この記事でわかること
- PKS(Palm Kernel Shell)とは何か
- PKSがバイオマス燃料として利用される理由
- PKSの荷役・搬送工程で発生しやすい課題
- コンベア下や設備周辺にこぼれたPKSを回収する方法
- ジェクターを使ってPKSを吸引・搬送する方法
- 長距離搬送や既存設備への組み込みを検討する際のポイント
はじめに
PKS(Palm Kernel Shell:パーム椰子殻)は、パーム油の製造過程で発生するヤシ殻で、バイオマス燃料として利用されています。
バイオマス発電所などでは大量のPKSを取り扱うため、
荷揚げ → 貯蔵 → 搬送 → 燃料設備への供給
という工程が必要になります。
一方、実際の現場では、
- コンベア下にPKSがこぼれる
- 設備下や狭い場所にPKSが溜まる
- 荷役後に材料が残る
- スコップや一輪車で回収・運搬している
- 回収場所までの距離が長い
- PKSに混ざった細かな粉じんが舞う
といった課題が発生することがあります。
こうしたPKSの回収・運搬を省力化する方法の一つが、空気搬送機による吸引・搬送です。
実際のジェクターによるPKS回収動画
まずは、実際にPKSを回収している様子をご覧ください。
PKS(ヤシ殻)の吸引・搬送
→ 空気搬送機「ジェクター」を使用して、実際にPKSを吸引・搬送している現場の動画です。
このように、PKSがある場所まで吸引ホースを取り回し、吸い込んだPKSをホース・配管で別の場所まで搬送できます。
エコ・ワークが取り扱う空気搬送機「ジェクター」は、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機です。
内部はシンプルなストレート構造で、モーターなどの駆動部を持ちません。
そのため、
PKSを回収する
↓
容器へ入れる
↓
人や重機で運ぶ
という工程を、
PKSを吸引する
↓
ホース内を搬送する
↓
目的の場所へ直接排出する
という工程へ置き換えられる可能性があります。
※実際の搬送能力は、PKSの粒径・水分・粉化状態・必要搬送量・搬送距離・高低差・ホース径・曲がり・コンプレッサー能力などによって変わります。
PKS(Palm Kernel Shell)とは?
PKSとは、**Palm Kernel Shell(パームカーネルシェル)**の略称です。
パーム油を製造する際に発生するパーム椰子の殻で、木質チップや木質ペレットなどと同じようにバイオマス燃料として利用されています。
発電所などでPKSを使用する場合、大量の材料を継続的に取り扱うため、
- 船舶などからの荷揚げ
- 貯蔵
- コンベアなどによる搬送
- 燃料設備への供給
- こぼれ・残留物の回収
といった複数の工程が発生します。
そのため、PKSそのものを搬送する設備だけでなく、工程中にこぼれたり残ったりしたPKSをどう回収するかも重要になります。
PKSの搬送・荷役で発生しやすい課題
1.コンベア下や乗継部にPKSがこぼれる
PKSをベルトコンベアなどで搬送していると、乗継部や設備周辺から材料がこぼれる場合があります。
少量でも運転を続けることで徐々に堆積し、
- スコップで集める
- 容器へ入れる
- 一輪車で運ぶ
- 元の工程へ戻す
といった清掃・回収作業が必要になることがあります。
特にコンベア下は高さやスペースが限られ、人が作業しにくい場所もあります。
吸引ホースを取り回せる場所であれば、堆積したPKSを直接吸引して回収する方法を検討できます。
2.設備下・壁際・狭所に入り込む
PKSが設備周辺へこぼれると、スコップでは届きにくい場所へ入り込む場合があります。
例えば、
- コンベア下
- 設備下
- 壁際
- 機械の隙間
- ピット周辺
などです。
こうした場所では、材料を手前まで掻き出してから回収する必要があり、清掃作業に時間がかかります。
ホースを取り回せる条件であれば、吸引口を材料のある場所まで持っていき、その場からPKSを回収できます。
3.回収後の運搬に人手がかかる
PKS回収では、材料を集める作業だけでなく、その後の運搬も負担になります。
例えば、
スコップで回収
↓
一輪車へ投入
↓
回収場所まで移動
↓
材料を排出
↓
再び作業場所へ戻る
という工程です。
材料の発生場所と回収場所が離れているほど、実際には「拾う時間」よりも「運ぶ時間」の割合が大きくなる場合があります。
ジェクターでは、吸引したPKSをそのままホース・配管で搬送できるため、回収と運搬を一つの工程として考えることができます。
4.荷役後にPKSが残る
大量のPKSを荷役する現場では、設備や作業場所に材料が残ることがあります。
残った材料を最後だけ人力で回収している場合、
大量部分は機械化されているのに、最後の清掃工程だけ人手が必要
という状態になります。
ジェクターは、こうした主搬送設備を置き換えるだけでなく、既存設備では回収しきれない残留物を吸引する補助設備としても検討できます。
5.粉化したPKSや粉じんが発生する
PKSは荷役・搬送を繰り返す過程で、細かな材料が混在する場合があります。
微細な粉じんを含む場合には、PKSを吸引できるかどうかだけでなく、排出側で搬送エアーをどう処理するかも重要です。
対象物の粒度や粉じん量に応じて、集粉設備を組み合わせる方法を検討します。
PKS回収を省力化するポイントは「回収+運搬」
PKSの清掃を改善するとき、
「スコップ作業を機械化する」
だけで考えると、省力化できる範囲が限られます。
例えば現在、
コンベア下のPKSを集める
↓
一輪車へ入れる
↓
離れた回収場所まで運ぶ
↓
材料を排出する
↓
再びコンベアまで戻る
という工程になっている場合、負担になっているのは回収作業だけではありません。
そこで、
PKSをジェクターで吸引
↓
ホース・配管内を搬送
↓
回収場所へ直接排出
という工程にできれば、回収後の中間運搬まで減らせる可能性があります。
PKSの回収設備を検討するときは、
「どこにPKSが溜まっているか」
だけでなく、
「回収したPKSを最終的にどこへ持っていきたいか」
まで確認することが重要です。
ジェクターによるPKSの吸引・搬送
ジェクターを利用する場合、基本的な設備構成はシンプルです。
吸引ホース
↓
ジェクター
↓
排出ホース・配管
↓
回収場所
という流れでPKSを搬送します。
ジェクターは、お手持ちのコンプレッサー(圧縮空気)と接続するだけで、吸引・搬送・投入・排出(散布)を1台で行える空気搬送機です。
また、シンプルなストレート構造で、駆動部を持ちません。
既存の工場エアーについても、必要な圧力・空気量などの条件を満たしていれば利用できる場合があります。
吸引側を短く、長距離部分を排出側にする
ジェクターで搬送ルートを考える場合は、
吸引側をできるだけ短くし、長距離部分を排出側に取る
のが基本です。
吸引側は5m程度を推奨していますが、現場条件によっては10m前後で使用されるケースもあります。
例えば、
PKSの堆積場所
↓
短い吸引ホース
↓
ジェクター
↓
長い排出ホース・配管
↓
回収場所
という配置です。
ジェクター本体をPKSの近くへ設置し、吸引後の長い距離を排出側で搬送します。
PKSを長距離・高所へ搬送できる?
対象物や設備条件が合えば、ジェクターでは排出側で水平約200m程度の搬送を検討できる場合があります。
また、高低差についても条件が合えば垂直約100m程度の搬送を検討できる場合があります。
ただし、これらは搬送距離を保証する数値ではありません。
実際の搬送能力は、
- PKSの粒径
- 最大粒径
- かさ密度
- 水分
- 粉化状態
- 必要搬送量
- ホース・配管径
- 搬送距離
- 高低差
- 曲がりの数
- コンプレッサーの圧力・空気量
などによって変わります。
単純に、
「100mだから搬送できる」
と判断するのではなく、対象物と搬送ルート全体から設備構成を検討します。
既存のPKS搬送設備へ後付けする方法も
ジェクターは、既存のコンベアなどをすべて置き換えるためだけの設備ではありません。
例えば、
既存コンベアでPKSを大量搬送
しながら、
コンベア下へこぼれたPKSだけジェクターで回収
するといった使い方も検討できます。
また、
PKS回収場所
↓
ジェクター
↓
既設配管・追加配管
↓
既存の回収設備
という構成も考えられます。
設備条件に応じて、フランジ・ニップル・ボールジョイントなどを使用し、既存設備へ接続する方法もあります。
つまり、
主搬送設備はそのまま利用し、人力作業が残っている部分だけ空気搬送へ置き換える
という考え方です。
微粉が多い場合はジェクロンとの組み合わせも
PKSに細かな粉じんが多く含まれている場合には、排出側の粉じん処理も検討します。
エコ・ワークでは、ジェクターとサイクロン式の集粉機**「ジェクロン」**を組み合わせた設備構成も取り扱っています。
例えば、
PKS・微粉をジェクターで吸引
↓
ホース・配管で搬送
↓
ジェクロンで材料と空気を分離
↓
材料を回収
という構成です。
ジェクロンには集粉フィルターがあり、パルスエアーによる自動逆洗機能を備えています。
対象物の粒度や粉じん量、排出方法などを確認し、ジェクロンが必要かどうかを検討します。

PKSをフレコンへ回収することもできる
回収したPKSをフレコンバッグへまとめたい場合も、設備構成に応じて検討できます。
例えば、
コンベア下のPKS
↓
ジェクターで吸引
↓
ホースで搬送
↓
回収設備
↓
フレコンバッグ
という流れです。
これにより、
スコップで集める → 一輪車で運ぶ → フレコンへ投入する
といった工程を減らせる可能性があります。
特に細かな粉じんを多く含む場合には、ジェクロンなどを組み合わせて搬送エアーを処理しながら回収する方法を検討します。
PKS回収設備を検討するときに確認したいポイント
PKSの状態
- 粒径
- 最大粒径
- かさ密度
- 水分
- 粉化状態
- 異物の有無
必要な処理量
- 1時間あたりの回収量
- 1日に発生する量
- 必要な作業時間
搬送ルート
- 吸引距離
- 排出側の搬送距離
- 高低差
- ホース・配管径
- 曲がりの数
現在の作業方法
- スコップで回収しているか
- 一輪車や台車で運んでいるか
- 何人で作業しているか
- どこへ回収しているか
設備条件
- 使用可能なコンプレッサー
- 既存配管
- 排出先
- 集粉設備の必要性
こうした情報が分かれば、必要なジェクターの機種や設備構成を検討しやすくなります。
実際のPKSで搬送条件を確認
同じPKSでも、水分・粒径・粉化状態などによって搬送性は変わります。
そのため、
「このPKSをジェクターで吸引できるか」
「現在使用しているコンプレッサーを利用できるか」
「離れた回収場所まで搬送できるか」
「必要な処理量を確保できるか」
「ジェクロンを組み合わせた方がよいか」
といった点は、実際の対象物と現場条件を確認して判断することが重要です。
設備導入や設備改善をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
PKSの状態・現在の回収方法・必要搬送量・搬送距離・高低差・コンプレッサー条件・排出先などを確認し、現場に適したジェクターの機種や設備構成をご提案します。
よくある質問
PKSはジェクターで吸引できますか?
対象物や設備条件によっては可能です。
実際にPKSをジェクターで吸引・搬送している様子は、記事前半の動画でご覧いただけます。
ただし、必要な搬送能力は粒径・水分・搬送距離・高低差・コンプレッサー能力などによって変わります。
コンベア下にこぼれたPKSも回収できますか?
吸引ホースを取り回せる条件であれば、コンベア下や設備周辺に堆積したPKSを吸引回収する方法を検討できます。
実際の作業では、設備停止など現場の安全手順に従う必要があります。
回収したPKSを離れた場所まで搬送できますか?
条件が合えば、吸引したPKSを排出ホース・配管で離れた場所まで搬送できます。
搬送距離だけでなく、高低差・曲がり・ホース径・必要搬送量・コンプレッサー能力なども確認します。
粉状になったPKSも回収できますか?
対象物の状態によって異なります。
微粉が多い場合には、搬送可否だけでなく排出側の粉じん処理も重要になるため、ジェクロンなどの集粉設備を組み合わせる方法も検討します。
既存のPKS搬送設備があっても導入できますか?
設備条件によっては可能です。
既存のコンベアなどはそのまま使用し、こぼれ・残留物の回収工程だけにジェクターを使用する方法や、既存配管へ接続する方法も検討できます。
まとめ
PKSはバイオマス燃料として大量に取り扱われる一方、荷役・搬送工程では、
- コンベア下へのこぼれ
- 設備下・狭所への堆積
- 荷役後の残留
- 回収後の人力運搬
- 粉化したPKSや粉じん
などが課題になる場合があります。
こうした作業を改善するときは、
「PKSをどう回収するか」だけでなく、「回収したPKSをどこまで運ぶか」まで一つの工程として考える
ことがポイントです。
ジェクターを利用すれば、
吸引 → 搬送 → 目的の場所へ排出
を1台で行うことができます。
現在、スコップ・一輪車などによるPKSの回収・運搬を行っている現場では、空気搬送によって作業を省力化できる可能性があります。
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