場合、
排出部が最も摩耗しやすい
部分になります。
セラミック補強耐摩耗ホース
摩耗性のある対象物については、
排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホース
などを使用して摩耗対策を行う方法があります。
砕石搬送では、通常の粉体以上にホース・接続部の状態を定期的に確認することが重要です。
曲がり部分も摩耗しやすい
砕石がホース内部を通過するとき、
直線
↓
曲がり
で内壁へ衝突します。
そのため、
急な曲がり
不要な蛇行
を減らすことは、
搬送効率
+
摩耗対策
の両面で重要です。
吸引ホースの耐久性も確認
『新線路』の記事では、実地検証期間中の吸引ホース・搬送ホースの使用状況についても確認されています。
実際の鉄道工事で導入する場合にも、
砕石との接触
取り回し
敷設場所
などを考慮し、ホースの耐久性を確認する必要があります。
粉じん・砕石の飛散にも注意
砕石搬送では、粗い砕石だけでなく、細かな砕石・粉じんが混在する場合があります。
そのため、
吸引側
↓
搬送
↓
排出側
まで含めた飛散対策を検討します。
JR東海の検証でも飛散防止が課題として確認されている
『新線路』2022年4月号の記事でも、
吸引した砕石の飛散防止対策が必要
であることが確認されています。
実際の現場では、
排出先
排出方法
養生
防護設備
などを施工条件に応じて検討する必要があります。
鉄道設備・安全ルールへの適合も必要
鉄道保線工事では、
- 軌道設備
- 電気設備
- 信号設備
- 作業員動線
- 列車運行
- その他周辺設備
への影響を確認する必要があります。
そのためジェクターを使用する場合にも、鉄道事業者・施工会社の安全基準や施工ルールに基づいて、
- ジェクター設置位置
- コンプレッサー設置位置
- エアーホース
- 吸引ホース
- 搬送ホース
- 排出位置
などを個別に検討する必要があります。
新工法をそのままコピーするのではなく、自社現場の「省力化できる工程」を探す
JR東海の検証結果を見て、
「同じ構成をそのまま導入する」
と考える必要はありません。
重要なのは、
現在、自社の道床取替工事でどの工程に最も多くの人手を使っているのか
を見ることです。
現在の施工工程を書き出す
例えば、
道床掘削
↓
発生砕石かき出し
↓
発生砕石集積
↓
一輪車へ積み込み
↓
砕石運搬
↓
搬出
↓
新砕石投入
です。
どこに人工が集中しているか?
例えば、
道床掘削
↓
2人
砕石集積
↓
3人
砕石運搬
↓
3人
なら、
発生砕石の集積・運搬だけで6人工
を使用していることになります。
※上記は説明用の例です。
ジェクターへ置き換えられる工程を考える
例えば、
発生砕石
↓
人が集積
↓
一輪車
↓
運搬
ではなく、
発生砕石
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
搬出場所
とできないかを検討します。
人をゼロにすることが目的ではない
ジェクターを使用しても、
道床を掘削する
砕石を吸引しやすい位置へかき出す
吸引ホースを操作する
など、人が必要な工程があります。
重要なのは、
人が行うべき作業と、機械へ任せられる反復運搬作業を分けること
です。
人は施工、ジェクターは運搬
例えば、
作業員
↓
道床掘削・砕石をかき出す
ジェクター
↓
砕石を吸引・搬送
という役割分担です。
重量物の反復運搬を機械化する
判断や細かな作業は人が行い、
重量のある砕石を何十回・何百回と移動させる
という作業を空気搬送へ置き換えることが、省力化につながる可能性があります。
現在の施工人工・時間を計測する
導入効果を検討する場合には、現在の施工方法を一度数値化すると分かりやすくなります。
例えば、
- 施工区間
- 道床掘削人数
- 発生砕石集積人数
- 発生砕石運搬人数
- 搬送距離
- 一輪車往復回数
- 発生砕石量
- 作業時間
などです。
人工だけでなく施工時間も見る
例えば、
発生砕石運搬
↓
3人工
だけでなく、
施工全体のうち何分を運搬に使っているか
まで確認します。
「人数×時間」で考える
例えば、
3人
×
60分
なら、
3人時
です。
ジェクター導入後に、
2人
×
30分
で対応できるなら、
1人時
になります。
※あくまで考え方を示す例であり、実際の削減効果ではありません。
JR東海の「8人工→5人工」も工程改善結果として見る
『新線路』2022年4月号の記事で報告された、
従来8人工
↓
新工法5人工
という結果も、
ジェクター単体の性能だけによる数字ではありません。
施工工程そのものを見直し、発生砕石の集積・一輪車運搬等をジェクターによる吸引・搬送へ変更した結果
として見ることが重要です。
実際のバラスト・砕石による搬送テストを推奨
鉄道バラストは、
- 粒径
- 形状
- 重量
- 摩耗性
- 水分
- 混入物
などが現場によって異なる可能性があります。
そのため、
「JR東海で使用された実績がある」
という理由だけで、自社現場でも問題なく使用できるとは判断できません。
実際の施工対象物で確認
可能であれば、
実際に道床取替工事で発生するバラスト・砕石
を使用して搬送テストを行います。
テストで確認したいこと
搬送できるか
まず砕石がジェクター・ホース内部を安定して通過できるか。
最大粒径
大きな砕石が閉塞しないか。
搬送能力
施工工程に必要な処理量を確保できるか。
搬送距離
実際に必要となる距離を搬送できるか。
高低差
高低差による能力への影響。
曲がり
搬送ルートによる能力変化。
摩耗
ホース・排出部への影響。
コンプレッサー
必要な圧力・空気量を確保できるか。
排出状態
砕石・粉じんの飛散がどの程度発生するか。
実際の施工条件を再現できると判断しやすい
例えば、
施工箇所
↓
30m先
↓
回収場所
なのであれば、その条件を想定して、
ジェクター
コンプレッサー
吸引ホース
搬送ホース
を組み合わせて検討します。
現場写真や図面も役立つ
お問い合わせ時には、
- 道床全体
- 発生砕石
- 施工区間
- 現在の砕石回収方法
- ジェクター設置候補場所
- コンプレッサー設置場所
- 搬送ルート
- 砕石排出場所
などが分かる写真・図面があると検討しやすくなります。
問い合わせ時にあるとよい情報
バラスト・砕石
実際に搬送したい対象物。
最大粒径
平均だけでなく最大サイズ。
形状
写真があると判断しやすくなります。
含水状態
乾燥・湿潤など。
発生量
施工区間・時間あたりどの程度か。
現在の作業人数
特に集積・運搬に何人必要か。
現在の作業方法
一輪車、バックホウ、台車等。
搬送距離
吸引場所から排出場所まで。
高低差
上り・下り。
ホースルート
曲がり・障害物等。
コンプレッサー
使用予定機の圧力・空気量。
希望施工能力
一定区間を何分程度で施工したいか。
「今は一輪車で砕石を運んでいる」という段階からご相談ください
例えば、
「道床取替で発生するバラストを一輪車で搬出している」
「発生砕石の集積・運搬に多くの人員を配置している」
「施工場所から搬出場所まで距離がある」
「重量物運搬の負担を減らしたい」
「重機を施工場所の近くまで入れにくい」
「ホースを使って線路沿いに砕石を搬送できないか」
「自社で使用しているバラストがジェクターで搬送できるか確認したい」
という段階からでも構いません。
空気搬送機「ジェクター」の詳細
ジェクターの機種・構造・搬送能力・使用事例については製品ページでも紹介しています。
→ 空気搬送機「ジェクター」の詳細はこちら

まとめ
鉄道の道床取替工事では、
既設バラストを掘削
↓
発生砕石をかき出す
↓
集積
↓
一輪車等へ積み込む
↓
搬出場所まで運ぶ
といった工程が発生する場合があります。
こうした作業では、
- 砕石の集積
- 積み込み
- 一輪車等による反復運搬
- 重量物の取り扱い
に多くの人手を必要とすることがあります。
空気搬送機「ジェクター」を使用すれば、
発生砕石
↓
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
搬送ホース
↓
搬出場所
と、
発生砕石の吸引と搬送を一連の工程として行う
方法を検討できます。
この方法は単なるアイデアではなく、実際の鉄道工事でも検討・実地検証されています。
雑誌『新線路』2022年4月号に掲載されたJR東海「東海道本線における新たな道床取替工法の確立」では、JT125を使用して発生砕石を吸引・搬送する新しい道床取替工法が検証されています。
同記事で報告された実地検証では、
従来工法:8人工
新工法:5人工
となり、
3人工削減
という結果が確認されています。
また、
搬送側ホース延長30m
での使用も報告されています。
ただし、これらは同記事で紹介された特定の施工条件における検証結果です。
ジェクターを導入するすべての鉄道工事で、
3人工削減できる
30mなら必ず搬送できる
という意味ではありません。
実際の搬送可否・能力は、
- 砕石の粒径
- 形状
- 重量・嵩密度
- 含水状態
- 発生量
- 必要搬送能力
- ホース径
- 搬送距離
- 高低差
- 曲がり
- コンプレッサー能力
- 施工環境
などによって変わります。
また、砕石は摩耗性の高い材料であるため、
最も摩耗しやすい排出部へ接続するセラミック補強耐摩耗ホース
などを使用した摩耗対策も重要です。
粉じん・砕石の飛散や鉄道設備への影響についても、施工現場ごとの安全基準に基づいて検討する必要があります。
そのため、実際に導入する前には、
現場で使用するバラスト・砕石を使った搬送テスト
をおすすめします。
「発生砕石の運搬に多くの人員を使っている」
「一輪車による砕石運搬を減らしたい」
「道床取替工事を省力化したい」
「施工場所から離れた場所まで砕石を直接搬送したい」
「鉄道工事でジェクターを活用できるか確認したい」
「実際のバラストで搬送テストをしたい」
という場合には、お気軽にエコ・ワークまでお問い合わせください。
実際のバラスト・砕石、最大粒径、発生量、現在の作業人数、搬送距離、施工環境、コンプレッサー等を確認し、必要に応じて実物による搬送テストを行いながら、ジェクターを活用した保線作業の回収・搬送方法をご提案いたします。
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粉体・粒体搬送設備のデモはできる?導入前に確認したいポイントを解説
→ 実際の対象物を使用して、搬送可否・処理能力・必要なコンプレッサー・ホース構成などを確認する方法を紹介しています。

参考資料
紺林慶太「東海道本線における新たな道床取替工法の確立」『新線路』2022年4月号
※本記事では、上記資料で公開されている実地検証結果・技術的事実を参考情報として紹介しています。雑誌記事の本文・写真・図・グラフ・表等の転載は行っていません。
